サルスベリ剪定に適した時期と方法は?こぶ対処法もわかりやすく解説

2023.11.20

サルスベリ剪定に適した時期と方法は?こぶ対処法もわかりやすく解説

毎年夏の初めから秋の終わりにかけて、可愛らしい赤やピンク、白の花を咲かせるサルスベリは、「百日紅」の名称でも愛される人気の樹木です。

そんなサルスベリは、成長がとても早く樹形が崩れやすいため、きれいな樹形を保つためには夏と冬の年2回に剪定をおこなう必要があります。花の咲きすぎや樹木が大きくなりすぎるのを防ぐ効果があるので、剪定方法と時期を知って正しくお手入れしてあげましょう。

このコラムでは、剪定初心者の方がサルスベリを育てる際に知っておきたいことや剪定時期・方法、剪定のコツをまとめています。サルスベリの生育環境を整える際にぜひ参考にしてみてください。

※対応エリア・加盟店・現場状況により、事前にお客様にご確認したうえで調査・見積りに費用をいただく場合がございます。

サルスベリの剪定時期は年2回

サルスベリは、成長が早い樹木です。上にも横にも大きく育つので、樹形を保つためには剪定をする必要があります。サルスベリの剪定時期は、おもに夏と冬の年2回となっています。このように、年2回剪定することを「2度切り」と呼び、長くサルスベリの花を楽しむためには必須のお手入れです。

まずは、年に2回ある剪定時期について、詳しく確認していきましょう。

夏の剪定は8月上旬


サルスベリの夏剪定は、8月上旬が適しています。8月上旬はサルスベリの開花期となっており、剪定をせずに放置すると花が咲きすぎてしまうおそれがあるのです。花は多い方が華やかと思われがちですが、多すぎるとひとつひとつにいきわたる養分が分散されて、貧弱な花しか咲かなくなってしまうのです。

そのため、適度に剪定をおこない花の量を減らすことで、きれいな花を楽しむことができます。また、夏に剪定をおこなうことはサルスベリ全体の風通しをよくして、病害虫の対策にも効果的です。夏の剪定は不必要な枝を切り落としたりする程度の軽めの剪定にしておきましょう。

冬の剪定は12~3月ごろ

サルスベリの冬剪定は、休眠期である12~3月ごろが適しています。休眠期はサルスベリへの負担が少なく、強めの剪定が可能になるためです。サルスベリの冬剪定は、おもに樹形を整えたり小さくしたりするためにおこないます。樹木全体のサイズを小さくしたい場合は、枝を短く切り落とす「切り戻し剪定」をおこなうことで、希望のサイズに整えることができます。

サルスベリは紅葉を楽しむことができる植物でもあるため、紅葉を楽しみたいという場合は、葉が落ち切ってから剪定をおこなうようにしましょう。

季節で異なるサルスベリの剪定方法

太陽の光があれば元気に育つサルスベリですが、元気がありすぎて育ちすぎるのは困ってしまうでしょう。育ちすぎを防ぐために剪定は必要ですが、間違った剪定をしてしまうと枯れてしまうこともあるので正しい剪定方法を知っておくことが大切です。時期だけでなく、剪定に必要な道具や環境にあわせた剪定方法も確認していきましょう。

剪定をするときに必要な道具

サルスベリを美しく剪定するときに必要となる道具は下記のものです。ホームセンターなどで手軽に購入することができます。

・剪定バサミ
1.5センチ程度の太さまでの枝ならカットすることが可能です。規定以上の太さの枝はハサミが壊れてしまうおそれがあるので無理にカットしないようにしましょう。

・剪定ノコギリ
剪定バサミでは対応できない太さの枝を切り落とすことができるノコギリです。木材をカットするノコギリではなく、剪定用のノコギリを使用しましょう。

・高枝切りバサミ
伸縮性のあるハサミなので、成長して届かなくなった枝もスムーズに切り落とすことができます。グリップが長いため、脚立がなくても高い部分の剪定が可能です。

