雨漏り修理の費用相場を場所別に!天井から滴る水はすぐに止めよう

2021.4.30

雨漏り修理の費用相場を場所別に!天井から滴る水はすぐに止めよう

雨漏り修理の費用は、原因箇所のみを修理するか、全面的に修理するかによって変わります。

例えば屋根からの雨漏りの場合、屋根材の交換やコーキング修理だけであれば、修理費用は比較的安価です。一方、屋根の破損がひどく、全体のリフォームが必要になった場合は、修理費用がかなり高額になってしまいます。

だからといって、自分で雨漏り修理をするのは非常に危険なので、費用がかかっても業者に依頼しましょう。今回は、雨漏り修理費用の相場を場所別にご紹介します。雨漏り修理に火災保険を適用できるケースについても解説しますので、併せて参考にしてみてください。

雨漏り修理は費用がかかっても業者に依頼しよう

最初にお伝えしたように、自分で雨漏り修理をするのは非常に危険です。慣れない高所での作業は、ときに命に関わる事故につながるおそれがあるからです。また、雨漏りしている箇所の見極めが素人には難しいという理由もあります。

しかし、業者がすぐに来られない場合や、雨漏りがひどくて今すぐどうにかしたい場合もありますよね。そんなときは、以下の応急処置をおこなってください。

自分でできる応急処置の方法

自分でできる応急処置としては、ブルーシートを雨漏りしている部分に敷くか、コーキング剤で塞ぐといった方法があります。どちらも高所作業になるため、細心の注意を払っておこなうようにしてください。また、雨漏り箇所が2階以上の高さの場合や、少しでも怖いと思ったら、応急処置でも業者におこなってもらうようにしましょう。

また、コーキング剤には下記のような種類があります。新しく購入するのであれば、それぞれの特徴を知ってどちらを購入するか決めましょう。

(1)シリコン系コーキング材
シリコン系のコーキング材は市販で手に入れることができます。耐久性があり、価格も安価なため手に入りやすい補修材です。
屋根のちょっとした隙間や穴を補修するときに最適です。ほかにも洗面所や浴室、キッチンなどでも使用できるので家に1本あると便利でしょう。

(2)変形シリコン系コーキング材
またコーキング材には変形シリコン系シーリング材があります。一般的なシリコン系のものよりも汚れがつきにくく、ひび割れ補修には最適です。価格はシリコン系のものよりも高くなっていますが、タイル地やコンクリートにも使用できるので頻繁にDIYで補修をするようなときには便利です。

いずれの材料も該当箇所の範囲が狭い場合は、少量の施工で済みます。安いものでは300円~600円ほどで購入することができます。

雨漏りを放置するデメリットは大きい

小さな雨漏りであっても、放置しているとどんどん被害が拡大してしまいます。例えば以下のような被害が発生します。

・建材の腐食
家を支えている柱などの建材が腐食すると、家の耐震性が落ちて、地震や台風などで倒壊しやすくなってしまいます。

・漏電の発生
漏れてきた雨水が電気設備にかかると、漏電が発生します。感電や火災の原因になることもあります。

・カビの発生
雨漏りで湿度が高くなると、カビが発生しやすくなります。人が長期間カビの胞子を吸い込み続けると、アレルギーなどの健康被害につながることもあります。

・シロアリ被害
雨漏りで家の湿度が高い状態が続くと、シロアリが発生しやすくなります。シロアリは家の建材などを食べるため、放置していると家の耐震性が大きく落ちてしまうおそれがあります。

このようなことから、雨漏りの被害があまりなさそうだと思っても、なるべく早く修理をしましょう。

【原因別】屋根の雨漏りの修理内容と費用

原因別に、屋根の雨漏り修理の内容と費用相場をご紹介します。

棟板金の破損

屋根の葺き替え工事の工程を解説!費用についてもご紹介します

棟板金とはスレート屋根のとがった部分の金属の板のことです。この棟板金は屋根のてっぺんからの雨漏りを阻止する役割があるので、もし壊れている場合、そこから水が浸入してしまう原因となります

修理内容と費用は?

