
きれいなフローリングに黒い影……不快なカビは、浴室やシンクだけのものではありません。フローリングのカビは外観を乱すばかりか、住人の健康をもおびやかします。私たちの生活に不利益の多いカビは見つけ次第、すぐに除去しなければなりません。
しかしカビはなかなか頑固なもので、正しい除去方法でなければ逆に飛散して逆効果になってしまうこともあります。また、カビはフローリングにどんどん侵食し、時間が経てば経つほど取りにくくなっていきます。では、効果的にカビ除去・対策をするにはどのような方法を取ればよいのでしょうか。
この記事では、フローリングのカビに対する効果的な方法や予防法などについて、わかりやすく解説していきます。きれいなフローリングを取り戻し、健康で快適な生活を取り戻しましょう。

目次
カビはなぜ生える?カビの正体と生える理由
そもそもカビとは、どのようなものなのでしょうか。カビの正体や特徴・原因を知れば、対策方法もより分かりやすくなります。
カビの正体は?
カビは場合によっては健康被害をも引き起こすおそれもある物質ですが、実は病原菌の仲間ではありません。カビは、おもに細胞が集合した細菌である糸状菌の仲間に分類されています。
この糸状菌の代表的な例には、キノコが挙げられます。カビとキノコは、実は仲間だったのです。
そんなカビはキノコ同様、ジメジメした空間を好みます。例を挙げれば梅雨の時期や、湿度が高い部屋などです。そのような時期や部屋は、とくにカビに注意しておかなければなりません。
カビにもさまざまな種類がありますが、家の中でよく見るカビはおもに『黒カビ』です。ときには分解や発酵作用など、人間の役に立つこともあるカビですが、部屋の中にあっては害しかありません。カビは発見次第、しっかり除去していきましょう。
これはダメ!フローリングのカビ掃除の間違い
フローリングのカビ掃除は、間違った方法がいくつかあります。たとえば、掃除機の使用です。いざカビを除去しようと思ったとき、掃除機で吸い込もうと思ってはいませんか。掃除機で吸えば簡単そうに見えますが、カビの対処法としては絶対NGな方法なのです。ここでは、こうしたカビ掃除の間違いについて、詳しくご紹介していきます。
カビに掃除機は逆効果!?
掃除機は基本的に、後部に排気口があります。フィルターがあるためごみなどはそこから飛び出すことはありませんが、カビの胞子や除去したカビは非常に小さく、排気口から出ていってしまうのです。
効果がないばかりか、逆にカビをまき散らす結果となる掃除機は、カビ対策としては絶対にNGな方法です。
過度な水洗い・水ぶきは控えて
カビをふき取る際、ふき取り効果を上げるためにぞうきんなどを水でぬらして使おうと思っている方も多いのではないでしょうか。掃除機と違いカビの除去作業としては問題ありませんが、フローリングは水気に強い素材ではないため過度な水洗い・水ぶきをしてしまうとかえって湿気がたまってしまいます。
水ぶきをする際はぞうきんをしっかり絞り、作業後は水分が残らないようにふき取っておきましょう。
市販のカビ取り剤・スプレーはフローリングには適さないことも!
カビ取り、と聞くとカビ取り剤を使いたいと思ってしまいがちですが、この方法には注意が必要です。とくに台所に使うようなカビ取り剤は使わないようにしましょう。
これらのカビ取り剤には強力な漂白剤が含まれているため、利用するとフローリングの色が落ちてしまうことがあります。たとえ木材に使用できるカビ取り剤でも、フローリングには適さないというものが存在するのです。購入の際は、注意書きなどをしっかり確認するようにしましょう。
重曹はフローリングの傷み・変色の原因に
重曹はカビによく効きますが、フローリングに使ってはいけません。重曹には研磨作用があるので、フローリングを傷めます。つまり重曹をフローリングに使ってしまうと、ワックスを剥がしてしまうということです。
重曹を使うことをおすすめできないもうひとつの理由として、「フローリングを変色させてしまう」ということがあります。なぜなら重曹がカビによく効く理由は化学反応のおかげだからです。ワックスと重曹が化学反応を起こしてしまうかもしれません。
また、メラミンスポンジも研磨作用があるため、フローリングに使うのは控えたほうがよいでしょう。
お酢はカビを増やす危険も
重曹同様、カビ対策で使われることのあるお酢ですが、こちらもフローリングで使うのはおすすめできません。食用酢は栄養があるため、カビにも栄養を与えてしまうからです。また、水も湿気を好むカビの好物なので、水分をまくときれいにならないだけでなくカビを増やしてしまいます。
フローリングのカビ取りに必要なもの
フローリングのカビは、ぞうきんやタオルだけではなかなか落としきれません。フローリングのカビ取りの際は、以下のような道具を用意しておきましょう。
・不要な歯ブラシ
・マスク、ゴーグル
フローリング専用ワイパー
フローリング専用のワイパーは立ったまま扱うことができるため、ぞうきんに比べ、非常に作業効率がよくなります。またベッドやタンスの下なども掃除しやすく、隅々まで掃除することができるでしょう。
不要な歯ブラシ・つまようじ
不要になった歯ブラシやつまようじは、意外にもフローリングのカビ取りに有効活用することができます。これらの道具は、ワイパーでも通らないような場所やフローリングのみぞ、すき間などの掃除に便利です。細かい部分にも対応できるため、部屋の隅々まで掃除することができるようになりますよ。