そのほかに、ケガをしないための軍手や切り落とした枝を片付けるためのごみ袋も用意しておくと便利でしょう。

花がきれいな夏は軽めの剪定を

サルスベリの花をきれいに咲かせるためには、その年に伸びた「一年枝」という枝を夏に剪定する必要があります。一年枝とは、4月~5月ごろに新芽から伸びて、その年の秋に花を咲かる枝のことです。剪定方法としては、一年枝の花房下2~3節目を切っていきます。

一年枝を切る量は、サルスベリ全体の樹形を確認しながら、日光が当たりやすく風通しがよくなるように調節しましょう。

紅葉のあとの休眠期にはしっかりと剪定


休眠期である12~3月におこなうサルスベリの剪定は、夏の軽い剪定と異なり、枝を枝元から切って小さく仕立てていく“切り戻し剪定”をおこないます。翌年きれいに花が咲くように、伸びすぎて邪魔になっている枝を中心に切り戻していきましょう。切り戻しをすることで、新たな枝や芽を出し、樹木を楽しめる期間も長くなります。

新芽が出る前までに冬の剪定をすませ、翌年も元気に成長するようにお手入れをしてあげましょう。また、剪定後は枝の切り口に癒合剤を塗り、傷の回復の手助けや菌の侵入を防いであげましょう。

盆栽・鉢植えで育てている場合の剪定

サルスベリを盆栽や鉢植えなどで育てている場合、大きくなりすぎた部分を小さくする剪定をおこないます。軽く枝や葉を整える程度であれば、夏に剪定をおこなって樹形を整えることが可能です。

サルスベリの樹形を大きく変える場合は、木への負担が少ない冬の休眠期に切り戻し剪定をおこなうようにしましょう。

庭木剪定を失敗しないコツや注意点

サルスベリの剪定を自分でおこなう場合は、剪定のコツや注意点を知っておくとスムーズに作業を進めることができるでしょう。剪定する不要な枝の種類や作業する際の注意点をまとめましたので参考にしてみてください。

不要な枝を厳選する

剪定をするときには、まずは枯れてしまった枝や葉を取り除きます。変な生え方をしている枝の中では、内側に向かって伸びてしまった「逆さ枝」、根本から生えてきた「ひこばえ(ヤゴ)」、胴からのびる「胴吹き枝」などが代表例です。

●剪定が必要とされるおもな枝
逆さ枝:内側方向に成長している枝。
ひこばえ:株元から生えてきたひょろひょろとした枝。
胴吹き枝:ひこばえと同じ幹から伸びてきた枝。木の栄養を吸収してしまうので切り落とす。

交差枝:ほかの枝と絡み合っている状態の枝で、風通しを悪くする。
下垂枝:下方向に伸びて成長している枝。
徒長枝:長くて太く成長している枝。樹形を乱し、花もつきにくい。
平行枝:周りの枝と平行に成長している枝。どちらかの枝を切り落とす。

とくに「ひこばえ(ヤゴ)」はサルスベリによくみられる枝だといいます。これらは不要な枝ですので、付け根から剪定してしまってよいでしょう。そのあと全体をながめ、枝がからまりあっていたり、密集していたりするような部分を探します。そのような状態の枝があった場合は、その中から細い枝を剪定しましょう。

ケガや転落に気をつける

サルスベリの大きさによっては、脚立などを活用して剪定することもあるかもしれません。その際に地面が不安定だったり、脚立から身を乗り出したりする作業を無理におこなうと、ケガや転落をするおそれがあります。脚立を使う際は気をつけて作業しましょう。

自分で対応できないところの剪定は無理におこなわず、業者にお任せするほうがよい場合もあります。業者への依頼は、理想の樹形にしてもらえるメリットもありますので、自分での作業に困難を感じた場合は業者に依頼することをおすすめします。

