みなさんは「感電」という言葉からどのようなイメージを持たれますか?
落雷による感電事故や、電気工事中の感電事故など……普段、私たちが何気なく生活している中では、なかなか現実味のない言葉と感じる方も多いかと思います。
しかし、そうして油断しているからこそ非常に感電リスクが高くなります。電気のある暮らしをしている人は皆、同じように「感電」という危険性の高い環境下にいます。
そこで私たちの日常に潜んでいる感電リスクを理解して、電気器具の取り扱いには十分注意しましょう。
目次
感電ってどんな状態なの?身体にとって危険な電圧と電流の大きさは?
「感電」と聞くと、私たちの日常にはあまり関係ないことのように思うかもしれません。しかし、感電は私たちの生活上に潜んでいます。電気は目に見えず非常に危険なものなので、大きな事故を起こさないためにも基礎知識を付けて感電を防止しましょう。
感電とは
体の中に電気が流れることを「感電」と言います。
人体に電流が流れるのは、
a.電気が通っている電線や機器に触れたときに、電流が人体を通って地面へと流れる場合
b.漏電している電気器具に触れることで、電流が人体を通って地面へと流れる場合
c.電圧がかかっている2本の電線に同時に触れ、人体でショートした場合
一般的に感電事故で多いケースは「a」です。しかし、実は非常に危険なケースが「b」なのです。漏電とは水まわりで使用する洗濯機や、雨や雪に晒される自動販売機などから電気が漏れ出すことをいいます。私たちには電気が漏れ出している状況を目視できないため、漏電による感電事故は誰にでも起こる危険性があります。
身体にとって危険な電圧・電流の大きさはどれぐらい?
感電といっても人体に与える影響の大きさは、「流れた電流の大きさ」、「流れた時間」、「流れた経路(人体の部位)」によって異なってきます。普段の生活の中でもひょっとすると感電している可能性があります。電流の大きさによる症状をみてみましょう。
1mA:電気が流れるのを感じる程度
5mA:痛みを生じる
10mA:我慢できないくらいにビリビリと衝撃を感じる
20mA:身体が痙攣をおこし、呼吸困難となる。電気が流れ続けると死亡する
50mA:わずかな時間でも命が危険に及ぶ
100mA:致死的、死亡する
「単位:mA=ミリアンペア」
このように数値としてわずかに思える電流でも、人体に大きな影響を与えることがあります。よく電圧の高さを気にする人がいますが、電圧で致命傷になることはありません。
冬季など乾燥した時期になると特に起こるのが静電気だと思います。着ていたセーターを脱ごうとしてバチッバチッと音がしたり、ドアノブに手を伸ばしたらバチッと手に痛みを覚えたり……これは、誰しもが経験したことのある「感電」なのです。
静電気の電圧はおよそ2,000~10,000V(ボルト)あると言われています。人が電気を感じるのは3,000V以上といわれているため、それ以下はほとんど感じることはありません。何かに触れようとしたときにバチッと静電気が起きて指先から放電発光が延びた場合、およそ5,000~12,000Vもの電圧がかかっているそうです。一般家庭コンセントの電圧は100Vであることを考えるとぞっとするくらいの数値です。
しかし、そんなに高い電圧を受けても私たちが痛みを感じる程度で無事に暮らすことができているのには、「電流」が関係しています。電圧が高くても、電流が高くなければ大事に至ることはありません。静電気は10,000Vあっても1mA程度と微電流のため、人体にさほど影響を与えないからです。
電気に触れないことがまず大切。感電を防止する基本について
感電についてその危険性は非常に高いものであると理解いただけたかと思います。では、日常生活で感電を防止するためには一体どのような対策をすればいいのでしょうか?
