
家の庭に緑を増やしたいと思っても、実現させるまでの道のりは意外と困難です。とくにアパートや借家の場合は勝手に庭を触れないことが多いですし、マンションのベランダやバルコニーには土を敷くわけにもいきません。そこで便利なのが鉢植えというスタイルです。鉢植えであれば土は最小限で済みますし、配置換えなども比較的スムーズにできるでしょう。
しかし年ごとに植え替えるパンジーなどの花ならともかく、「木」を鉢植えにすることはできるのか不安な方も多いと思いのではないでしょうか。今回は庭木を鉢植えにすることについて、できる庭木の種類から鉢植えを作る方法まで詳しく説明していきます。

目次
鉢植えできる庭木ってどういうもの?
じつのところ、庭木としてあげられるような木のほとんどはいずれも鉢植えにすることができます。というのは植物は基本根を張るため、植木鉢の大きさに合わせて木の大きさも左右されやすいから。それでもだんだん大きくなっていくことを考えると、できるだけ次の条件に合わせたほうがよいといえるでしょう。
比較的小ぶり
マンションのベランダで育てるならば上の階までの「高さ」がありますし、大きくなりすぎると植え替えも一苦労です。そのため比較的小ぶりな植物を選ぶようにしましょう。
ただし苗では小さく見えても、その後大きく生長する植物は多いです。実際にはどのくらいまで生長するか、しっかり調べたうえで植える庭木を決めてください。
根を張りすぎない
根を張り巡らすような庭木は頻繁に鉢の大きさを切り替えないとならない一方、根がしっかりと土を抱え込むため植え替えにも一苦労です。また複数の植物を同じ鉢に植える「寄せ植え」にも向きません。
鉢植えでも剪定は必要!
庭木を鉢植えにした場合は木が小振りになることが多く、何もせずそのまま育ててよいように見えます。しかし実際はささいな状況が大きく樹形に影響することもあり、むしろ繊細に育てていく必要があるでしょう。
余分な枝は早めに切る!
鉢植えにした植物は土から得られる養分が限られるため、特定箇所に栄養を集中させる傾向にあります。とくに「徒長枝」など生長途中の枝はそれだけ栄養を使っているというあかし。伸ばしたくない方向であれば出来るだけ早く取り除いてください。
病気や枯れている枝も早めに!
木の大きさが小さいぶん、病気なども早く広がります。変色など病気の特徴がみられる・枯れている枝や葉は早めに取り除いてあげてください。
将来的な形を考える
鉢植えに限らず、剪定では将来的な理想形を据えたうえであえて刈り込みを強くすることも少なくありません。日光の当たり具合などにも意識を向けつつ、それぞれの樹木ごとの理想形に近づけることを意識してみましょう。
鉢植えにおすすめな庭木35選:花を楽しむ14選
ここからは鉢植えにおすすめする庭木を35種類ほどご紹介していきます。なお当サイトに個別記事がある場合、地植え中心ですがリンクを付けています。こちらも参考にしてみてください。
アメリカ原産で、春ごろに花を咲かせる落葉樹です。花びらに見える白い部分は葉が変化したものであり、1か月ほど花が持つのも大きな特徴でしょう。自然に木の形が整いやすいですが、鉢植えとして育てる場合は生長が抑えめになるよう剪定をおこなってください。
生活110番参考記事「ハナミズキの剪定は深追いしないのが肝心!美しく剪定するコツとは 」
ヤマボウシ(山法師・ミズキ科)
ハナミズキに似た植物ですが、こちらは日本~中国に自生しているもの。落葉・常緑の両方の品種がある広葉樹で、常緑樹タイプの方が小ぶりになります。またハナミズキは花が咲いた後葉が生長しますが、ヤマボウシは葉が十分に育った後花が咲くという違いが特徴的といえるでしょう。
生活110番参考記事「ヤマボウシは剪定不要?剪定・手入れのポイントを解説します 」
ライラック(モクセイ科)
