
カルミアは花つきもよく色も鮮やかで「お庭がさびしいから何か植えたい」「彩りのよい花でお庭を飾りたい」と考えている方に人気の花です。しかし、カルミアの育て方でお悩みの方もいるかと思います。
この記事では、カルミアの土の選び方や日々のお手入れ、害虫が発生したときの対処法までご紹介しています。ぜひお庭に美しいカルミアを咲かせてみてください。
目次
カルミアの育て方①植え付けや植え替えのやり方
カルミアには多くの品種があり、色合いが鮮やかで、庭を彩る花としてとても人気のあるもののひとつです。しかし、苦手な気候や土壌も多く、カルミアの育て方には注意をはらう必要があります。
用意する土
カルミアは乾燥、過湿を苦手としています。そのため、水はけのよい土を用意し、地表を腐葉土や鹿沼土という風化した火山灰でできた軽石などで覆って、日差しによる乾燥を防ぐようにしましょう。鹿沼土と腐葉土を6:4で混ぜ込んで土を作ることで、カルミアに適した土を用意することができます。
また、土壌のpH値も生育に影響しています。カルミアはツツジ科の植物なので、弱酸性の土壌で生育しやすい特徴があります。市販のものは中性に調整されているものが多く、そのまま使ってしまうとカルミアが枯れてしまうおそれがあるので注意が必要です。
植え付け
植え付けは春先、もしくは秋口ごろが適期です。カルミアが高温や強い直射日光に弱いため夏場の剪定はさけましょう。また、冬場に剪定すると活動が低下しているため根付くのが遅くなります。苦手な環境で植え付けをおこなうと枯れの原因になるので、さけるようにしましょう。
鉢植えの場合は、根よりも一回り余裕のある鉢を用意してください。底に土の流出を防ぐための鉢底ネットを敷いて、4分の1ほどの土をいれ、そのあと元の土ごと埋めていきます。最後に多めに水を含ませてあげれば、植え付けは完了です。
植え替え
鉢植えで育てていると、やがて成長したカルミアを別の鉢に移す必要がでてきます。根が鉢いっぱいに広がってしまう根詰まりという状態になります。根詰まりを放置すると花つきや生育が悪くなり、場合によっては枯れてしまうこともあるのです。ただ、カルミアは根が細いので切れやすいため、頻繁な植え替えは成長を阻害したり、枯れたりする原因になるおそれがあるので注意しましょう。
時期や方法は、植え付けと同様になります。作業が終わった後に多めに水をあたえたら、しっかり根を張ってもらうために風のあたらない日陰に置いて、1週間ほど様子を見ましょう。
カルミアの育て方②水や肥料のあげ方
カルミアは乾燥、過湿ともに嫌う花なので水の管理が特に大切になってきます。また、肥料も同様にあたえすぎれば、根に悪影響がでる場合があるので注意しましょう。水の管理は、カルミアの育て方でも特に意識したい点といえるかもしれません。
水のあげ方
春先から秋の中頃までは、カルミアの生育期にあたります。十分な水をえられなければ、生育の悪化の原因になりますので注意しましょう。
夏場で気温が高い時期やほとんど雨が降らない日が続くときは、注意が必要です。土の乾燥が早い環境なので、こまめに水やりをするなど、管理を意識して枯らさないことが大切です。
この時期は、朝と夕方の2回にわけて水をあげるようにしましょう。特に夏場で水の管理がむずかしいときには、霧吹きで朝方や夕方に葉や茎に直接水を噴きかけて温度を下げてあげると効果があります。
冬場の水やりは、寒さへの耐性はそこまで高くないのであたたかい日におこなうことをおすすめします。冬場は気温が低く生育もおだやかなので、2・3日に一度水をあげるだけでよいといわれています。
肥料のあげ方
カルミアにあたえる肥料は、油かすや効果がゆっくりとでる緩効性肥料を使用します。あたえる時期は、3回あります。
1回目は、5月~6月にかけてあたえます。花を咲かせた後の花樹に体力を回復させるためのお礼肥としてあたえるものです。
2回目は、翌年の生育期のための養分となる寒肥をあたえていきます。秋口の9月中頃と冬の2月中頃の2回あたえていきましょう。
カルミアは細い根が、枝葉と同じくらいの範囲に浅く広がる性質があります。そのため、肥料をあげるときは根本だけでなく、枝が広がっている範囲に均等にまくようなイメージであげることをおすすめします。
また、根の細いカルミアは過度な施肥や即効性の肥料をあたえるとダメージをうけてしまいます。肥料は適切なものを適切な時期にあたえるようにしましょう。
カルミアの育て方③剪定や摘蕾のやり方
カルミアの育て方を知るうえで欠かせないのが、剪定と摘蕾です。カルミアは枝の伸びる勢いが、新しくでたものと古いものとで違う性質があります。そのため、適切に剪定や摘蕾をおこなう必要があるのです。
剪定のやり方
