
ヒバはとくに手入れをしなくとも枯れてしまうことは少なく、ぐんぐん成長していく丈夫な木です。しかし、ずっと放置していると品種によっては30m以上の巨大な木になってしまうので、最低でも年に1回は剪定をおこないましょう。
とはいえ「成長が早くて剪定が追いつかない」「もう少し小さくまとめたいけれど、大胆に剪定すると失敗しそうで不安」など、ヒバの剪定でお悩みの方も多いでしょう。そこで本コラムでは、ヒバの木や生垣のサイズをコントロールするための剪定方法をご紹介します。
ヒバにはイトヒバ、チャボヒバなどさまざまな品種があり、同じヒノキ科の仲間ですが成長の仕方や特徴は少し異なります。そのため、もしヒバをきれいに剪定したいなら、品種ごとの特性を理解して剪定の方法を工夫する必要があります。
プロではない方ここまでこだわって剪定するのはなかなか難しいので、見栄えよく整えたいときはプロに依頼するとよいでしょう。自分で剪定したときと比べると見違えるようにきれいになって、きっと感動するはずです。

目次
ヒノキの仲間の常緑樹!ヒバの魅力について
ヒバはヒノキ科の針葉樹の1種です。といっても、正式にヒバという名前の木があるわけではありません。
ヒノキやサワラといった木の亜種にヒバと名のついたものがあったり、林業ではアスナロの変種である「ヒノキアスナロ」をヒバと呼んだりと、ヒノキ科のなかでも特定のグループがヒバとして取り扱われています。
本コラムでは一般的にヒバとして扱われる木をまとめて解説します。
庭木にぴったり!さわやかな芳香と美しい花
ヒバの特徴としてまず挙げられるのは、葉から漂うさわやかな香りです。針葉樹特有の細くて柔らかい葉からは、森林浴をしているかのような落ち着いたよい香りがします。
ヒバは常緑樹なので冬でも瑞々しい緑の色合いが楽しめ、春になると金平糖に似た白くて可愛らしい花をつけます。常緑の葉から点々とのぞく小ぶりの白い花は、まるで雪が積もっているように見えてなんともロマンチックです。
とにかく頑丈!過酷な環境や病害虫にも余裕で耐えます
ヒバは生命力が高く、環境の変化に極めて強いことも大きな特徴となっています。具体的には湿気がこもっていても腐敗などの劣化がおこりづらく、木の体力を消耗させる大規模な刈り込みをおこなっても元気です。
病気や害虫に対しても抵抗力があり、日当たりの悪い場所でもすくすく育ってくれるため、それこそ放置しておいてもそうそう枯れることはないでしょう。
適度な柔らかさと湿気に強く腐りにくいという性質から、木製製品の材料としても人気の高い木です。とくにお世話をしなくても成長が早いため、複数本並べて生垣にするといった使い方もよくされています。
育ちすぎてしまうことも……
上記のように植木としてさまざまなメリットをもったヒバですが、生命力の強さはときにデメリットにもなり得ます。放っておくと成長しすぎて、気が付いたら高さ30mにもなる大樹に育ってしまっていたというケースが少なくないのです。
ヒバが大きくなりすぎないようにするには、定期的な刈り込み、つまり剪定が重要になります。ヒバの剪定をどのようにおこなっていくべきか、本コラムで確認していきましょう。
年1~2回はやっておきたい!ヒバの剪定時期
ヒバの剪定に適した時期は、5~6月の梅雨頃と、9~10月の秋頃です。
この時期はヒバの成長期にあたり、新しい枝の芽が付き始めます。枝の芽が出てくれば、今後どの方向にどのくらいの数の枝が伸びるのかがわかるため、未来の樹形が想像しやすくなるのです。
ある程度大きくなっても問題ない庭木であれば、年1回秋頃に剪定をおこなうだけでよいとされています。生垣のように均一な高さと幅が欲しい場合は、梅雨頃にも刈り込みをおこなっておきましょう。
剪定を避ける時期は極端な季節
逆に剪定を避けるべき時期は、真夏や真冬といった気温変化が極端な時期です。暑さや寒さは木の体力を非常に消耗させるので、いかに頑丈なヒバといえども耐えられない可能性があります。
剪定するときは古い枝だけを切ろう!
