「気づいたらキッチンの床がいつも濡れている。そんなに水をこぼした覚えはないんだけど……」。このようなことがキッチンで発生していたら、それは水漏れかもしれません。
キッチンの水漏れは、大きく分けると「シンク、排水ホース、排水管、水栓、給水管や給湯管」で発生します。この中で、排水ホースと水栓の修理はすべて自力でおこなうことが可能です。
しかし、水漏れの修理とはリスクが高いもの。自力で修理できるところであっても、修理に失敗すると水漏れを悪化させてしまうおそれがあります。
自力で修理することに自信がない方や自力では修理できない水漏れは、ぜひ生活110番にご相談ください。
目次
キッチンで発生する水漏れは5カ所!
キッチンの水漏れは以下の場所で発生します。
・排水ホース
・排水管
・水栓
・給水管や給湯管
上記のいずれかで水漏れが発生してしまうと、シンク下の収納スペースはもちろん、収納スペースからあふれた水が床を濡らしてしまうこともあります。被害が悪化すると、建物の木材の腐敗や湿気によるカビの発生、またアパートなどでは階下へ水が垂れて住民トラブルの原因になってしまうこともあるのです。
このような被害を防ぐために、キッチンの水漏れは早急に対処しなければいけません。
水漏れ一般の発生原因や、状況ごとの対応手順については以下の記事でも解説しています。初めての水漏れでお困りの方は、ぜひあわせて参考にしてみてください。
水漏れ修理はこれで安心!水漏れの対処方法や水道料金が高くなる理由
今回はここから、キッチンで発生する水漏れの原因と修理方法についてご紹介していきますが、水漏れの修理にはリスクがともないます。下手に修理を始めてしまうと、かえって水漏れを悪化させかねません。
安全に修理を進めていくためにも、まずはシンク下の構造と各部位の名称を覚えておきましょう。
【キッチンの構造と各部位の名称】

シンクで発生する水漏れ3つの原因と修理方法
シンクで水漏れが発生している場合は、「※排水トラップとホースをつないでいる部分」と「シンクの真下」から水が垂れます。
※排水トラップ:排水口の内部にあるパーツで、排水ホース上部に取り付けられている。一定の水がためられており、下水からの臭気や害虫の侵入を防止する役割がある。
まずは原因を特定するためにシンク下の収納スペースの扉を開けてみてください。排水トラップと排水ホースのつなぎ目、排水ホース、収納スペース上部が濡れていたら、シンクで水漏れが発生している可能性が高いです。
ただし、「排水ホース」が濡れている場合だけは、シンクの水漏れではなく排水ホースの水漏れである可能性もあります。排水ホースの水漏れに関してはのちほど解説しますので、まずはシンクの水漏れの原因と修理方法を見ていきましょう。
シンクの水漏れが発生する原因と修理方法は下表のとおりです
| 原因 | 修理方法 |
| 排水トラップと排水ホースのナットの緩み | ナットをしめ直す |
| シンクと排水トラップ間のパッキンの劣化 | パッキンを交換する |
| シンクの破損 | シンクを交換する(※自力では困難なため業者依頼を推奨) |
※パッキン:水漏れ防止のために取り付けるゴム製の部品。キッチンだけでなく水回りのさまざまな設備に使用される。

