
家のお庭で花や樹木を育てているご家庭も多いのではないでしょうか。花や樹木がお庭にあるのとないのでは、その華やかさが異なりますよね。
お庭で育てられる花の種類は多くあり、その中でも人気があるのがモッコウバラです。つる性のバラで、フェンスやアーチ、壁面などに仕立てることでお庭を華やかに飾ることができます。
そんなモッコウバラは、ほかの種類のバラとは花芽をつける時期が異なります。ほかの種類のバラよりも早い9月ごろに花芽をつけるため、5月から6月の剪定が適しているのです。また、モッコウバラは生長がとても早いため、剪定がかかせません。
この記事では、モッコウバラの剪定時期や方法についてご紹介します。正しい方法でモッコウバラを剪定し、きれいに育てていきましょう。
目次
モッコウバラの剪定時期はほかのバラと異なる
モッコウバラは、ほかのつるバラとは剪定時期が異なります。とくに、ほかのつるバラと一緒にモッコウバラを育てている方は、同じ時期に剪定をしてしまいがちです。
モッコウバラとほかのつるバラの剪定時期が異なる理由は、花をつける季節が異なるからです。基本的にモッコウバラ以外のつるバラの種の多くは、早いものでも2月にならないと花芽をつけません。しかし、モッコウバラは、9月ごろには花芽ができ始めていきます。
このことから、モッコウバラはほかのつるバラに比べて、生長が前倒しで進んでいくことがわかります。ゆえにモッコウバラは、ほかのつるバラよりも花を咲かせる季節が早いのです。
そのため、モッコウバラをほかのつるバラと同じ時期に剪定してしまうと、やがて花になる花芽(はなめ)を切り取ってしまう危険があり、最悪の場合花が咲かないという事態にもなりかねません。
また、適切な剪定時期を逃して放置してしまうと、生長がとても早いモッコウバラは、一気に伸びて見栄えも悪くなってしまいます。そのため、モッコウバラの特徴を知り、適切な剪定時期を確認しておくことが大切なのです。
モッコウバラの剪定は5月・6月が最適
花や樹木は、1年に1度だけ剪定をおこなえばよいものと、1年に2度剪定するのが適しているものがあります。おもに夏の時期に「夏剪定」をおこない、必要に応じて冬に「冬剪定」をおこないます。
モッコウバラの場合は、夏剪定を中心におこなっていきます。適している時期は夏前の5月から6月で、遅くとも7月の上旬までには済ませておきましょう。
花の剪定は、花芽をつける2か月前までに済ませておくことが理想とされています。モッコウバラは、秋には花芽がつき始めてしまうため、ほかのバラよりも早い5月や6月に剪定をおこなうのです。
冬剪定をおこなう場合は、12月中旬から2月の中旬ごろまでに済ませておきましょう。必ずおこなわなければならないわけではありませんが、古い枝が目立ってきたり花が咲かなくなったりした枝がある場合は切り落とします。
そうすることで、必要な枝にしっかりと栄養をいきわたらせることができるのです。また、枝が混み合っている場合も、必要に応じて根元から切り取りましょう。
モッコウバラの剪定方法
モッコウバラの特徴のひとつとしてあげられるのは、生長がとても早いという点です。ほかの花に比べて生長のペースがかなり早いので、一部のバラ愛好家の間では、「モンスター」とも呼ばれているといいます。
そんな生長が早い種において最も大切なのが、剪定です。モッコウバラは、春から夏にかけて非常に元気よく伸びていきます。適切な季節にしっかりと剪定をしておかないと、想像以上にぐんぐんと生長してしまうので注意が必要です。
また、剪定をしないと不要な部分に栄養分がとられてしまい、きれいにモッコウバラが咲かなかったり、病害虫発生の原因になったりしてしまいます。モッコウバラの剪定はどのようにおこなえばよいか、見ていきましょう。
モッコウバラを剪定する前の準備
モッコウバラを剪定するには、下記のような剪定用の道具があると便利です。これらの道具は一般的に、ホームセンターなどで購入できます。
剪定ハサミ……商品によって違いはありますが、基本的に1.5cm程度までの枝を切り落とすことができます。規定よりも太い枝を無理に切り落とそうとすると、ハサミが壊れる原因になるのでやめておきましょう。
剪定用ノコギリ……剪定ハサミで対応できない太い枝を切り落とすのに使います。木材を切るノコギリとは用途が違うので、剪定用のノコギリを用意しましょう。
また、モッコウバラが大きく育っていている場合は、高い位置の剪定に困ってしまうこともあるでしょう。そのような場合は、高枝切りハサミや脚立があると便利です。また、剪定したあとの枝を片付けるためのごみ袋や軍手も用意しておくとよいでしょう。
基本的な剪定手順
モッコウバラの剪定は、弱った枝、ほかの枝と絡み合っている枝、伸びた枝を切り落としていくのがおもな作業です。剪定の際にはむやみに切り落としていくのではなく、まずは理想の樹形をイメージしていきましょう。
樹形のイメージができたら、上記のような不要な枝を選んで切り落としていきます。絡み合ってしまった枝や伸びすぎた枝などを切り落とすことで木全体の風通しがよくなるため、病害虫からモッコウバラを守る効果も期待できます。
若い枝のシュートに注意!
