柿の木の剪定時期は12~3月が基本!幼木と成木で異なる剪定方法をご紹介

2023.11.20

柿の木の剪定時期は12~3月が基本!幼木と成木で異なる剪定方法をご紹介

柿の実は栄養価が高く、日本でも代表的な果実として知られています。せっかく柿の木を育てているなら「おいしい実を収穫したい」と思っている人も多いでしょう。

大ぶりでおいしい柿の実を収穫したいのなら、正しく剪定することが重要です。不要な枝を切って間引くことで、実に行き渡る栄養を調整することができるからです。また、木を適切なサイズに保つことで、日々のお世話や実の収穫が楽になります。

この記事で柿の木を上手に剪定するコツをご紹介するので、ぜひ次の剪定から取り入れてみてください。

うまく剪定できないときは

柿の木は成長段階に応じて剪定方法を変える必要があり、気をつけるべきポイントも多くあります。柿の木はただでさえ実の間引きや害虫対策などで大変なので、剪定はついつい後回しになってしまうことも多いです。

なかなか剪定できず枝が伸び放題なときや、日頃のお手入れが大変で剪定の時間がとれそうにないときは、遠慮なく剪定のプロを頼りましょう。

※対応エリア・加盟店・現場状況により、事前にお客様にご確認したうえで調査・見積りに費用をいただく場合がございます。

柿の木の特徴とは?

はじめに、柿の特徴について解説していきます。秋の代名詞の1つとして有名な柿ですが、どのように生長していくのでしょうか。

柿の木はどのように成長するのか?

柿の木も剪定をせず放っておけば、一般的な木と同じようにまっすぐ上に伸びていきますが、その一方で、日光に当たりにくい枝は枯死(こし)してしまうという特徴があります。
そのため、木自体がどんどん高く成長していく一方で、下の枝はどんどん枯れていってしまうのです。

柿の木は横方向にも広がっていきます

大まかな目安ですが、柿の木は1年に15cmほど大きくなっていくとされているのです。
「桃栗3年柿8年」ということばがありますが、柿の実がなるまで育てていくと、柿の木はかなり大きくなっていると予測できます。

柿の実がつき始める時期は?

柿の木には、5~7年経った頃から実がつき始めるとされています。その年に実がついた枝は、前の年の時点で新しく生えた枝です。しかし、そのすべての枝に実がつくわけではないことは留意しておきましょう。

また柿の実は基本的に毎年できますが、大量に実がつくとそれだけ養分が分散され、小ぶりで品質もよくないものになってしまいます。なるべく多くの果実が大きく育つためには、柿の木の剪定や後述する摘果作業によって実を選別する必要があるでしょう。

柿の木の剪定時期とめざす樹形

柿の剪定について知っておこう

実際に剪定をおこなう前に、柿の木の剪定について知っておきましょう。剪定についてわからない点がある方も少なくはないでしょう。ここでは、いくつかの疑問にお答えする形で柿の木の剪定についてご紹介します。

なぜ剪定するのか?

柿に限らず、樹木は剪定をおこなうのが必須であり、それによりさまざまなメリットを得ることができます。例えば柿の場合、剪定で以下のようなメリットが発生するのです。

(1)果実の量の調整
柿の木に果実が実りすぎてしまうと、果実に届く栄養が分散されてしまいます。そのため、剪定によって果実の量を調整しておく必要があるのです。果実の量を調整することで果実に行き渡る栄養が増え、サイズも大きくなるという恩恵を受けられます。

(2)樹形の調整
柿の木は、枝が横方向に伸びた横長の樹形が理想だとされています。剪定をすることで樹形を整えておけば、実の収穫が楽になったり、害虫予防の農薬の散布が楽だったりします。また、木が生長して大きくなるのを防ぐことができるので、年々管理が大変になるというリスクをなくすこともできるのです。

(3)枝の調整
柿の木の枝の密度が高すぎると、幹に太陽光が当たらなかったり果実に傷がついたりするおそれがあります。剪定により枝の密度を下げておくと、きれいな果実が収穫できたり柿が効率よく生長することが可能になったりするのです。