棟板金とその下にある棟板を取り出し、施工場所の汚れを取り除きます。まずは新しい棟板を固定し、その上から棟板金を釘やネジを使って棟板に打ち付けて固定します。
棟板金交換は、単独で修理をおこなった場合と屋根の工事が必要となった場合費用が異なることも多いです

  • 棟板金工事のみ   約5,000円/m~
  • 屋根の本体工事を伴った工事  約2,000円/m~

実際は足場設置費用や工事管理費などを含めて建坪15坪ほどの場合、23万5,000円ほどかかることがあるようです。

漆喰の劣化

漆喰(しっくい)とは瓦や石材の接着や、目地の充填などに使われるものです。この漆喰は長年雨風に晒され、直射日光に照らされ続けていると時間とともに劣化していきます
この漆喰に不備があると瓦などがズレてしまったりしてそこから雨漏りする原因となります。

修理内容と費用は?

日本瓦や赤瓦などで使用する漆喰の補修作業をおこないます。まずは漆喰が剥がれている部分を取り壊し、除去します。漆喰の土台となる葺き土に水を足しながら調整し、該当箇所に塗り込みます。

漆喰補修では1軒につき39万円~67万円かかることがあります。漆喰は1メートルほどの工事でも7,000円程度かかることがあり、屋根工事の中でも比較的高額となっています。

スレート屋根の破損

スレート屋根は「カラーベスト」「ストレート屋根」などと呼ばれている種類の屋根です。瓦よりコストが安く、デザインも豊富で、重量もない手軽さから多くの家の屋根に使われている種類です。

コストも安く、手軽な反面、劣化などが原因でスレートがズレてしまったり、破損したりしてそこから雨漏りしてしまうことがあります。

修理内容と費用は?

スレートの状態によって修理か交換のどちらかで作業をおこないます。スレートに傷がついている場合や浮いている場合は、シリコンのコーキング剤を注入することで解決できることもあります。しかし、程度がひどい場合は交換になることもあるので、業者に調査結果をよく確認しましょう。

瓦の破損

瓦は粘土を一定の形に固めた建具です。耐久性やデザイン性に優れ、断熱性が高い反面、粘土でできているので重量があり、割れやすいのも瓦の特徴です。

修理内容と費用は?

瓦屋根の修理の費用は原因の度合いによって変化します。というのも、瓦はほかの屋根とは違い、1枚1枚剥がせる仕様となっています。ですので、壊れた箇所だけを取り替えることや修理することが可能です。

しかし、雨漏り被害がひどい場合には、瓦全てを取り替えなければいけないケースもあり得ます。修理方法がほかの種類より楽な分、メンテナンスを怠ったつけは大きいものとなります。

また、瓦を交換する際は瓦の下にあるルーフィングシートに穴が開いていないことを確認し、新しいものと差し替えます。場合によっては防水のコーティングをすることもあります。

部分補修
約5万円~

瓦の撤去
約20万円~

費用目安はこの程度と予想しておくとよいでしょう。

谷樋の防水性が低い

雨漏りの場所で多いのが谷樋です。防水機能が足りていない場合などは交換が必要です。また、谷樋の交換の際は屋根の形状や大きさに合わせて適切がものを選びましょう。そうしないと、また不具合につながってしまうこともあります。

修理内容と費用は?

該当する谷樋の両サイドのスレートを一度除去し、新しい谷樋を取り付けます。その後スレートをもとに戻すという作業になります。

谷樋の交換 約8万円~

経年劣化

経年劣化を起こしている場合は、数か所から雨漏りを起こしている可能性があります。そのような場合は葺き替え工事をおこなう必要があり、屋根全体(ルーフィングシートや瓦、樋など)を新しいものに変えるための工事をおこないます。

内訳例(瓦からメッキ鋼板)

  • 撤去作業  約30万円
  • 下地補修  約15万円
  • ルーフィングシート施工  約5万円
  • 新しい屋根材       約60万円
  • その他(オプションなど) 約1万円
  • 計111万円

屋根の修理には修理項目ごとに費用にも違いがあります。葺き替え工事でメッキ鋼板に変更することが多いようですが、メッキ鋼板は芯材の腐食を防ぐために亜鉛、メッキ、シリコンで構成されたもので、デザイン性に優れているほか、耐用年数が長いことが特徴です。

