ぶどうの剪定は1月中にやろう!美味しい実をつけさせる方法を紹介

2023.11.20

ぶどうの剪定は1月中にやろう!美味しい実をつけさせる方法を紹介

ぶどうの剪定は、やり方を間違えると枯らしてしまう危険性があることから、慎重に取り組みたい手入れです。注意点はたくさんありますが、うまく剪定できればご家庭でぶどうの実を収穫することも夢ではありません。

この記事では、ぶどうの剪定について、時期や状況ごとに適した剪定方法を紹介していきます。ぶどうの木の特徴や被害の多い病害虫についても触れていますので、育てる上で役立つ情報が得られるでしょう。

※対応エリア・加盟店・現場状況により、事前にお客様にご確認したうえで調査・見積りに費用をいただく場合がございます。

ぶどうの剪定は1月にやる

ぶどうの剪定をおこなう時期としては、木から葉がほとんど落ちる1月ごろがおすすめです。理由としては、この時期は木の成長が止まっているので、枝を切り落としてもダメージが少なくすむからです。さらに、葉が抜け落ちていることから、枝のバランスを確認しやすいメリットもあります。
ぶどうの剪定は1月にやる
ただし、1月以外で剪定するのは控えたほうがよいといえます。1月の前後である、12月や2月は剪定しても問題ないことがありますが、それ以外では木が活動しているため、木にかかる負担は大きいです。

また、ぶどうの木の枝や幹の中には樹液が流れており、剪定をおこなうと切り口からもれ出してくることがあります。このように樹液がもれ出し続けると、ぶどうの発育や実のつき具合が悪くなってしまうのです。とくに、木が活動している時期は樹液の流れが活発になり、もれ出す量が増えるので、ぶどうの木にとって大きなストレスとなるでしょう。

ただ、1月の剪定でも樹液が多少もれ出すことがあります。樹液がもれ出すのを防ぎたいときは、切り口を保護できる癒合材を使うとよいでしょう。剪定したあとに癒合材を塗っておくことで、樹液の流出や病害虫の予防、切り口の治りを早めるなどといった効果が期待できます。

ぶどうを剪定する前に知っておいてほしいこと

ぶどうを剪定する方法によって、木の生育や、花や果実のつき具合が変わってきます。そのため、剪定する前にぶどうの枝や花、果実の特徴について知っておくと、剪定時に気をつけておきたいことを理解しやすくなるでしょう。

枝の特徴

ぶどうの枝は、つるのように支柱へまきつかせながら育てることが多いです。しかし、やや固めの枝なので、小さな剪定ばさみで太い部分を切ろうとすると、刃が負けてしまうこともあります。そのため、剪定の際は大小の剪定ばさみを用意しておくとよいでしょう。
ぶどうを剪定する前に知っておいてほしいこと
また、前年度の枝ならどの部分で切り落としても、花芽ができる特徴があります。花はやがてぶどうの実になりますので、どこで果実をつくるかの調整もある程度できるでしょう。

しかし、果実がたくさんほしいからといって、むやみに枝を切り落とすのはおすすめできません。実をつくるための芽が多いと、栄養や体力を消費し続け過繁茂(かはんも)が起こりやすくなるのです。

過繁茂とは、枝の葉や芽が許容量を超えることで生育が遅れてしまう現象です。葉や芽が多いと、風とおしや日当たりが悪くなってしまいます。日の当たらない葉は光合成ができず、エネルギーを消費するために、木にかかる負担も大きくなるのです。

花の特徴

ぶどうの花は、花畑などに咲いているものとは違って、それほど見栄えがよいものではありません。ぶどうの実となる部分が花になるのですが、あの紫色の実を小さくして緑色にしたような見た目となります。花である緑色の粒には花びらがついておらず、ほかには実をつけるためのおしべとめしべしかありません。

ただ、よく見ると不思議な形をしていることや、花から甘い香りがすることから、花見を楽しむ方もいるそうです。別の品種の庭木ではあまり見られない形の花なので、機会があれば観察してみるのも面白いかもしれません。

果実の特徴

前年度の枝を剪定して生まれた花が、受粉することでぶどうの果実ができます。ぶどうの品種にもよりますが、基本的には紫色や黄緑色の丸い果実となります。果実をつける時期は8~10月ごろであり、うまく育てることができれば20~30年の間、毎年実がつくこともあります。

ただし、市販されているぶどうのような見た目にするのは、慣れていない方だと難しいでしょう。お店で購入できるぶどうは、ビニールハウスで気温や水の量などを管理し、丁寧に花芽や枝の剪定をして育てられているからです。そのため、多少不格好な実ができたとしても仕方がありません。

