
実を加工して作るオリーブオイルが有名なオリーブの木は、きれいな葉や花をつけることから観葉植物としても人気があります。「自家製のオリーブオイルを作りたい」「オリーブの花に魅了された」という理由で、ご家庭でオリーブの木を育てることに興味を持たれる方もいらっしゃるでしょう。
白く小さなオリーブの花や、光の加減で銀色に見える葉をご自宅で楽しむために、品種の特徴や剪定などの注意点を解説していきます。この記事で紹介したことが、少しでもオリーブの栽培の助けになればと思います。
目次
オリーブの花をきれいに咲かせよう!育てる環境と剪定方法がミソ!
オリーブは実を加工したオイルやピクルスが特に有名な植物です。葉は薄く白みがかった緑で、陽のあたり方で銀色にも見えるような色合いをしています。常緑樹なので一年中緑を楽しめる点もおすすめできるポイントです。
特徴的な葉に加えて、5月中頃から初夏にかけて白く小さな花を咲かせるので、観葉植物としての人気もあります。オリーブの花には「平和」の意味があり、ハトが枝を咥えた平和を象徴するシルエットや国際連合を象徴する花として描かれています。
実は生では渋みが強く、基本的にそのまま食べることはありません。オイルを採ったり塩漬けにしたり加工して楽しむのが一般的です。加工方法も品種によって向き不向きがありますので、実を栽培して楽しみたいという方は品種の確認を忘れないようにしましょう。
オリーブには多くの品種がありますが、日本で栽培されている主なものはイタリアやスペイン、アメリカなどを原産国とした8種類から10種類ほどです。それぞれの品種に、実の含油率や果樹の成長の仕方など特徴があるので、楽しみ方に合わせて品種を選ぶようにしましょう。
オリーブの育て方
オリーブはもともと地中海沿岸部や中東が原産の果樹なので温暖な気候を好み、寒さにはある程度の耐性はあるものの、日本では北陸以北での地植え栽培にはあまり向きません。日当たりのよい場所を好むため、鉢植えで室内栽培する場合でも移動のしやすいものを選ぶとよいでしょう。土は水持ち、水はけのバランスがよい物を用意します。
植え付けは鉢植え、地植えともに寒さの落ち着いてくる3月中旬から4月中旬におこないます。この時期はオリーブの成長期にあたるため、根と土が密着しやすく、枯れる心配が少ないです。またオリーブは浅く根を張るので、植え付け後に木を支える支柱を立て、ヒモで軽く括っておくとよいでしょう。
水やりは地表が乾いたら多めに上げるようにしましょう。日当たりのよい場所で育てるとそれだけ乾燥もはやいので、水の管理には十分注意します。乾燥には比較的強いですが、夏の気温が高い時期と重なると、オリーブの葉が落ちてしまうおそれもあります。
オリーブの実や花を楽しみたい場合は、違う品種の株を育てる必要があります。オリーブは同品種の花粉では受粉しづらい性質があるので、違う品種のものと育てることで実付きをよくすることができます。また肥料をあたえる場合は年に3回、3、6、9月の中頃に緩効性肥料か油かすをあたえるとよいでしょう。
オリーブの花が咲かない!?原因と対策
オリーブの花を楽しみにしていたのに、なかなか上手く咲かせることができないこともあるでしょう。そうした場合に考えられる原因と対策をご紹介します。
適温でない
オリーブは寒さを苦手とする果樹です。しかし花を咲かせるために、あえて寒気にあてる必要があります。室内で栽培していると気温が一定になりがちのため、オリーブが冬の訪れを認識できず、春になっても花芽が出ないおそれがあるのです。鉢植えで育てている場合は、適度に外へ出すようにしましょう。
日光不足
日光にあたる時間が短いと光合成による養分を生成できず、同じく花芽がつきにくくなるおそれがあります。室内で栽培していると葉の表面にホコリが付着して、日があたっているように見えても葉が十分な日光を受けることができていない場合も考えられます。
樹齢が若い
単純に樹齢が若いだけという場合もあります。オリーブは花をつけるまでに平均して4年から5年かかります。そのため栽培を始めたばかりの苗木では花をつけない場合があるのです。この場合は適切に栽培をしていけば数年後には花が咲くようになると考えられますので、根気強く待ちましょう。
新しい枝を剪定した
オリーブは、新しく生えた枝に花をつけるという性質があります。そのため新しい枝を剪定することは、花を剪定するのと同じ意味を持ってしまうのです。花を楽しみたい方は、新しい枝を切ってしまわないように注意しましょう。
きれいに花を咲かせるために剪定をしよう!
オリーブは美しい花を咲かせる木です。しかし、3章でご紹介したような剪定の失敗をしてしまうと、せっかくの花も咲かないでしょう。そのためオリーブを育てるには、剪定の知識を得ておくことが大切です。
オリーブは強剪定といわれる、大きく枝葉を刈り込む剪定をおこないます。時期は新芽や花芽が出てくる前の2月中頃がよいでしょう。日当たり、風通しのよい状態を作るため、内側に伸びる枝や重なり合う枝、真上に伸びる枝、ひこばえという根もとから伸びる枝などを切り落としていきます。
樹形を整えるための剪定をしたい場合は成長期の6月中頃から10月中頃がよいでしょう。この場合新しく伸び広がった枝を切ることになりますので、来年の花付きが悪くなるおそれがあります。
オリーブは品種によって隔年結果という、実がたくさんつく年とつかない年を繰り返すようになりやすいものがあります。この性質を抑えるため、摘果というあえて結実した実を摘む作業が必要になる場合があります。目安としては7月中頃から8月中頃におこないましょう。
鉢植えであれば片手持ちの剪定ばさみでも十分作業できるでしょう。地植えで栽培している場合は、ある程度大きく育った果樹を剪定することになります。そのため、両手持ちの剪定ばさみや脚立などがあると作業がしやすくなるかもしれません。
まとめ
オリーブは葉や花は観賞用として、実は食用としても楽しむことができる果樹です。気候の好みはありますが、屋内に鉢植えを置いて育てることも可能なので、栽培を悩んでいる方にもおすすめできます。寒さに対してやや苦手な面がありますが、それも鉢植えで室内栽培をすれば問題ありません。
日頃の手入れも特に難しい点はありませんが、花や実を十分に楽しむには日当たりや風通しを良くするために剪定や摘果作業など注意しなければならない点があります。自信がない場合はむやみに手を入れず、一度業者に相談してみることをおすすめします。
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