サルスベリに「こぶ」ができた場合の対処法

サルスベリというと、特徴的なこぶの形を思い浮かべる人も多いと思います。じつは、あのこぶは自然にできたものではありません。サルスベリを剪定する際、何度も同じところを切ることによって生まれるのです。

サルスベリのこぶを取り除きたい場合は、冬の剪定の際にこぶの下の右側を切り落としましょう。また、こぶを作りたくないときは同じ場所で剪定するのを避け、ずらして剪定するようにしてください。

一方で、「こぶ仕立て」という剪定方法も存在しています。こぶ仕立てとは、毎年同じ場所の枝を切ることで、あえて枝先にこぶを作る剪定方法です。同じ場所を切ることで、ほかのところから余分な枝を生えてくるのを防ぎます

こぶ仕立てをおこなう場合、細い枝をすべて切り落として、太い枝を残すように剪定をおこなってください。太い枝だけを残すことで、枝先がこぶ状に密生して大きな花を咲かせることができます。

自分での剪定が難しいときは業者依頼が安心

サルスベリの花付きをよくし、枝の成長を助けるためには剪定をすることが必要不可欠です。しかし、サルスベリの剪定の特徴である「2度切り」や剪定をする順番など、知識や経験のない人にとっては少し難しく感じてしまうこともあります。

自分で剪定をするのが難しいと感じる場合は、剪定業者に依頼してしまうのもおすすめです。自分で剪定して失敗してしまうよりも、プロである業者にお願いしたほうが、身体的・心理的にも負担が少なく済みます。なにより剪定によって枯らしてしまうリスクを減らすことができるのです。

実際に業者を利用する場合、剪定の費用相場や業者を選ぶときのポイントを理解しておくことで、自分に合った業者を見つけることができます。剪定の費用相場や業者を選ぶときのポイントについては、以下でご紹介します。

植木の剪定を依頼するときの費用相場

業者に植木の剪定を依頼したときにかかる費用相場は、「時給制」「日当制」「単価制」の費用形態によって異なります。業者に剪定を依頼するときは、これらの費用相場を理解しておくことが大切です。

費用相場を理解しておくことで、実際に業者へ依頼したときに提示される費用が適切かどうかを判断する目安になります。費用相場については、以下の通りです。

【単価制の費用相場】

  • 低木(0m~3m未満):2,988円
  • 中木(3m~5m未満):6,860円
  • 高木(5m~7m未満):15,624円

※業者6社から平均値を算出しています

単価制の場合、時間ではなく植木の樹高によって費用が異なります。基本的にこの樹高は、0m~3m未満の「低木」、3m~5m未満の「中木」、5m~7m未満の「高木」の3つの高さに分類されます。

これらの費用相場は、植木の種類などによって異なることがあります。また単価制の場合、樹高が7mを超えると別途費用がかかることもあるようです。より詳細な費用を知りたいという場合は、業者に見積りを取って確認するようにしましょう。

【時給制や日当制の費用】
時給制や日当制の場合も、植木の種類や作業内容によって料金体制が異なる場合があるので、業者依頼する際に問い合わせてみるとよいです。作業時間や剪定箇所が少ない場合は、時給制や日当制の業者のほうが費用を抑えられるかもしれません。また、適切な費用かを判断するために、複数の業者から見積りを取るようにしましょう。

剪定業者を選ぶときのポイント


剪定業者を選ぶとき、いくつかおさえておきたいポイントが存在しています。ポイントをおさえてから剪定業者を選ぶことで、自分の希望に合った剪定業者を選ぶことができます。以下が、剪定業者を選ぶときにおさえておきたいポイントです。

  • 現地調査による見積りが無料
  • こちらの日程に合わせてくれる

現地調査による見積りが無料である業者の場合、植木の状態を見たうえで見積りを提示してもらうことができます。そうすることで後から追加料金がかからず、安心して依頼することができるでしょう。