ぶどうの剪定方法は年数によっても品種によっても変わる

ぶどうの剪定は、庭木のなかでも難しい部類であり、状況ごとに適切なやり方が変わってきます。とくに、植えてからの年数や品種は、剪定方法に大きくかかわりますので、知っておくとよいでしょう。
ぶどうの剪定方法は年数によっても品種によっても変わる

年数による剪定方法の違い

ぶどうの木は、段階を踏んで育てていく庭木となっています。そのため、植えてからの年数ごとに剪定の方法が変わってきます。

1年目は、余分な枝を剪定してぶどうの木をまっすぐ伸ばす段階です。伸びてきた幹から、横に伸びてくる細い枝を剪定します。これは、横に伸びる枝を取り除くことで、栄養を幹に集中させるためです。

2年目は、ぶどうの成長を促すための剪定をします。おもに、枯れた枝を取り除いたり、枝の本数を少なくしたりします。こうしておくと日当たりや風とおしがよくなるので、ぶどうが健康的に成長しやすくなるのです。

3年目以降では、品種ごとに適した剪定をおこないます。このころになると、木の形が安定してきますが、発育の遅い早いには個体差がありますので、それに合わせて枝を短く整えていきましょう。

品種による剪定方法の違い

ぶどうは、品種によって枝の成長する早さが変わります。その成長度合いによって、「短梢剪定」と「長梢剪定」のどちらで剪定をおこなうかが決まるのです。

短梢剪定は、前年度の枝についている芽を2~3個ほど残して切り落とすもので、短い枝をいくつも残す剪定です。木や枝の先端を意味する「梢」を短くするため、短梢剪定とよばれています。

短梢剪定が適している品種は、シャインマスカットやマスカットベリーAなど、生育が比較的緩やかな品種です。生育が緩やかなものは、枝にじっくりと栄養がたまるようにするとうまく実がつくようになるため、残す枝の長さや芽数を減らすようにします。

いっぽうで、長梢剪定は芽を5~10個ほど残るようにする剪定であり、巨峰やピオーネなどの生育が盛んな品種におすすめです。生育が盛んなぶどうは、枝をばっさりと短くしてしまうと、その枝を伸ばすためにエネルギーを使う傾向があります。それにより、果実をつくるのに使う栄養や体力が足らなくなり、実のつき具合が悪くなってしまうのです。

そのため、樹勢の強い品種については、できるだけ枝や芽を残す長梢剪定がよいとされています。ただし、枝が長すぎて、木のバランスが悪くなるときは短梢剪定をおこなうこともあります。そのときの状況に合わせて、ぶどうの木を剪定するようにしましょう。

若いぶどうの剪定方法

植えはじめのぶどうの剪定は、その後の木の形や生育に大きくかかわります。そのため、このときから丁寧に剪定をおこなっていきましょう。

11~2月ごろに鉢植えや地面にぶどうの木を植えたあと、すぐに幹を剪定します。幹を剪定しておくことで、まっすぐ枝が伸びやすくなるのです。

地表に見えているぶどうの木の長さについては、鉢植えの場合は30~40cmほどで、地植えの場合は40~70cmぐらい残るように切り落とします。その後は、まっすぐな枝から伸びてきた細い枝を軽く切り落とすぐらいで、それほど強い剪定はおこないません。

3年目以降のぶどうの剪定方法

3年目以降は、ぶどうが健康的に育つように、品種ごとに適した剪定をおこないます。ただ、犠牲芽剪定という剪定方法についてはどの品種でも共通の方法なので、はじめに紹介していきます。

ぶどうの剪定は「犠牲芽剪定」

ぶどうを剪定するときは、芽の節で枝を切る「犠牲芽剪定」が主流です。節の部分で枝を切り落とすことで、切り口が節に守られるようになり、枯れ予防が期待できます。通常の庭木では、芽の少し上の部分を剪定することが多いのですが、ぶどうの木は枯れやすいためにこういった処置を取るのです。

短梢剪定

短梢剪定では、まずよく育っている枝が残るようにします。残す枝を選んだあとは、横から伸びている細めの枝を取り除きましょう。幹から伸びているぶどうの枝は、枝わかれさせないで育てると生育しやすくなるのです。

枝が1本だけになるように剪定したあとは、長さを短くします。芽を2個残す場合は3個目、3個残す場合は4個目の芽の節を、剪定ばさみで切り落としましょう。庭の広さに限界がある一般家庭では、木をコンパクトにできる短梢剪定のほうがおすすめなので、やり方を覚えておくと便利です。