ヨーロッパ原産、日本では「紫丁香花(ムラサキハシドイ)」やフランス語由来の「リラ」とも呼ばれる落葉樹です。和名の通り、紫~白色のまとまった花を咲かせます。また花を咲かせる期間が長く、その香りにも人気があるでしょう。ただし強い剪定や暑さに弱いので注意してください。
レンギョウ自体は中国から日本にかけてさまざまな種が分布しており、おもに黄色の花を木全体に咲かせる落葉樹です。剪定時期は冬が中心ですが、花が咲き終わって少し経った6月ごろから次の年の花芽が作られ始めるため剪定のしすぎには注意が必要となります。
生活110番参考記事「春に咲く黄色い花を持つ「レンギョウ」剪定方法や育てるポイントは? 」
ウツギ(空木・アジサイ科)
木の真ん中が空洞になっていることからその名が付けられた落葉樹です。一般に「卯の花(ウノハナ)」「雪見草(ユキミグサ)」とも呼ばれ、6月ごろに白い花を付けることが特徴でしょう。剪定は秋から冬を中心におこないます。
梅雨の風物詩ともいえる植物で、植える土の酸性度合いによって花の色が変化しやすいことで知られています。ただし花びらに見える部分はハナミズキやヤマボウシと同様、葉がもとになったもの。最近では秋まで花を楽しめる品種もあり、色の変化もひとつの魅力です。ただし前年秋に花の芽を付けるため、剪定時には要注意といえるでしょう。
生活110番参考記事「アジサイの剪定方法美しいアジサイを長く楽しむためのお手入れとは 」
なおアジサイの仲間ですが、花全体の形がウツギに似た「ノリウツギ」という種類の庭木も鉢植えとしておすすめです。
サルスベリ(ミソハギ科)
幹がなめらかであることからその名が付けられたといわれています。「百日紅(ヒャクジツコウ)」とも呼ばれ、夏から秋にかけての長い間赤い花をつける落葉樹です。剪定に強い木であり、その年に伸びた枝を切ってしまっても翌年春に枝を伸ばし開花することも大きな特徴でしょう。
アセビ(馬酔木・ツツジ科)
古くから日本で親しまれている庭木であり、日本庭園などでも使われている常緑樹です。花や葉・茎などは有毒で、「馬酔木」という漢字表記もその毒性から来たといわれています。白く膨らんだつぼ状の花をかたまって付けることで知られているほか、外来種・ヒマラヤアセビなども栽培されます。
カルミア(ツツジ科)
その花の姿が日傘をすぼめたように見えることから、花笠石楠花(ハナガサシャクナゲ)とも呼ばれる種類です。花を枯れた後も残しておくと枝が伸びず、翌年花を咲かせなくなるため、少し手間がかかるのが南天かもしれません。
シモツケ(下野・バラ科)
おしべが長く伸びた花が特徴の日本に自生する落葉樹で、中国原産・春に真っ白に花壇を彩るユキヤナギやコデマリも仲間に分類されます。シモツケ自体は5月ごろの花ですが、品種によっては秋ごろに花を付けることも。
エゴノキ(エゴノキ科)
鈴のように白い花がぶら下がって咲く、日本全国に自生する落葉樹です。名前の由来は実の皮に毒(えぐみ)があることから。暑さや寒さに耐性があり育てやすいですが、剪定しすぎると木の形が不安定になるため注意が必要です。
キョウチクトウ(夾竹桃・キョウチクトウ科)
環境汚染に強いため、街路樹としても使われることのおおい樹種です。インド原産で、葉の形状が「竹(夾竹)」に、花が「桃」に似ていることから名づけられました。
茎や葉に強い毒があることも特徴なので、剪定の際には軍手やビニール手袋で手を保護することを忘れないでください。また回収した剪定枝をリサイクルするような施設では引き取ってもらえないこともあるので留意しましょう。
・生活110番参考記事「夾竹桃は強い毒を持つ!毒の致死性・危険性と生育のポイント 」
ツクバネウツギの園芸種として、イタリアで交配された品種です。5月から10月までの長い期間にわたって細長く白い花を付けます。また細かな品種によって葉の色が異なることがあり、葉の鑑賞用に強く焦点があてられたものも。