ヒバの剪定のポイントは、新しい枝と古い枝を区別して、古い枝だけを切り落とすことです。成長期に剪定をおこなうのは、新しい枝を芽というかたちで判別しやすいからという理由もあるのですね。
また、特定の時期にヒバの剪定をおこなうのではなく、こまめに刈り込むこともおすすめです。飛び出して伸びた枝を都度切り落とすことで、短い枝が密集して生えるようになり、葉の数が増えて全面が美しい緑に覆われます。
仕上がりを左右するヒバ剪定の手順とコツ
ヒバの剪定は、3つのステップに分けておこないます。用意するものは手を保護する手袋と剪定ばさみだけです。
ヒバは剪定ばさみですべての枝をカットできますが、小枝や葉くらいなら手袋を付けた手で揉み折ることも可能です。手で揉み折ると、切り落とした場合に比べて柔らかな印象の輪郭になりますよ。
以下に、ヒバ剪定の3ステップについて解説していきます。
①枯れ枝の除去
刈り込みを始める前に、まずは全体を見まわして枯れている枝がないか確認しておきましょう。枯れた枝をそのまま放置しておくと病害虫の原因となったり、風通しや日当たりを悪くしてしまいます。
枯れた枝は葉が落ちていたり、茶色く変色していることから見分けられるので、下準備として片っ端から枯れ枝を取り除いていきましょう。
②枝の間引き
枯れ枝を除去したら、いよいよヒバの剪定の本番です。生きている枝のなかで、密集している部分から切り落としましょう。
ヒバ剪定の基本は枝の密度を下げて、風通しや日当たりをよくすることです。外からヒバの木を観察したとき、葉の向こうに幹や枝が透けてみえるくらいの密度にすると、丁度いい風通しと日当たりになります。
このとき気を付けたいのは、ヒバは古い枝からは芽を出さないという点です。古い枝から新しい枝が派生するように生えていますが、新しい枝を根本まで切ってしまうようなことは避けましょう。
ヒバの木が古い枝ばかりになってしまうと、芽が出ずにそのまま枯れてしまう可能性があります。
③高さの調節(樹冠を整える)
ヒバをどのくらいの高さに留めたいかを、あらかじめ決めておきましょう。その高さ以上に伸びた幹は切り落とし、ヒバの木の最終的な高さを調節します。幹を切ることで切り口からは小さな枝と葉が生え、木の天井部分を形づくっていくのです。
この作業のことを、園芸用語では「樹冠を整える」といいます。
樹冠(じゅかん)とは木の頂上に作られる枝と葉の層のことで、樹冠が出来上がると幹は樹冠より上には伸びません。そのため、うまく樹冠をつくることが、木の高さを調節するうえでとても重要になります。
樹冠はもっとも日光の当たる場所であり、木全体の光合成の効率を左右する部分でもあるので、樹冠がきれいに生い茂るようこまめに手入れをしてあげましょう。
ヒバが枯れてしまう原因とは
生命力が非常に強いヒバの木ですが、ときには枯れてしまうこともあります。枯れる理由としては病害虫や栄養不足のほかに、剪定の失敗も挙げられるので、ヒバの剪定で枯れてしまう原因を以下にまとめました。
葉が密集しすぎた
葉の密度はヒバの青々しい美しさに直結するため、ヒバの剪定ではつい葉を残しがちです。しかし、密集しすぎた葉は風通しや日当たりを極端に悪くして、湿気をこもらせ病害虫やカビの原因になってしまいます。
前項でも触れたとおり、枝や幹が外から透けて見える程度に葉を刈り込むのがおすすめです。古い枝からは葉が生えないので、葉が多すぎる部分は古い枝をある程度残してみてもよいかもしれません。
また、剪定が不足していて葉が密集してしまうこともあります。必ず1年に1回、できれば2回はヒバを剪定する機会をとりましょう。
寒い時期に剪定してしまった
ヒバは頑丈な木ですが、寒さにはそこまで強くありません。葉がついているうちは葉が断熱材の役割をして寒さをある程度防いでくれますが、丸裸になってしまうと冷たい空気が幹を直撃します。
また刈り込みは木に少なくないダメージを与えるので、消耗した体力では寒さに耐えきれないといったケースもあります。できるだけ気候のおだやかな、春や秋にヒバを剪定しましょう。
この他にも、新しい枝を切り落としすぎるなど、ヒバの剪定が原因で枯死を引き起こしてしまうケースは多々あります。ヒバの美しさを長く保つためにも、剪定の際にはヒバの健康状態にも気を遣ってあげましょう。
