
灯油ボイラーとは石油を燃料として、水を温める機械。いわゆる石油給湯器のことをいいます。床置きのものから壁貫通タイプまでさまざまなものがあり、寒い地方ではよく使われている給湯器でもあるのです。
この灯油ボイラーは設置場所によってはランニングコストを安く抑えられることから、今使っている給湯器から灯油ボイラーへ変えたい!と思われる人が多くいらっしゃいます。
このコラムではそんな灯油ボイラーについて焦点を当てていきます。今使っている給湯器を変えたい人は自分の家に合う給湯器はどれなのか見つけられるかもしれませんね。

目次
調子が悪い!灯油ボイラーの寿命サイン
灯油ボイラーは寒い地方で設置されていることが多い給湯器です。寒い地方だと、給湯器でお湯を温めたとしても寒い空気のせいですぐにお湯が冷めてしまいます。それに加え、お湯を使う機会が多いと、その分給湯器を酷使してしまいますよね。そのため、効率よくお湯を温められてずっと稼働していても大丈夫な給湯器が必要となってくるのです。
そしてそれが、灯油を燃料とし水を温めてくれる給湯器、灯油ボイラーとなります。
灯油ボイラーの寿命のサイン
そんな灯油ボイラーは万能の機械というわけではありません。ひょんなことから故障してしまったり、寿命を迎えてしまったり……。ということがあります。
もし急に壊れてしまった場合、それが寒い冬場であれば困ってしまいますよね。まずは、灯油ボイラーの寿命のサインを見ていきましょう。
お湯の温度がぬるい、または一定でなくなる
灯油ボイラーの調子が悪くなると、出すお湯の温度が一定でなくなってしまいます。高温に設定しているのに温度がぬるいままだったり、お湯を使っている最中に温度が変動したりと、温度が不安定になってしまうのです。
シャワーの最中に温度が急に上昇してやけどをするおそれもあるので、こうした症状が出たら早めに交換するようにしましょう。
異音がする
お湯を沸かしているときや着火の際、灯油ボイラーから爆発音のような異音がしたら、それは寿命のサインです。灯油ボイラーはほかの給湯器と違って稼働音が大きいので、聞き逃さないようにしましょう。
黒い煙が灯油ボイラーからあがる
灯油ボイラー本体から黒い煙があがってきたら、今すぐ使用をやめましょう。ボイラー内部で不完全燃焼を起こしている可能性があるほか、火事につながるおそれがあるからです。こうなった場合は、使用を控えて速やかに交換しなければなりません。
給湯器からの水漏れ
機械の内部、タンク、もしくは配管接続部分からの水漏れが考えられます。機械の修理か交換が必要になるでしょう。
その他にも……
- リモコンや本体のエラー
- 水圧が弱い
- お湯張りの湯量が少ない
- 異臭
こういった症状は灯油ボイラーの故障のサインであり、寿命を迎えたのかもしれないサインでもあります。
以上が寿命のサインになります。この寿命のサインは灯油ボイラーの故障してしまったサインと類似しているため、灯油ボイラーが故障してしまったときの判断の目安にするのもいいでしょう。
故障と間違えられるサイン
使っていないのに風呂循環アダプタから水またはお湯が出る
配管クリーン機能付きの給湯器の場合は、凍結防止のために循環ポンプが運転することで風呂循環アダプタから残り水が排出されます。この場合はその給湯器の仕様なので、故障ではありません。
しかし、機能がついてない給湯器はこの限りではないことが多いです。
お湯張りの途中で止まる
自動お湯張り機能付きの機械は浴槽にお湯が残っているかどうか確認してからお湯張りするので、お湯張りの途中で止まるのは故障ではないのです。
また、お湯張りの途中に別の場所でお湯を使うと、機械が途中でお湯張りをやめてしまうことがあります。
お湯の色が変
青:銅イオンという物質が溶解した色。
白:お湯の中に空気が入っているだけなので、害はない。
黒の垢:入浴剤による汚れが原因。
これらの色は健康的に害がありませんが、ひどい場合には業者に点検してもらうといいでしょう。
灯油ボイラーの耐用年数は約10年
ガスや石油機器の安全性向上に取り組んでいる一般社団法人日本ガス石油機器工業会では、約10年を目安に石油給湯器の点検、交換を推奨しています。10年を超えていて不調を感じる場合は経年劣化による故障も考えられますので、しばらく点検をしていないという場合は一度状態を確かめてみましょう。
