シリンダー交換をすんなり完了させるための絶対間違えない鍵の選び方と取り付け方

2023.9.12

シリンダー交換をすんなり完了させるための絶対間違えない鍵の選び方と取り付け方

家の鍵を直したり変えたりしないといけないときには、「シリンダー交換だけを自分ですれば安くできるんじゃないかな?」と思いますよね。ただ、「本当にできるかな?」という不安もあることでしょう。

シリンダー交換は、誰にでも簡単にできます。ただし、事前の確認や準備が重要です。交換の作業自体は簡単ですが、準備を整えてから取りかからないと失敗やトラブルの原因になるからです。

以下のステップで進めれば、シリンダー交換の失敗は回避できます。

シリンダー交換を確実に成功させる3ステップ
  1. シリンダー交換ができる環境か確認する
  2. 現在の錠の種類や型番を確認して適合するシリンダーを用意する
  3. シリンダーを交換する

このコラムでは、各ステップの手順とポイントを詳しく解説します。ここに書かれている通りに進めればスムーズにシリンダー交換ができ、安心快適な鍵が最小限の手間と費用で手に入ります。

シリンダー交換は鍵のリニューアル

シリンダー交換とは、ドアに付いている錠の本体はそのままで、鍵穴部分の部品であるシリンダーと鍵だけを新しいものに変えることです。

鍵穴部分に不具合があるときや開けられる鍵を変えたいときは、錠前全体を交換するよりもシリンダーの交換のほうが効率的な場合があります。不具合の原因がシリンダーにあるならシリンダーだけを変えれば改善できるし、シリンダーを変えればそれを回すための鍵も変わるからです。

シリンダー交換

シリンダー交換の作業は、基本的に錠のカバーを外してシリンダーを付け替え、再びカバーを取り付けるといった流れでおこないます。ネジ回して部品を外したり付けたりするシンプルな作業なので、高度な技術は必要ありません。

交換用のシリンダーと鍵を購入して自分でシリンダー交換ができれば、鍵業者に支払う作業料などがかからないので費用を節約できます。鍵業者に依頼する場合でも、シリンダー交換は錠前交換に比べて新しくする部品が少ない分、料金が安く済むのです。

次からの章を参考に、まずはシリンダー交換で問題が解決できないか検討してみましょう。

ステップ1:シリンダー交換をするために必要な確認

実際に交換用のシリンダーを購入する前に、錠前の種類住宅の環境を確認しておく必要があります。状況によっては交換ができない場合や、交換はできても後々トラブルの原因になることがあるからです。

それぞれ詳細を解説します。

シリンダーが交換できる錠前か確認する

自宅に付いているのがどんなタイプの錠前なのかをあらかじめ確認しましょう。錠前にもいろいろな種類があり、構造上シリンダーだけの交換はできない錠前もあるからです。

自宅の錠が以下のどれにあたる確認してみましょう。

シリンダー交換ができない錠前

円筒錠・チューブラ錠……施錠するボルトが1つでノブの中央に鍵穴があるタイプ
インテグラル錠……ドアに彫り込まれてていてボルトが2つあり、ノブの中央に鍵穴があるタイプ
引き戸錠……引き戸の中央や端に付いているタイプ

シリンダー交換ができる錠前

彫り込み箱錠……ドアに彫り込まれていてボルトが2つあり、ノブと鍵穴が離れているタイプ。「シリンダー箱錠」ともいう
面付き箱錠……錠本体がドアの室内側に貼り付けられているタイプ
プッシュプル錠……棒状のハンドルを引いたり押したりしてドアを開閉するタイプ
サムラッチ錠……ハンドル上部のつまみを押し込んでドアを開けるタイプ

インテグラル錠や引き戸錠などシリンダーのみの交換ができない錠前を交換したい場合、錠前ごと交換しなければいけません。錠前交換も自分でできますが、シリンダー交換に比べて難易度が上がります。錠前交換については以下の記事をご参照ください。

賃貸や集合住宅では管理者に確認する

賃貸住宅や集合住宅でシリンダー交換をする場合、貸主や管理組合に許可を得ておく必要があります。許可なくシリンダー交換をすると、規約違反になるおそれがあるからです。

持ち家の戸建住宅の場合はこの確認は不要ですので、次の適合するシリンダーの選び方のステップに進んでください。

賃貸住宅では、錠前の部品であるシリンダーや鍵も借りている住宅設備の一部です。賃貸住宅の部屋を勝手にリフォームできないのと同様に、錠前やシリンダーも勝手に交換はできません。

