電気には『直流』と『交流』の2種類がある?その特徴と違いとは

2021.4.30

電気には『直流』と『交流』の2種類がある?その特徴と違いとは

例えばテレビやAV機器、パソコンやスマートフォン の充電器などをご家庭で使用される際に、コンセントに『ACアダプタ』を挿して機器に電力を供給することになるかと思います。この『AC』とは具体的に何なのか、気になったことはありませんか?ACとは電流の性質を表す略称で、日本語に直すと『交流』になります。日常の中で使われている電気にはこの交流と、対をなす『直流(DC)』の二種類の性質が存在しています。
本コラムでは、電気の直流と交流の違い、それぞれどこに使用されているかなど、電気に関する基本的な知識をご紹介いたします。

直流と交流の違い

電気の直流と交流の違いは、回路内を電流が流れる際の動きの違いです。
直流が+極から-極へ向けてまっすぐに流れるのに対し、交流は+と-の極を一定周期ごとに行き来しながら波打って進みます。

イメージとしては、乾電池に電線と豆電球を繋ぐと、電池の+極から出た電流が豆電球を経由して-極へ戻る図が一般的に想像されるかと思いますが、これが直流です。電池やバッテリーなどに蓄積された電気を使用する場合は大抵直流の回路が組まれます。

交流の場合、最も多く見かけることが多いのは、家庭用のコンセントです。横に2つ並んだコンセントの差込口は、よく見ると左右で長さが違っているものの、プラグはどちら向きに挿しても問題なく使えます。これは交流が+と-を交互に行き来するため、どちらの極にプラグを繋げても影響がないためです。

直流と交流はメリットとデメリットが明確に分かれていて、それぞれ性質に適した場所で使用されています。次項からはそれぞれのメリット・デメリットについて解説いたします。
      直流と交流の違い

直流のメリット・デメリット

メリット1:蓄電が可能

直流の電気はバッテリーなどの二次電池に充電することができます。蓄電が可能という利点は現代社会において計り知れず、自動車からスマートフォンまで、さまざまな分野で使用されています。

メリット2:電流が安定していてそのまま電気製品に使用できる

電気がエネルギーとしての仕事を発揮するには、流れる方向がはっきりしている必要があります。そのため向きを変え続けている交流電源はそのままでは電気製品を動かせず、変換機を通して一度直流に変換しなければなりません。直流電源であれば、変換機を挟む必要なくそのまま電気製品に使用できます。

デメリット:電圧の変更が難しい

原理の説明は非常に専門的な分野になるため割愛しますが、直流は交流に比べて電圧の変更がしづらいとされています。交流が簡単な変圧器で容易に電圧を変えられるのに対し、直流の変圧には大掛かりな設備が必要になります。そのため、発電所から各家庭へ電力を供給する際には交流によるインフラを構築する必要があり、これが後述の交流のメリットにつながっていきます。
      直流のメリット・デメリット

交流のメリット・デメリット

メリット:変圧が容易なためインフラの構築に適している

直流に比べ、交流は小規模な変圧器で電圧を変えることができます。そのため変電所を作りやすく、発電所と住宅を繋ぐラインを構築しやすいというメリットがあります。

そもそもなぜ電圧の変更が必要かを説明するには、まずパイプラインに水を流す図をイメージすると分かりやすいかと思います。長いパイプを使って遠くまで水を運ぶには、重力の力を借りるほかに水を流す圧力を強くするという方法があります。水を強く押し出せば押し出すほど、パイプの中を元気よく駆け巡り遠くの蛇口へ水を運ぶことができます。

電気においても同様に、発電所から出発する電気の圧力が高いほど、効率良く遠隔地へと電気を供給できます。そのため、街の上空を網羅している電線の中は非常に高圧の電気が通っています。当然、そのままでは家庭用電源としては使用できないため、変電所を経由して家庭で使えるレベルまで電圧を下げる必要があるわけです。したがって、地域ごとに変電所を設置することができる交流は、高圧による長距離電送に向いているということになります。

デメリット:電圧が安定しない

電圧を変えやすいということは、裏を返せば電圧が上がったり下がったりと安定していないということでもあります。そのため家庭で使われる電源の定格100Vを得るために、100Vより高い電圧を流してブレ幅の平均値をとる必要があります。具体的には150V近い電圧を流さなければなりません。100Vで稼働する電気製品でも、150Vを受け入れられる耐久力が必要とされるため、設計上の無駄が生じてしまうことになります。そのため、デリケートな機械では変換機を使用して安定した直流電源に変換するようにしています。
      交流のメリット・デメリット

それぞれどこで使われているか

直流と交流は、それぞれ性質に合致したシーンで使用されています。以下に一般的な例を挙げていきます。

直流

自動車やノートパソコン、スマートフォン等
蓄電が可能で変換機が必要なく、また送電距離が非常に短いためバッテリーを内蔵した製品の電気系統は直流で構成されています。

テレビ、ステレオ、PC等
密機器は動作に安定した電圧が必須のため、直流や、交流を直流に変換する電源を使用しています。

交流

送電網(電力インフラ)
前述の通り変圧しやすいという特性は高圧電流でインフラに電力を供給する用途に適しているため、発電所から各家庭のコンセントまで伸びる送電網は交流で構築されています。

扇風機や掃除機、電気照明等の家電
モーターで駆動する単純な機構の家電製品は、交流電源から直接電気を供給するものが今でも多く使われています。扇風機や掃除機には繊細な制御が必要ないため、多少電圧が上下してもあまり気にならないためです。照明器具も同様の理由で交流のものが多く市販されています。

まとめ

電気の直流と交流について、基礎的な知識をここまでご紹介してきました。下記に要点をまとめます。

・直流は+極から-極への一方向にまっすぐ流れる電流。交流は+と-とを交互に行き来する電流。
・直流は安定した電力を供給できるため様々な電気製品にそのまま使用でき、交流は不安定なため直流へ変換されることが多い。
・交流は電圧の上げ下げがしやすいため、高圧電流によるインフラ網の形成に向いている。
・デリケートな電圧制御が必要ない家電などには交流がそのまま使われていることも多い。

直流と交流の違いは電気工事を行う際にも重要になってくる情報です。適切な施工をするために、お役立ていただければ幸いです。

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