
小ぶりでかわいらしい花を咲かせるヒメシャラ。庭木や盆栽として人気ですが、とてもデリケートな植物なので、お手入れに苦労されている方も多いでしょう。土の栄養不足や強い日差し、そして過度な剪定なども、ヒメシャラにとってはストレスになりうるのです。
しかし、まったく剪定しないで放っておくわけにもいきません。枝が伸び放題だと見た目も美しくありませんし、日当たりや風通しが悪くなって病害虫の原因になってしまいます。
そこで今回は、そんな繊細な植物・ヒメシャラの剪定方法やコツについてご説明します。ヒメシャラを育てている方はぜひ参考にしてください。
先述のように、ヒメシャラはデリケートな植物です。剪定は軽く透かす程度に留めておくと安心です。
- 軽く透かすって、具体的にどれくらい?
- 大きくなりすぎたときはどう切ればいい?
- うまく剪定できず枯れてしまったら嫌だな
上記のような不安があるときは、プロに剪定を依頼してみるのもおすすめです。ヒメシャラの成長状態によっても剪定の適正量やコツが異なります。一度プロにご自宅のヒメシャラを見てもらい、剪定や育て方のアドバイスを聞いてみてはいかがでしょうか?
ヒメシャラの剪定時期とその方法について
ヒメシャラの剪定は、12月からの冬季がベストだといわれています。冬になると落葉し、枝の形がはっきりと見えるからです。また、剪定の際に植物への負担が少ない休眠期(気温や環境が合わず、生長を一時的にやめる時期)は12月から2月前後なので、繊細なヒメシャラを剪定するには適した時期といえます。
ヒメシャラの剪定方法として主にあげられるのが「透かし剪定」です。透かし剪定とは、不要な枝や長すぎる枝を切り落とし、全体的な木の密度を下げる剪定方法をいいます。剪定の際には、形がいびつな方向に曲がっていたり、ほかの枝に絡みついていたりなど、「ほかの枝の生育を邪魔する枝」を取り除くことが必要です。
枝を切る際は、中途半端な長さで切るのは避けましょう。中途半端に残して切ってしまうと、切り口から新しく芽が生えてしまったり、逆に枯れてしまったりすることがあるのです。剪定で切り落とす枝は、脇芽の枝を残して付け根から切るのがおすすめといえます。
ヒメシャラの剪定で気を付けるべきポイント
ヒメシャラは繊細な植物なので、剪定を雑におこなうと、最悪の場合は枯れてしまうこともあります。そのため、いくつかポイントを押さえて剪定すると、ヒメシャラへの負担を少なくできるでしょう。ヒメシャラを剪定する際のポイントとしては、以下の3つが主にあげられています。
・高くなりすぎないように調整をする
ヒメシャラは、大きいもので10メートルをこえる高木です。縦に伸びる木のため、すらりとしたきれいな外観が特徴といえます。しかしあまり高く伸ばしすぎると、害虫の駆除や木の剪定が難しくなるおそれもあるのです。今後も手入れをすることを見越し、上部の枝を切って高さを調節しましょう。
・無駄な剪定はしない
ヒメシャラはダメージに弱い植物です。そのため、過度な剪定をおこなうと、花が咲かなくなったり、枯れてしまったりすることもあります。ヒメシャラは基本的にまめな剪定を必要としない植物なので、枯れ枝や形の悪い枝を取り除くだけで十分だとされています。形の悪い枝や枯れ枝がなければ、剪定を避けましょう。
・場合によっては切り口に薬剤を塗る
太い枝を切るとその切り口から新しい枝が生えてくるため、いびつな形の枝が生えたり、枝の密度が高くなったりすることがあります。やむを得ず太い枝を切る場合は、切り口に保護剤を塗りましょう。保護剤を塗っておくと切り口から枝が生えなくなるので、木の外観も自然な形になるのです。
ヒメシャラの剪定をすることの効果とは
ヒメシャラの剪定は、外観を保つためだけでなく、害虫や病気から木を守る効果も期待できます。剪定するべきいびつな形の枝は、ほかの枝の生育を阻害するだけでなく、時には害虫の温床になることもあるのです。
とくにヒメシャラの木に害を与える害虫には、チャドクガという蛾の仲間が多いです。チャドクガの幼虫はヒメシャラの葉を食い荒らすため、木に対して大きなダメージになってしまいます。また、卵の殻や幼虫には毒針があり、人間にも被害が出るおそれがあるのです。
チャドクガはいびつな形の枝や、中途半端に切られた枝の近くに巣を作ることが多いとされるので、枝の剪定はチャドクガを予防する手段のひとつともいえるでしょう。
また、剪定がされていない、うっそうとした木の場合は「さび病」という病気にかかることもあります。さび病とは、葉に斑点ができて変色する病気で、木が枯れる原因にもなりうる病気です。さび病は通気性が悪い植物に起こりうるので、適度な剪定でヒメシャラの通気性をあげることは、さび病の予防にもつながります。
番外編:ヒメシャラとシャラの違いとは
ヒメシャラと名前も外見もよく似た庭木に、シャラというものがあります。花のサイズや適応力の面で多くの違いを持つシャラとヒメシャラですが、どちらも歴史は古く「沙羅(さら)」という名前で愛されてきました。
ヒメシャラもシャラも秋には燃えるような紅葉になることから、盆栽用として愛される木でもあります。盆栽として育てても、庭に植えても、季節の移ろいを楽しめる植物をいえるでしょう。
シャラに比べると、ヒメシャラのほうが花のサイズが小さいです。また、シャラの木に比べると、ヒメシャラは木や葉の色に赤みが強く、花の白色がより映えます。
また、ヒメシャラは花こそ小さいものの、木の高さはシャラを上回ることもあります。ヒメシャラのほうが生長速度がゆるやかなので、育ちすぎてしまうまえに、剪定によって高さを調節しやすい木だといわれています。
一方、ヒメシャラはシャラよりも土や栄養に対してデリケートな一面があるので、こまめに病気や害虫の確認をおこなったり、強い日差しなどのストレスから守ったりする必要があるのです。ヒメシャラの剪定は、シャラよりも気を遣うかもしれませんね。
まとめ
ヒメシャラは剪定の際にかかる負担が大きいため、負担の少ない休眠期に剪定をするのがよいとされています。過度な剪定は、ヒメシャラが弱る原因になるので、切り落とす枝を必要最小限に抑えることが大切です。
基本的に剪定は不要とされるヒメシャラですが、形の悪い枝があることでチャドクガが発生したり、植物の病気にかかったりしてしまうおそれもあります。剪定で不要な枝を取り除き、木の通気性を高めることで、害虫や病気の予防にもつながるのです。
それでも、ヒメシャラの剪定が難しいと感じた人は、業者に剪定を依頼するという方法もあります。経験豊富な業者に頼むことで、ヒメシャラに大きな負担をかけず剪定をおこなってもらえるでしょう。
剪定を依頼できる業者や料金
依頼できる業者や料金について、詳しくは「生活110番」の「剪定」をご覧ください。
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