使い方や環境に気をつければ寿命は長くなります
使い方や環境によってはその耐用年数に数年の違いが出てきます。ずさんに扱っていれば、当然ながら寿命が早まってしまうこともあります。
灯油切れを起こす前に灯油を補充していない場合、それが故障の原因になりやすいです。また、一度に出せる湯量より大量のお湯を何度も使用しようとすると、無茶をした灯油ボイラーが故障しやすいのです。ご家庭に合わないタイプの灯油ボイラーを使うのも、耐用年数を減らす原因になります。
使い方だけじゃなくて、使用環境も整えよう
灯油ボイラーを置く環境も、耐用年数を縮める原因になります。大抵の灯油ボイラーには防水加工がされていますが、それでも豪雨に何度も当てられると、故障しやすくなってしまうでしょう。
また、荷物やゴミで排気口などを塞がれてしまうと、排気や排熱に影響が出て故障の原因になってしまいます。
定期的なメンテナンスも大切
給湯器は長年使っていると、ほこりが蓄積して給湯器の中の基盤をショートさせてしまう場合があります。
また、水漏れや雨によって給湯器の中の機械が壊れてしまうこともあります。
給湯器が通常の寿命より短くなってしまう原因として、メンテナンス不足も上げられますので、定期的なメンテナンスは怠らないようにしましょう。
灯油ボイラーVS電気給湯器!買い換えるなら?
いくら使い方に気をつけて、メンテナンスを怠らないようにしても、灯油ボイラーが機械である限り、いつか寿命は来ます。
灯油ボイラーは電気給湯器やガス給湯器などと比べると寿命が短いため、買い替え時期も早まってしまうことでしょう。
もし、新しく給湯器を買い換えるなら、自分の家にあった給湯器を選びたいものです。
灯油ボイラーか電気給湯器?どっちがいい?
給湯器といえば、灯油を燃料とする灯油ボイラーのほかにも、ガスを燃料とするガス給湯器や電気の力でお湯を作る電気給湯器などがあります。
もし、新しく給湯器を購入する必要が出てくる場合、どの給湯器を選べばいいのでしょうか。
この項目では灯油ボイラーか電気給湯器か、給湯器を設置するのであればどっちがいいのかについて考えていきます。
灯油ボイラー
まず、灯油ボイラー、電気給湯機のメリット、デメリットについてみていきましょう。まずは灯油ボイラーからです。
メリット
- ランニングコストが安い
- 動力源の灯油が少なくても長期間使える
- タイプによっては高い水圧で給湯できるタイプもある
- 電気やガスを使う給湯機よりパワフルなので、寒い地方でも安定した温度のお湯が使える
- 設置工事も安く済む傾向がある
- 便利機能が多い。自分に合った給湯器を見つけられる
デメリット
- 水圧がよく出るタイプは、古い配管が破裂する恐れがある
- 灯油に値動きがあるので、維持費が不安定
- 電気給湯機と比べるとコンパクトではないので、一定のタンクを置くスペースが必要
- 電気給湯機と比べると寿命が少し短い
灯油ボイラーの魅力は何といっても、取り扱いがしやすく、普通の水道と同じような水圧でお湯を楽しめる点です。また、給湯器のタイプを選べば多彩な便利機能があるので、自分に合った給湯器を選ぶこともできます。
安定した温度とお湯を供給できるため、寒い地方でも重宝されるのがこの灯油ボイラーのメリットです。
それに対してデメリットは、動力源となる灯油は非常に値段が変動しやすいため、値段が上がってしまえば、当然ランニングコストが上がってしまう点です。
もし、灯油ボイラーの交換、導入を検討している人はこういった点を意識して探してみてくださいね。
電気給湯器
電気給湯器は電気の力を使って水をお湯にします。水を加熱するというと、火を使って温めるイメージがありますが、電気給湯器は火を使わないため、不完全燃焼やガス漏れなどといったトラブルとは無縁なのです。
メリット
- 給湯器の中でも平均寿命が長い
- ランニングコストが安い
- 非常時に備えられる
- 外気の影響を受けにくいのでいつでも暖かいお湯が使える
- お湯を沸かすときに音がしない
デメリット