長梢剪定

長梢剪定では、ぶどうの枝の太さや芽の間隔が適したものを2、3本選びます。判断は難しいですが、直径が10~20mmぐらいの太さで、芽の間隔ができるだけ狭いものがよいでしょう。残さない枝については根元から切り落とします。

そのあとは、芽が5~10個ほど残るように剪定しましょう。残す芽の適切な個数は、木の育ち具合やバランスによって変わります。このように、長梢剪定は慣れていないと難しい剪定なので、自力で難しい場合は剪定業者に任せることをおすすめします。

ぶどうを剪定したら誘引もしよう

ぶどうを剪定したあとは、残した枝を支柱に巻きつくようにする、誘引もおこなっておきましょう。とくに長梢剪定で残した枝は、上に向かって伸びているものが多いため、枝を平行に倒して光が均等に当たるようにしておきます。うまくいけば、枝から生えている芽の育ち具合が大きく変わらずにすむのです。
ぶどうを剪定したら誘引もしよう
地植えの場合は、枝の根元ぐらいの高さに、ぶどうの枝を巻きつけるための支柱を水平方向に設置しておきます。その後、枝を水平に倒していき、支柱へねじりながらまきつけましょう。

鉢植えの場合は、三角形ができるように3本の支柱を鉢の中に立てて、そこに枝をまきつける方法が主流です。支柱へまきつけるときは、芽が上を向くようにすると光がよく当たるようになります。

また、注意点として、剪定と同じ時期に誘引すると、ぶどうの枝が折れやすいことに気をつけてください。1月ごろはぶどうの成長が止まっており、枝の中が乾いた状態となっているため、剪定はやりやすいのですが、誘引時には枝を折りやすくなるデメリットがあるのです。そのため、1~2か月ほど期間をずらして、3月ごろに誘引をするようにしましょう。

ぶどうの実をたくさんつける方法

甘い果実をつけるぶどうを育てるとき、せっかくならよりたくさんの実をつけたいと考えるかもしれません。じつは、実を増やす方法にはぶどうの木を剪定する以外にも、摘果で実をつきやすくする方法と、挿し木でぶどうの木を増やす方法があります。

摘果で実を増やす

実のなり具合によっては、お互いの果実が干渉することで、うまく成長しなかったり腐ったりすることがあります。そうなると、とれる実の量が減ってしまうので、余分な果実を間引く摘果をおこなうとよいでしょう。

ぶどうの花が丸くなり、果実へ変化しているものとそうでないものが、入り混じっているときが摘果のタイミングです。まずは、房の根元近くから孤立して伸びている、副房とよばれる部分を小さい剪定ばさみで切り落とします。その後、実がぶつかりあう房の先端を切り落としましょう。

そして、バランスのよい房となるように、果実をいくつか間引いておきます。果実になる部分を取り除いている感じがして、気が進まない方もいるかもしれません。しかし、結果的に収穫できる実の個数を増やしたり、質をよくしたりすることにつながります。摘果はぶどうの実を増やすための大切な手入れなので、ぜひ実践してみてください。

挿し木で木を増やす

自宅の敷地に余裕がある方は、ぶどうの木を挿し木で増やして収穫量を底上げしてもよいでしょう。挿し木とは、剪定などで切り落とした枝を植えて育てることで、そこから木へと成長させて増やす方法です。

挿し木をおこなうのは、生育の盛んになる時期の3~4月ごろがおすすめです。挿し木用の枝は、1月に剪定した枝をビニール袋に入れて、冷蔵庫などで保存しておいたものを使用しましょう。

まず、挿し木の準備として、枝の切り口を下に向けて、全体の半分ほどが水につかるようにします。これは、水分を吸収させて枝を復活させるのが目的です。

丸一日水につけておき、枝の断面が緑色になったものは、挿し木として使うことができます。ただし、1日水につけても断面が茶色から変わらないときは、すでに枯れてしまっている枝なので、挿し木として使うことはできません。

枝を用意したあとは、土にうまくささるように切り口を斜めに切り落とします。また、地中に隠れてしまう芽についても取り除いておきましょう。そのままだと、地表だけでなく地中の芽も育てようとしますので、栄養を余計に使われてしまいます。

そして、切り口に発根促進剤を塗っておき、水で湿らした培養土にさしこめば、挿し木は終わりです。培養土は、ピートモスと鹿沼土を同量で混ぜたものか赤玉土を使います。

あとは、地表を乾燥させないように水やりをおこなえば、2~4週間ほどで枝から芽が出るようになり、さらに1~2週間ほどすれば切り口から根が出てきます。土にしっかりと根を張ることができたら、培養土から鉢植えや地植えに植え替えましょう。

病害虫に気をつけて!