分譲マンションなど区分所有の集合住宅でも、管理組合に確認しておくのが無難です。物件によっては、シリンダー交換の際には管理組合に申請が必要と規定してる場合があります。

規約違反があった場合、違約金を請求されるなどのトラブルに発展するおそれもあるのです。必ず規約を確認しておきましょう。

また、設備の経年劣化など入居者に責任のない理由でシリンダー交換をしたい場合には、貸主や管理組合の負担で交換をしてもらえることもあります。費用が節約できる可能性がありますので、まずは管理会社や管理組合に相談してみるのがおすすめです。

ステップ2:適合するシリンダーの選び方

現在の錠に適合するシリンダーを正しく選ぶことは、シリンダー交換全体のなかでもっとも重要な工程です。

シリンダーと錠本体を接続する仕組みは錠によって違うので、たとえ同じくらいのサイズであっても型の違うシリンダーは取り付けられません。シリンダーは防犯設備である性質上、基本的に返品ができないので、間違って購入すると無駄になってしまうのです。

以下の流れでチェックをすれば、適合するシリンダーを失敗なく選ぶことができます。

シリンダー選びの流れ
  1. 錠のメーカーと型番を確認する
  2. ドアの厚みを確認する
  3. 適合するシリンダーのなかから製品を選ぶ

それぞれ手順を解説していきます。

錠のメーカーと型番を確認する

錠本体にメーカー名と型番が刻印されていますので、確認してみましょう。交換用シリンダーには対応している錠の型番が表示されているので、自宅の錠の型番があるかをチェックすれば適合しているか確認できます。

ドアに埋め込まれているタイプの錠ならドアの側面、ドアに貼り付いているタイプなら室内側の表面に刻印があるはずです。基本的には上側の「MIWA」「GOAL」などがメーカー名、下側の「LAMA」「ALG」などの表示が型番です。

プッシュプル錠など鍵穴が上下に2つ付いているタイプの場合は、すべての型番を確認してください。同一の鍵で開くシリンダーでも、型番は異なっていることがあるからです。

まれにメーカー名しか刻印されていない錠がありますが、そのときはメーカーと錠の形状から適合を判断できます。

刻印 (メーカー名) 錠前の形状 適合するシリンダーの種類
MIWA
U9PMK-HS
※画像には型番が刻印されていますが、旧型のものは「MIWA」のみが刻印されています。
PMK
GOAL
P-4350
4350
P-5350
5350
SHOWA
NX-BLL-S32P-36
BLL
7680E
7680E
BX-7680KJ
7680KJ
NX-516
516

ちなみに鍵にもアルファベットや数字が刻印されていますが、鍵からシリンダーの適合を判断はできません。鍵に刻印されているのは鍵の製造番号や型番であって、錠やシリンダーの型番ではないからです。必ず錠のほうをチェックしましょう。

ドアの厚みを確認する

住宅によってドアの厚みは違うので、寸法を計測しておく必要があります。シリンダーはドアに差し込む形で錠と接続するため、分厚いドアの場合はシリンダーが錠に届かないことがあるからです。

交換用のシリンダーには「扉厚33mm~42mm用」のように取り付け可能なドアの厚みが表示されているので、確認しておけば確実に取り付けられるシリンダーを選べます。

ドアの厚みを測るときには、平らな面で計測することが大切です。ドアのノブ側に返しなどの出っ張りがある場合は、ドアの蝶番(ちょうつがい)側や上部、下部などほかの平らな位置で測りましょう。

錠前本体が室内側のドア表面に貼り付いた面付き箱錠の場合、錠本体の厚みは含めません。

また、シリンダーやノブとドアの間にプレートが挟んであるタイプもあります。この場合はプレート分もドアの厚みに含めます。まずドアの厚みを測り、そのあとにカバー部分の厚みを測って足し合わせると確実です。

ドアの厚みの測り方

適合するシリンダーのなかから製品を選ぶ

適合するシリンダーを探すには、Amazonや楽天市場といったインターネットショッピングのサービスを利用するのが便利です。出かける必要がなくて手軽なだけでなく、確認した型番を打ち込んで検索すれば手間なく適合するシリンダーを絞り込めます。

