沈丁花を剪定して元気な庭木に育てよう!剪定時期や方法について解説

2023.11.20

沈丁花を剪定して元気な庭木に育てよう!剪定時期や方法について解説

沈丁花(ジンチョウゲ)は金木犀、梔子(クチナシ)、と並ぶ三大香木と呼ばれており、よい香りがする樹木として多くの人に親しまれています。

沈香(ジンコウ)という木の香りに似ていて、丁子(チョウジ)という植物に葉っぱの形が似ていることから沈丁花と呼ばれるようになったといわれています。

花の色の違いで名称が異なり、花の全体が白い品種をシロバナジンチョウゲ、花の外側が淡いピンクのような紫のような色をしている品種をフクリンジンチョウゲと呼ぶのです。

そんな沈丁花の魅力は花だけではありません。艶があり肉厚な葉も観葉植物として楽しまれています。常緑樹なので冬場に緑が減ってさみしい印象になってしまうお庭に植えたいと考える方も多いようです。

そして、沈丁花を長く健康に育てるためには、4~5月におこなう間引き剪定が必要不可欠です。沈丁花の樹形は自然に整いますが、剪定をおこなっていないと枝が混みあって風通しが悪くなり、病害虫の被害にあう原因になります。

沈丁花に適した剪定の時期や方法、生育環境などをご紹介しますので、この記事を参考にして香り豊かな美しい沈丁花を咲かせましょう。

※対応エリア・加盟店・現場状況により、事前にお客様にご確認したうえで調査・見積りに費用をいただく場合がございます。

沈丁花を剪定するのに適切な時期

沈丁花は3月~4月に花を咲かせます。一箇所に20~30個ほどの花が集まって咲いて、丸い束のような形をしているのが特徴的です。この美しい花を楽しむためには適切な剪定をおこなう必要があります。

沈丁花について知ろう

剪定に適した時期は花が咲き終わる4月~5月の間です。それ以降でも剪定をおこなうことはできますが、大胆に枝を落とすことはしないほうがよいとされています。どうしても適期以降の剪定をおこなう場合は、邪魔になっている枝を少し切るくらいにしておきましょう。

沈丁花の樹形は成長とともに自然に整いますが、放っておくと枝が込み合って風通しが悪くなるため、湿度が高くなります。すると、害虫が発生しやすくなったり病気にかかったりするおそれがあるのです。

発生しやすい害虫 症状
アブラムシ 新芽や葉っぱから栄養を吸い取って株を弱らせたり、すす病というウイルスを運んできたりします。
ハマキムシ 葉を食べてしまいます。
かかりやすい病気 症状
白紋羽病 葉が黄色くなり根が褐色に変色します。もし発病した場合、この病気を治療することはできません。根から抜きとって、処分する必要があります。

上記のような害虫や病気を防ぐために、樹形が整っていても4月~5月は沈丁花の剪定を忘れずにおこなうようにしましょう。

病気や害虫予防にもなる剪定方法について

前述したように、沈丁花は何もしなくても半球型に樹形はまとまっていくので、形を整えるための剪定をおこなう必要はありません。逆に枝を切りすぎてしまうと株が弱くなってしまう場合もあります。

そのため、基本的に長くなりすぎている徒長枝や込み合って絡まっている枝を取り除きながら、樹形から飛び出している枝のみを切っていくのです。これを間引き剪定といいます。

枝の途中で切るのではなく、枝分かれしているところで小枝は残しておくように剪定をしましょう。一気に強い剪定をおこなうと樹勢が弱くなってしまうので注意してください。

沈丁花の剪定時期と目安

木が成長しすぎてしまって小さくしたいときや、若返りをさせたいといったときのみ強い剪定をおこないましょう。

強剪定をする場合は、花が終わった後の新しい鞘が伸びる時期であればすぐに樹形も整います。一度に切り過ぎると、木が育ちにくく花の数が減ってしまうので、3年ほどかけて少しずつ小さくしていくのがおすすめです。

剪定に使用する道具

剪定に使用する道具はおもに以下の4点です。枝を切るもの以外にも用意しておいたほうがよいものをご紹介しますので、道具を購入する際は参考にしてください。

剪定ばさみ
細い枝を切るために使用します。自分の手の大きさや対応可能な枝の太さなどを確認して購入しましょう。

剪定ノコギリ
太い枝を切るために使用します。刃の長さや握りやすさが異なるものがあるので、扱いやすいと感じるサイズのものを選ぶとよいでしょう。

作業用手袋
はさみやノコギリ、切断した枝先などで手をケガするおそれもあります。鋭利なものに耐性がある強度の高い手袋を着用して作業するのがおすすめです。

癒合剤
癒合剤は剪定後に傷口となる枝の切り口に塗ります。たとえ必要な作業であっても、剪定で樹木を傷つけることに変わりはないので、傷口を保護して治りをよくするものを塗布しておくのは大切なことなのです。