マスク・ゴーグル・ゴム手袋
カビ取りの際にはどうしてもカビが舞ってしまうことがあるため、このようなマスクやゴーグルをつけておかないと体調不良の原因になってしまうおそれもあります。とくにマスクは、カビの胞子を吸わないためにも極力つけておいてください。
また、ゴム手袋をしておくと衛生的にも効率的にも便利です。カビ掃除の際は、自身の健康のための対策もしっかり取っておきましょう。
フローリングのカビを取る基本的な手順
基本的なフローリングのカビ取り方法は、意外と単純です。ひとつひとつ、手順ごとに解説していきましょう。
2.カビ取り剤の使用
3.からぶき
換気をする
掃除をはじめる前に、まずはしっかり換気をしましょう。カビは掃除中、どうしても空中に舞ってしまいます。できるだけカビを吸わないように、掃除する部屋の窓はしっかり開けておくことが大切です。
カビをふき取る
換気をしたら、フローリングワイパーを使ってカビを取っていきます。取れにくい場合は、水ぶきや歯ブラシを利用してしっかり落としましょう。この際、あまりに激しくこすりすぎるとカビ胞子が舞ってしまったり、フローリングが傷ついてしまったりすることがあります。適度な強さで、しっかりこすることを意識してください。
からぶき
一通りふき掃除が終わり、カビが取れたら最後にからぶきをしていきます。これは、床に水分を残さないためにおこなう作業です。
水分が残ったままにしてしまうと、カビにとって繁殖しやすい環境になってしまいます。今後カビをはやさないためにも、作業後のからぶきはしっかりやっておきましょう。
カビ取りはアルコールを使うとさらに効果的!
基本的なカビ取り方法で落とせないのであれば、『アルコールスプレー』を使用してみましょう。フローリングのカビには、アルコールを吹きかけると効果的です。
アルコールカビ取りの方法
アルコールカビ取りは、以下のような道具と手順でおこなっていきます。まずは必要なものをしっかりそろえておきましょう。
・ぞうきん、またはワイパー
・不要な歯ブラシ・つまようじ
・マスク、ゴーグル
アルコールカビ取りの手順
1.まずは通常の方法で取れるカビを取っていきます。いきなりスプレーするとカビが舞いやすいため注意しましょう。
2.掃除した部分にアルコールスプレーをかけます。アルコールにはカビを殺菌する効果があるため、目立たないカビまでしっかり除去できますよ。
3.スプレーしたら、ぞうきんかワイパーでもう一度しっかりふき取ります。また、フローリングのみぞに入ったカビは歯ブラシかつまようじで除去しましょう。
この方法を取れば、効果的なカビ除去とカビ予防が同時にできます。なかなかカビが取れない場合は、この方法も試してみてください。
カビ除菌スプレーは自分でも作れる!『エタノール』を活用しよう
アルコールの除菌スプレーは自分で作成することで、お得かつ大量に作ることができます。広い範囲をしっかり除去・殺菌したい場合は、この方法も試してみましょう。
・水
・スプレーボトル
エタノールは、アルコールの一種です。このエタノールは市販でも購入できるので、事前に用意しておきましょう。
エタノールスプレーの作り方
1.まずはエタノールをスプレーボトルに入れます。
2.そのボトルに、加えて水を入れます。この割合は、水:エタノールで1:4になるようにしましょう。
3.両方入れたら、しっかり混ぜましょう。
このスプレーができたら、後はアルコールスプレーと同様の手順で掃除してください。
エタノールカビ取りの注意点
エタノールを利用したカビ取りには、おぼえておきたい注意点がふたつあります。ひとつは、引火の危険性です。エタノールはいわゆるアルコールの一種なので、近くに火があると発火する危険性があります。タバコなどの火は、絶対に近づけないようにしてください。
もうひとつは、揮発しやすいという点です。エタノールは高い揮発性、すなわち気体に変化しやすいという性質があります。そのため、管理が徹底されていなければどんどん量が減ってしまうでしょう。
揮発したエタノールは気体となり、室内に充満します。あまりに充満すると前述した引火性の観点から、非常に危険な状況になってしまいます。この揮発を防ぐためには密閉が必須なので、あまったエタノールはしっかり密閉して冷暗所で管理するようにしてください。
カビ取りには『逆性せっけん』を使う方法も!
エタノールでフローリングが変色や色落ちをしてしまった場合は「逆性せっけん」を使ってみましょう。逆性せっけんは医療で使われているせっけんの一種です。一般的なせっけんと違い、殺菌力が強いという特徴があります。
逆性せっけんを使うときは、水に薄めて使うようにします。逆性せっけんは界面活性剤と似ているので、ほかのせっけんと一緒に使わないようにしてください。
界面活性剤とは「水と油」のように、本来は混じり合わないもの同士を混じり合わせることができる洗剤です。界面活性剤が含まれた水が汚れた繊維に付着すると、汚れを繊維から浮かして落とすことができます。
2度と発生させないために!原因から学ぶカビ予防
フローリングのカビは、一度除去できたとしても原因を取り除けなければまた発生してしまいます。除去後もしっかり予防しておきましょう。
フローリングにカビが生える最大の原因は湿気!