これらの費用はあくまで一例ですので、目安として参考にしてください。実際は、雨漏りの程度や対応する業者によって費用が変動します。

屋根以外の雨漏り修理内容と費用

屋根以外で雨漏りしやすいのは、外壁やベランダ、窓サッシなどです。それぞれ雨漏り修理の内容と費用相場をご紹介します。

外壁

外壁は屋根と比べると直接雨は当たりにくいものの、横風を伴う雨の場合、雨がしみこみ、時間の経過とともに劣化していくことでしょう。その結果、ひび割れなどが発生して雨漏りの原因となってしまうことがあるのです。

外壁からの雨漏りを修理した場合、かかる費用の目安は5~250万円ほどとなります。費用に幅があるのは、内容によって金額が大きく変わってくるからです。たとえば、部分的な補修なら10万円以下で済むこともありますが、壁の塗装や張り替えが必要になると100万円を超えてしまうといったようになります。

窓サッシ

サッシ自体がきちんと水蜜性を機能していれば雨漏りの心配はありません。しかし、サッシ回りのコーキングが劣化していくことにより、雨漏りを起こしてしまうことがあります。

窓サッシから雨漏りが起きた場合、コーキングを補修してもらうか、サッシを交換してもらうことになります。その際にかかる費用は簡単な補修であれば3万円程度で済むこともありますが、交換になってくると数十万円になることもあります

排気口

排気口は見落としがちですが、雨漏りをしてしまう場所となります。排気口は雨水が入らない構造になっているものの、フードが浅いものはダクトのジョイント部分から雨漏りを起こしてしまうケースがあるのです。

その場合、フードを深いものに交換するなどして対処します。かかる費用は2万円強のことが多いですが、高所にある場合は足場やゴンドラが必要になるため10万円ほどになってしまうこともあるでしょう。

ベランダ・バルコニー

ベランダやバルコニーなどは勾配が緩く、雨水が溝に溜まりやすい状態にあります。そしてつなぎ目もあるので、そこから劣化が始まり、最終的に漏水をしてしまうことでしょう。

雨風が当たる場所や水や雨が流れる場所は、とくに雨漏りがしやすい場所となっています。屋根からの雨漏りでない場合はこれらの場所も探してみましょう。

ベランダやバルコニーの場合、雨漏りの修理にかかる費用は3~35万円くらいになります。こちらも、簡単な補修などは安く済むことが多いですが、下地の張り替えが必要だったり、ベランダ以外の部分まで被害が及んだ場合などは、数十万円になってしまうこともあります

雨漏り調査に費用がかかることもある

雨漏りをしたときにはまずは原因 の調査をします。そうしなければどの場所を修理したらいいのか、その場所、材質、被害の度合いに応じた最適な雨漏り修理ができなくなってしまうからです。

目視で確認できる場合、費用がかからないことがほとんどですが、それで分からない場合は別の調査が必要になり、費用が発生することが多いです。この章では、目視以外で雨漏りの調査をする方法とそれにかかる費用を見ていきましょう。

散水調査
雨漏り調査では多くこの方法が用いられます。水をかけてどこで雨漏りを起こしているのかなどを目視で確認します。

散水調査の費用は基本料金約7万8千円~、仮設足場約1,200円~、住宅かし担保責任保険対応報告書作成費約5万2千円~となっています。足場費用は脚立などで作業をおこなうことができる場合は必要ありません。

発光液調査
細かな漏洩経路も確認できる調査方法です。ブラックライトで発光する液を流し込み、ライトで照らしながら確認します。特殊な液体を使用するため、その費用も10~20万円と高額になることが多いです。

赤外線調査
赤外線カメラを使用して建物から発生している赤外線を探知し、水の漏洩によって赤外線の発生に変化が起こっている箇所を特定するための調査方法です。

赤外線調査は機材が高いということもあり、安くても10万円くらいかかり、場合によっては40万円近くかかることもあります。赤外線調査をしなくても雨漏り箇所を特定できることもあるので、業者に確認するといいかもしれません。

屋根の内部で割れなどが起こっていることを確認するため、ファイバースコープを使用して調査する方法もあります。直接屋根の中にファイバースコープを差し込み、原因箇所を確認するのです。

調査で屋根の葺き替えなどの本格的な工事が必要になると判断された場合は、すぐに工事がおこなえない場合があります。工事内容として、浸水箇所の壁紙の張り替えなどが必要になる場合もあり、その場での工事ができないことがあります。

雨漏り修理費用を火災保険の適用で抑えられるかも!

