ヤマボウシの剪定方法・時期を解説!ポイントは花芽と葉芽の見極め

2023.11.20

ヤマボウシの剪定方法・時期を解説!ポイントは花芽と葉芽の見極め

ヤマボウシを剪定する際には、花芽と葉芽を見極めることが重要なポイントです。

なぜなら、花芽と葉芽は見た目がよく似ており、花芽を残すよう剪定しないと、花が咲かなくなってしまうからです。ヤマボウシは剪定時期である冬に花芽と葉芽どちらもなっているので、誤って花芽を切り落としてしまわないよう注意しましょう。

ヤマボウシを育てている方は、この記事でご紹介する剪定方法を参考に、剪定にいどみましょう。また、後半ではヤマボウシの育て方についてもふれていきます。

※対応エリア・加盟店・現場状況により、事前にお客様にご確認したうえで調査・見積りに費用をいただく場合がございます。

ヤマボウシの剪定時期・剪定方法

ヤマボウシの剪定には、適した時期や方法があります。それを知らずに剪定してしまうと、花が咲かなくなったり樹形が乱れやすくなったりすることがあります。剪定によってヤマボウシの魅力を損なってしまわないよう、ここでしっかり基本を押さえておきましょう。

剪定時期は冬の11~2月

ヤマボウシの剪定は、11月~2月におこないます。常緑ヤマボウシの場合も、剪定時期は基本的に同じです。

ヤマボウシのひとつの魅力である「花」のつぼみ(花芽)は、花が咲くと同時に来年の分が生長してきます。そのため、長く伸びた枝が先端にあると、花の位置はだんだんと枝の先へ移動してしまうのです。

この状態で剪定をしてしまうと「花芽を切る」ことにつながり、次の年は花が咲かなくなってしまいます。もちろん高さを大きく調整する際にはある程度覚悟が必要ですが、できれば次のつぼみが用意される春になる前に剪定をし、つぼみをなるべく残すことが大切です。

ヤマボウシは透かし剪定が基本

ヤマボウシは自然に樹形が整いやすいことから、風通し、日光の通りをよくする程度の軽い剪定(透かし剪定)がよいとされています。しかし、庭木としてボリュームを整えるために、太めの枝を切り落とす剪定も定期的には必要です。

ただし、太い枝を落とすとそのぶん細かい枝(徒長枝)が生えやすくなり、バランスを崩しやすくなります。そのため、まずは透かし剪定をしてから太い枝を剪定するようにしてください

剪定のポイント
【1】透かし剪定では、上向きに伸びる「徒長枝」や、幹の根元から生えてくる「ひこばえ」、枯れ枝を落とします。枝を切る際には、根元から切り落とすようにしてください。

【2】太い枝を切る際には、切った後の樹形をイメージしながら慎重におこないましょう。

【3】枝の幅を減らしたしたいときは、枝の付け根から切り落とします。

【4】高さを抑えたい場合は、「車枝」の上を切り落とします。

【5】花芽を切り落とさないよう注意してください。(詳細は次の剪定では「花芽」と「葉芽」に注意で解説します。)

冬以外に剪定をおこなう場合は……
冬以外でも風通し、日光の通りをよくする「透かし剪定」に関してはおこなっても基本的には問題ありません。しかし、花が咲いたり実をつけたりする春から秋は、ヤマボウシの魅力を損ねないよう、太い枝を剪定するのは避けたほうがよいです。

剪定では「花芽」と「葉芽」に注意

ヤマボウシの剪定のポイントは「花芽を落とさず、次の年も花を楽しめるようにすること」。それを実現させるために知っておきたいのが「花芽」と「葉芽」を見分ける方法です。

花芽と葉芽を比べると、花芽は一般的に膨らみがあり丸みをおびていることが多くなっています。一方葉芽はとがった形状になっています。

花芽ができるタイミング

ヤマボウシの特徴として再度押さえておきたいのが、花が咲く時期になると既に次の年用の花芽ができつつあること。また、木は大きく広がるものであり、それに伴い花の位置も外側・外側へと移動していきます。

そのため、枝が伸びて花が咲いた時期、花が咲いた部分に合わせて枝を落としてしまうと花芽も一緒に取り除いてしまい、次の年花を咲かせなくなってしまうのです。花が咲いた後に剪定をする場合は、花芽がどこにあるかを確認してから剪定をおこなうようにしてください。

ヤマボウシに強剪定はNG?

