ナナカマドは、7回かまどに放っても燃えないというエピソードからその名がつけられた、という説があるほど身が詰まっており、丈夫であるということが特徴です。
また、紅葉が名所として取り上げられるほど美しいナナカマドは、街路樹として採用されることも多く、目にしたことのある方もいらっしゃるかもしれません。この記事では、そんなナナカマドを庭木として育てる方法についてご紹介します。
目次
ナナカマドを庭木にするなら寒い地域がおすすめ
ナナカマドはバラ科の落葉樹で、10メートルの高さにも及ぶことがある高木です。ナナカマドは、庭木として北海道から九州まで広く分布しており、日本各地で様子を見ることができます。
しかし、もともとは海抜約1,500メートル~2,500メートル付近の亜高山帯に自生する植物です。そのため、耐寒性が強くやや耐暑性が弱い性質を持ち、寒い地域での育成が理想的だといえるでしょう。
開花期は5月~7月で、バラ科とはいえその白く密集した花は、バラの凛とした花と異なり、柔らかい印象を与えてくれます。そして、開花期が終わる9月から11月にかけては、赤く小さい果実が密集してなることが特徴です。
また、果実がなっている最中である10月下旬には紅葉が始まり、夏には緑にしげっていた葉が赤く染まり、徐々に落葉していくでしょう。しかし、落葉が終わった後も果実は残り、しばらく鮮やかな赤を楽しむことができます。
なぜならナナカマドの果実には、防腐作用があるソルビン酸という成分が含まれているからです。ただし、同時にシアン化合物という毒性の成分も含んでいるので、誤って口にしないように気をつけましょう。
ナナカマドの具体的な育て方
ナナカマドを庭木として育てるさいには、先述の通り寒い場所が適しています。ただし、健康を保つためには、それに加えて植えるべき場所や日々の手入れについて知っておくことが必要です。また、病害虫の好む環境について知っておくと、あらかじめ対策を取ることができるでしょう。
日当たりと水やり
植え付けるさいは、日当たりのよい場所を選んでください。なぜなら、日光を十分に取り入れられないと枯れてしまうおそれがあるからです。また、ナナカマドは乾燥に弱いため、水やりは夏場の乾燥した時期にこまめにおこないましょう。それ以外の季節は降雨による水分のみで問題ありませんが、場合によっては適時水やりをおこなってください。
肥料の必要性
肥料は、基本的には必要ありません。しかし、土壌環境を万全に整えたい方は、水持ちをよくするため冬場に腐葉土を株元の土に軽く混ぜることをおすすめします。ただし、根腐れの原因になるため水はけとのバランスに注意してください。
病気への対策
ナナカマドはウドンコ病や黒斑病など、病気への注意が必要だといえます。ウドンコ病は糸状菌が葉のうえで繁殖し、白い膜を形成する病気です。葉から栄養を吸い取るほか、光合成がしにくくなる弊害もあるため枯れてしまう危険性があります。
原因となる糸状菌は夏場の乾燥した環境を好むため、こまめな水やりを心がけましょう。黒斑病は葉や根に黒い斑点があらわれる病気です。原因となるカビは、春から秋口にかけて湿度や気温が高い場所で繁殖します。
ウドンコ病の対策とあわせて、適度な湿度を保ちましょう。発症した場合は、ウドンコ病も黒斑病も同様に、発症箇所を切り取ってください。
害虫への対策
自生するナナカマドは、高地という環境のため害虫の被害を受ける心配が少ないといえます。しかし、人の手で栽培する場合は対策が必要でしょう。特に発生しやすいのはアブラムシで、葉から栄養分を吸い取るだけでなく、無数のウイルスを媒介します。
冬以外の乾燥した時期にはいつでも発生するおそれがあるうえに、成虫は羽を持つため駆除してもまたあらわれるでしょう。そのため、対策としては定期的な薬剤散布をすることがあげられます。また、定期的な剪定作業によって風通しをよくしておくことも有効です。
ナナカマドの剪定には注意が必要
ナナカマドは高木であるため、剪定をしなくてもある程度の樹形を維持することはできます。しかし、だからといって放置していれば、周囲の建造物や植物へ悪影響を及ぼしたり病害虫が発生したりといったおそれがでてくるでしょう。そのため、定期的に剪定をすることをおすすめします。また、剪定作業は自分でおこなわずに業者に依頼してください。
その理由は2つあり、1つめは高所での作業になるということです。高所での剪定作業は、常に危険がともないます。そういった作業のために自分で剪定技術を身につければ、確かに危険を回避する方法を知ることもできるかもしれません。
しかし、ナナカマドが庭木のなかで唯一高所の剪定を必要とするのであれば、それは効率的ではないでしょう。また、もう1つの理由としてナナカマドの傷に対する耐性の弱さがあげられます。その性質から、剪定をおこなった傷口から病気に感染したり、害虫が侵入したりしやすいといえるでしょう。
そのため、傷を保護する処置をしなければ、枯れてしまう危険性があります。傷口をふさぐための癒合剤は市販のものもありますが、処置が適切でなければその効果は十分に発揮されません。そのため、こうした作業後の処置を含めた剪定は、業者に依頼してみてはいかがでしょうか。
ナナカマドを栽培するうえで知っておきたいこと
ナナカマドを庭木として育てるのであれば、盆栽に仕立てたいという方や数を増やしたいという方もいらっしゃるのではないでしょうか。それぞれの作業をするさいの注意点を知っていれば、無駄な失敗を防げるかもしれません。
鉢植えもできる
庭木ではなく盆栽として栽培したい場合は、ナンキンナナカマドという種類を選ぶことをおすすめします。なぜならナンキンナナカマドは、成長しても1~2メートルにしか達しないため、鉢植えによる栽培が比較的簡単だからです。
盆栽を室内で育てるのであれば、庭木と違って定期的に水やりをおこなう必要があります。また、植え付けは落葉のころにおこなうようにしましょう。
自分で増やせる
果肉から種を取り出し植えることで、ナナカマドを増やすこともできます。この作業のポイントは、種が乾燥しないように気をつけることです。種を取り出す前に、あらかじめ土壌を用意しておくと迅速に植えつけることができるでしょう。
まとめ
紅葉が美しいナナカマドは高地や寒冷地に強く、そういった地域では自生する様子も見られます。ただ、ナナカマドは庭木として栽培するがゆえに平地に植えられることが多く、自生では発生しにくい害虫や病気への対策が必要となってくるでしょう。
また、日光を好むため日当たりのよい場所で育てることが必要です。しかし、乾燥に弱いという特徴もあわせ持つため、庭に植える場合であっても水分不足にならないように気をつけましょう。
また、盆栽として育てるのであれば、比較的樹高が低く保てるナンキンナナカマドという品種を育てることをおすすめします。ただし、ナナカマドの剪定は高所でおこなう必要もあるので、危険のともなう作業は業者に依頼するようにしましょう。
剪定を依頼できる業者や料金
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