株の根元から生えてくる若い枝は「シュート」と呼ばれており、放っておくと勢いよく生長してしまいます。
放置してしまうと、縦にも横にも広がり、樹形を乱してしまうのでバランスを見ながら剪定してあげましょう。不要なシュートを切り落とすことで、栄養が必要な枝に栄養分を送ることができます。
モッコウバラの場合、伸びた太いシュートを切り取ります。太いシュートを整理すると、一気にすっきりとした印象となるでしょう。
大胆に切ってしまうので、少しちゅうちょしてしまう方も多いかもしれませんが、切り取ったシュートからはすぐに小枝が伸び、その小枝に花が咲くようになります。
老木モッコウバラの場合
モッコウバラの剪定で切るべき枝は、3年以上ほどたった古い枝や花が咲かなくなってしまった枝、さらには貧弱で育ちの悪い枝です。
何年も育てている老木がある場合は、このような枝を思い切って切り落とし、再生することで新しいシュートが生えてきます。花つきが悪いと感じたり、弱っていると感じたりする場合は、切り落として再生を図りましょう。
モッコウバラは、成長が非常に早い種であるからこそ、しっかりと剪定することが重要です。必要な枝と不必要な枝を見極めて、たくさんのきれいな花が見られるようにしましょう。
モッコウバラの育て方
モッコウバラは地植え以外に、鉢植えでも育てることができます。ここでは、地植えする場合の育て方と鉢植えする場合の育て方をそれぞれご紹介します。自分のスタイルに合わせた方法でモッコウバラを育ててみてください。
地植えで育てる
地植えでモッコウバラを育てる場合は、日当たりがよく風通しのよい環境を選びます。植える場所が決まったら土を掘りおこし、バラ専用の肥料、または赤玉土や腐葉土・鹿沼土を配合した肥料を混ぜ込んでおきましょう。苗の植えつけをする2週間前くらいにおこなっておくと、土が肥料となじんでくれます。
苗を植えたあとは根付くまで、土の表面が乾燥しないように気をつけながら、たっぷり水を与えてください。
植えつけのあと肥料を与える場合は、配合などの失敗がないバラ専用の肥料をあげるのがよいです。また、肥料は与えすぎると花が咲かなくなるおそれがあるので、分量をしっかり確認して与えましょう。
鉢植えで育てる
モッコウバラを鉢植えで育てる場合は、市販のバラ専用培養土がおすすめです。鉢植え用に配合されているものを選べば、失敗なく安心して使用することができます。
購入してきた苗を鉢に植え替えるときは、土はほぐさず、根を傷めないようにそのまま植え替えるようにしましょう。むやみに根を触ると、苗が弱ってしまいます。
水やりは、地植えと同じで土の表面が乾燥してきたら、たっぷり与えます。肥料も地植えと同じで、与えすぎると花が咲かなくなってしまったり弱ったりしてしまうため、量に注意しましょう。
また、鉢植えで育てるときは鉢の中で根詰まりがおこらないように、数年に一度、一回り以上大きい鉢へ植え替えするようにします。そうすることで、花つきや生長もよくなりモッコウバラをより楽しむことができます。
モッコウバラの増やし方
モッコウバラは挿し木で数を増やすことができます。モッコウバラを増やしてみたいと思った場合は、挿し木に挑戦してみてはいかがでしょうか。挿し木にも適切な時期や手順があるので、正しいやり方を確認しておきましょう。
挿し木の適した時期
モッコウバラの挿し木は、花が咲き終えた6月~7月上旬までが適切な時期です。この時期に生長が止まってしまった硬い枝を選び、挿し木をしていきます。冬の時期に挿し木をすることも可能ですが、生長が鈍くなっているため発根しにくいです。
必要な道具
モッコウバラの挿し木に必要なものは下記のようなものです。
●10~15センチ程度の枝(硬めの枝を選ぶ)
●カッターナイフ
●鉢やプランター
●水あげ用のバケツや花びん
●赤玉土やバーミキュライト(ケイ酸塩鉱物)を混ぜた挿し木用の土
●発根促進剤
手順
【1】生長し終わった硬めの枝を用意し、10~15センチ程度の長さにします。カッターナイフなどで切り口を斜めに切り落とし、1時間ほど水あげをおこないましょう。斜めに切り落とすことで断面が広くなり、水あげの効率もよくなります。