ツバキ(椿・ツバキ科)
光沢や厚みのある葉が特徴的で、名前の由来になったともいわれる常緑樹です。江戸時代から品種改良がすすめられ、園芸品種は日本だけで2,000種以上にも及びます。ただし剪定で枝を落としてしまうと翌年花が咲かなくなってしまうため、枝は間引きが基本です。
生活110番参考記事「椿に剪定は必要?剪定がもたらす効果とくわしい手順を紹介 」
鉢植えにおすすめな庭木35選:香りを楽しむ4選
庭木の中には香りが強く魅力的なものもあります。なおマンションなど集合住宅では隣近所のクレームにならないよう、しっかり配慮して育てるようにしましょう。
ジンチョウゲ(沈丁花・ジンチョウゲ科)
漢字では「沈丁花」と書かれるように、においが「沈香」という香木、花の形が「丁子(クローブ)」に例えられる植物です。早い時期に花を咲かせることから、春の訪れを知らせる季語として使われることも。ただし病原菌にやや弱いため、剪定は控えめにしてください。
生活110番参考記事「香り豊かな沈丁花は毒にも薬にもなる!剪定方法や品種などを徹底解説」
モクレン(木蓮・モクレン科)
花がハスの花に近いことからその名が付けられ、レモンやライムなどの柑橘類に近い香りを出す中国原産の落葉樹です。なおモクレン自体は高木として生長するハクモクレン(白木蓮)・3~5mほどに留まるシモクレン(紫木蓮)・両者の高雑種であるサラサモクレン(更紗木蓮)の3種が代表的。剪定は新芽が出る前の花が咲いた直後におこないます。
なお根張りが強い樹種のため、地面が土だと根が鉢から飛び出してしまいます。コンクリートの地面に置くか、シートを敷くなどして対策してください。
秋に黄色い花を咲かせ、つやのある葉が特徴の中国原産常緑樹です。秋に強いにおいを出すことから「春のジンチョウゲ・夏のクチナシ・秋のキンモクセイ」のように三大香木・風物詩とされることも多いです。また金運を招くといわれることも。
剪定は春におこないますが、剪定しすぎると秋に花が咲かなくなるため注意が必要です。
生活110番参考記事「魅力がいっぱい!キンモクセイの剪定を行ってきれいに花を咲かせよう 」
梅雨どきに大きな花を咲かせる常緑樹で、秋に実が熟しても割れないことからその名前が付けられたとされています。なお庭木として使われる品種は「オオヤエクチナシ」ですが、こちらの品種は実を付けません。
なお花が終わるとともに翌年のつぼみが形成されるため、剪定は花が終わった直後におこないましょう。
生活110番参考記事「クチナシの剪定方法をわかりやすく解説!美しいクチナシの育て方 」
鉢植えにおすすめな庭木35選:料理を楽しむ7選
庭木のなかには果実や葉が食べられる種類もあります。料理にも彩を加えてみてはいかがでしょうか。
乾燥させた葉が「ローリエ」として、煮込み料理の香り付けなどに使われることの多い地中海沿岸原産の樹種です。生長が早い常緑樹のため、手を加えていくことに向いています。ただそのぶん葉が多くなりやすく、刈り込みや透かし切りを徹底していく必要があるでしょう。
地中海沿岸原産の常緑樹・ローズマリーは冬の時期に花が咲く植物です。一方剪定やハーブとしての葉を収穫するのは夏の時期。料理の香り付けやハーブティーとして楽しめます。
またローズマリーならではの特徴として、まっすぐ太く伸びるタイプのほかに、地面をはうタイプ・はう傾向があるタイプが存在することがあげられるでしょう。鉢植えの作り方によって使い分けられるのはうれしい部分です。
タイムは多くの種が地中海原産の常緑樹ですが、日本にもイブキジャコウソウとして自生します。
なおコモンタイム(タチジャコウソウ)やフレンチタイムなど多くのタイムはまっすぐ伸びるタイプですが、クリーピングタイムやイブキジャコウソウは地面をはって生長するタイプです。また香りも種によって違いがあるため、自分に合ったものを選ぶようにしましょう。