感電の防止策をご紹介します。
a.常に絶縁をきちんとしておく
電気器具は使用した後はコンセントを抜いて電気が通らないように心がけましょう。
b.破損したところはすぐに修理または交換する
劣化や破損した部分から漏電する可能性が非常に高いため、破損している箇所を発見したらすぐに修理もしくは交換をしましょう。
c.濡らさない、湿ったところで使わない
コンセントを挿すときは濡れていない手で行うことや、水に濡れるような場所で電気器具の操作を行わないようにしましょう。
d.有効なアースと漏電ブレーカーを取付ける
水回りなど漏電する可能性の高い家電はアース線をつけましょう。もし漏電に気付かないまま触れてしまっても、電流の多くはアース(大地)に流れるため人に流れる電流は少なくなります。
感電を防ぐためのブレーカー。大切さについてもう1度ふり返ろう
感電事故を防止するために最も有効的なブレーカーという装置があります。設置義務があるため、どのご家庭にも施設にも通常は設置されているものです。
ブレーカーは電気の流れに何かトラブルが生じた場合、自動的に電気の流れを遮断する仕組みです。しかし、この基本的な仕組みは変わらないものの、ブレーカーにはいくつか種類があるのをご存知ですか?その違いについてご説明します。
アンペアブレーカー
電力会社との契約ブレーカーで、使用電力量が契約電力量を上回ると電気の流れを遮断する仕組みになっています。そして家全体が停電します。簡単に言うと電気を使い過ぎたときに落ちるブレーカーです。
漏電ブレーカー
漏電事故を防ぐためのブレーカーです。漏電を検出した際に電気の流れを遮断する仕組みになっています。このブレーカーも家全体が停電します。漏電ブレーカーを点検して家のどの電気器具が漏電しているか発見することができます。
安全ブレーカー
またの名を配線用遮断器といいます。分電盤から各部屋へ電気を送るための回路ごとのブレーカーです。同じ形のスイッチが複数あり、家の中のコンセントまでの電気の回路それぞれと接続しています。回路ごとに容量が決まっており、その容量を超えた電気が流れた場合、電気の流れを遮断する仕組みになっています。他のブレーカーと違うところは、安全ブレーカーは回路ごとに落ちるため、家全体ではなく一部が停電します。
*補足
分電盤とは、漏電ブレーカーや安全ブレーカーをまとめた箱をいい、アンペアブレーカーが一緒になっている場合もあります。
この他、地震の揺れを感知して自動的に電気の流れを遮断する感震ブレーカーなどもあります。
漏電遮断器(漏電ブレーカー)が防いだ感電事故とは
漏電していても私たちの目には見えないものです。そのため漏電していると気付かずに電子器具に触れ、感電してしまうケースがよくあります。
現在では、漏電ブレーカーの設置には法的義務がありますが、古い民家などでは漏電ブレーカーを設置していないところもあるかもしれません。
漏電ブレーカーは漏電している電気器具があると自動的に電気を止めてくれる仕組みになっています。それによって、漏電している電気器具に触れても感電せずに済んだり、家のどの電気器具が漏電しているのかに気付いて修理交換したりと事故を防ぐことができます。
仕事場でも家庭でも。今すぐ使えるかんたんな感電防止対策とグッズ紹介
ご家庭や仕事場など電気を使っている場所は一様に感電のリスクがあることを十分にご理解いただけたでしょうか?感電防止のためにリスクの高い場所は特に早急な対策が必要です。
感電防止のための対策
アース線(接地)を取り付けましょう。アース線とは漏電による感電事故防止の役割をする線のことです。主にエアコンや洗濯機、電子レンジやウォシュレットなど水に触れる電気器具に付けます。アース線はこれらの電気器具が漏電した場合、もし人が触ってもアース線を通して電気が大地に流れるため感電しません。その他、電磁波や静電気の防止、また落雷による被害も軽減させる役割をしています。
湿気の多い場所や水気のある場所にはアース工事が義務付けられています。
感電を防止する安全グッズ
ゴム手袋など電気を通さない素材のもの、コンセントに誤って手や物を入れないためのコンセントカバーなどを使うといいでしょう。
まとめ
静電気という小さな感電をはじめ、感電のリスクは私たちの身近なところに潜んでいます。
感電や漏電によって火災などの2次災害につながる恐れもあります。日頃から電気器具の取り扱いには注意を払い、感電事故を防止しましょう。
電気工事を依頼できる業者や料金
\ 完全無料 /
厳選した全国の電気工事全般業者を探せます!
×
関連記事カテゴリ一覧
電気工事全般の記事アクセスランキング
電気工事全般の最新記事
カテゴリ別記事⼀覧
- お庭の手入れ
- 害虫駆除
- 害獣駆除
- 電気工事
- 鍵開け・交換・修理
- 窓ガラス修理・ドアノブ修理
- 家の修理
- バッテリー上がり
- ハウスクリーニング
- ペット火葬・葬儀
- 家電修理
- パソコン修理・ネット回線
- 家具・雑貨の修理
- 外壁・屋根工事
- リフォーム
- 防犯カメラ設置
- 盗聴器・その他調査診断
- 便利屋・代行サービス
- 引越し・配送サービス
- オフィス・店舗向けサービス
- その他