
桑として知られるマルベリーは古くから日本でも育てられていましたが、蚕の養殖が昔ほど盛んではなくなったため、桑畑を見る機会は少なくなりました。しかし、そんな桑の実には豊富な栄養分が含まれていて、実は世界各地で昔からジャムや果実酒などに用いるために広く栽培されています。
そこで今回は、ご家庭でマルベリーを育てたい方のために基本的な育成方法や剪定方法、さらにマルベリーの特徴まで幅広い情報をご用意しました。
マルベリーの育て方①まずは基本をおさえる!
マルベリーを育てる方にとって、特に気にしなければならない栽培要素は、植える環境・水やり・肥料の3つです。ここでは、基本的な栽培方法をおさえてマルベリーを元気に育てていきましょう。
植え付け
植え付ける場所は、日向で風通しの良い場所が理想的です。半日陰(日中でも数時間しか日の当たらない場所)でも育ちますが、実付きが悪くなる恐れがあるので注意しましょう。また、マルベリーは1本で育てると実をつけることができません。
そのため、雄と雌の株を用意します。マルベリーは生育がとても早いため、植え付けは基本的に庭植えにすることをおすすめします。さて、植え付けの場所を決めたら、根鉢よりひとまわり大きな穴を掘りましょう。
土壌には、掘って得た庭の土に対して5分の1程度の腐葉土を混ぜたものを使用してください。根鉢を土と一緒に植えたら作業は終了です。根付くまで水やりを欠かさないようにしましょう。
水やり
マルベリーは水分を好む植物ですが、特別多く水やりをおこなう必要はありません。庭植えの場合、基本的に降雨のみで十分です。しかし、夏の乾燥する時期は雨が降らないと枯れてしまうおそれがありますので、水やりをすることをおすすめします。
肥料
マルベリーの肥料は、12月にあたえることをおすすめします。この時期は市販の緩効性肥料で問題ありません。また、実付きをよくしたい方は開花期の少し前である3月と、開花期を終えた6月に速効性肥料を施すとよいでしょう。
マルベリーの育て方②欠かせないポイントはコレ!
大きく育ちすぎたマルベリーは、育て方が適切でも、みずからの葉や実が原因で病気になってしまうおそれがあります。そのため、それを防ぐ剪定や収穫の作業は欠かすことができません。
剪定
剪定は、大きくなったマルベリーの樹形をととのえ、次の開花期に適度な量の花を咲かせることを目的とします。また、1月から2月にかけての冬の間におこないましょう。花が咲くのはその年の春に新しく伸びた枝(新梢)なので、それ以外の枝は切り取ってしまって構いません。
新梢以外を切り取ると樹形が寂しくなってしまうと感じた場合は、古いものから切り取っていきバランスをととのえましょう。ただし、マルベリーは生育がはやいのですぐに大きくなってしまいます。そのため、新梢以外は切り取ってしまうことをおすすめします。
また、反対に枝が多すぎる場合は、新梢であっても切り取ってしまって構いません。実付きがよくなるため、質の良い果実を栽培したい場合は枝の選別をおすすめします。
収穫
マルベリーの果実を収穫する目的は2つあります。それは食用として楽しむことと病気を予防することです。マルベリーの果実が熟して落下すると、すぐに腐敗します。虫が湧くその様子はみていて気持ちがよいものではないうえ、菌核病という病気の温床にもなります。
この病気は、菌が白いかたまりを形成し葉の表面をおおうため、光合成を阻害して植物を弱らせていきます。そのため、果実が落下するまえに収穫しましょう。収穫するタイミングは赤い果実が黒くなってきたころがおすすめですが、食用でなければいつでも構いません。
また、収穫が終わった枝は実をつける役割をすでに果たしています。そのため、付け根の芽をいくつか残して切り取ってあげましょう。こうすることによって、次の新芽に栄養をまわすことができます。
マルベリーの増やし方
実生による栽培も、ここまでにみてきたマルベリーの育て方を参考にすれば可能ですが、実を付けるまでには少なくとも3年の期間が必要です。そのため、増やすのならば挿し木の方法がおすすめです。挿し木の作業をおこなうのであれば、初夏におこないましょう。
挿し木のもととなる枝は新梢を選び、15センチ程度の長さに切り取ります。枝に付いている葉は、1番新しいものを2枚ほど選び、残りは取り除きましょう。しかし、枝はそのまま使用せず、水揚げの作業をおこなうことをおすすめします。
水揚げは、水中で枝の切り口をもう1度ななめに切ります。そのまま取り出さずに、1時間前後浸しておきましょう。この作業をすることによって、水不足で枯れてしまう危険性を下げることができます。枝の処理を終えたら、栽培用土に挿して水をあたえましょう。根が張るまでは、日陰で水やりを欠かさないように栽培します。
マルベリーの小さな豆知識
冒頭でマルベリーは桑であると述べましたが、実は昔から国内で育てられている日本桑とマルベリーなどの西洋桑は種類が異なります。西洋桑は古くから外国で人間の食用にするために栽培されているのに対して、日本桑はその葉を蚕のえさにするために栽培されています。
蚕のえさとして育てられる日本桑は、養蚕業のためのものであるため、工業用であったと言い換えることもできるでしょう。また、西洋桑が食用として栽培されている理由の1つに、栄養が豊富であるということがあげられます。マルベリーの栄養素には、ビタミンやミネラルが含まれていて、健康な身体を保つのに効果的であるといわれています。
そんなマルベリーの実は、難しい工程を経ることなくジャムや果実酒に加工できるほか、葉を乾燥させてマルベリーティーにもできます。このように手軽に楽しめるため、近年日本でも女性を中心に、食用にマルベリーを育てる方が多いようです。ただし、マルベリーの実は非常に痛みやすいため、ご家庭で食用に育てようと考えている方は注意しましょう。
まとめ
桑として知られるマルベリーは、生育がとても早く、育ちすぎによる健康被害に注意しなければなりません。そのため、今回紹介した基本的なマルベリーの育て方に加えて、剪定と収穫の作業をおこなうことを忘れないようにしましょう。特に剪定に関しては、方法を間違えると、成長しすぎたり実が付かなかったりといったトラブルを招くおそれがあります。
そのため、自分でおこなうことに抵抗のある方や正しい手順を覚えたい方は、剪定の作業だけ業者に委託するのもよいかもしれません。また、マルベリーの実は食用に向いているうえに加工が簡単なため、様々な用途に使ってみてはいかがでしょうか。
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依頼できる業者や料金について、詳しくは「生活110番」の「剪定」をご覧ください。
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