柿の剪定時期

柿の木の剪定は、柿の花が咲いていない12月~3月におこなうことが一般的です。この時期の柿の木は休眠に入っているため、剪定をしても樹の生長を阻害しないとされています。10月~11月が柿の収穫期なので、収穫後に剪定をすることになります。

なお、枝の密度が高いせいで幹に太陽の光が差し込まない場合は、6月下旬~7月上旬に余分な枝を取り除く作業をすることもあります。

生長のし過ぎを抑えることもできる

先ほども述べた通り、柿の木は放置しておくとどんどん上の方に伸びていきます。ですので、横長の樹形にするためには、木が高く生長するのを抑えなければいけません。そのためには、「主幹」を切る必要があります。

主幹とは、文字通り木の幹から伸びている木の中でいちばん太い部分です。
柿の木がある程度生長した頃に主幹の上の部分を切ることで、柿の木は全体を支える幹と枝分かれして横に伸びた枝のみになります。
こうして木が高く上に伸びるのを抑えて、めざす樹形に近づけることができるのです。

柿の木の剪定時期と方法

剪定をするときの枝の切り方

この項目では、実際に剪定作業をするために覚えておきたい枝の切り方をご紹介します。枝の切り方を誤ってしまうと、逆に柿の木が弱ってしまうおそれがあるので注意しましょう。

枝のどの部分を切ったらいいか?

柿の木の剪定の際、余計な枝を1本切るならどの部分を切るのが適切といえるのでしょうか。
この場合に切るべき箇所は、枝の表面のうち新しく枝が芽吹いている箇所のすぐ上の部分です。この部分を切るときは、枝の方向に対してほぼ垂直に切るようにしましょう。

なお、ななめに切り落としてしまうと枝に悪影響が出てしまうので、切り方を誤らないよう注意してください。

どうやって枝を間引いたらいいか?

柿の木では、枝を間引かないと木の枝全体に日光が行き届かなくなって枯れてしまいます。
しかし枝を適当に切っていては、切らなくていい枝まで切ってしまったり、枝を残しすぎて伸びた枝が絡み合ったりしてしまうでしょう。

柿の木の剪定では、枝を切った後でどのように生長していくか、予測しながら枝を切ることが大切です。剪定のやり方を柔軟に変えていくことで、理想形である横長の樹形に変えていくようにしましょう。

例えば、枝の根本部分を切ると、枝分かれの母体となっていた大きな枝や、大きな枝から枝分かれてした他の枝がすくすくと生長していきます。この剪定方法を「透かし剪定」といいます。

また、枝の先端部分を切ると、その部分の生長は止まりますが、根本から先端にかけての範囲から枝分かれてした枝は生長していきます。こちらの剪定方法は「切り戻し剪定」といいます。

このように、枝の生長を自分でコントロールしながら枝を間引いていくことが大切なのです。剪定の基礎知識は、過去記事でも詳しく解説していますので、事前に読んでおくのをおすすめします。

柿の木を剪定するポイント

柿の木の剪定方法-若木編

では実際に、柿の木を剪定する方法についてご紹介していきましょう。

ここで注意しなければいけないのは、柿の木の剪定は苗を植えてから木がある程度生長するまでの若木(わかぎ)のときと、成熟した成木(せいぼく)のときとで剪定の手順が変わってくるという点です。

若木(わかぎ)のときの剪定について

若木のときは、次のことに注意をして剪定作業をするといいです。
特に柿の木を植え始めて間もないという方は、ここでの内容が参考になるでしょう。

【1】幼木(ようぼく)のときは剪定で枝を切りすぎないこと

若木の中でも幼木の段階は、「樹冠」と呼ばれる木の上部の生長を優先することが大切です。
そのため、特に上部は枝を切りすぎないことが重要です。

幼木から若木にかけては、幹にまで日光が当たるよう慎重に剪定していきましょう。
本格的に剪定で多くの枝を切っていくのは、成木になってからです。

【2】主枝の分岐角度は主幹に対して45°以上

主幹から枝分かれした枝を「主枝」といいますが、この主枝が主幹から45°の方向に生えていると、枝が横に広がって理想の樹形になりやすいとされています。ですので、45°の方向に生えている主枝はなるべく残しておくのがいいでしょう。

