ヤマモモの剪定時期・方法を解説!旬の果実を楽しむための手入れも

2023.11.20

ヤマモモの剪定時期・方法を解説!旬の果実を楽しむための手入れも

ヤマモモを育てている方々は、どうやってヤマモモを剪定したらよいかご存じでしょうか。ヤマモモの剪定は、「透かし剪定」という方法でおこないます

ヤマモモは成長する力が強いため、枝や葉が密集しやすいです。そういった状態では病害虫の被害にあいやすくなるので、余分な枝を取り除いて枝同士の密度を調整する透かし剪定が必要なのです。

この記事で透かし剪定のやり方を覚えて、ヤマモモを元気に育てていきましょう。また、おいしい実の収穫につながる育て方や、実の活用方法についても参考にしみてください。

※対応エリア・加盟店・現場状況により、事前にお客様にご確認したうえで調査・見積りに費用をいただく場合がございます。

ヤマモモの剪定時期

庭木には、種類ごとに剪定に適した時期というものがあります。ヤマモモの場合、実を収穫するかしないかによって剪定時期は違ってきます。

実を収穫したい場合は春がおすすめ

ヤマモモの実を収穫したい方は、3月~4月に剪定しましょう。その理由は、実がなるサイクルにあります。

ヤマモモは、春になると伸びた枝の先に花芽をつくります。そして、翌春にその花芽が咲いて実がなります。そのため、翌年に実となる新しい花芽を切り落としてしまわなないよう、花芽があらわれる春に剪定するのがよいのです。

実を収穫しない場合は冬以外に

ヤマモモの実を収穫する予定のない方は、基本的には冬以外の季節であればいつ剪定しても問題ないでしょう。

冬をさける理由は、「凍害」といって冬の時期に剪定をおこなってしまうと、剪定のダメージによって寒さで葉っぱが焼けたり、黒ずんで落ちたりといったトラブルが発生しやすくなってしまうからです。実の収穫をしない方は、春・夏・秋に剪定をおこないましょう。

ヤマモモの剪定方法

つぎに、ヤマモモの剪定に使う道具や剪定方法をご紹介していきます。準備をしっかり整えて剪定にのぞみましょう。

剪定に使う道具

ヤマモモの剪定に使うおもな道具は、下記のものです。

・軍手
・剪定バサミ
・植木バサミ
・太枝切りバサミ
・高枝切りバサミ
・ノコギリ
・脚立またははしご

剪定に使うこれらの道具は、ホームセンターや通販サイトなどで購入できます。しかし、商品によってタイプや扱い方に違いが見られることもあります。

たとえば、剪定で使うハサミには、細い枝を切るハサミや太い枝を切るハサミ、手が届く場所の枝を切るハサミや手が届かない場所の枝を切るハサミなどがあります。さらに、持ち手の形状が違ったり、枝を切る際にかける力の強さがタイプによって違ったりするのです。

剪定道具についてよく知らない方や、より使いやすいものを選びたい方は、ホームセンターで実物を見たり店員さんに相談したりするのがよいでしょう。

透かし剪定のやり方

ヤマモモの剪定方法は「透かし剪定」といわれるものが一般的な方法になります。名前のとおり、枝の密度を減らして枝同士の隙間をつくる剪定方法です。

透かし剪定では、下記のような基準で枝を切っていきましょう。枝は基本的に根本(枝元)で切ります。

透かし剪定で切る枝
・目立って長い枝・太い枝
・込み合っている枝
・枯れた枝
・不要な枝(例:木の幹に向かって伸びる枝、ほかの枝と交差する枝、下に向かって生える枝など)

また、剪定の際にはヤマモモの自然な樹形をイメージしながらすすめてみてください。ヤマモモの自然な樹形とは、楕円形や円形です。庭木として見栄えよく仕上げるために、何回か木から離れて全体の樹形を確認しながら剪定していきましょう。

※大きく育ちすぎて強剪定(木を小さくするための剪定)が必要な場合は、安全のために剪定業者に依頼しましょう。高所での作業となり、慣れていないと大きな危険がともないます。また、強剪定のあとには、切り口を保護するために癒合剤を塗るといったケアをするとよいです。

