
みなさんは、幻の果実ともいわれるポポーをご存知ですか。「外国の果物だろうけど、味も見た目も想像できない」という人も、多いのではないでしょうか。ポポーは北アメリカが原産の、栄養満点の果物です。「森のカスタードクリーム」とも呼ばれることから、どれだけの甘さか想像がふくらみますね。
そんなポポーを、日本の一般家庭でも育てることはできるのでしょうか?今回は気になるポポーの育て方についてご紹介します。
目次
ポポーを育てる方法
ポポーの育て方は、いくつかあります。ポポーは温帯で育ちますが、寒さにも強いので、四季のある日本でも非常に育てやすい果樹です。
苗から育てるほうが手軽
ポポーは種から育てる方法もありますが、種によって受け継がれる性質が異なるため、安定して栽培することがむずかしい場合があります。また、秋の成長を始める頃に植え替えをおこなわなければならないことから、園芸店で苗を購入するのが確実といえるでしょう。鉢植えか地植えの、どちらかを選んで育てるのがおすすめです。
また植え付けをおこなう場合は、少なくとも2本以上植えましょう。ポポーは、受粉して果実が実る果樹です。雄しべから採取できる花粉の量が増えることによって、よりポポーは受粉しやすくなります。
鉢植えの場合
ポポーの特性として、最初の数年は成長速度が比較的遅い植物です。最初から大きな鉢植えでなくとも十分に育つため、苗より一回り程度大きな鉢を選ぶのがポイントです。ポポーの根が十分に生えるように、根の部分をよく広げて植えましょう。
ポポーの根はとても繊細ですので、触る際は注意をしてください。その後、土をしっかり敷き詰めると、ポポーの最初の準備が完了したといえます。
肥料は春先と、夏場から秋にかけてあたえます。いずれも即効性のある有機肥料を、土とよくなじませましょう。水やりも、こまめに鉢の土をチェックして乾燥しているようであれば水やりをおこないます。夏場の暑い季節や乾燥しやすい時期は、とくに土が乾いていないか気にしてみてください。
地植えの場合
地植えでポポーを育てる場合は、12月~3月頃までに植え付けをすませましょう。地域によって異なるのですが、おもに寒冷季節におこなうことが多いそうです。育てる場所は、太陽の日差しがあたる場所がよく、苗と苗の間隔は最低でも2~3メートルずつあけてください。
土は果樹に適したものや水の吸収がよい種類を混ぜ合わせるとよいとされています。その後は鉢植えの時と同様に、春先と夏場から秋にかけて数回肥料をあたえます。鉢植えと同じく、即効性の有機肥料を使ってみてください。水やりは、雨を吸収するので不要です。しかし雨が降らない日が続く夏の日差しが厳しいという状況なら、きちんと水やりをおこないましょう。
また、台風がくる季節はポポーの枝が折れてしまわないか心配ですよね。鉢植えの場合は室内に運べても、地植えでは厳しいところがあります。雨風が直撃しない場所に植えるのが一番よいのですが、むずかしい場合は頑丈なひもでくくって固定するなどして、ポポーを守ってあげてください。
ポポー育ての重要ポイント!受粉と摘果
春になり、4月頃になるとポポーの花が咲きます。ポポーの花には雄しべと雌しべがあります。受粉できるタイミングは、開花後数日とだそうです。しかし、ポポーの雄しべと雌しべで、開花のタイミングが少し異なります。そのため、受粉をさせるのはなかなか険しい道のりといえるのではないでしょうか。
そこでおこなう作業が、ポポーの育て方で重要となってくる、人工授粉です。雌しべの花は茶色に色づくと受粉できます。その後、雄しべの花粉を綿棒で採種し、雌しべの花に付けてみてください。雄しべのほうが、花粉がなるのが遅いので、雌しべの受粉できる期間が終わるまえに人工授粉をおこないましょう。
そして、受粉が成功したら、もっとも楽しみなのが摘果の季節である秋です。ポポーの果実は、大きく成長すると、その重みによって地面に落下します。その際に果実を触ってみて、柔らかくなっていれば食べごろです。残りの果実を手でもぎ取って収穫してもよいでしょう。
果実を収穫したあとは、元気な枝を数本残して間引きをおこなってください。次の年も元気なポポーを育てるためにも、古くて不要な枝は切り落として、残さないようにしましょう。新しい枝が、来年のポポーを支える役割を果たしてくれます。
ポポーの品種紹介
ポポーには、いくつかの品種があり、それぞれ大きさも味も異なります。代表的なポポーの種類を、いくつかご紹介します。
ウェールズ
ポポーの中でも、大きめの果実が実ります。重さでいえば350グラムほどですので、リンゴ1つ分より少し重いくらいです。ポポーの果肉は黄色のものが多いですが、この品種はオレンジ色となっています。日本での普及率も高く、人気の果実といえるのではないでしょうか。
ミッチェル
この品種の最大の特徴は何といっても、果実の大きさが巨大であることです。先ほど説明したウェールズも比較的大きな果実ではありますがミッチェル450グラムほどの大きさにもなります。さらに、しっかり甘味があり、「カスタードアップル」と呼ばれることもあります。
ペンシルバニアゴールデン
先述した2つの品種に比べて、大きさは250グラム程度で小ぶりです。しかし、育った果実はとても甘みが強いといわれています。ポポーの収穫時期は秋ごろですが、ペンシルバニアゴールデンは8月頃とはやいのが特徴です。
ポポーの育て方はご説明してきましたが、品種により収穫時期が異なります。育てたいポポーの収穫がいつなのかは、あわせて知っておきたいポイントです。
ポポーの剪定は必要?
摘果と間引きが終わったポポーの木は、どのようにすればよいか悩んでしまうと思います。ポポーは3年目あたりから、成長のスピードが、とてもはやくなるのです。
樹高が高くなる
ポポーの木を放置すると、なんと10メートル以上の高さにも育ってしまうことがあります。そうなってしまうと、庭の景観を損ねてしまうばかりか、実のなる季節になっても手での収穫が大変になってしまいますよね。
そのため、剪定をおこなって木の高さを調節することをおすすめします。2年目の摘果が終わり、ポポーが成長速度をあげる時期におこないましょう。剪定とは、間引きをした枝の枝先の部分や絡み合っている枝を切る作業です。幹に近い枝は実がなりますので、外側の枝の先を切るのがポイントです。
この時に剪定をおこなわないと、どんどん成長して管理ができなくなってしまうおそれもあります。剪定作業は、ポポーの育て方を説明するうえで欠かすことができない大事な作業です。
まとめ
ポポーを育てる方法は、鉢植えと地植えがあります。肥料や水をあたえて、ポポーの花が咲いたら、その時はぜひ人工授粉をおこないましょう。雌しべの受粉できる期間に、雄しべから花粉を採取し受粉させます。そうすることによって、摘果の季節においしいポポーが楽しめることでしょう。その後、間引きの作業をおこないます。
そしてポポーの育て方で欠かせない作業は、やはり剪定です。剪定は育った枝を切り落とす作業ですので、戸惑うこともあるかと思います。その時は、一人で悩まず業者に相談するのもよいのではないでしょうか。ぜひ、ポポーの自宅栽培にチャレンジしてみてください。
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