シンクで発生する水漏れは「自分で直せるところ」と「業者でないと直せないところ」があります。それでは、シンクで発生する水漏れの原因について詳しく見ていきましょう。
【原因1】排水トラップと排水ホースのナットの緩み
通常、排水トラップと排水ホースはナットによって隙間なく固定されています。ですが、ナットが緩むことでそのあいだに隙間ができてしまい、そこから水が漏れてしまうことがあるのです。
ナットの緩みが水漏れの原因のときは、ナットをしめ直すことで水漏れを解消することができます。ナットのしめ方はいたって簡単なので、ご自分でもやってみてください。
まずはナットを手で反時計まわりに回転させます。するとナットが取り外せますので、そのナットをもとのように手でしめ直せば完了です。
ナットは長期間使用しているとどうしても緩んでしまうものなので、定期的に確認をしてしめ直すのが水漏れ対策として効果的です。
【原因2】シンクと排水トラップ間のパッキンの劣化
ナットの緩みを改善させても水漏れが解消されない場合は、シンクと排水トラップ間のパッキンが劣化しているかもしれません。この場合は、パッキンを交換することで水漏れを改善させることができます。
なお、パッキンを交換する際には、サイズに注意しなければいけません。なぜならパッキンは、使用するところによりサイズや種類が異なるからです。交換に取りかかる前にパッキンの種類とサイズを確認しておきましょう。正しいパッキンを選択できるか心配な方は、現物を販売店に持参して、同じものを購入するとよいでしょう。
パッキンの交換は以下の手順でおこなってみてください。
【準備するもの】
・新しいパッキン
【交換手順】
1.排水トラップとシンクを固定しているナットを手で外す。
2.シンクの下から排水トラップを持ち上げる。
3.シンクの上に回って排水トラップを取り外す。
4.排水トラップとホースのあいだにあるパッキンを交換する。
5.排水トラップと排水ホースをもとにもどす。
6.水を流してみて、水漏れしなかったら交換完了。
【原因3】シンクの破損
収納スペースの上部が濡れている場合は、シンクが破損している可能性があります。シンクの破損による水漏れは、シンクの天板を交換するかシンクごと取り換えなければ直すことはできません。
シンク本体から発生する水漏れの修繕は専門の知識と技術を必要とするため、基本的に自力での作業は不可能です。修理の際は業者に依頼するようにしましょう。
排水ホースで発生する水漏れ2つの原因と修理方法
排水ホース本体、もしくは排水ホースと排水管の付け根部分が濡れている場合は、排水ホースで水漏れが発生している可能性が高いです。排水ホースで発生する水漏れの原因と修理方法が下表になります。
| 原因 | 修理方法 |
| 排水ホースと排水管の接続不良 | 排水ホースをつなぎ直す |
| 排水ホースの破損 | 排水ホースを交換する |

どちらの原因でも自力で改善することができますので、ぜひ必要な道具を揃えて修理してみてください。
【原因1】排水ホースと排水管の接続不良
床下を通る排水管と排水ホースの接続部分が濡れている状態は、排水ホースと排水管の接続不良による水漏れの発生が考えられます。
収納ボックス内にものを乱雑に入れてしまうと、排水ホースにものがぶつかり、排水管から抜けてしまうことがあるのです。排水ホースと排水管の接続不良が発生すると、シンクから流れる水が上手く排水管に流れずに収納スペース内に水が飛び散ってしまいます。
排水ホースと排水管の接続不良は簡単に直すことができます。以下に方法を記しますので、手順通りにおこなってみてください。
【改善方法】
1.排水ホースを覆っている※防臭ゴムと※防臭カバーを外す。
2.排水管から排水ホースを抜く。
3.排水ホースをつなぎ直す。
4.排水プレートをしめて固定する。
5.水を流してみて、水漏れが発生しなければ交換完了。
※防臭ゴム:下水管からの臭気の侵入を防ぐためのゴム
※防臭カバー:防臭ゴムの上部に取り付ける部品。下水からの臭気の侵入を防ぐ役割がある。
【原因2】排水ホースの破損
排水ホースと床が濡れていた場合は、排水ホースの破損が考えられます。この場合は、排水ホースを交換することで、水漏れを改善させることができます。
以下が排水ホースの交換方法になります。
【準備するもの】
・新しい排水ホース
・バケツ
【交換手順】
1.排水ホースを固定してある防臭ゴムと防臭カバーを外す。
2.排水ホースの下の部分を取り外す。(このとき、排水ホース内の水が流れることがあるので、排水ホースの先端をバケツに入れる)
3.排水ホースと排水トラップを固定しているナットを手で外す。
4.排水ホースを取り外す。
5.新しい排水ホースを差し込む。
6.排水ホースの上下を固定する。
7.水を流してみて、水漏れが発生しなければ交換完了。
排水管で発生する水漏れの原因と修理方法

