
この記事を読んでいる方のなかには、一度は「オガタマ」という植物の名前を聞いたことがある方もいらっしゃるのではないでしょうか。しかし実際には、「どんな特徴をもった植物なのかわからない」という意見もあると思います。
ひとくちにオガタマといってもさまざまな種類があり、その種類ごとに特徴が大きく異なるのです。そこで本コラムでは、数あるオガタマのなかから代表的なものを紹介し、ご家庭で育てる方法をお伝えします。
目次
「オガタマ」には大きく分けて2種類ある!それぞれの特徴について
先ほどお伝えしたとおり、オガタマにはいくつか種類があります。オガタマの代表的な品種を2つ見ていきましょう。
カラタネオガタマ
カラタネオガタマは、もともと日本の植物ではありません。原産国は中国で、江戸時代に日本に渡ってきたといわれています。カラタネオガタマの別名は「トウオガタマ」といい、「中国から来たオガタマ」という意味合いをもっているそうです。
カラタネオガタマは常緑性の小高木で、成長すると樹高が4~5mになります。耐寒性がややよわく暖かい気候を好むため、栽培に適している地域は関東より西です。枝葉がよく茂り花つきもよいため、ご家庭で育てる植物として人気があります。
開花時期は、4月~5月ごろです。直径3cmほどの淡いクリーム色をした花を咲かせます。
この花の最大の特徴は香りで、芳醇なバナナのような香りを漂わせます。バナナのような香りといっても、甘ったるさがなくすっきりとした香りです。
また、花の寿命は1日~2日ととても短く開花したらすぐに散ってしまいます。しかし散ってしまっても、つぎつぎに新しい花を咲かせてくれるため、花の香りを長く楽しむことができるのです。
オガタマノキ
オガタマノキは日本古来の植物で、日本人と深く関わりがあります。神事につかわれる植物は榊(サカキ)が一般的ですが、古くはこのオガタマノキも神事につかわれていました。また、1円硬貨の裏面にある木の図案は、オガタマノキであるともいわれています。このように、日本人と切っても切りはなせない植物がオガタマノキなのです。
樹高はカラタネオガタマに比べて高くなり、10~15mほどにもなります。樹形は、大きな半球形になり葉の長さも10cmほどと長いため、壮大な見た目になることが特徴です。
花の色はカラタネオガタマと同じで、淡いクリーム色です。ただし、バナナのような香りはよわくなります。
オガタマの育て方やそのポイント
オガタマは中国原産のカラタネオガタマと、日本古来から自生しているオガタマノキとに大きく分けられることがわかりました。お伝えしたとおりオガタマノキは樹高が10~15mほどにもなり、成長がはやいです。そのため、場所に限りがある一般家庭で育てることはあまり現実的ではないでしょう。
いっぽう、カラタネオガタマは樹高が3~4mにおさまるため庭木向きです。そこで、カラタネオガタマの育てかたのポイントをご紹介します。
水やり
庭植にしている場合、水やりは降雨だけで十分です。そのため、基本的には水をあげる必要はありません。ただし、夏場は気をつけましょう。夏は日差しがつよいため、土が乾燥しやすく水切れをおこしやすくなるからです。この時期だけは土が乾いていないかこまめに確認して、土が乾いていたらたっぷりと水をあげるようにしましょう。
また、1週間以上雨が降らなかったときも土が乾燥してしまっている場合があります。このときも同様に土の状態を確認し、乾いている場合は水をあたえるようにしましょう。
肥料
基本的に肥料をあたえる必要はありません。カラタネオガタマをやせ地に植えている場合にだけ、肥料をあたえます。2月ごろに油かすと化成肥料を混ぜたものをあたえるようにしましょう。
オガタマを剪定する適切な時期や方法
剪定はオガタマの見た目をきれいに整えるだけでなく、病害虫の発生を防ぐことにもつながる大切な作業です。ここでは、ただしい剪定のやりかたをお伝えします。
剪定の時期は、花が咲き終わったあとの6月~8月ごろがよいでしょう。枝に花がついていると剪定しづらくなってしまうからです。
また、剪定の時期が秋にはいらないように気をつけてください。カラタネオガタマは、秋ごろに花芽をつけはじめます。そのため、秋に剪定をしてしまうと、その大切な花芽を切り落としてしまうおそれがあるのです。間違えて花芽を切り落としてしまうと、翌年の開花時期に咲く花の数が減ってしまうので、剪定の時期には気をつけておきたいのです。
基本的にカラタネオガタマは、自然樹形が美しくなります。そのため、樹形を乱している枝や、枝の量が多く風とおしの悪くなっている部分を中心に剪定をおこないましょう。また、葉がついていない枝は枯れやすいため間引きます。
オガタマが家庭で育てやすい理由、オガタマの良さとは
オガタマのなかでもカラタネオガタマは、初心者でも育てやすく人気がある植物です。「初めて植物を育てる」という方には非常にうれしいですよね。この章ではなぜ育てやすいのかを説明していきます。
暖かい地域は育てやすい
カラタネオガタマの耐寒性はややよわく、暖かい気候を好みます。そのため、関東より西にお住いの方であれば基本的にカラタネオガタマを育てることができるのです。植え付ける場所は、半日陰になる場所がよいでしょう。1日中日が当たらない日陰で育ててしまうと花つきが悪くなってしまうおそれがあるので注意が必要です。
病害虫の被害に遭いにくい
かかりやすい病害虫はとくにありません。ただし、枝葉が茂って風とおしが悪くなるとカイガラムシが発生しやすくなるため注意が必要です。このカイガラムシの排泄物は「すす病」をひき起こすおそれがあります。すす病にかかってしまうと葉や枝が黒くなってしまうため、日ごろから風とおしがよくなるように枝葉の状態には気をつけておきましょう。
まとめ
オガタマは日本古来から自生しているオガタマノキと、中国原産のカラタネオガタマとに大きく分けられます。オガタマノキは樹高が10~15mにもなる高木で、むかしは神事につかわれていた格式の高い植物です。
いっぽうカラタネオガタマは、花つきがよく病害虫にもつよいため家庭で育てる植物として人気があります。淡いクリーム色をした花からはバナナのような芳香がすることが特徴で、お庭をよい香りで包んでくれるのです。
また、カラタネオガタマは枝葉のまとまりがよく自然樹形が美しいことも特徴といえるでしょう。そのため、ほかの植物に比べてあまり手がかからないところがうれしいポイントです。
ただし、あまり手がかからないといっても放置しすぎないように気をつけましょう。枝葉が生い茂り、風とおしが悪くなると病害虫が発生してしまうおそれがあるからです。
樹木の美しさを保ち病害虫を防ぐためにも、剪定はしっかりとおこなうようにしておきましょう。剪定に慣れていない方など、よく剪定のやりかたがわからないという方は一度プロに相談してみるとよいかもしれません。
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