しだれ梅の剪定は時期が重要!しだれ梅の剪定・生育・取り扱いのコツ

2023.11.20

しだれ梅の剪定は時期が重要!しだれ梅の剪定・生育・取り扱いのコツ

しだれ梅は時代を問わず鑑賞用として広く愛されています。桃色の滝を思わせるようなその外観や大きく鮮やかに咲く花など、その美しい景観から近年では家庭用としても親しまれている樹木です。

しかし、このしだれ梅の美しい外観は、たしかな剪定技術・知識なしでは作り出すことができません。

それは、しだれ梅の樹形や大きく鮮やかな花は自然にできるものではなく、花芽を残して不要な枝をカットするという作業をおこなうことで作られているものだからです。

そして、樹形を整えて美しい花を咲かせることはもちろん、剪定は病害虫の被害を防ぐためにも大切なお手入れです。この記事で適切な剪定方法知り、理想のしだれ梅に育て上げましょう。

※対応エリア・加盟店・現場状況により、事前にお客様にご確認したうえで調査・見積りに費用をいただく場合がございます。

しだれ梅の剪定に最適な時期はいつ?

しだれ梅の剪定における重要な要素のひとつが、剪定をおこなう時期です。基本的には冬場の10~1月におこなうのが好ましいとされています。

剪定は枝を切断する作業なので、樹木に少なからずダメージを与えることになるのです。しかし、木が休眠に入る時期であればそのダメージは比較的少なくなります。

しだれ梅の場合は冬に休眠に入り夏に花をつけるので、10~1月が剪定に適している時期となるのです。

ただし、冬場にしか剪定をしてはいけないというわけではありません。込み合う枝を減らして風通しをよくし、軽く樹形を整える程度であれば、6月~7月に剪定をおこなうこともあります。

その際には、「芽」を切らないように剪定することが大切です。芽には葉として開く「葉芽」と花を咲かせる「花芽」の2種類があり、実った芽がどちらの芽になるかは7月~8月の夏場に確定するといわれています。

そして、確定するまでに花芽を切ってしまうと、その花芽はそれ以降、葉芽としてしか活動できなくなってしまうため、翌年の花が減ってしまうおそれがあるのです。

鉢植えの場合は時期が異なる

庭に直植えするだけではなく、鉢植えで栽培したり盆栽として育てられたりすることもあるしだれ梅ですが、鉢植えや盆栽の場合は庭植えの場合と剪定時期が異なります

鉢植えや盆栽の場合は、5月~7月の開花時期が終わったあとにコンパクトな樹形を維持するために強めの剪定をおこなうのです。

また、花後の剪定をしてもまだ枝が伸びすぎてしまうという場合は、10月下旬~11月上旬に花芽を切らないよう注意しながら、バランスを整えるようにしましょう。

しだれ梅の剪定方法(庭植え編)

地植えしているしだれ梅の剪定では、やや高度な作業が求められます。ご紹介する道具を忘れずに用意して、作業の際は細心の注意を払っておこないましょう。

必要なもの

・脚立(3脚のものが望ましい)
・剪定ばさみ
・手動または電動のこぎり

地植えのしだれ梅の剪定をする場合、成長具合によっては高所の作業が必要となることがあります。高所の剪定では脚立が必要です。作業中に倒れてしまうとケガにつながるおそれがあるので、安定性の高いものを選ぶようにしましょう。

また、枝の切断には剪定ばさみとのこぎりを使用しますが、それぞれ対応する枝の太さが異なります。剪定ばさみは細い枝を、のこぎりは太い枝を切断するのに適している道具です。

しだれ梅は地植えの場合、想像よりも枝が太く生長している場合があります。剪定ばさみでは切れなさそうな枝があるケースも考えられるので、大きめの刃物を用意しておくとよいでしょう。

剪定方法

剪定では、弱った枝や見栄えの悪い枝を間引いていきます。代表的な不要枝は以下のようなものです。枝の根本から切り落としていきましょう。

・不自然に立った枝
・完全に真下を向いてしまった枝
・ほかの枝と交わっている枝
・古い枝

不要な枝を残していると、本当に咲いてほしい枝に栄養が行き渡らず、貴重な栄養が無駄になってしまいます。効率よくしだれ梅を生育するためにも、不要な枝はしっかり剪定していくことが大切です。

そして、花芽がある枝は残して剪定をおこないます。基本的にはひとつの枝に対して5つほどの花芽がついている状態が望ましいといわれているので、数のバランスを見ながら作業するようにしましょう。

しだれ梅の剪定方法(鉢植え編)

鉢植えのしだれ梅の剪定は、前述したように時期が少しだけ変わります。それにともない剪定方法も少々変わってくるため、その違いをしっかり把握しておきましょう。

必要なもの

・剪定ばさみ
・手動または電動のこぎり(必要であれば)

鉢植えの場合は枝がそれほど太くなりにくいため、基本的には剪定ばさみで十分に作業できます。どうしても切れない枝がある場合は、剪定用のこぎりを利用しましょう。

剪定方法

鉢植えの場合は全体のバランスを維持することが重要です。不要な枝や枯れ落ちた花を落としつつ、全体的の長さをまとめていきましょう。落とすべき不要な枝は庭植えの場合と同じです。