火災保険は、地震以外の自然災害による被害を補償する保険です。雨漏りの原因が、台風・強風・大雨・ひょうなどの自然災害によるものであれば、火災保険が適用される可能性が高くなります。例えば、以下のようなケースです。

  • 強風で屋根瓦がずれて雨漏りした
  • ひょうが降って屋根に穴があき、雨漏りした
  • 台風の風で飛んできた看板が屋根にぶつかって穴があき、雨漏りした
  • 大雨で屋根の漆喰が崩れ、雨漏りした

これらの災害は「風災」とよばれ、火災保険のなかの「風災補償」の対象になります。基本的に、火災補償と風災補償はセットになっていることが多いです。

保険適用の判断は、保険会社もしくは保険会社が依頼した第三者機関がおこないます。まずは、加入している保険会社に家が被害を受けた旨を伝え、調査を依頼しましょう。火災保険の詳しい申請手順は、過去コラム「火災保険は屋根修理にも使える!申請に必要な書類や方法について紹介」をご覧ください。

築10年未満の住宅で雨漏りしたらどうする?

築10年未満の住宅で雨漏りした場合、無償で修理を受けられる可能性が高いです。平成12年4月1日に制定された「住宅の品質確保の促進等に関する法律(品確法)」には、以下のような規定があります。

第7章 瑕疵担保責任 第95条
【引用】新築住宅の売買契約においては、売主は、買主に引き渡した時(当該新築住宅が住宅新築請負契約に基づき請負人から当該売主に引き渡されたものである場合にあっては、その引渡しの時)から十年間、住宅の構造耐力上主要な部分等の瑕疵について、民法第四百十五条、第五百四十一条、第五百四十二条、第五百六十二条及び第五百六十三条に規定する担保の責任を負う。

※2020年4月の民法改正により、売主の「瑕疵担保責任」という文言が「契約不適合責任」に改められました。このことにより、該当する民法の条文は、民法第五百六十二条、第五百六十三条、第五百六十四条、第五百六十六条となります。

つまり、新築住宅の引き渡し後10年以内に「住宅の柱や壁など構造耐力上主要な部分(耐震性能に関わる部分や雨漏りを防ぐ部分」に欠陥が見つかった場合、売主が責任をもって補償しなければならない、ということです。

心当たりがある場合は、建物の売主もしくは施工会社に確認してみることをおすすめします。ただし、この場合は自分で業者を選んで修理してもらうことはできないのでご注意ください。

雨漏り修理業者の選び方

業者を選ぶ際は、費用以外の部分もしっかり確認しましょう。

調査をしっかりおこなってくれるかどうか

雨漏り修理で大事なことは、調査でちゃんと原因を突き止めることです。そのため、調査をしっかりして、原因をちゃんと特定してくれる業者を選びましょう。

具体的に言うと、

  • 調査の際は建物の外部だけでなく、内部まで調べてくれる
  • 原因を特定したら、その部分をちゃんと見せて説明してくれる

といったような部分を見るとよいです。

「雨漏り診断士」の資格があるかどうか

「雨漏り診断士」はNPO法人雨漏り診断士協会の認定資格です。資格を取得するためには、建物の基礎知識、雨仕舞いの基礎知識、防水・塗装の基礎知識、雨漏り診断の基礎知識、雨漏り診断の実例・実務からなる試験を受け、合格しなければなりません。

資格を持っているということは、それだけの知識を身に付けているということです。決して安くない工事を依頼するのですから、技術や知識が豊富な業者に依頼したいですよね。だからこそ、業者を選ぶときは、資格の有無も参考にしてみてください。

まとめ

雨漏りが起こる原因には屋根の破損や浮きなどの直接原因や経年劣化や寿命などが考えられます。また雨漏り修理の内容には屋根材や樋など、材料や部品によって費用が異なるのです。

雨漏り修理にはどこから水が漏れているのか確認する必要があり、その調査方法もさまざまです。雨漏りは屋根から発生しているという場合のほかにも建物内部で発生している場合もあるので、赤外線センサーを使っての調査が必要となる場合もあります。

雨漏りは放置していると、思いもよらない被害を起こしてしまうことがあります。なるべく早いうちに修理をしてもらうようにしましょう

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※状況によっては全体修理をおすすめする場合もございます。

雨漏りを放っておくと天井や屋根が腐り、被害が拡大することも。天井から音がしたり、シミがあるなら、できるだけ早くプロに相談して対策しましょう!

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