シリンダーはホームセンターなどで販売されていることもありますが、メーカーと錠前ごとに膨大な種類のシリンダーがあるので、お店には在庫がない場合があるのです。

ネットショップには現物を見て確認できない不安もありますが、商品の説明欄に記載されているメーカー名、適合する錠の型番、対応しているドアの厚みを確認してから購入すれば間違えることはありません。

メーカーと型番ごとに適合するシリンダーの一覧を掲載しているサイトや、写真を撮ってメールで送信すれば適合するシリンダーを教えてくれるサービスもあるので、利用してみるのも手堅い方法です。

また、錠に適合するシリンダーであれば種類の変更も可能です。シリンダーにもいくつか種類がありますので、より高性能なものに変更すれば防犯性や機能性を向上させられます。

例えばくぼみが付いた鍵が特徴のディンプルシリンダーは、構造が複雑でピッキングや不正な合鍵作成がされにくく防犯性の高いシリンダーです。多くの場合鍵がリバーシブルになっていて、どちら向きでも鍵穴に差し込むことができて使い勝手がよいのでおすすめです。

カバ エース (3238 シルバー MIWA 美和ロック BH LD AH用シリンダー)

錠によって取り付けられるシリンダーの種類には違いがありますので、適合するシリンダーを絞り込んだなかからからいろいろな商品を見て種類を選びましょう。

ステップ3:錠前の種類別シリンダー交換の手順

シリンダー交換は、基本的に数分で完了できる簡単な作業です。スムーズに進めるために、あらかじめ以下の道具を準備しておきましょう。

シリンダー交換に使う道具

・プラスドライバー
ネジを回すのに使います。

・マイナスドライバー
シリンダーを固定しているピンを抜き取るのに使います。細めのものが使いやすいです。また、錠によってはマイナスのネジが使われている場合もあります。

・ドアストッパー
作業中にドアが閉まるのを防ぎます。作業はドアを開けた状態でおこないますが、途中でドアが閉まると開けられなくなるおそれがあります。

・手袋
手が汚れたり、部品が滑ったりするのを防ぎます。滑りにくい革手袋やラバー軍手などが使いやすいです。

・雑巾などの布
作業中に外した部品を一旦置いておくのに使います。ネジなど細かい部品が転がって紛失したり、ノブなどを地面に置いて傷が付いたりするのを防ぎます。

・カッターナイフ
錠ケースの上から塗装がされている場合に、錠ケース回りの塗装に切れ目を入れます。そのまま錠ケースを外すと、ドア部分の塗装が一緒にはがれるおそれがあります。

作業の手順は錠の種類ごとに異なりますので、自宅の錠の種類を確認してそれぞれの手順をご覧ください。それぞれ代表的な製品の手順を解説しています。製品によって手順は異なる場合がありますので、作業前には必ず交換用シリンダーに付属している取扱説明書をご確認ください。

シリンダー交換ができる錠前-1

彫り込み箱錠のシリンダー交換
面付き箱錠のシリンダー交換
プッシュプル錠のシリンダー交換
サムラッチ錠のシリンダー交換

彫り込み箱錠のシリンダー交換

  1. ドア側面に付いているプレートを取り外します。プレートに付いている2~3本のネジをプラスドライバーで外しましょう。
  2. ドア側面から、シリンダーを固定しているピンを引き抜きます。ピンは4本あるので、シリンダー側の2本を引き抜きます。ピンの頭をマイナスドライバーの先端で引っ掛けて抜きましょう。
  3. ピンを抜くと古いシリンダーが外れるので、取り外して新しいシリンダーと入れ替えます。錠本体の形に合うよう向きを調整してはめ込みましょう。
  4. 2で抜いたピンを再びドア側面から差し込んでシリンダーを固定します。シリンダーが落ちないよう押さえながら差し込みましょう。ピンに浮きがあると上のプレートが曲がってしまうおそれがあるので、最後までしっかりと差し込みます。
  5. 1で外したプレートをドア側面に付け、ネジを締めてもと通りに固定します。
  6. 最後に動作確認をします。