上記の4つの道具以外にも、剪定の際にビニールシートや新聞紙などを周りに敷いておくと、剪定後の枝の処分や片付けが楽になります。掃除道具と合わせて用意しておくとよいでしょう。

失敗しないためのコツ

剪定を失敗しないためにもっとも重要なことはやり過ぎないことです。何度もご紹介しているように、沈丁花は樹形を大きく変えるような剪定が不要です。しかし、枝が成長すれば邪魔になるものはあります。

かといって、これから成長する芽まで切ってしまうと成長がうまくいかなくなるおそれもあるでしょう。剪定する枝を選ぶのが難しい場合は業者に依頼するという方法もあるので、心配な方はプロの力を借りましょう。

また、道具のお手入れをしておくことも大切です。切れ味の悪い道具ではなかなか枝が切れないこともあるため、植物に不要な傷をつけてしまうおそれがあります。

汚れなどが付着した道具も危険です。道具に菌がついていて、そこから植物に菌が移り病気を発症するという場合があります。

剪定前はもちろん、剪定後も次回のために水洗いや消毒などをして道具を清潔な状態に保っておきましょう。

剪定だけじゃない!沈丁花を元気に育てる3つのポイント

沈丁花には剪定も大切ですが、基本的な育て方を知っておくことでより元気に花を咲かせることができます。以下の3点を確認して、ご自身の栽培環境やお手入れ方法と異なる点があれば、できるところから改善していきましょう。

育てやすい環境

沈丁花は、西日が当たりにくい半日陰で育てることが好ましいです。ただし、まったく日が当たらないと、花が育ちにくくなるので注意しましょう。

育てる土壌は水はけのよいところがよいでしょう。移植に弱く根が傷つくと株が枯れてしまうことが多いので、これから植えて育てる場合は鉢植えで育てるよりも庭に植えて育てるのがおすすめです。

また、肥料はとくに必要ありませんが、心配な方は4月~5月と9月に緩効性の肥料を与え、2月に有機質の肥料を与えると株が弱るのを防ぐことができます。

水やり

沈丁花の根は、地中深くに伸ばすことができません。そのため、土の表面が乾燥することを嫌います。新芽が育つ春や高温になり乾燥するおそれがある夏は十分に水を与えてください。極端に乾燥しなければ大丈夫なので、秋冬にはたくさんの水を与える必要はありません。

鉢植えで育てる場合

鉢植えで栽培する際は、植え替えをしないことを前提にするならば水はけ、水持ちがよい土で育てましょう。赤玉土と腐葉土を混ぜたものがおすすめです。

また、もしもやむをえず移植をおこなう場合は、花が咲いた後の新芽が成長を始める前の3月後半~4月、または9月後半~10月におこないましょう。根を傷つけると枯れてしまうおそれがあるので、気をつけながら根鉢を崩してください。

移植をおこなう際は、同じ場所で同じ土を使わずに新しい土を用意する必要があります。同じ土を使うと、生育不良の原因となる連作障害という病気や害虫が発生しやすくなる障害が起こるおそれがあるからです。

面倒に感じるかもしれませんが、沈丁花を元気に育てるためには必要なことなので、新しい土を用意して慎重に植え替えましょう。

短命の沈丁花を長く楽しむ方法

香り豊かで美しい花を楽しむことができる沈丁花ですが、寿命は花木のなかでは短く20~30年といわれています。そんな沈丁花をより長く楽しむためには、挿し木をおこなって新しい木を育てなくてはなりません。

挿し木とは、樹木の株の一部を切り取って植え、そこから枝を成長させて別の木として育てる植物の増やし方です。

沈丁花の場合は、4月か7月~8月に挿し木をして増やすことができます。昨年の花後から伸びた枝を10~15cm程度切り取り、赤玉土に挿して育てましょう。

切り口を斜めにして水を吸い上げやすいようにし、乾燥しないよう水やりをして育てると次第に成長します。根が伸びてきたらしっかりと根付かせたい場所に植え替えて育てましょう。

まとめ

沈丁花は比較的丈夫でこまめに剪定する必要がないので、植物を育てたことがない方も簡単に育てることができるでしょう。

ただし、形を整えるために沈丁花の剪定をおこなう必要はほとんどありませんが、病気や害虫の被害にあわないためには剪定が必要です。

沈丁花は切りすぎると樹勢が弱くなってしまうなど注意しなければなりません。そのため、もし剪定について分からないことや困ったことがあれば剪定のプロに任せるのもひとつの方法です。

プロに相談すれば、日常的なお手入れにつてのアドバイスがもらえる可能性もあるので、これから育てていくヒントが得られるかもしれません。美しく健康な沈丁花を楽しむために、適切なお手入れをおこないましょう。


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