関東より南に自生する常緑樹で、梅雨の時期に果実が熟します。果実はジャムやお酒に漬け込むなどすることが多いですが、生食も可能。光沢のある濃い緑の葉で樹形も整いやすいため、街路樹や生垣としても使われることの多い庭木です。
生活110番参考記事「初心者にもおすすめ!ヤマモモの剪定方法や立派な果実を実らせるコツ 」
北アメリカ原産の落葉樹で、夏の時期に紫色の果実を付けます。収穫時期によってハイブッシュ系・ラビットアイ系の2つに分かれているほか、耐寒性・耐暑性によってハイブッシュ系がさらに3種類に分けられます。剪定は冬の時期を中心におこないましょう。
生活110番参考記事「美味しいブルーベリーは剪定で変わる?栽培しやすい品種はあるの? 」
秋に実をつける常緑樹で、日本から東南アジア・インドにかけてが原産の種が多くなっています。実をつけるためには剪定や摘果によって調整が必要になってくるでしょう。あまり土を選ばないため、基本どんな土地でも生長できるのも魅力のひとつです。
生活110番参考記事「みかんは剪定すると美味しくなる!?ワンランク上のみかんを作る方法 」
北海道から九州にかけて自生する落葉樹で、未熟な緑の果実は佃煮に、赤く熟したものは香辛料に、新芽や若葉は和え物など幅広く活躍します。
なおサンショウは樹形がまとまりやすいので、剪定は全体的なイメージを整えることが中心です。茎にとげがある種があるため、軍手などは忘れないようにしてください。
生活110番参考記事「日本最古の調味料はデリケート!山椒の剪定はしっかりやっておこう」
鉢植えにおすすめな庭木35選:緑や姿を楽しむ10選
35選の最後として、葉の色や全体的な姿を楽しめる庭木についてご紹介していきます。
ホワイトセージ(シソ科)
白みがかった葉が特徴で、原産の北アメリカでは「聖なるハーブ」としてネイティブ・アメリカンにも重宝されていました。食べることもできますが、ハーブとしては火を点けてお香として楽しむのが基本です。なお湿度が高い環境を苦手とするため、水をあげすぎない・風通しがよく湿気がこもらない場所を選びましょう。
鮮やかな緑の葉を持つ、沖縄からフィリピンにかけての比較的暖かい地域に自生する常緑樹です。庭に植えると10mを超える大きな木へと生長することがありますが、鉢植えであれば高さを抑えられます。
なお日が強すぎると葉が変色し枯れてしまう原因となるため、少し日がかげる場所を選ぶようにしましょう。剪定には強い木で、一部の時期をのぞき大胆に切っても生長が追いつきます。
生活110番参考記事「シマトネリコを剪定!シンボルツリーなら大切にしよう。剪定の方法 」
関東より南の暖かい地域に自生する常緑樹です。風でカサカサとそよぐ(戦ぐ)ことからその名が付けられたといわれるほか、葉を火に入れると膨らむために「フクラシバ」という別名もある種類です。
なお樹形が整いやすい木ですがほかの庭木と比べて成長が遅い傾向にあるため、剪定時には注意しましょう。
冬に赤い実をつける、厄よけの木として親しまれてきた常緑樹です。難を転ずるという語呂から、北東方向の守りや転倒しやすい水回りに植えられてきました。また細い葉を持つキンシナンテンなど、ナンテンのなかにもいくつか種類があります。
生活110番記事「南天を剪定してあげよう!真っ赤で綺麗な実を楽しむための育て方 」
ルスカス(ユリ科)
光沢のある葉のように見える部分は実のところ枝が肥大化して変化したものという、なかなか珍しい庭木です。あくまで「枝」の一部のため、白い小さな花を付けると葉の表面に乗っているように見えるのです。その珍しい姿は鑑賞にも向いています。なお、本来の葉の部分は退化しています。