剪定をする目的・効果

さきほどご紹介した透かし剪定の大きな目的は、病害虫の被害を予防することです。庭木につく病気や害虫はジメジメした環境を好むため、剪定で木の風通しや日当たりがよくすることで、病害虫に予防につながるという効果があるのです。

このように、ヤマモモを元気にきれいに育てるために剪定はかかせない作業です。剪定は時間や体力を使う大変な作業ですが、定期的におこなうようにしましょう。

また、自分では手が付けられないほど大きく育ちすぎてしまって業者に剪定を依頼する場合には、一般的に強剪定がおこなわれます。強剪定の目的は、樹高・樹形の管理です。

丈夫な木であるヤマモモは放っておいてもどんどん成長します。たとえ肥料がなくても育ってしまうのですが、その理由は根瘤菌(こんりゅうきん)と呼ばれる菌がヤマモモの根にあることから起こります。

ヤマモモは剪定を怠ると30メートルほどにも成長してしまうため、大きくなりすぎてしまえば庭に太陽が当たらなくなったり、庭の外観を損ねてしまったりといった弊害も発生するでしょう。大きく育ちすぎてしまったヤマモモの剪定が必要な場合は、業者に強剪定を依頼してください。

ヤマモモの育て方

ヤマモモを元気に育てるために、この機に剪定だけでなく育て方についても見直してみましょう。また、「ヤマモモの木が枯れてしまった」というトラブルを抱えている方も、お手入れを見直すことによって原因・解決法が見えてくるかもしれません。

ヤマモモの基本情報
ヤマモモは、ヤマモモ科ヤマモモ属に分類されている高木で、日本や中国からインドにかけて自生します。日本では関東南部から沖縄までの温かい地域に多く存在しており、ヤマモモの甘酸っぱさは古くから親しまれています。

20~25mほど高く大きく成長し、幹は直径1mにもなるものがあるようです。葉っぱの色は深い緑色で幹は灰白色です。葉のわきから小さな赤い花が咲いていき、いずれ真っ赤な実がなります。この真っ赤な実はそのまま食べることができますし、お菓子などに使われることも多いです。

ヤマモモは遠く離れた場所にも花粉を飛ばせることから「一途」や「ただ1人を愛す」というような花言葉がつけられたといわれています。

ヤマモモの育て方

ヤマモモを育てるために大切な作業について解説していきます。

植え付け……6月または9月
植え替え……3月~4月
水やり……適時
肥料やり……2月~3月、7月(収穫後)
剪定……3月~4月

栽培環境
基本的には日当たりがよく、栄養の豊富な土地を好みます。しかし、根がもつ根瘤菌のおかげで、ヤマモモは栄養が少ない土地でも育つことができます。

植え付け・植え替え
ヤマモモの苗の植え付けは、6月または9月におこないます。地植えの場合、40cmほど穴を掘り、腐葉土や油かすを混ぜた土を穴の底に流して苗を置いてください。そして土をかぶせます。

鉢植えの場合は、直径20cm~25cm程度の鉢に、赤玉土と腐葉土を混ぜて苗木を植え付けます。赤玉土と腐葉土の割合は7:3ぐらいがよいでしょう。そして、鉢植えでは2年~3年にいちど植え替えをおこないます。

水やり
地植えの場合、植え付けから3か月程度は水やりが必要です。しかし、根付いてきたら基本的には雨水で育つようになります。

いっぽう鉢植えの場合には、土が乾燥しないように水やりをします。とくに、夏は土が乾燥しやすいので注意しましょう。

肥料やり
肥料は年に2回与えると、根張りを強化したり成長がよくなったりします。2月~3月と、実の収穫後(7月ごろ)に与えてください。肥料の種類は、油かすのような有機肥料がよいとされています。

気をつけたい病気・害虫

ヤマモモは病気や害虫の被害にあいやすい木ではありません。しかし、葉っぱ同士が重なってしまうくらいまで育ってしまうと、アブラムシやミノムシ、ハマキムシなどの害虫が発生してしまうことがあります。

害虫が発生してしまうと、葉っぱや実を食い荒らされてしまいヤマモモの見た目が悪くなるほかに、虫を駆除する必要がでてきます。これらの害虫を発見したら、ブラシなどで落としたり、薬剤を散布したりしてください。