これから育てる人向け!ヒバの植え付け方法
ヒバを剪定不足で枯らせてしまった!あるいはこれから庭木や生垣にヒバを使いたい!という方向けに、1からヒバを育てる方法をご紹介します。ヒバの植え付け手順としては、以下の通りです。
①苗選び
ヒバの苗はホームセンターや花木店などで市販されています。よい苗を選ぶポイントは、「幹がまっすぐか」と「下枝がしっかりついているか」です。
幹がまっすぐなものは成長したときの形が美しく、下枝はスカスカになりがちなので初めからしっかり生えているものを選ぶようにしましょう。
②ヒバの植え付け
苗木を入手したら、さっそく植え付け作業に入ります。植え付けは極端に暑い日や寒い日でなければ時期を選ばずおこなうことができます。植え付け場所は日当たりと水はけのよい場所を選びましょう。
植え付けの際に注意しておきたいのは、根を深く埋めすぎないことです。根の部分に土が被る程度の深さがベストな位置だとされています。深く植えすぎると、根に酸素が行かず酸欠状態になってしまったり、根腐れを引き起こす原因になります。
掘った穴の底に肥料を敷き、その上にヒバの苗を置いて、土をやさしく被せましょう。
③肥料と水やり
ヒバに適した肥料は鶏糞や油かすなどの有機系の肥料だとされています。毎年2月頃、成長期を目前に控えた時期に肥料を撒いておくのがおすすめです。
また、植え付け後2年間は定期的に水やりをおこなう必要があります。土の状態を観察して、表面が乾いてきたらたっぷり水をあげてください。3年目以降は根がしっかりと発達しているので、とくに水やりをしなくても水分不足になることはそうそうありません。
④挿し木で増やす場合
ヒバは挿し木で増やすこともできます。挿し木の用意は2~3月頃におこないましょう。元になるヒバの木から、できるだけまっすぐ伸びた枝を選んで、先端から10cmほどの場所を切り落とします。
切り落とした枝をプランターやポットの土に挿して肥料を撒き、土の乾燥具合を見ながら適度に水をやっていけば、やがて枝の切り口から根が生えて立派な苗木の完成です。
ヒバの剪定をプロに頼むときは
ヒバはヒノキ科のざまざまな木の総称です。つまり、一口にヒバといっても、品種には幅があるので、ヒバを適切に育てるには品種ごとの世話の仕方を知っておく必要があります。
またヒバは総じて成長スピードが速く、放っておくとどんどん大きくなってしまい、手がつけられなくなってしまうかもしれません。個人で手に負えないと感じてきたら、ヒバ剪定の専門業者に依頼することも考えてみてください。
ヒバの剪定をプロに依頼する場合、かかる費用はヒバの木の大きさや本数、業者との距離などによって大きく変動します。切り落とした枝や葉の処分を業者にやってもらうなど、作業内容も費用を左右するポイントになります。
このように剪定はケースバイケースで費用が変動しやすい作業なので、剪定費用を知るには、業者に現地まで来て見積もりを出してもらわなければなりません。どのくらいの費用がかかるのか分からなくて不安、というときは、無料見積もりに対応した業者を選ぶのがおすすめです。
剪定費用は木のサイズが大きいほど高額になる傾向があります。悩む時間が長ければ、それだけヒバは大きく成長し、剪定費用も高くなってしまうという点には気を付けておきましょう。
まとめ
ヒバは病害虫に強く、よく育つことから庭木や生垣として人気の高い木です。反面、成長力が高すぎて大きく育ちすぎることが多く、放っておくと手におえない大樹が出来上がってしまうかもしれません。
ヒバの大きさをコントロールし、きれいな生垣や庭木を保つには、定期的なヒバの剪定が肝心です。できれば年2回、梅雨と秋に葉と枝の刈り込みをおこなうようにしましょう。
ヒバはヒノキ科の特定のグループの総称なので、実際はさまざまな種類の木がヒバと呼ばれています。種類によっては適切な対処が異なっていたり、剪定方法を間違えて枯らせてしまうこともあるので、ヒバの剪定はプロの業者に依頼することもひとつの手段です。
ヒバの剪定は生垣の広さや木自体の高さによって費用が大きく変動するため、前もって現地で無料見積もりをおこなってくれる業者を選ぶのがおすすめです。
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