
クルメツツジは、鮮やかな暖色の花を咲かせるツツジの1種です。しかし、驚くべきはその花の数で、ツツジ科の中でもトップクラスでしょう。緑を覆いつくすようなその勢いは、強い生命力を感じさせます。
この記事では、そんなクルメツツジを家庭で育てたいかたに、最適な育成環境をつくるための方法と、剪定についてご紹介します。
目次
クルメツツジを育てよう!育て方やポイントをチェック
花数が特徴的なクルメツツジですが、きちんと環境を整えることができなければ、思うように花が咲かなくなってしまうかもしれません。そのため、クルメツツジにとって最適な育てる環境や日々の手入れについて見ていきましょう。
クルメツツジを育てる場所
クルメツツジは、日当たりのいい場所で育てることが大切です。しかし、日光を好むクルメツツジですが、夏の直射日光を長時間浴び続ければ乾燥や葉焼けをおこし、弱ってしまうおそれがあります。そのため、西日の当たらない場所を選んで植えつけましょう。
また、ツツジ科の植物は植えつける土壌に気をつけましょう。多くの植物は市販の栽培用土に植え付けることができますが、ツツジ科は酸性の土壌を好むため、市販のツツジ専用土を手に入れるか、酸性である鹿沼土を土壌にブレンドするなどしてください。
クルメツツジは根で呼吸をするため、植え付けのさいに根を深く埋めすぎないように注意しましょう。
水切れしないように注意する
水やりのさい、注意するべきポイントは根の張り方です。クルメツツジは浅い場所に根を張っているので、他の植物と違って地表が乾けば水分を吸い上げることができません。そのため、地表の乾燥には注意しましょう。
具体的には乾燥した夏であれば1日朝夕の2回、春や秋であれば1回、冬は乾燥しているときのみ水を与えましょう。庭植えの場合は降雨がありますので、基本的に乾燥する夏にのみ水やりをおこなってください。
肥料は油粕を利用する
肥料は寒肥を施すだけで問題ありません。あまり肥料を与えすぎると、弱ってしまうおそれがあります。作業の時期は秋と冬の計2回おこないます。寒肥は、油粕と骨粉を混ぜたものを使用します。株元から30センチ程度離れた場所に、5か所ほど穴を掘って肥料を入れましょう。
直射日光に当たりすぎた葉が葉焼けをおこすように、根も栄養過多で肥料焼けをおこしてしまいます。そうなれば花が咲いてくれないおそれもありますので、株元に近すぎないように注意しましょう。
クルメツツジは病害虫に注意!
クルメツツジは、害虫による被害に加えて人間と同様に病気にも注意が必要です。ここでは葉が白くなるウドンコ病・褐色になる褐斑病・ツツジ科の植物に発生しやすいツツジグンバイについて見ていくので、対策を取れるようにしておきましょう。
ウドンコ病
ウドンコ病は、糸状菌というカビが繁殖することによって葉のうえに白い膜ができる病気です。発症するとクルメツツジから栄養を不足させてしまうため、放置すれば枯れてしまいます。
原因となるカビは土壌にひそんでいて、温暖で乾燥した環境を好んで増えていきます。そのため、特に夏場に発生しやすいといえるでしょう。もし葉が白くなっているのを発見したら、その葉を切り取って対処してください。
ツツジ類褐斑病
ツツジ類褐斑病は、葉が徐々に淡い褐色になっていく病気です。その変色が葉焼けとよく似ているので、日光の当たりすぎる場所に植えると判別がむずかしくなります。
放っておけば枝や根にまで変色が広がっていくため、変色した葉はすぐに取り除きましょう。また、原因となるカビは気温が安定していて湿度の高い環境を好むため、春と秋の土壌を適度な湿度に保つことが効果的です。
ツツジグンバイ
ツツジグンバイという害虫は、葉の裏に張りついて汁を吸うことで成長します。そのため、寄生された葉がしおれていくのにともない、表面が白く裏面は黒く変色するのが特徴です。6月から8月の温暖な時期に活発に動き出すため、あらかじめ剪定によって風通しのよい環境を整えておくことが予防につながります。
クルメツツジの剪定をしてみよう!剪定方法をご紹介
クルメツツジの剪定には、5~6月が適しています。なぜならそれ以外の時期におこなうと翌年の花を咲かせられないおそれがあるからです。クルメツツジは花を咲かせ終わった直後から、翌年の花を咲かせる準備を始めます。
そのため、花芽のなっていないこの時期でしか剪定をおこなうことができません。剪定は大胆におこないましょう。葉はすべて刈り込み、枝だけの状態にしてしまっても構いません。この剪定によって、風通しが良くなり病害虫の予防になるだけでなく、クルメツツジの体力を温存させることもできます。
クルメツツジは基本的に剪定に強い植物のため、適度に手入れをする程度の軽剪定であれば、5~6月以外におこなっても問題はありません。長く伸びた枝を切る摘心や、咲き終わった花を切り取る花がら摘みなどは、こまめにおこなうことでより見栄えがよくなることでしょう。
ただし、刈り込みや軽剪定の作業は、手順を誤ると花がつかなかったり枯れてしまったりするおそれがあります。そのため、剪定作業が不安でしたら業者に依頼してみるのもよいのではないでしょうか。
春を彩るクルメツツジの特徴
街路樹に用いられみられるツツジとクルメツツジは基本的な特徴は似ているといえるでしょう。また、開花期は4月からの約1か月間で、鮮やかな花を咲かせ続けてくれます。品種改良によってそのレパートリーは多く、赤・ピンク・白などの中から好きな色を選ぶことができるでしょう。
ここまでの特徴はツツジと同様ですが、クルメツツジ特有のものとして、その花数の多さがあげられます。この特徴は花数の多い品種を改良してうまれたからで、開花期に感じられる生命力には圧倒されます。
また、木が小ぶりであるために街路樹に用いられない品種ではありますが、家庭では育てやすいサイズだといえるでしょう。もし、大きなサイズでクルメツツジを楽しみたい場合は、剪定の調整によって2メートルまで大きくすることも可能です。病害虫が発生しないように風通しをよくしつつ、刈り込みによる樹高の抑制をおこなわないようにしましょう。
まとめ
ツツジ科の中でも特に花つきが素晴らしいクルメツツジは、家庭でのガーデニングに適した品種であるといえるでしょう。育てるさいは、乾燥と日光不足に気をつけて、適切な環境を保ちます。また、ツツジ科であるため土壌は酸性にすることも忘れないでください。
病害虫は、どんな植物でも侵されるおそれがあるため、適切な対策と剪定を心がけましょう。クルメツツジは、病害虫を予防したり花付きをよくしたりするために、刈り込みという剪定方法が重要になってきます。そのため、枯らさないというだけでなく、よりよい花を咲かせるためにも業者に相談・依頼してみてはいかがでしょうか。
剪定を依頼できる業者や料金
依頼できる業者や料金について、詳しくは「生活110番」の「剪定」をご覧ください。
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