
赤い枝が特徴的なサンゴミズキは、生け花の素材として重宝されています。日々の生活ではあまり見慣れないその枝の色は、自然と見る人の目をひきつけるでしょう。そんなサンゴミズキですが、実は家庭で手軽に育てることができるのです。
この記事では、サンゴミズキの栽培に興味があるかたに向けて、その育成方法や生け花に役立つ豆知識などをお伝えしていきます。
目次
冬場はまるで陸のサンゴ!サンゴミズキの特徴を知ろう
シラタマミズキの園芸品種であるサンゴミズキは、ミズキ科の落葉低木です。落葉低木であるため、緑の葉をつけた後に落葉を楽しむことができます。また、春の終わりごろには開花期を迎え、小さな白い花をつけるでしょう。そのため、特徴的な枝だけでなく、多くの植物と同様に四季による変化を感じることができます。
サンゴミズキは枝が赤いことから、名前の通り、サンゴのような幻想的な見た目になります。ただし、サンゴミズキの枝は年中赤いわけではありません。落葉が終わるころから、徐々に赤く色付いていきます。そして、赤く染まりきった冬に切り取られたサンゴミズキの枝が、よく知られる生け花の素材としてのサンゴミズキになるのです。
サンゴミズキは、すぐれた耐寒性をもっています。それに加えて生育がとても早いという特性もあるため、栽培しやすい植物であるといえるでしょう。しかし、暑さへの耐性はないため夏に枯れてしまわないよう注意が必要です。
サンゴミズキは自宅でも育てられる
先述の通り、サンゴミズキは栽培がしやすい植物ですが、環境を整えなければ枯れてしまうおそれがあります。そのため、以下のことに気をつけて手入れをおこないましょう。
育てるのに向いた場所
庭植えの場合、夏場の気温が高すぎる地域での栽培はおすすめできません。そのため、関西地方での栽培は、避けることが望ましいでしょう。また、サンゴミズキを植えるには、日が当たりつつ夏の直射日光が避けられる場所が好ましいです。そのため、1日に数時間しか日の当たらない半日陰の場所に植えることをおすすめします。
水や肥料のあげ方
庭植えならば、基本的に水を与える必要はなく、降雨の水だけでかまいません。ただし、日照りが続いて地面が乾いている場合は、水やりをおこなうようにしてください。鉢植えの場合は、水やりが必要になります。地表が乾いていたら、適時与えるようにしましょう。
また、サンゴミズキの場合は、他の植物よりも肥料の与えすぎに注意しなくてはなりません。栄養が徐々に溶け出すことが特徴の緩効性肥料を選ぶことをおすすめします。緩効性肥料は継続的に効果を発揮するため、施肥の頻度も2か月に1回程度で問題ありません。
植え替えや植え付けのやり方
適切な時期は、植え替えも植え付けも落葉が始まる秋の終わりごろです。植え替えならば古い土を根から軽く落とし、新しい用土にサンゴミズキを植えて水を与えるだけですので他の植物と同様に作業を進めましょう。
植え付けの場合は、まず、予定地を根の2倍程度の深さに掘ります。次に、土壌に腐葉土や堆肥を混ぜて、サンゴミズキと一緒に穴へ戻します。最後に水を与えたら、数日は異常がないか様子をみておくとよいでしょう。
挿し木を使った増やし方
サンゴミズキは、切り取った枝を水につけておくだけでも根が生えてくるほど、生命力の強い植物です。そのため、植物を増やす手法の中でもっとも、サンゴミズキに適しているのは挿し木でしょう。
まず挿し木のもととなるサンゴミズキの枝を選びます。選ぶ基準は3つあります。1つ目は丈夫な枝であること、2つ目は切り取っても支障のない箇所であること、3つ目は葉が付いていることです。
条件を満たす枝を選んだら、500mlのペットボトル程度の長さに切り取ります。切り取った枝には、水揚げの処理をおこなうことをおすすめします。水揚げは、切り取った枝の切り口を水中でななめに切り、水につける作業です。およそ1時間つけておくことによって、枝が水不足で枯れてしまうことを予防することができます。
次に、成長以外に必要な栄養を最低限におさえるため、枝についている葉を整理します。葉はできるだけ均等な位置関係になるよう数枚選び、その他の葉は取り除きます。最後に、水はけのよい土壌に枝を挿して作業は終了です。2か月程で根が張りますので、半日陰で水を切らさないことを意識しながら育てましょう。
成長の早いサンゴミズキには剪定が欠かせない
丈夫で生命力も強いため、あまり手をかけずに育てることのできるサンゴミズキですが、それゆえに気をつけなければならないことがあります。それは、樹形を整えたり健康を維持したりする役割をもつ、剪定の作業です。生命力の強いサンゴミズキは成長が早いため、定期的に剪定をおこない、樹形を維持することに努めましょう。
作業に適した時期として、開花期が終わる夏ごろに大規模な剪定をすることがおすすめです。ただし、他の植物に比べて耐性があるため、必要に応じて時期を選ばずに剪定をすることができます。
剪定作業では、弱っている枝や伸びすぎて樹形を崩すような枝を切り取ってしまいましょう。しかし、誤った剪定方法であったり、剪定を怠ったりすれば周囲の環境に悪影響を及ぼしてしまうおそれがあります。もし剪定が大変だなと感じたり、不安があったりする方は、業者に依頼することがおすすめです。
サンゴミズキを生け花にしてみよう
冬になると枝が赤く染まるサンゴミズキの枝は、生け花の素材として広くもちいられています。そんなサンゴミズキを家で育てるのなら、生け花に挑戦してみるのもひとつの楽しみになるのではないでしょうか。
生け花のやり方
生けるさいには、挿し木の方法にもあったように枝の先を水中でななめに切ることをおすすめします。サンゴミズキを生ける花瓶の種類に、決まりはありません。飾る場所にあったものを、自由に選んでみましょう。
さらにサンゴミズキは、丈夫でありながらしなやかであるという特性があります。自分の好みで形を変えることができるので、挑戦してみてはいかがでしょうか。
生け花にするなら鉢植えで栽培するという方法も
生け花のためにのみサンゴミズキを栽培するのであれば、鉢植えがおすすめです。鉢植えであれば、庭植えと比べて管理がしやすく、すぐれた素材が作りやすいメリットがあるためです。ただ、庭植えと違って根詰まりをおこす危険性があります。
そのため、定期的に植え替えが必要になるので、鉢の大きさと根の張り具合を把握しておきましょう。また、落葉を終えて枝が赤く染まった時期が、切り取る目安になります。思い切って株元から刈り取りましょう。そうすることによって、次に生えてくる枝もまっすぐな生け花に適したものになります。
まとめ
生け花で知られるサンゴミズキは、成長が早いうえに丈夫で、とても育てやすい植物です。しかし、暑すぎない地域であることや半日陰の場所を確保することなど、植える環境を決めるさいには、配慮が必要だといえるでしょう。
また、成長が早く放っておけばすぐに大きく成長してしまうため、景観を損ねるおそれがあります。定期的な剪定が、そうしたトラブルを防ぐ対策になるので、サンゴミズキを楽しむためにも、怠らないようにしましょう。また、赤い枝を活用して、生け花にも挑戦してみてはいかがでしょうか。
もし剪定の作業に不安があったり、生け花の素材に適した枝を作りたいのであれば、業者に相談してみることをおすすめします。
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