排水管で発生する水漏れは、上図のように「排水管につまったゴミ」や「排水管で固まった油」が原因です。排水管にこれらの汚れがつまると、排水が排水管を流れず収納スペースに逆流してしまいます。
排水管につまったこれらのものを除去することで、水漏れを解消することが可能です。排水管で固まった油は「液体パイプクリーナー」、排水管につまったゴミは「高圧洗浄機」で掃除することができます。
油をシンクに頻繁に流している場合、排水管で油が固まっている可能性が高いです。まずは、液体パイプクリーナーによる除去方法を試してみましょう。
液体パイプクリーナーの使用方法は簡単です。しかし、高圧洗浄機を使用するには高度な技術が必要なため、個人でおこなうことは難しいでしょう。高圧洗浄機による水漏れ修理は業者に依頼することをおすすめします。
★液体パイプクリーナー
パイプクリーナーを使用することで排水管の水漏れを解消することができますが、この方法は完全なつまりが発生していない状態でのみ有効です。なぜなら、完全につまりが発生していると、排水管や排水ホースに水がたまって、パイプクリーナーが排水管まで行き届かないからです。
【準備するもの】
・液体パイプクリーナー
【修繕方法】
1.排水溝の中の排水トラップを取り外す。
2.排水溝の中にパイプクリーナーを500mlほど流し込む。
3.パイプクリーナーを流した後は、1時間ほど水を使用せずに放置する。
4.1時間経ったら、排水トラップを設置する。
5.一定時間水を流して、排水ホースと排水管に残ったパイプクリーナーを流す。
6.水漏れが解消されていれば終了。
水栓で発生する水漏れ3つの原因と修理方法
キッチンでは料理や洗い物をする際に水を頻繁に使うことから、水栓の故障によっても水漏れが発生してしまいます。水栓で水漏れが発生した場合の原因と修理方法は下表のとおりです。
| 原因 | 修理方法 |
| 水栓とシンクの接続部分に生じた隙間 | コーキング材でふさぐ |
| 水栓内のパッキンの劣化 | パッキンを交換する |
| シャワーホースの破損 | シャワーホースを交換する |

【原因1】水栓とシンクの接続部分に生じた隙間
給水管と水栓の接続部分はナットで固定されていることがあります。このナットが緩むことで水栓と給水管のあいだに隙間が生じ、水漏れが発生することがあるのです。この場合はナットをしめ直すことで水漏れを解消することができます。ナットの緩みを改善しても水漏れが直らないときは、水栓とシンクのあいだの※コーキングが劣化しているかもしれません。
※コーキング:おもに建築物の壁のあいだなど、隙間を埋めるために使用される補強材。
コーキングの劣化による水漏れは、新たにコーキングを施すことで解消することができます。以下でコーキングの方法を紹介しますので、ぜひおこなってみてください。
【準備するもの】
・コーキング材
・マスキングテープ
【修繕方法】
1.水栓根本のシンクとの接続部のまわりをマスキングテープで※養生する。
2.水栓とシンクの接続部分にコーキング材をムラなく注入する。
3.養生していたマスキングテープをはがす。
4.最後に隙間なくコーキングできているか確認して終了。
※養生:施工部分以外の箇所が汚れないように、テープやビニールなどを貼って保護をすること。
【原因2】水栓内のパッキンの劣化
水栓では「水栓のハンドル部分」「蛇口と水栓の連結部分」※「偏心管部分」で水漏れが発生することがあります。
※偏心管:壁に取り付けるタイプの水栓に付いている、壁と水栓をつなぐ管。
水栓の「ハンドル部分」「蛇口の連結部分」「偏心管部分」にはパッキンが取り付けられており、このパッキンが劣化することで水漏れが発生するのです。これらの場所から水漏れが発生した場合は、パッキンを交換することで水漏れを直すことが可能です。
なお、水栓のパッキンは自力で交換することができるので、以下の方法を参考にしておこなってみてください。