剪定の目安としては、枝の長さを半分程度にしていくイメージです。この際に、必要な芽まで落としてしまわないよう、注意してください。

しだれ梅の剪定で注意するべき3つのポイント

しだれ梅の剪定は、その時期や方法以外にも注意しておきたい3つのポイントがあります。これをおこなうことで、安全に元気なしだれ梅を育てることができるでしょう。ぜひ参考にしてみてください。

癒合剤で切り口の手入れをする

しだれ梅の剪定をする際、枝を落とすと必ずできるものが切り口です。そして、この切り口を放置すると、その部分から細菌などが入ってしまうおそれがあります。

そこで、樹木への細菌被害を防ぐために剪定後に必ず切り口に塗っておきたいのが“癒合剤”と呼ばれる薬品です。

癒合剤はホームセンターなどで販売されています。さまざまな種類の癒合剤が販売されており、庭木や盆栽、果樹など植物によって適したものが異なります。パッケージをよく見てご自身が育てているしだれ梅に合うものを選びましょう。

毎年欠かさず剪定をおこなう

しだれ梅は、1年でも剪定しない年があると枝や葉が生い茂ってしまいます。四方八方に枝を伸ばして日当たりも風通しも悪くなるため、花つきが悪く害虫が寄りつきやすい木になってしまうのです。

また、前述したように、古い枝が残ることで新しい枝葉に栄養がいかないという事態も招きます。大切なしだれ梅の木を守るためにも、剪定は毎年欠かさずおこなうようにしましょう。

しだれ梅の剪定で注意する点

安全対策を欠かさない

鉢植えの場合は問題ありませんが、前述の通り、地植えのしだれ梅の剪定は高所作業が必要なケースがあるため危険がともないます。安定性の高い脚立を使用するなどの配慮を忘れずにおこないましょう。

また、剪定中ははさみやのこぎり、先の尖った枝などでケガをするおそれもあります。強度のある生地の服を着たり刃物に耐性のあるグローブをつけたりして、自身の身を守る対策もしておきましょう。

そして、剪定後は木の枝などが地面に散乱します。そのまま放置しておくと普通に歩くだけでも木が引っかかったり刺さったりしてケガをしてしまうかもしれません。

作業が終わり次第早めに枝を処分して、自分はもちろん、家族や近隣の方も安全にお庭の近くを歩けるようにしておきましょう。

剪定は病害虫対策にもなる!

しだれ梅の剪定には、見た目を整える以外にも大きな役割があります。それは、しだれ梅の健康を守る役割です。

梅の木は比較的虫を寄せ付けやすいという特徴があります。虫が住み着いてしまうと景観をくずすばかりか、木や花を枯らしてしまうこともあるため注意が必要なのです。

こまめな木の状態チェックは、病気や害虫の早期発見につながります。しだれ梅が傷んだり枯れたりしないよう注意深く観察し、異常がある場合は早めの対処を心がけましょう。

注意しておきたい病気

しだれ梅がかかるおもな病気は3つあり、4月~7月に発生することが多いといわれています。

病名 症状 発症しやすい条件
黒星病 葉や花に黒い斑点模様が浮かび上がってきてしまう 雨粒の跳ね返りなどで菌が飛散するため、雨の多い時期に発症しやすい
うどんこ病 葉や花に白い粉状の物質が付着してしまう 菌は風で運ばれ、温度が低く涼しい場所で繁殖するため、春や秋に発生しやすい
すす病 しだれ梅全体に、文字通り“すす”のようなカビが生えてしまう 害虫の排泄物に寄生する菌なので、害虫が発生しやすい時期に発症しやすい

基本的に、病気が発症してしまった部分は切り取って処分するしかありません。被害拡大や翌年以降の再発を防ぐためには、殺菌剤などの薬剤を使用してあらかじめ菌がつかないよう予防しておくことが大切です。

ただし、薬剤散布は種類や使用方法を間違えると、樹木にダメージを与えてしまうおそれもあります。自分での散布が不安な方は、一度プロに相談してみるのがよいでしょう。

注意しておきたい害虫

注意が必要なのは病気だけではありません。すす病の原因となるものも含めて、しだれ梅に寄りつく代表的な害虫4種類をご紹介します。

害虫 症状 発生時期
アブラムシ 新芽やつぼみに群がって植物の汁を吸い、生育を悪くする 4月~11月
カイガラムシ 庭木に寄生して幹や枝、葉などの汁を吸い、生育を悪くする 5月~8月
ウメケムシ 枝と枝の間(木の股の部分)に集団で生息し、葉を食い散らす 幼虫は3月下旬~4月上旬、成虫は7月中旬~9月中旬
ハマキムシ 葉にくるまって身を隠し、葉を食害する 4月~11月

害虫は基本的に、真冬以外いつでも発生する危険性があると考えたほうがよいでしょう。駆除方法もひとつではないので、それぞれの効果的な駆除方法を覚えておく必要があります。

アブラムシ、カイガラムシの幼虫、ハマキムシ、ウメケムシは殺虫剤を散布することで駆除することができます。ただし、ハマキムシのように身を隠している場合や害虫の数が多い場合は大量の薬剤散布が必要です。

薬剤を大量に使用するのは植物への影響が心配だと感じる方もいるかもしれません。そのときは、カイガラムシの成虫におこなうように、虫をこすり落としたり、虫が棲みついている部分をまるごと取り除いたりして駆除しましょう。

しだれ梅を正しく手入れしてキレイに生育させよう!