また、病気については「こぶ病」に気をつけましょう。こぶ病は湿度が高い環境で発生しやすく、発生すると幹や枝にこぶ状のできものが見られます。こぶ病にかかると成長が妨げられてしまうので、その部分をはやめに切るようにしてください。

今回ご紹介した病気や害虫は、枝や葉が密集することが発生要因のひとつとして考えられます。予防のために、定期的な剪定をおこないましょう

増やし方

ヤマモモの木を増やす方法として、この記事では種まきをご紹介します。種から育てる場合、栽培環境によりますが、実がなるまでは20年ほどかかるといわれています。

やり方は、収穫した実から種を取り出したら、種まきをおこなう3月までは種を保存しておきます。種は乾燥に弱いので、低温の環境で、湿った砂にいれて保存しておくとよいです。

種まきをする際には、小さい鉢を用意します。1つの鉢に1つ種をまき、半日陰になる場所で育てていきましょう。

おいしい実を収穫する方法

ヤマモモの実の収穫時期は、6月~7月ごろです。5月ごろに花が咲き終わりますが、そのあと未熟な実が自然と落ちてくるので、6月~7月に残っている熟した実を収穫しましょう。

収穫を安定させるための摘果作業

ヤマモモには「隔年着果」という性質があり、実の収穫が多い年と少ない年が交互に訪れます。木は実をつけるために多くの栄養を費やすため、実が多くなりすぎると翌年の栄養まで費やしてしまうのです。

そのため、毎年安定した収穫量を希望する方は、不要な枝を落とす剪定作業のほかに、摘果(てきか)をおこなうとよいです。摘果とは実を間引く作業で、摘果をすることによって実をつけるために必要な栄養量を安定させるねらいがあります。

ヤマモモの摘果作業のやり方は、花が咲き終わり自然に実が落ちたら葉5枚あたりに1つ実が残るよう、実を摘み取ります。

ヤマモモの実がならない理由

「ヤマモモの実が少ない」という場合には、さきほど解説した隔年着果や育て方が関係していると考えられます。しかし、「ヤマモモの実がぜんぜんつかない」という場合は、「雄木」と「雌木」が原因かもしれません。

ヤマモモの木には雄と雌があり、ヤマモモが雌木の場合、近くにある雄木から自然受粉できなければ実がならないのです。また、育てているヤマモモが雄木の場合は実がなりません。

雄木と雌木を見分けるには、4月ごろに花の様子を見てみましょう。雄木は長さ2cm~4cm程度の花穂がなりますが、雌木では長さ1cm程度の短い花穂がまばらになるだけです。

雌木のヤマモモが自然に受粉しない場合、実をつけるにはそばに雌木を植えるという方法があります。雌木に雄木の枝を接ぎ木するという方法もありますが、ヤマモモの接ぎ木は成功しにくいようです。

実の保存方法

ヤマモモの実は痛みやすいため、すぐ食べられないときは冷凍保存するのがよいです。冷凍する際には、水洗いしたあとキッチンペーパーなどで水気をよくとり、ビニール袋に密封して冷凍庫にいれましょう。

ヤマモモの実の活用法

ヤマモモの実はそのまま食べてもおいしいですが、下記のような方法で活用することができます。

・ジャム
・果実酒
・ゼリー

せっかく収穫した実なので、いろんな方法で楽しんでみてはいかがでしょうか。

まとめ

真っ赤で甘酸っぱい実がなるヤマモモは、丈夫な木で肥料がなくてもどんどん成長してしまいます。そのため、放っておけば手がつけられなくなるほど大きくなってしまったり、アブラムシやミノムシなどの害虫が発生しやすくなったりするでしょう。

そうなってしまわないためには、定期的に剪定してあげる必要があります。ヤマモモの剪定は「透かし剪定」という方法で、細かい枝や伸びすぎている枝を軽く切ることで風通しや日当たりがよくなります。木全体のバランスを確認しながら、枝の密度や樹形を確認して剪定していきましょう。

しかし、大きく育ったヤマモモは剪定が大変です。また、はしごや脚立に乗っての剪定は、落下のリスクもともないます。そのため、自分で剪定するのが難しいときは剪定のプロに依頼してみてはいかがでしょうか

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