剪定の際には「思い切って木の形をいじりたい」、「小さく切り詰めたい」そんなこともあるでしょう。太い枝を落とすなど比較的植物の負担が大きい剪定を「強剪定」と呼ぶことがありますが、ヤマボウシの剪定では可能なのでしょうか。

樹形を整える手入れが必要になることも

ヤマボウシは太い枝を落としてしまうと、その断面から細い枝が出やすくなります。これを徒長枝といいますが、徒長枝は生長が早く、ときには樹形を大きく乱すことあるのです。

そのため、強剪定をおこなうことで、何度か細かい剪定を繰り返して、枝の伸び具合や方向を調整していく必要が出てくることを知っておきましょう。

定期的に剪定をすることが大切

木が伸びすぎている場合、しっかりと刈り込む必要が出てくるのはわかります。しかし、もともと樹形が整いやすいヤマボウシの場合、定期的に剪定をすることで強剪定の必要は小さくなるといえるでしょう。

そのため、花をきれいに咲かせるためにも年に1回、冬に剪定をおこなうのがのぞましいといえます。

ヤマボウシの育て方をおさらい

ヤマボウシを元気に育てるためには、剪定以外にも、日々のお手入れや季節ごとの対策がかかせません。そこで、ここからはヤマボウシの育て方をおさらいしてみましょう。また、ヤマボウシを育てるうえでよくある疑問もとりあげていくので、ぜひ参考にしてみてください。

栽培環境

ヤマボウシの栽培は、日当たりがよく乾燥した環境が適しています。土は水はけがよい土を好みます。また、植え付けは12月~3月におこないましょう。

水やり

ヤマボウシは、積極的な水やりは不要です。庭植えの場合、基本的に水やりはあまり必要ありません。しかし、鉢植えの場合、夏場の水やりは朝方におこなうようにしましょう。

肥料

肥料は冬~春のはじめごろに与えます。有機質肥料と化成肥料をまぜたものを使うとよいです。

害虫・病気対策

ヤマボウシは、イラガやカミキリムシの被害にあうことがあります。害虫がついている場合はすばやく取り除き、殺虫剤を散布しましょう。

また、病気についてはうどんこ病があげられます。うどんの粉ように白くなっている葉を見つけたときは、その葉を除去して薬剤を散布してください。

ヤマボウシは比較的、病害虫に強い木だといわれています。しかし被害を防ぐためには、定期的に剪定して風通しをよくしたり、薬剤を使用したりするとよいです。

よくある疑問

ヤマボウシの栽培では、「花が咲かなくなってしまった」「幹肌(幹の皮)がはがれる」といったトラブルが発生することがあるようです。その場合に考えられる原因についてみていきましょう。

花が咲かなくなった原因は?

ヤマボウシの花が咲かない場合のおもな原因として、剪定で花芽を落としてしまったことが考えられます。剪定で花芽を落としてしまった方は、次の剪定では花芽を落とさないよう注意しましょう。

また、病害虫の被害にあっていたり、育て方に大きな間違いがあったりする場合も花が咲かなくなることがあります。

剪定での失敗に心当たりがない方は、ヤマボウシに害虫がついていないか、病気にかかっていないかを確認し、被害を発見した場合はすぐに対処しましょう。そして、栽培環境・水やり・肥料の与え方などに問題がないかも確認してみてください。

幹肌がはがれるのは病気?

ヤマボウシの幹肌がはがれると、病気を心配される方もいらっしゃるようです。しかし、ヤマボウシは成長するにつれて古い幹肌が落ちていくものです。

枝や葉が枯れるなどの病害虫の被害がみられる場合には注意が必要ですが、そうでない場合は幹肌がはがれてもとくに心配する必要はないでしょう。

ヤマボウシが庭木として人気の理由

ヤマボウシは木の形が自然に整いやすいことから、「剪定が楽」といわれる木です。それがシンボルツリーや街路樹として人気な理由ともなっていますが、実際はどうなのでしょうか。

自然樹形を楽しめる

もともと日本の山にも自生しているヤマボウシの特徴として、自然にみばえがよくなることがあげられます。

また、下手に剪定で手を入れてしまうと木の形(樹形)が崩れてしまい、逆にみばえが崩れてしまうこともあります。そのため、ヤマボウシは一般的に、こまめな剪定はいらないといわれています。