ここまでは、しだれ梅をきれいに咲かせるための剪定について解説をしてきました。しかし、そもそも剪定以前に、しだれ梅が健康な状態でなければうまく花も咲いてくれません。

しだれ梅に適した生育環境が整っているか、以下を参考に一度確認してみることをおすすめします。日ごろから心を込めて生育することで、しだれ梅もきれいに咲いてくれるでしょう。

土や肥料にこだわろう

梅の木は水はけに優れた土と相性がいいといわれています。最初の土選びや土の交換をする際は、土の質にまで注目してみるとよいです。

地植えの場合は庭の土に約3割腐葉土を加えたもの、鉢植えの場合は赤玉土と腐葉土を6:4の割合で混ぜたもので育てるのがおすすめです。また、梅の生育には肥料も欠かせません。以下のタイミングで肥料を与えて、しだれ梅の成長を促しましょう。

・植え付け時:有機質の肥料や緩効性の肥料
・5月・6月・9月:株元に有機質の肥料

ただし、鉢植えの場合は、容量に限界があるので固形の肥料を与え続けるのが難しいこともあるでしょう。そのときは液体の肥料を与えても問題ありません。

肥料は与えすぎると逆効果になることがあります。ご紹介した頻度以上に肥料を与えないよう注意してください。

日当たり・風通しを意識しよう

梅の木は日当たりと風通しのよい場所でよく育ちます。これは地植え・鉢植え問わず、梅の木の共通事項です。

悪い環境にさらされても梅の木は育ちますが、やや元気がなくなる上に虫もつきやすくなるため、おすすめはしません。

庭植えと鉢植えで水のやり方を変える

植物の成長には、基本的に水が必要不可欠です。しかし、しだれ梅は庭に地植えしている場合と鉢植えの場合で水のやり方が異なります。

地植えの場合は雨水による水分のみでこと足りるため、基本的に水やりはしなくても大丈夫です。どうしても乾燥が気になる場合のみ水やりをおこなえば十分といえるでしょう。

逆に、鉢植えで育てている場合はこまめな水やりが必要です。目安としては、1日に2~3回水やりをしてあげられれば、十分な水やりができているといえます。この回数は夏や気温の高い日のもので、冬場は数日置いても問題はありません。

しだれ梅の剪定・手入れは業者に依頼するのもおすすめです!

ここまでにご紹介したお手入れをしっかりとおこなえば、自分だけでしだれ梅を育てることは可能です。しかし、剪定を自分でおこなうことに不安を感じる方や、日ごろのお手入れに自信がないという方もいらっしゃるでしょう。

そんな場合は、プロである業者に依頼するという選択肢もあります。自分で作業する場合に比べて費用はかさみますが、そのぶん安全かつ効率的に、プロの技術で剪定をしてもらえるのです。剪定作業の経験がない人にはとくにおすすめの選択肢だといえるでしょう。

業者に依頼した場合の費用は、剪定をおこなう樹木の高さによって異なります。以下の料金は剪定業者9社が提示している料金の平均値を算出したものです。

・3m以下:2,988円
・3~5m:6,860円
・5~7m:15,624円

7mを超える大木を剪定する場合については、とくに料金に大きな差がつきやすいため、明確な目安が提示されておらず別途見積りをとるよう促している業者が多いです。

詳しい金額が知りたいという場合は、業者に連絡して見積りをとりましょう。

また、業者によっては作業時間や人数で費用を決めている場合もあるので、上記の費用目安はあくまでも参考程度に考えておきましょう。

さらに、費用の決め方だけでなく、サービス内容や職人の腕などさまざまな点に違いがあります。ホームページや口コミサイトを参考に実績を確認したり、見積りをとって費用を比較したりして、納得のいく業者選びをしましょう。

まとめ

しだれ梅の剪定は時期が非常に大切です。あやまった時期に剪定をおこなってしまうと、来年以降の花つきに響いてしまうため、必ず正しい時期に剪定するようにしましょう。

また、しだれ梅は地植えか鉢植えかによって取り扱いが大きく変わります。水やりのタイミングから剪定の時期まで細かい違いが多いため、本記事の内容をしっかり把握しておいてください。

剪定作業は難易度こそ高いですが、うまくできれば自分の思い通りの庭が作れます。しかし、高所の作業も多くなってくるため、作業に慣れていない方がおこなうとどうしても危険がともなうでしょう。少しでも不安のある方は、業者に依頼してみてください。

業者探しに不安がある場合は、弊社にご相談いただくという方法もあります。ご相談窓口は24時間365日受け付けておりますので、いつでもお気軽にお電話ください。

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