なおクリスマスベリーなど、品種によっては赤い実を付けます。観賞用に選んでみてもよいでしょう。
バンクシア(ヤマモガシ科)
オーストラリア原産の常緑樹で、円柱状の小花の塊を秋ごろに付けます。比較的乾燥した地域で育つ植物ですが、東南部に自生するヒースバングシアやウォールムバンクシア、沿岸部に自生するコーストバンクシアといった品種は日本の高温多湿気候にも強いことで知られています。
キンポウジュ(金宝樹・フトモモ科)
オーストラリア原産の常緑樹で、和名としてハナマキ(花槇)という名前がついています。花の形がビンを洗うブラシに似ていることから近い種に「ブラシノキ」と呼ばれる種があるほか、英語ではキンボウジュ含めたフトモモ科カリステモン属全般を「Bottle Brush」と呼ぶほど。
樹形が整いやすく、剪定の手間がかかりにくいのも特徴のひとつです。
アカシア(マメ科)
オーストラリアからアフリカにかけて自生する常緑樹で、とくにオーストラリア原産の種が知られています。シルバーブルーに例えられる葉色が特徴のアカシアブルーブッシュやギンヨウアカシアなどが人気で、シンボルツリーとしてもよく使われているのです。
ただし生長につれて枝が垂れてきやすいので、剪定によってコントロールする必要があります。
ハイノキ(灰木・ハイノキ科)
オーストラリアからアジア・日本まで広く自生している常緑樹です。白い花が特徴で、その花はやがて紫色の実へと変わっていきます。ハイノキにはアルミニウムが多く含まれるため、燃やした後の「灰」が染め物の色を定着するための材料として使われました。それが名前の由来にもつながっています。
なお生長が遅いことから木の形が乱れにくく、剪定も最小限に抑えられるというのもひとつの魅力でしょう。
シラカシ(白樫・ブナ科)
日本に自生する木で、最大で20m以上に生長する細い葉の常緑樹です。ただし鉢植えや生垣として使う場合は根の張れる場所が限られるため、高さもそのぶん低くなります。木材としての色合いが白いことからその名が付けられました。
生長が早く、剪定によって樹形を整えることは大切な作業になります。必要以上に刈り込んでしまっても枯れることは少なく、自分でも作業はしやすいといえるでしょう。
生活110番参考記事「シラカシの剪定方法・時期|高さを抑えて病害虫からも守る育て方 」
庭に植わっていた木を鉢植えに移すことはできる?
庭づくりはどんな樹種を選ぶかによっても雰囲気が変わってきます。そのため庭を大きくリニューアルしようとすると、どうしても抜いてしまわない木も出てきてしまうでしょう。しかし庭には必要なくなったとはいえ思い出の木。鉢植えにして残しておくことはできないのでしょうか。
事前に準備すれば移せることも
地面に直接植えた木は遮るものがなく、根を広く深く伸ばしていきます。そのため鉢植えの場合と比べ何倍もの根を広げ、倒れないように支えています。
そのため鉢植えに限らず移植する際には根の周囲を切断し、移動しやすくする「根回し」をおこなわなければなりません。ただし少なからず庭木に対してダメージを与えることになります。また枝部分も大掛かりな剪定をし、重量を減らす必要もあるのです。上と下、両方を削るということを理解しておきましょう。
木が大きすぎる場合、鉢植えにすることは困難
樹齢が高い庭木や高さのある庭木に対して根回しをすることは、大きな負担をかけることになります。そのため鉢植えにした後、元のように木の勢いを回復することは困難です。
そのため生長しすぎてしまった庭木は鉢植えにできないと思っておいてください。
挿し木などで残すことも検討してみよう
ただ植物は枝を土に立てることで根がつき、やがて木へと生長する「挿し木」ができるということがポイントです。一部ながら思い出の木を残しつつ、その生長を楽しむことができるでしょう。
鉢植えの庭木は2~3年ごとに植え替えよう!