また、日時に融通が利く業者であれば、平日や早朝などに関わらず剪定をおこなってもらうことが可能です。

生活110番にご連絡いただければ、現地調査による見積りが無料で、依頼者の日程に合わせることが可能な剪定業者をご紹介いたします。お電話によるお問い合わせは、24時間365日受け付けておりますので、ご都合のよいときお気軽にご連絡ください。

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きれいな花や紅葉を楽しむために必要な手入れ


きれいに花を咲かせるためには、剪定方法をしっかり理解しておくほかに、日々のお手入れもとても重要です。以下のようなお手入れもしっかりとおこないましょう。

サルスベリは、日光が当たる場所であれば比較的元気に育つ樹木です。大きく育つ種類なので、基本的に庭植えで育てます。

夏場の暑さや直射日光がサルスベリの生育に影響をあたえないか心配する方もいると思いますが、サルスベリはそのどちらにも強いので心配はあまりしなくて大丈夫です。また、庭植えの樹木の多くがそうであるように、サルスベリも基本的に水やりをする必要はありません。ただし、庭植えにして根付くまでは、たっぷりと水をかけてあげるのがよいでしょう。

肥料は1年に2回あたえます。まずは1月から2月ごろの寒肥(かんごえ)です。冬にあたえる肥料を寒肥はといい、枝や花の生育をサポートする効果が期待できます。

もう1回は花を咲かせたあとの9月頃です。花を咲かせて体力が消耗しているサルスベリに栄養をあたえましょう。このように花・果実が実ったあとにあたえる肥料のことをお礼肥え(おれいごえ)といいます。

病害虫被害の対処法

植物を育てるときに悩まされるのが病害虫の存在です。サルスベリに発生しやすい病気や寄りつきやすい害虫を紹介します。

●うどんこ病
多くの植物が発症してしまう代表的な病気です。正体はカビ菌で、葉の表面に白い粉がまぶしてあるような状態になります。成長する際に必要な栄養分を吸収したり、光合成をできなくさせてしまったりするので、植物の育ちが悪くなってしまいます。見つけたらその葉を取り除くか殺菌剤で対処しましょう。

●カイガラムシ
カイガラムシはアブラムシの仲間で、植物の栄養を吸汁する害虫です。カイガラムシの発生を放置してしまうと樹木が弱ってしまったり、枯れてしまったりするので、見つけ次第駆除しましょう。カイガラムシというだけあって、かたい殻に覆われているため、殺虫剤はあまり効果がありません。歯ブラシで取り除いたり、被害のある葉を摘み取ったりして対処しましょう。

植えてはいけないの?サルスベリの縁起について

サルスベリは、お寺や墓地などに植えられることが多いため、縁起の悪い木だと思われる方もいます。しかし、実際には迷信の域を出ないため、植えてはいけないというわけではありません。サルスベリの“植えてはいけない”“縁起の悪い木”のような噂が広まった原因には、いくつかの要因があります。おもな要因をいくつかご紹介します。

  • お寺や墓地などに植えられることが多い
  • 名前から「滑る」という単語を連想させる
  • 樹皮が風水的に災いをもたらすとされている

そんな迷信があるサルスベリですが、悪いことばかりではありません。サルスベリは漢字の通り紅い花を100日間楽しむことができて、育てるのも難しくない樹木といわれています。なので、迷信を気にしない、花を長く楽しみたいという方にはおすすめです。

まとめ

サルスベリは、日光の当たる場所さえあれば育ちやすく、初心者向けの樹木だといえるでしょう。しかし、生命力が旺盛であるため剪定をおこなう必要があります。

サルスベリの剪定は夏と冬、それぞれ作業する内容が異なります。剪定方法や樹形など、自分で作業することが難しいと感じたら、剪定業者に依頼するのもよいでしょう。きれいに花を咲かせるために、しっかりと剪定することが重要なのです。正しく剪定をおこなって、美しいサルスベリを育てましょう。

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