★水栓のハンドル部分のパッキン
【準備するもの】
・新しいパッキン
・モンキーレンチ
【交換方法】
1.ハンドル部分のナットをモンキーレンチで外す。
2.ハンドルを取り外す。
3.ハンドル内部のパッキンを交換する。
4.ハンドルをもとのように取り付ける。
5.ハンドルをナットで固定する。
6.水を流してみて、水漏れしなければ作業終了。
★蛇口と水栓の連結部分のパッキン
【準備するもの】
・新しいパッキン
・モンキーレンチ
【交換方法】
1.蛇口と水栓をつないでいるナットをモンキーレンチで外す。
2.蛇口を取り外す。
3.内部のパッキンを交換する。
4.蛇口を取り付けてもとのようにナットで固定する。
5.水を出してみて、水漏れしなければ作業完了。
★偏心管部分のパッキン
【準備するもの】
・新しいパッキン
・マイナスドライバー(必要に応じて)
・モンキーレンチ
【交換方法】
1.マイナスドライバーで※止水栓をしめる。
2.水栓裏側の偏心管のナットをモンキーレンチで外す。
3.偏心管を取り外す。
4.偏心管内部のパッキンを交換する。
5.偏心管を取り付けてナットで固定する。
6.水を流してみて、水漏れが発生していないか確認する。
7.水漏れが発生していなければ交換完了。
※止水栓:水栓に供給する水の量を調節する栓。完全にしめることで水の供給を遮断することができる。ハンドルでしめられるタイプとマイナスドライバーでしめるタイプがある。多くはシンク下の収納スペースの中にある。
【原因3】シャワーホースの破損
シャワーホース仕様になっている水栓だと、シャワーホース部分が破損することで収納スペース内に水が垂れてしまうことがあります。シャワーホースから発生する水漏れは部品を交換することで改善可能です。
ただし、シャワーホースもパッキンと同じように、製品ごとにサイズが定められています。交換するときは、対応するものを購入するように気をつけてください。水栓に対応するシャワーホースを購入できたら、実際に交換していきましょう。
【準備するもの】
・新しいシャワーホース
・マイナスドライバー(必要に応じて)
・ニッパー
【交換方法】
1.止水栓をしめる。
2. シャワーホースからシャワーヘッドを手で回転させて外す。
3.シンク下のシャワーホースを給水管から抜き取る。
4.ニッパーでシャワーホースを押さえて留め具を外す。
5.シンク上からシャワーホースを抜く。
6.新しいシャワーホースを入れる。
7.シンク下のシャワーホースの先端にニッパーで留め具をしっかりと取り付ける。
8.留め具を付けたシャワーホースを給水管に取り付ける。
給水管、給湯管で発生する水漏れの2つの原因と修理方法
キッチンでは給水管と給湯管から水漏れが発生することもあります。給水管や給湯管は収納スペースに設置されているので、収納スペースにものを入れすぎると知らないうちに給水管や給湯管が傷付けられ、破損することがあるのです。
破損した給水管や給湯管から水漏れが発生してしまうので、収納スペースには無理にものを入れないようにしましょう。給水管、給湯管から水漏れが発生するときの具体的な原因と修理方法は、下表の2つです。
| 原因 | 修理方法 |
| フレキ管のパッキンの劣化 | パッキンを交換する |
| 給水管と給湯管の破損 | 給水管、給湯管を交換する |

それでは、これらの原因について解説していきます。
【原因1】フレキ管のパッキンの劣化
給水管と給湯管と止水栓をつなぐ、金属製のホースを「フレキ管」といいます。このフレキ管と止水栓の接続部分から水漏れが発生している場合はフレキ管内部のパッキンの劣化が考えられます。
この状態だと、パッキンを交換することで簡単に水漏れを直すことができます。以下に交換方法を記しておきますので、ぜひおこなってみてください。
【準備するもの】
・マイナスドライバー
・新しいパッキン
・モンキーレンチ
【交換手順】
1.止水栓をしめる。
2.モンキーレンチでフレキ管のナットを外す。
3.内部のパッキンを交換する。
4.ナットをモンキーレンチでしめて固定する
5.止水栓をあけて、水漏れしていないか確認する。
6.水漏れしていなければ交換完了。
【原因2】給水管、給湯管の破損
給水管と給湯管の破損が原因で水漏れが発生している場合は、自力で修理をすることは不可能です。給水管と給湯管の修理はリスクが高く、高度な技術を必要とするからです。
給水管と給湯管が破損してしまったら、止水栓をしめて早急に業者に連絡しましょう。
また、ここまでキッチンで発生する水漏れについて紹介してきましたが、水漏れが発生する場所はキッチンだけではありません。水道メーターを利用した水漏れの発見方法を以下の記事でご紹介していますので、これを参考に定期的に点検してみてください。
水漏れの原因は水道メーターから特定!水漏れは発見次第すぐに修理を
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キッチンで発生する水漏れはある程度は自力で修理することが可能です。しかし、状況によっては修理に専門的な技術を要するため、水漏れ修理のプロである業者のサポートが必要になることもあります。
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