庭木を鉢植えにするとき、気を付けておきたいポイントが「定期的な植え替え」です。しかしどうして植え替えが必要になってくるのでしょうか。
理由1:土の栄養が不足しがちになる
植物は光合成によって自ら養分を作り出しています。言い換えれば、空気中の炭素原子(二酸化炭素)を「固定」し、養分へと作り変えているのです。しかし動物や植物にとっては「窒素」も必要不可欠。遺伝子情報を伝えるDNAだけでなく、光合成の場となる葉緑素を作るにも窒素原子が必要なのです。
しかしほとんどの植物は空気中の窒素を養分にすること、つまり「固定すること」ができません。そのため土の中で微生物が固定したもの、もしくは肥料に含まれる窒素原子を根から取り込んでいます。ただ鉢植えに植えるというのは同じ土で何年も過ごさせるということ。土の中の養分をすっかり取り込んでしまい栄養不足になってしまうおそれも高まります。
理由2:土が固まって根が張りにくくなる
掘り返したばかりのやわらかい土はすき間に空気や水が入り込んでおり、植物にとっても根を張りやすい環境です。しかし土自らの重みや水の流れによってだんだんと締め固められ、根が入るだけの柔らかさを保つことが困難になってしまいます。
先ほどもいったとおり、植物にとって根は養分や水分の取り入れ口。必要な養分を取り入れるだけの根がなければだんだんと弱っていってしまうのです。
理由3:根が収まりにくくなる
木は上へと伸びていくと同時に、下へ下へも根を拡大させていきます。しかし枝を伸ばす空間は充分にあるのに対し、鉢植えの場合、根を張れる場所は鉢の中の土に限られているのです。すき間を求めて生長し、鉢の中は根が密集した状態になります。
そのうちに根は鉢を飛び出してしまうほか、複雑に絡み合ってしまうことも。すると根から植物は弱ってしまい、枯れてしまうおそれが出てくるのです。
こうした理由から、庭木を鉢植えにする場合は2~3年に1回、前よりも一回り大きな鉢へ植え替えていくことが大切です。
鉢植えの庭木を植え替える方法
最後に、鉢植えの庭木を植え替える方法について確認してみましょう。なお地面に植えた庭木を鉢植えに植え替えるときも事前に根回しをする以外、基本は同じです。
手順1:土ごと庭木を鉢から取り出す
土を掘り返さず下から押すなどして、鉢から庭木を土ごと取り出してください。このとき土を落としてしまうと庭木を必要以上に痛めてしまいます。
手順2:傷んでいる根は取り除く
十分に生長するスペースがなく傷んでいる根があれば、その部分を取り除いてください。傷んでいる部分は植物にとって病気にかかる原因となります。また根が抱え込んでいない土の部分があれば、そこも一緒に取り除きましょう。
手順3:新しい鉢を用意する
ひと回り大きな鉢を用意し、一番下に水はけ用の石やネットを入れます。その後新しい土を軽く入れてください。このとき用意する鉢のサイズは大きすぎないようにしてください。植え替えの手間が少なくなるように思えますが、実際は鉢の大きさだけ根は勢いよく生長しますし、植え替え当初の不安定な状態で倒れてしまう原因ともなります。
手順4:新しい鉢に庭木を植える
庭木を新しい鉢に移し、土を被せて固定してください。このとき新しい鉢植え満杯に土を入れるのではなく、水が溜まるよう数cm分余裕を持たせることが大切です。
手順5:肥料や水を与える
肥料を撒く、水をたっぷりあたえるなどして、ダメージの入った植物に養分を与えてあげましょう。新しい土と古い土や根をなじませることにもつながります。
まとめ
庭がない共同住宅や自分で庭を改変しにくい貸家の方にとって、庭木を鉢植えにすることは緑を楽しむための重要な手段です。また気温が低い地域で寒さに弱い植物を育てるにも必要不可欠といえるでしょう。しかし鉢という小さな環境は、庭木にとっては狭く、いずれ住みにくくなってしまうもの。定期的に植え替えをしていくことで庭木を元気に保てるようにしましょう。
ただいくら鉢植えとはいえ、大きくなってくれば植え替えも大変でしょう。剪定のプロなど植物の専門知識を持つ人々の手を借り、枯らさないよう手を尽くしてみてくださいね。
(この記事は2019年2月19日に加筆・修正しています)
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