面付き箱錠のシリンダー交換

  1. ノブをドアから取り外します。室内側ノブの根元に付いているネジをドライバーで外し、ノブを引き抜きます。室内側のノブを外すと室外側のノブも外せるので、引き抜きます。
  2. 錠本体に付いているネジを外し、ドアから錠本体を取り外します。
  3. 錠本体に付いているシリンダーを取り外します。錠本体の裏側にシリンダーを固定しているネジがあるので、ドライバーで外しましょう。
  4. 新しいシリンダーを錠本体に取り付け、3で外したネジで固定します。
  5. ドアの穴に合わせて錠本体をドアに取り付け、2で外したネジで固定します。
  6. 1で外したノブを再び取り付けます。室外側、室内側の順ノブをドアに差し込み、1で外したネジで室内側のノブを固定しましょう。
  7. 最後に動作確認をします。

プッシュプル錠のシリンダー交換

ハンドルにシリンダーが付いているタイプ

  1. ハンドルをドアから取り外します。室内側ハンドルの表面や側面に付いているネジを外し、両側からハンドルを引き抜くと外せます。
  2. 室内側ハンドルの裏側に付いているネジを回してカバーを外すと、シリンダーを抜き取ることができます。
  3. 新しいシリンダーを取り付け、2で外したカバーをかぶせてネジで止めます。
  4. 1で外したハンドルを室外側、室内側の順でドアにはめ込み、ネジを締めて固定します。
  5. 最後に動作確認をします。

ドアにシリンダーが付いているタイプ

  1. ドア側面のプレートを取り外します。鍵穴の高さに付いているプレートのネジをドライバーで回して、プレートを取り外しましょう
  2. プレートを外すとさらに4本のピンがあるので、そのうちシリンダー側の2本を引き抜きます。ピンの頭をマイナスドライバーの先端で引っ掛けて抜きましょう。ピンを抜くと、シリンダーが外れます。
  3. シリンダーがあった位置に新しいシリンダーを取り付け、3で抜いたピンを差し込みます。
  4. 2で外したプレートをドア側面に取り付け、ネジを締めて固定します。
  5. 1で外したハンドルを室外側、室内側の順でドアにはめ込み、ネジでもと通りに固定します。
  6. 最後に動作確認をします。

サムラッチ錠のシリンダー交換

ハンドルにシリンダーが付いているタイプ

  1. 室内側のノブをドアから取り外します。ノブの土台部分を左回りに回すと外れます。ハンドルタイプの場合はネジを回して外します。
  2. ノブを外すとドアにプレートが付いていますので、ドライバーでネジを回してプレートを外します。
  3. 室外側のハンドルに付いているネジを回し、ハンドルを外します。
  4. 室外側ハンドルの裏側に付いているネジを回してカバーを外し、シリンダーを取り外します。
  5. 新しいシリンダーをハンドルにはめ込み、4で外したプレートを取り付けてネジで固定します。
  6. 室外側ハンドルをドアにはめ込み、3で外したネジで固定します。
  7. 2で外した室内側ドアのプレートを取り付け、室内側ノブをもと通りに取り付けます。
  8. 最後に動作確認をします

ドアにシリンダーが付いているタイプ

  1. 室内側のノブをドアから取り外します。ノブの土台部分を左回りに回すと外れます。ハンドルタイプの場合はネジを回して外します。
  2. ハンドルをドアから取り外します。室内側ノブの土台部分を、左回りに回して外します。ハンドルタイプの場合はネジを回して外します。室内側を外すと、室外側のハンドルも外れます。
  3. 室内側からシリンダー部分に付いているネジを回し、シリンダーを取り外します。
  4. シリンダーがあった位置に新しいシリンダーをはめ込み、2で外したネジを締めて固定します。
  5. 1で外した室内側のノブを室内側、室外側の順で取り付けます。
  6. 最後に動作確認をします。

本当にシリンダー交換がベストか確認も大事

鍵が回りにくいなどの不具合を直すためにシリンダー交換を考えているなら、まずは不具合の原因を特定することが先決です。錠前の不具合は、シリンダー以外の箇所が原因で発生していることもあるからです。

錠本体やドア自体に原因があるなら、シリンダーだけを変えても不具合は解消されません。また、シリンダー内の汚れや部品のズレが原因の場合は、掃除や部品の調整など簡単なメンテナンスだけで直ることもあります。