ぶどうを育てていくのであれば、病害虫にも気をつけなければなりません。とくにぶどうの剪定のあとは、その切り口から病害虫の被害にあいやすくなります。ここで、どういった被害にあうかを事前に確認しておきましょう。

ぶどうがかかる病気

ぶどうがかかる代表的な病気のひとつが、花や果実などが腐る晩腐病です。これは、5月頃に発生しやすい病気で、月日とともに感染した部位からまわりへ広がっていきます。
病害虫に気をつけて!
一度感染すると治療は難しいため、対処法としては予防が主流となります。雨水によって菌に感染しやすくなるため、梅雨の時期は果実や花が濡れないように袋などを被せましょう。また、薬剤による予防もありますが、1月ごろの休眠期とそれ以外の活動期では適切な薬剤が異なるため、購入する前に適用できるかどうかの確認を取ってください。

晩腐病のほかにも、灰色かび病もぶどうがかかる危険性のある病気です。花や葉、果実に灰色のカビが発生する病気で、はじめは表面が茶色っぽくなるぐらいですが、次第にぶどうを腐らせてしまいます。この病気に関しても治療は難しいため、晩腐病と同様に、事前に対策しておくのが主な対処法となります。

病原菌は湿気を好むため、対策としては風とおしをよくすることが大事です。また、咲き終わって枯れた花に潜んでいることもありますので、古い花は取り除いておきましょう。灰色かび病に対応した殺菌剤を、7~10日ごとにまく方法も有効的です。

ぶどうにつく害虫

おもに発生する害虫は、ブドウスカシバとよばれるもので、この虫はぶどうの枝を食い荒らしていきます。幼虫は白色のいもむしで、成虫は細長い羽をもった黄色と黒色の混じった蜂のような見た目です。

ブドウスカシバに食い荒らされた部分から先の枝は、生育がうまくいかずに枯れてしまうことが多いです。5~6月ごろにぶどうの木へ侵入されることが多く、被害にあった枝は少し膨らんで見えます。

対策としては、5~6月ごろにブドウスカシバを駆除できる殺虫剤をまいておく方法があります。もし被害にあったときは、食い荒らされた枝を切り落として処分しましょう。枝に軽く力を入れたとき、外側から簡単に折れるようであれば被害にあっている危険性が高いので、ブドウスカシバが近くにいないかの確認をしておきましょう。

そして、木に巣をつくり、幹の中心に向かって食い荒らしていくコウモリガにも気をつけてください。地上で育ったコウモリガの幼虫は、5~6月ごろにぶどうの木へ侵入し、サナギになるために内部を食い荒らして、木の生育を阻害します。

対処法としては、薬剤を中央の幹に塗っておくことが挙げられます。また、ぶどうの木の根元付近に生えている雑草を駆除することも重要です。コウモリガの幼虫は、雑草を食べて育ってからぶどうの木を侵食しますので、除草しておくと予防になります。

この項目では、ぶどうによく被害が起きる病気と害虫について、それぞれ2種類ずつ紹介しました。しかし、このほかにも気をつけるべき病害虫はたくさん存在します。

ぶどうの状況や時期に適した病害虫予防や、被害にあったときの対処法を知りたいときは、実際に業者に見てもらうのがよいでしょう。業者なら、ぶどうを育てている環境や発生している被害などから、適した対処法を考えてくれます。

弊社では、ぶどうの木の剪定や、病害虫の対処法について詳しい業者を全国各地で紹介することができます。電話相談も無料で受け付けていますので、業者に頼むことを検討している方は、ぜひ弊社にご連絡ください。

まとめ

ぶどうの剪定は、1月ごろにおこないます。植えはじめは幹を短くして、横から伸び始める枝を取り除いて育てていきます。そして、2年目では間引く剪定をおこない、3年目からはぶどうの品種ごとに「短梢剪定」と「長梢剪定」の2種類から適切な方法で剪定します。

剪定が終わったあとは、ぶどうが生育しやすくなるように、枝を支柱へまきつける誘引もおこないましょう。時期としては3月ごろにおこない、剪定した枝を水平にして支柱へまきつけていきます。もし、ぶどうの果実を増やしたい場合は、摘果や挿し木がおすすめです。

そして、ぶどうを育てるときには、病害虫に侵食されないように注意してください。もし、剪定や病害虫に関して困ったことがありましたら、業者に相談するとよいでしょう。


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