逆に、それより小さい角度の主枝ばかりが生えてしまうと、木全体が上方向に生長しがちになってしまいます。そうなると幹に日光が当たりにくいなどの問題が起きやすくなるので、早い段階で剪定しておくのをおすすめします。

【3】主枝の間隔は30cm~50cmにする

主枝の間隔は、成木になったときの剪定作業のことを考えて30~50cmほどの間隔を空けておくといいでしょう。間隔が狭すぎる主枝は切り落としておくのがいいです。

【4】主枝の数は3本、亜主枝(あしゅし)の数は6~9本にする

柿の木の主枝からさらに枝分かれした枝のことを、「亜主枝」といいます。
柿の木全体では、主枝の数は3本、亜主枝の数は6~9本にするといいでしょう。

また、亜主枝は主枝の下方向から伸びているものを選び、その中から強い枝を残しましょう。
このとき、ほかの主枝や亜主枝と重ならないように注意することが大切です。

【5】亜主枝の先端の側枝を切る

亜主枝から、またさらに枝分かれした枝のことを「側枝」と呼びます。
こちらは無数に生えてくるため、残す枝の数に具体的な制限はありません。

亜主枝よりも側枝が長く大きくならないように、亜主枝の先端部分から生えた側枝は積極的に切っていきましょう。

【6】主幹を切る

柿の木は、苗を植えてから6~12年ほど経つと高さが5mくらいになります。
このタイミングで木の主幹を切るようにしましょう。主幹を切ることで、樹形が本格的に横長の形になっていくのです。

ちなみに柿の木を育てるスペースの関係からサイズを小さく収めたいという場合は、この時期を待たずに主幹を切っていいです。主幹を切ったタイミングで木は上方向の生長が止まりますから、理想とする大きさに合わせることができます。

柿の摘果について

柿の木の剪定方法-成木編

先ほど解説したように、若木と成木とでは剪定の手順が変わってきます。
成木のときは、若木のときに抑えていた剪定作業を積極的におこなっていきます。

成木(せいぼく)のときの剪定について

成木のときは、次のことに注意をして剪定作業をしましょう。

【1】剪定作業は毎年おこなう

成木は十分に木が成熟しているので、柿の木の剪定を控える必要はありません。それどころか枝分かれが進んでいるので、積極的に剪定をしないと1度にする作業量が年々増えていき大変になってしまうでしょう。

また、剪定作業ではハサミだけでなくノコギリを使うこともありますが、剪定作業を怠った年が重なるほど枝は太くなるので、切るのが大変になってしまいます。ですので、毎年必ず剪定をおこなうようにしてください。

【2】前年に伸びた枝は短く切りすぎないこと

柿の木では、前年に伸びた枝に花が咲き、実ができます。
そのため、前年に伸びたばかりの枝をすぐに短く切ってしまうと、その年は実ができにくくなってしまうでしょう。

【3】古い枝、下に垂れた枝を切る

柿の木は成木になると枝分かれが進んでいき、とても複雑になってきます。
剪定するときは、枝の中でも古い枝や下に垂れた枝を積極的に切るようにしましょう。

特に、主枝や亜主枝の先端部分の剪定には注意が必要です。
主枝や亜主枝の先端に花が咲き、実がつくと、実の重さで枝が垂れていってしまいます。そのため上向きの枝を残すのがいいです。

また、主枝や亜主枝の先端の剪定作業はとても細かい作業なので省いたり忘れたりしがちですが、最低でも3年に1度は必ず古い枝や下に垂れた枝を切るようにしましょう。

枝の切り方は?