いずれにしてもどこも悪くないシリンダーを交換するのは無駄ですので、不具合の原因がどこにあるのかを特定してから対処を判断する必要があります。

不具合の原因箇所は、以下の手順である程度絞り込むことが可能です。

シリンダーと鍵を掃除してみる

シリンダーと鍵の基本的なメンテナンスをすると、それだけで十分動きの悪さが改善されることがあります。鍵に付着した汚れやホコリがシリンダー内部につまると、動きが悪くなるのです。

シリンダーや鍵は、専用の洗浄スプレーを使えば簡単に洗浄ができます。洗浄スプレーはホームセンターなどで販売されていますので、定期的なメンテナンスのためにもひとつ用意しておくのがおすすめです。

鍵穴専用でない洗浄剤や潤滑油を使ったり、使用方法を間違えたりするとかえって壊れてしまうことがあります。必ず鍵穴用であることを確認し、製品に表示されている説明に従って使用しましょう。

シリンダーや鍵のメンテナンス方法については、以下のコラムで詳しく解説しています。

別の鍵で開け閉めしてみる

スペアキーなど複数の鍵があれば、どの鍵を鍵穴に挿しても同じように不具合の症状があるか試してみましょう。別の鍵なら正常に動くという場合は、鍵穴ではなく鍵のほうに原因があると考えられます。

摩耗や衝撃によって鍵に欠けやゆがみがあると、シリンダーと形が合わなくなって動かなくなるのです。鍵とシリンダーは精密な構造でかみ合うようになっているので、一度変形してしまった鍵を使えるように直すのは困難です。別の鍵を使うようにしたり、合鍵を作製したりといった対処をしましょう。

合鍵の作り方については、以下のコラムで解説していますのでご参考ください。

ドアを開けた状態で開け閉めしてみる

ドアを開けた状態で鍵を挿してみて、動くどうか確認しみましょう。ドアを開けた状態なら正常に開け閉めの動きができるという場合、錠と壁側の部品がかみ合わなくなっていると考えられます。

錠から突き出るデッドボルトという部品が、壁側の穴に差し込まれることでドアを固定するのが錠前の仕組みです。このデッドボルトを壁側で受けるストライクという部品がずれていたり、ドア自体に傾きがあったりすると、デッドボルトが引っかかって動かなくなるのです。

ストライクがずれている場合、一度外して位置を調整して付け直すことで解決します。ドア側に原因があるときは蝶番の調整などで直る場合もありますが、ドア自体の修繕が必要になることもあります。設備によっては枠を削ったりした穴を開けたりといった作業が必要です。自分では不安な場合には工務店や建具屋に相談してみましょう。

室内側を開け閉めしてみる

今度はドアを開けた状態で、室内側で錠を開け閉めするつまみであるサムターンが動くか確認しましょう。

サムターンも同じように動かないという場合には、錠本体に不具合がある可能性が高いです。シリンダーとサムターンは別々の部品なので、シリンダーの不具合が原因でサムターンが動かなくなることはありません。両方が同時に動かないのであれば、錠本体の動作不良などが原因と考えられるのです。

錠本体に原因があるなら、鍵やシリンダー、サムターンやノブも含めた錠前全体の交換が必要です。錠前交換の方法は、以下のコラムで解説しています。

対してサムターンは正常に開け閉めができるなら、やはりシリンダーに不具合があると考えられます。シリンダー交換で対処しましょう。

鍵業者をうまく利用するコツ

自分でシリンダー交換をする方法を解説してきましたが、すんなりいかないこともあるでしょう。例えば以下のような状況です。

  • 交換用のシリンダーを間違えて買ってしまった
  • 付けたいシリンダーがあるのに適合しない
  • 不具合の原因がわからない

こんなときには、鍵業者に頼めばすべて解決します。プロの技術と知識があれば、自分では難しいより高度な交換ができるのです。

ただ、やはり業者に依頼すると費用が高いのではないかという不安がありますよね。そこで、この章では鍵業者に頼むことにどんなメリットがあるのか、費用をできるだけ抑えるにはどうすればよいかを解説します。