前述したように、カビが生える原因としてもっとも代表的なものは、『湿気』です。湿気は季節や地域、環境によっても異なりますが、過度な部屋干しや掃除・換気が不十分など、自らの行動でジメジメさせてしまう、ということもあります。
また、カビは主に25~30℃ぐらいの気温下で活発に繁殖します。梅雨の時期などはとくに警戒しておかなければなりません。部屋を高温多湿にしないよう、晴れの日のこまめな換気を徹底するようにしましょう。
このとき、換気をおこなう窓の近くにものを置いておくと風の流れが悪くなってしまうため、風が流れるスペースを空けておく意識も大切です。
フローリングのカビ原因1:布団・マットの敷きっぱなし
フローリングの上に布団やマットを敷いておくと、そのすき間に湿気がたまってしまいます。とくに布団は寝汗などで湿気がたまりやすい環境になってしまうため、極力フローリングの上には敷かないことが大切です。
どうしても敷く場合は、すのこやバスタオルなどを布団とフローリングの間に敷くと湿気対策になります。それでも、定期的な清掃・換気は欠かさないようにしましょう。
また、すのこの上に布団を敷きっぱなしにすることはやめましょう。布団をそのままにしておくと、かけ布団がフローリングを覆ってしまうため湿度が下がらなくなるのです。
すのこの中には、折り畳めるタイプもあります。そういったものを使えば、布団を載せた状態のまま折りたたむことができて便利です。このように、カビを防ぐためにはフローリングに湿度の高いものを長時間置かないように工夫することが大切といえます。
また、布団をそのままにしておくとカビだけでなくダニが発生してしまうかもれません。
晴れた日にはこまめに布団を干してダニとカビの発生を防ぐようにしましょう。
フローリングのカビ原因2:汚れ
カビ発生の原因は、換気不足はもちろん、ホコリや汚れなども代表的です。カビの発生しやすい場所は、部屋内の汚れのたまりやすい場所でもあるのです。
フローリングと壁の境目など、見落としがちな場所は意外と多くあります。ホコリや汚れを放置せず、しっかり掃除しましょう。
フローリングのカビ原因3:結露
冬場などは窓やガラスに結露が発生しやすくなります。すると、結露した窓などの近くにフローリングがあれば、当然ぬれるなどして湿気がたまり、カビが生えやすくなってしまうのです。そこで、結露対策をすれば、カビ対策をすることにつながります。
たとえば、結露していたらすぐに水気をふき取る、窓ガラスの結露を抑えることができる防水シートを敷くなどが有効です。結露対策をして、カビ対策をおこないましょう。
フローリングのカビ原因4:観葉植物
観葉植物をフローリングに置いて育てていると、水やりのせいで床にカビが生えることがあります。なぜなら、木鉢の底面の湿度が高くなってしまうからです。受け皿を置いてあっても湿気は移ってしまうため、その部分だけカビが発生するおそれがあります。
そのため、湿気をためないために観葉植物を置かないか、換気などの室内の湿気対策をおこなうとよいでしょう。
どうしても取れない・大変なときは業者に頼ろう
ここまでご紹介してきた方法を試しても、どうしてもフローリングのカビが取れないという場合は、個人で対処できる段階ではないかもしれません。
フローリングの内部まで入り込んでしまったカビは、個人レベルではなかなか除去できないのです。高度な作業を求められることもあるため、そこまでカビが進行してしまった場合は清掃業者に依頼する方法が得策でしょう。
カビ取りの費用は、作業の難易度によって大きく変わります。カビ被害の広さや侵食具合はもちろん、部屋の構造が作業に適しているかなどさまざまな要素で費用は変動していきます。とはいえ価格がわからないままに作業を依頼するのは、どうしても不安もが大きいでしょう。
そんなときは、作業前の見積もりがおすすめです。まずは作業前に見積りを取ってくれる業者に相談し、施工金額を出してもらいましょう。
この際、見積りは複数業者から取ると費用やサービスの比較ができるため、より納得した選定ができるようになります。カビ清掃の実績があるか、作業後の追加料金などはないかなど、費用以外の面でも比べることが大切です。
まとめ
フローリングのカビ除去は、正しい方法というものがあります。掃除機などをいきなり使ってしまうと逆効果になりえるので、まずは換気をして、しっかりふき取るところからはじめましょう。
それでもカビが落ちない場合は、アルコールなどを利用して掃除してみましょう。アルコール殺菌はカビ予防にもつながります。同時に換気や清掃などもおこない、今後カビ被害にあわないような対策をしておくことも大切です。
どうしても落とせないカビは、かなり侵食が進行しているおそれもあります。そのような場合は、プロの業者に依頼して清掃してもらうという選択肢をおすすめします。高い技術で清掃してもらえれば、きっと快適な暮らしがよみがえるでしょう。
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