きれいな花(総苞片)を長く楽しめる

ヤマボウシは基本的に6月ごろ、白色やピンク色の花を咲かせます。しかし、じつは花びらのように見える部分は総苞片(そうほうへん)という葉の1種なのです。

総苞片はすぐに変色してしまいやすいほかの花と比べ、1か月くらい残り続けます。そのため、花を長く楽しみたい人にとってヤマボウシは魅力的な庭木でしょう。

環境に左右されにくい

街路樹に選ばれることからもわかるように、ヤマボウシは細かい手入れを必要としません。また乾燥にも比較的強く、庭のシンボルツリーとしても好まれる大きな理由です。

またヤマボウシには植物に多いうどんこ病にある程度耐性があることも、庭木などに採用されやすい一因といえるでしょう。

お手入れの剪定が楽

ヤマボウシはあまり剪定の必要がない庭木だといわれることが多いです。しかし、軽く葉のついた枝を落として日光を通す「透かし剪定」はしたほうがよいといわれています。剪定すると生長がよくなるほか、栄養が十分にいきわたることで花つきもよくなるからです。

また、環境によっては横方向に伸びすぎ、大きなスペースを取ってしまうこともあります。さらに、葉が密集しすぎると病気にかかりやすくなるため、年にいちどはしっかり剪定をおこなうのがのぞましいです。

違う特徴を持つヤマボウシについて

ヤマボウシは冬に葉を落とす「落葉樹」のイメージを持つ方も多いようですが、近年では冬にも葉を維持し続ける「常緑樹」のタイプも増えてきています。

コンパクトな中国原産・常緑ヤマボウシ

常緑樹タイプのヤマボウシは従来のヤマボウシに比べて、「木がコンパクトにまとまりやすい」という特徴があります。また、通常よりもやや樹形がまとまりにくいといった部分もあり、シンボルツリーとして使うよりも玄関先などに向いているでしょう。

ただし寒さには注意!

常緑ヤマボウシで気をつけたいポイントは「冬の寒さ」です。中国原産、そのなかでも比較的暖かい地域の常緑ヤマボウシは通常のヤマボウシに比べると寒さに弱く、マイナス5度を下回ると枯れてしまうおそれが出てきます。

そのため、地面に植える際はとくに日当たりのよい、あたたかな場所を選ぶようにしてください。

なお、本来より寒い地域で生育するため、常緑といえども冬には半分程度葉を落とすこともあります。「常緑=落ち葉が出ない」わけではないので注意してください。

ヤマボウシと似ているハナミズキとの違い

ヤマボウシと似た木としてあげられ、同じくシンボルツリーや街路樹として人気の高いのが「ハナミズキ」です。このハナミズキとはどのような違いがあるのでしょうか。

ハナミズキはアメリカ由来だがヤマボウシの仲間

ハナミズキの別称は「アメリカヤマボウシ」です。ヤマボウシと同じ「ミズキ科」の植物で、ヤマボウシよりも少し早い5月ごろから花を咲かせます。ヤマボウシと同じく花びらに見える部分は葉になっており、こちらも比較的長く花が続くことで有名です。

別称の通りアメリカ原産の植物ですが、有名なエピソードが1915年(大正4)年、ワシントンから送られた40本のハナミズキです。これはその3年前、ワシントンへ贈った桜のお礼として贈られたもので、桜の花ことば「友情」・ハナミズキの花ことば「返礼」とともに語られることも多いでしょう。

その後戦争をへて、1970年代から日本でもハナミズキが街路樹として植えられるようになりました。

葉が先か、花が先か

ヤマボウシとハナミズキの大きな違いは「葉と花、どちらが早いか」です。ハナミズキは花を先に咲かせるのに対し、ヤマボウシはまず葉が芽吹いてから花の準備をはじめます。

そのために、ハナミズキはヤマボウシよりも開花が早く、かつ全面に花が目立ちやすいという特徴があるのです。

花びらの形が異なる

ヤマボウシとハナミズキを大きく分けるもうひとつの特徴が「花びらの形」(正確には花の下につく葉の形)です。ヤマボウシの場合、花びらは全体的にとがり気味の形を示します。しかし、ハナミズキの場合は花全体がまるく、かつ桜のように先端に切れ目があるのが特徴です。

このように、ハナミズキはヤマボウシといっけん似てはいるものの、ハナミズキならではの特徴や剪定方法もあるのです。

まとめ

ヤマボウシは基本的にこまめな剪定は必要としない木ですが、木の大きさや幅をコントロールしたり、病害虫の被害を予防したりするためには定期的な剪定が必要です

ヤマボウシの基本的な剪定は軽めの「透かし剪定」で、しっかり剪定する場合には冬におこなうのがよいです。剪定の際には、花芽のついた枝を切ってしまわないよう注意しましょう。花芽を落としてしまうと、次の開花時期に花が咲かなくなってしまう原因となります。

このように、比較的剪定の手間が少ないヤマボウシですが、きれいな花を咲かせるためには正しい方法で剪定しなくてはなりません。そのため、自分で剪定するのが不安な方は、剪定のプロの手を借りるのもよいでしょう

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