プロならワンランク上の交換ができる

一般人と鍵業者のもっとも大きな違いは、以下の点です。

  • メーカーや型番の違うシリンダーを取り付けられる
  • 状況や要望に合わせた適切な対処を判断できる

鍵のプロがなにをしてくれるのかそれぞれ解説します。

メーカー違いのシリンダーにも交換できる

鍵業者の手にかかれば、本来は適合しないシリンダーを取り付けられる可能性があります。内筒交換といって、シリンダーのさらに中身だけを交換する方法があるのです。

内筒とはシリンダー内部にある、鍵を差し込む中心部分の部品です。鍵とかみ合うピンやディスクが並んでいる部品で、シリンダーの心臓部といえます。

新しいシリンダーからこの内筒だけを取り出して、既存のシリンダーに移植するのが内筒交換です。外身はもともとのシリンダーを使うので、適合しないシリンダーでも問題なく錠に取り付けられます。

内筒交換をするには、シリンダーを分解して組み立てる必要があります。シリンダーは精密で細かい部品がたくさんあるので、知識や経験のない人には難しい作業です。シリンダーを間違って買ってしまったときやどうしても付けたいシリンダーがあるといった場合には、鍵業者に相談してみましょう。

最善の施工を提案してくれる

さまざまな要因が影響して起こる鍵の不具合の原因は一般人が特定するのは難しいものですが、鍵業者は原因を特定して、適切な対処ができます。

錠前や建具の構造に詳しい鍵業者なら、症状から原因を推測したり、実際に分解して確かめたりして原因箇所を特定できます。その知識と経験から、原因によってどんな対処が必要なのか、最小限の費用で解決するにはどうするのが最適なのかも判断できるのです。

また、「防犯性を高めたい」「使い勝手をよくしたい」といった依頼主の要望に応じて最適なシリンダーも提案してくれます。日ごろさまざまな鍵に対応している鍵業者は、メーカーの垣根を越えて錠やシリンダーの種類や特徴にも豊富な知識をもっているのです。

不具合の原因がわからない場合やよりよい鍵に交換したい希望があるときには、鍵業者に相談してみるのがおすすめです。

よい鍵業者を選ぶことが費用の節約につながる

シリンダー交換などを鍵業者に依頼する際にはなるべく料金が安い業者を選びたいところですが、単純に表示されている料金が安い業者を選べばよいとは限りません。

業者のWebサイトなどに表示されている料金は多くの場合、最低料金だからです。この料金に交換に使う部品代、スタッフの作業費、現地までの出張費などが加算され、最終的にはより高い金額になることがほとんどです。

実際の施工にかかる料金は業者によって大きな差があります。シリンダーなど部品の価格にはある程度の相場がありますが、作業費などの料金は業者が好きに設定できるからです。

そのため業者を選ぶ際はWebサイトなどのうたい文句を鵜吞みにせず、実際にかかる料金を確認することが大切です。電話などで問い合わせる際に、以下の点をチェックしてみてください。

  • 料金の上限を教えてくれるか
  • 見積り料やキャンセル料が発生しないか

料金の上限を教えてくれるか

電話などで問い合わせた際に、最大でどれくらいの料金がかかるのかを聞いてみましょう。必ず料金の下限ではなく上限、一部ではなく総額を聞くことが重要です。

もしも「現場の状況を確認しないとわからない」などと言って目安を教えてくれない業者は、断ったほうがよいです。最低の料金や一部の料金しか伝えない業者は、利用者に対して親切とはいえません。

たしかに鍵の種類や不具合の原因など状況によって施工内容も変わるので、電話の時点で料金を確定はできません。ただ、説明を聞いて「この施工内容なら最大〇円」という目安を提示することはできます。

より正確な料金を聞き出すためには、起きている症状、錠前の種類やメーカー、付いているシリンダーの数、交換したいシリンダーの種類やメーカーを確認して伝えるとよいです。

最大料金の目安を聞いたうえで、その業者に依頼するかを判断しましょう。1社だけでなく、3社程度の業者に問い合わせてみて比較することも大切です。

見積り料やキャンセル料が発生しないか

業者のスタッフが現場へきて調査や見積りをするのに料金がかかるか、見積り後に依頼を断った場合にキャンセル料が発生するかを、必ず電話の時点で確認しましょう。

状況によっては電話で聞いた料金の目安よりも実際の見積り金額が高くなることもあるので、現場で見積りを見た結果やはり断りたいということも十分にありえます。その場合、見積り料やキャンセル料が発生する業者だと、問題はなにも解決していないのに料金を支払うことになってしまいます。

とくに複数の業者から相見積りをする場合には見積り料がかかると全体の費用が高くなってしまうので、現地調査や見積りは無料で対応している業者を選びましょう。

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