チャドクガは日本でよくみられる毛虫です。実は毛虫のほとんどは毒をもっていませんが、チャドクガは毒をもっています。
チャドクガに刺されると大変危険です。ひどい場合、救急車を呼ばなければいけないこともあります。
チャドクガに刺されたときにでる症状を知っておけば、正しい対応ができるでしょう。ここではチャドクガの生態と、万が一の対策についてご紹介していきます。
チャドクガってどんな虫?発生時期は年に2回
毛虫のほとんどは毒をもっておらず、毒をもっているものは毛虫全体の2%ほどと言われています。毒をもつ毛虫の中でも日本でよくみられるのがチャドクガです。
体長は25~30mm程度です。幼齢の頃は灰色がかった茶色で、成長すると頭部が黄色っぽくなり、全体的に黒い部分が多くなります。
毒針毛(どくしんもう)と呼ばれる微細な毛に毒をもっており、触れると痒みや炎症を起こします。死骸や、抜け落ちた毒針毛でも触れると症状が出るので、チャドクガを駆除する際は死骸の処理はしっかりと行います。
チャドクガは基本的には5~6月頃と、8~9月頃の年に2回発生します。気候によっては年に3回発生することもあります。
ツバキやサザンカ、茶などのツバキ科の樹木に発生することが多いです。本州以南の日本各地に生息しており、庭や公園、森林などでよく見かけます。
葉の裏に密集しており、いっせいに葉を食べます。とても食欲旺盛で、園芸植物の被害が問題となっています。
チャドクガの卵は7月と10月に葉の裏に産み付けられます。卵は卵塊と呼ばれる成虫の毛でおおわれた状態になっています。卵塊にも毒針毛が含まれているため触ってはいけません。
その他の毛虫については過去コラム「毛虫がいても絶対に触らないで!危険な毛虫の駆除方法とは」に書いてありますので、併せてお読みください。

チャドクガの「毒針毛」に注意
チャドクガの毒針毛に含まれる毒はとても危険です。
チャドクガの表面には100万本ほどの毒針毛があります。毛虫の表面にはえている長い毛に毒はなく、毒針毛と表面の長い毛は別物です。
毒針毛は一見しただけではわかりません。チャドクガの毒針毛に触れてもはじめはそれほど痛みがないので、刺されたことに気が付かない人も多いです。
症状が出るのは数時間後で、ヒリヒリと赤く腫れ上がります。炎症部分に触れると悪化するので触ってはいけません。1~2日後には痒みを伴った赤い発疹が広がってきます。
チャドクガの毒は猛毒ではないとされていますが、刺された時の反応には個人差があります。中にはほとんど症状が出ない人もいますが、以下のようなアレルギー反応を起こすこともあります。
・じんましん
・皮膚が赤くなる
・唇、舌、口内、まぶたが腫れる
・息切れ、咳
・血圧低下
・倒れる
このような症状がでたらアナフィラキシーショックのおそれがあります。すぐに救急車を呼ぶ必要があります。
チャドクガを駆除する際に誤って触れてしまったり、チャドクガの抜け落ちた毒針毛によって皮膚炎を起こした場合はすぐに対処する必要がります。痒みの出ている部分や衣服には、目には見えないたくさんの毒針毛がついているおそれがあります。
症状がひどい場合は、皮膚科に行きましょう。

チャドクガ皮膚炎による激しい痒み・皮膚炎の跡が言えるのはいつ?
チャドクガの毒による症状が治まるまでの期間は個人差があります。
刺されてから2~4時間後に痒みがではじめ、赤い発疹が広がります。激しい痒みが治まり、発疹が消えるまでは短い人で1週間、長い人は半年かかることもあるようです。
かきむしってしまうと症状が悪化し、治るまでに時間がかかると言われています。治るまでの時間は体質によりますが、処置が遅かった場合は完治までに時間がかかってしまうと考えられています。
また、飲酒も症状を長引かせる原因と言われています。飲酒によって皮膚炎の痒みが激しくなったり、薬の効き目が弱くなります。症状が出ているときはお酒を飲むのはひかえましょう。
なかなか痒みが治まらなかったり、症状がひどい場合は病院に行くことをおすすめします。
チャドクガ皮膚炎はうつることがある?二次被害に注意
毛虫に刺されたらうつると聞いたことがあるかもしれませんが、それは間違いです。皮膚炎自体は感染症ではないため、他人にうつることはありません。
チャドクガ皮膚炎は毒針毛に触れることによっておこります。毒針毛は抜け落ちたものでも触れると皮膚炎を引き起こします。
炎症している部分に抜け落ちた毒針毛が残っていることもあり、治療をする際に触れてしまうと皮膚炎になるおそれがあります。
また、毒針毛がついた服を他の洗濯物と一緒に洗うと、別の衣服に毒針毛がついてしまう可能性もあります。洗濯することでついてしまった毒針毛により、家族が同じような症状に苦しむかもしれません。
チャドクガを駆除する際に着ていた服など、毒針毛がついている可能性のある服は他の洗濯物と一緒に洗うことはやめましょう。

まとめ
チャドクガの毒針毛に触れてしまうと、激しい痒みを引き起こします。アナフィラキシーショックを引き起こす可能性もあるため絶対に触らないように注意が必要です。
チャドクガ皮膚炎になってしまった場合は、しっかりと対処し、症状がひどい場合はすぐに病院で診てもらいましょう。
チャドクガを駆除するときも注意が必要です。駆除剤を散布したり、くっついている枝葉ごと捨てる方法もありますが、具体的な対策については害虫駆除のプロと相談されることをおすすめします。幼虫・成虫問わずおまかせください。
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