【2】鉢やプランターに、湿らせた赤玉土やバーミキュライトを混ぜた挿し木用の土を準備し、水あげを終えた挿し木を挿していきます。必須ではありませんが、木を挿す前に、枝の切り口に発根促進剤をまぶしておくと発根しやすくなります。
【3】鉢は半日ほど陽があたるような明るい日陰で管理をおこない、土の乾燥に気をつけながら発根を待ちます。順調に育っていけば、約1か月半~2か月ほどで発根します。
うまく誘引してきれいな花を咲かせよう
つる性のモッコウバラは、フェンスや壁、支柱に巻き付けて楽しむこともできます。壁やフェンスに誘引して花を咲かせるだけで、自宅やお庭が華やぎます。洋風の上品な雰囲気にも仕上がるため、きれいに誘引したいという方も多いでしょう。
また、ほかの種のつるバラを育てている方は、合わせて育てることでさらに美しい壁面に仕上がります。
ここでは、モッコウバラのおもな誘引方法をご紹介します。モッコウバラをきれいに誘引してお庭を華やかにしてみましょう。
オベリスクやトレリスで仕立てる
つる性のモッコウバラは、オベリスクやトレリスに誘引し仕立てることで、華やかなガーデニングを楽しむことができます。一般的に、オベリスクとは柱状で上の部分にいくにつれて細くなっていく形で、トレリスとは格子の形のことです。
オベリスクやトレリスは柱状なので、狭い場所でも設置することができ便利です。生長が早いモッコウバラには、高さのあるオベリスクやトレリスを選ぶとよいでしょう。
壁面に仕立てる
モッコウバラを家の壁面にはわせて仕立てる方法もあります。誘引するためにワイヤーを張ったり、壁にビスを打ち込んだりする必要がありますが、仕立てたあとの開花は圧巻でしょう。
お庭のスペースが設けられない場合でも、壁にはわせることでモッコウバラを楽しむことができるのでおすすめです。
フェンスをDIYする
自分でフェンスをDIYするのもよいでしょう。そろえる材料によっては、安値で抑えることができるメリットもあります。フェンスは家の目隠しだったり、お庭を彩ったりするのに役立ってくれるので、DIYで設置してみるのもおすすめです。
よりきれいに仕立てるならプロに任せよう
モッコウバラはご自身で誘引することもできますが、壁面やフェンスにきれいに誘引するのは、かなりの技術を要します。
そのため、壁面などに誘引してきれいに咲かせるのが夢だという方は、業者に依頼してやってもらうのが賢明です。とくに、大型のモッコウバラを育てている方は、作業自体も大変になります。
せっかく壁一面にモッコウバラなどのつるバラを咲かせるのならば、より美しく仕上げたいものです。多くの方の目につくものになるため、きれいに誘引したいですよね。
また、数種類のつるバラをミックスさせて壁面などに誘引したいという方は、業者に依頼することでよりきれいに配置してもらえるでしょう。
まとめ
モッコウバラの剪定は、ほかのつるバラよりも比較的早い5月から6月、遅くても7月の上旬には終わらせておきましょう。モッコウバラは生長が非常に早いため、適切な時期にしっかりと剪定することが重要です。
剪定方法は、古い枝や生長が進んでいない枝、貧弱な枝などをしっかりと見極めて、不必要だと思った枝を根元から切っていきます。シュートについても、剪定する年に入ってからぐんぐんと伸びたものは、切り取ってしまいましょう。
また、つるバラはきれいに誘引できれば、よりその魅力を楽しむことができます。剪定や誘引に不安な部分がある場合は、業者に依頼してみることもおすすめします。せっかくですから、きれいにモッコウバラを咲かせてあげましょう。
迅速・丁寧に受付対応!
庭木1本からお任せください!
※対応エリアや加盟店によって変わります
庭木が健康に成長するためにかかせないのが剪定です。剪定のプロがお庭や植木の状態を詳しくお調べし、プロの目から見て一番効率の良い最高の剪定方法をご提案します。
- 『生活110番』では、
お住いの地域で人気のプロを探せます - お庭・樹園、どんな木でも対応。落ち葉、枝、雑草など剪定後の処理もいたします!
-
- 剪定
- 4,000円~/本(税込)
剪定業者を検索
厳選した全国の剪定業者を探せます!