カルミアは樹形を整えるために、切り戻し剪定といわれる伸びすぎた枝を切る剪定が必要です。切り戻し剪定では伸びすぎた茎や枝だけでなく、内側に向けて伸びる枝や古くなった枝も付け根から切り落としましょう。切り戻し剪定には、風通しや日当たりをよくし、病気や害虫の発生を予防する役わりもあります。
剪定は、花あとすぐの5月から6月におこなうようにしましょう。カルミアは夏頃には新しい枝の先に新芽をつけるので、そのまえに剪定をする必要があります。作業が7月以降にずれてしまうと、誤って新芽のついた枝を切ってしまうおそれがあるので注意しましょう。
摘蕾のやり方
通常摘蕾とは、蕾や果実を減し残したものに栄養を集めることをいいます。しかしカルミアの摘蕾は、つきすぎた蕾や果実を減らすことで、結実に使う栄養を抑え株への負担を減らすことを目的としています。カルミアはもともと花つきのよい花樹なので、摘蕾は可能な限りおこなうようにしましょう。
膨らんできたつぼみの配置が、バランスよくなるよう意識しながら摘んでいきます。10月下旬から1月下旬にかけておこないましょう。これよりあとの時期に作業が伸びてしまうと、つぼみに無駄な養分が行きすぎてしまうので注意が必要です。
病害虫の予防法やカルミアの増やし方もチェックしておこう
カルミアにつく害虫や病気は、それほど種類もありません。ご家庭でもしものときにも焦らなくていいように、対策を覚えておきましょう。害虫対策も済めば、カルミアの育て方にも慣れ、株を増やして、お庭をもっと飾ることもできるかもしれません。
病気や害虫への対策
カルミアにつく害虫で代表的なものは、カイガラムシやアブラムシになります。いずれも春から秋にかけて、活動的になる害虫です。どちらの害虫も放置すれば花の養分を吸い取って、最悪の場合は花樹を枯らしてしまいます。
カイガラムシは、幼虫の時期であれば殺虫剤が効きます。しかし、成虫になったカイガラムシは外側が殻で覆われてしまうため、殺虫剤の効きかないことがあります。成虫の駆除は葉や花を傷つけないよう注意しながら、歯ブラシなどでこすり落とすようにおこないましょう。
アブラムシは、手袋をつけ、直接つぶしていくかカイガラムシと同じように歯ブラシ等で除去しましょう。大量に発生しているのであれば、薬剤を使うことをおすすめします。
また、褐斑病や花腐菌核病といった病気にも注意が必要です。褐斑病は、春から夏にかけて、葉に鉄サビのような色の小さな斑点が増えて広がっていき、次第に枯れてしまいます。日当たりや風通しの悪さが原因となっている場合が多いので、適切に剪定し、高温多湿に注意するようにしましょう。
花腐菌核病は花が咲き終わる時期に、花に水でふやけたような斑点が現れます。この斑点が次第に拡大していき、やがて花全体が腐敗してしまいます。多湿な環境で発生するので、風通しをよくしておきましょう。
種まきやとり木による増やし方
10月頃になると細長いさやのような実ができるため、収穫しておきます。11月頃にほぐした水コケやこまかな砂などを下地にして、さやから取り出した種をまきましょう。
種から芽がでるのは3月中旬ごろです。温度変化の少ない日陰で、下地が乾かないようにしながら管理します。発芽したら、半分ほどに薄めた液体肥料を1週間から2週間に1回程度を目安にあたえていきます。
また、幹や枝から発根をうながすとり木でも増やすことができるのです。5月から6月のあいだに、2、3年たった丈夫そうな枝を選びます。選んだ枝の付け根から、少し上の長さ程度で樹皮をとっていきます。
そのあと、よく水を含ませてほぐした水コケを巻き付け上からポリビニールなどでつつみ、はがれないように固定していきます。水コケが乾かないように適度に水をあたえると、3か月で根が張るのです。
水コケ全体に根が張ったら、春頃のあたたかくなる時期までまち、根の下あたりで枝を切り取り、そのまま鉢植えか地植えにしましょう。
まとめ
カルミアの育て方には剪定や土壌の管理など注意すべき点が多いです。ご家庭で生育することはそれほどむずかしくありませんが、苦手な環境や管理にかかる手間なども多い花樹です。
すべてに注意しながら栽培するとなると、時間も手間も相応にかかることになります。そういったときは、業者に相談することで、手軽にカルミアを楽しむことができます。
時間に余裕がない方や剪定に不安のある方でも業者に依頼することで、毎年美しい花が咲かせられるようになれば、お庭もより華やかになるかもしれません。
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依頼できる業者や料金について、詳しくは「生活110番」の「剪定」をご覧ください。
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