剪定するときの注意すべきポイント

ここまで柿の木の剪定作業について解説していきましたが、それ以外にも注意すべき点がいくつかあることを忘れてはいけません。柿の木は傷んでしまうのです。

摘蕾(てきらい)・摘果(てきか)作業

大きくて栄養のある柿の実を育てるには、「摘蕾」と「摘果」をしておく必要があります。

摘蕾作業をする
柿の木は、できた実の数が多かった場合、翌年にできる実の数が少なるという傾向があります。これを「隔年結果」と呼ぶのですが、このような変動を抑えて毎年安定した収穫量を確保するためには、実ができる前の花芽を摘み取る摘蕾作業が必要になるのです。

4~5月におこなう摘蕾作業では、1つの枝に対して2~4個を目安に花芽を残すようにします。このとき、先端の1~2個の花芽をあえて摘み取ることで、実がなったときに枝が下に垂れやすくなることを防ぐことができるでしょう。

摘果(てきか)作業をする
柿の木には、出来の悪い実が自然に落ちていく「生理落下」という性質があります。生理落下が終わった後で、摘果作業でさらに優良な実を選別していくことで、よく育った果実を収穫することができるのです。

6~8月になって生理落下が終わった頃に、1つの枝に実が1~2個だけ残るように実を取り除いていきましょう。なお、もしどの枝にも果実が1~2個しか残っていなかった場合には、摘果作業をおこなう必要はありません。

柿の木の害虫予防について

柿の木に限らず、剪定をした木には切り口に「癒合剤」(ゆごうざい)というものを塗っておく必要があります。これは、切り口から病原菌や害虫が入り込まないために必要な道具であり、これを塗っておかないと木が病気になって枯れてしまうおそれがあるのです。

剪定には、枝の風通しをよくして害虫が繁殖する環境を作らないという役割もあります。もし柿の木の剪定をしなければ、ヘタムシをはじめとする害虫が棲みつくようになり、食害が起きたり病気になったりするのは避けられません。

また、柿の木の皮は、時間が経つにつれてガサガサになって凸凹ができます。害虫の中にはこの隙間を利用して冬眠する種類もいるのです。そのため、ねじり鎌などで皮を削って表面を滑らかにすることで、害虫の予防をする必要があるでしょう。

もちろん、薬剤を散布することでも病気や害虫から柿の木を守ることが可能です。症状が出てきてから対策をしても遅いので、5~8月に定期的な薬剤散布をして事前に被害を防止するようにしましょう。

業者によって剪定してもらうこともできる

これまで述べたように、柿の木の剪定は非常に手間のかかる作業となります。また、複雑かつ高い技術力も必要となるため、素人がやるのは難しいといえるでしょう。自分の腕に不安が残るまま剪定をすれば、失敗して木を弱らせるおそれさえあります。

そこで頼りになるのが剪定の業者です。柿の木の剪定は、業者によって代わりに作業してもらうことができるのです。
剪定のプロに依頼すれば、安全かつ確実に剪定を成功させ、柿の木が元気に生長するようになるはずです。
なお、そのときの作業内容や費用については業者によってさまざまですから、いくつかの業者に相談して見積もりを取っておくといいでしょう。

まとめ

柿の木の剪定時期は、木が休眠期間に入って花も咲かない11月~3月にかけてです。剪定するときは、柿の木全体が横長になるようなイメージを持っておこなうことが大切になるでしょう。

柿の木を剪定する際、木が若木のときと成木のときとで剪定方法が少し変わります。例えば若木のときは、木の生長を優先するために枝の剪定は積極的におこないません。逆に成木の場合は、理想の樹形を保つためにまめな剪定をしていく必要が出てきます。

また、枝を切るときは適当に切らないようにしましょう。枝1本にも上手な切り方があり、間引くときにはその後の枝の生長を予測しながら切ることが重要です。

柿の木の剪定は、長い年月がかかることはもちろん、1度の作業も決して簡単なものではなく手間もかかります。自分で剪定をおこなうのに不安がある場合などは、プロの剪定業者に依頼して代わりに剪定をしてもらうことをおすすめします。

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