- 電気の力を使うため、電気代が高くつく
- 貯湯量に限界があるため、お湯の使用頻度が多いとすぐにお湯切れする
- 寒い地方だと、ランニングコストが高くなりがち
- 人数が多い家や建物での使用に向かない
少人数のご家庭に向いており、使いたいときにすぐにお湯を使えるところが魅力的な電気給湯器。灯油ボイラーしか設置したことがない人は、少しでも興味を持たれたのではないでしょうか。
灯油ボイラーと比べるとコンパクトな電気給湯器は、大人数がいる場所や寒い地方で設置する場合には不向きともいえるでしょう。
しかし、使い方や使う環境によっては、「灯油ボイラーより電気給湯器の方が使いやすい!」といったこともあるので、選ぶときはよく吟味してみましょう。
電気給湯器については「電気温水器の寿命が来る前に交換しよう!交換時期の目安と費用相場」でもご紹介していますので、ぜひ参考にしてみてくださいね。
知っておくと便利!灯油ボイラーの選び方
さて、灯油ボイラーのメリット、デメリットを知ったところで、灯油ボイラーの選び方についてご紹介していきます。
「メリット、デメリットを考慮しただけじゃだめなの?」と思う人もいらっしゃるかもしれません。しかし、より深く、灯油ボイラーのことを知っていくことで、自分の理想に極力近い種類のものに巡りあえるかもしれませんよ。
灯油ボイラー選びで知っておきたいこと【その①】:給湯出力
灯油ボイラー選びで重要なことといえば、灯油ボイラーが給湯できる能力です。この給湯できる能力は給湯出力と呼ばれており、1分間に沸かせるお湯の量を示します。この数値に注目することにより、各家庭に最適な灯油ボイラーを見定めることも可能になります。
給湯出力の表記はkw(kcal/h)
給湯出力の表記はkw(kcal/h)で表示されます。
1時間に1,000Lの水を1℃上昇させるには、1.16kw(kcal/h)の熱量が必要になります。
例えば、水温5℃、出湯温度42℃のお湯を出したい場合、46.5kw(kcal/h)の給湯出力は1分間で18L出すことができるのです。
1人用の浴槽は約180Lの水を必要としますので、46.5kw(kcal/h)もの給湯出力がある灯油ボイラーでお湯を貯めれば、お風呂以外でお湯を使わなければわずか10分ほどで貯めることができます。
また、2人用の浴槽は約250Lあり、ファミリー向けの賃貸や住宅ではこの2人用、または1.5人用(約200L)の浴槽を設置されていることが多いわけですから、わずか約11分~約14分でお湯を貯めることができる計算です。
4人家族では給湯出力が46.5kw(kcal/h)もある灯油ボイラーの設置が最適といわれています。
2人家族では1分間で約15Lほどお湯を出せる38.4kw(kcal/h)あたりの給湯器がおすすめされていることが多いです。
灯油ボイラー選びで知っておきたいこと【その②】:タイプ
灯油ボイラーのタイプには大きくわけてふたつ。水道直圧式と減圧式というものがあります。
水道直圧式は簡単に説明すれば、水道管と灯油ボイラーを直結させることにより、水圧も水道管から水を出すときと同じような圧でお湯を使えることが特徴。
対して減圧式は一度水圧を減らして灯油ボイラーに繋ぎます。そのため、水道直圧式と比べると水圧が弱いのが特徴です。
水道直圧式は水圧があるので、2階以上にある浴室へ給湯できたり、灯油の使用量を減らせます。その反面、高い水圧がかかってしまうため、古い水道管が破裂することがある。少量のお湯を出すことが難しいのが難点です。
減圧式は水圧が低く、直圧式と比べて、灯油の使用量が増えてしまいますが、古い水道管でも負担を少なくして使えるほか、少量のお湯でも安定した温度で出すことができるのが魅力的なポイントです。
灯油ボイラー選びで知っておきたいことはこのあたりです。次の項目では選ぶときの注意点をご紹介していきます。
灯油ボイラー選びで知っておきたいこと【その③】:機能の違い
灯油ボイラーは機械ですので、製品やメーカーによって機能に違いがあり、便利な機能からシンプルな機能までさまざまです。
シンプルな機能ほど、本体価格は安く済み、多彩な機能ほど費用が高くなってしまう傾向があります。
先ほど挙げてきたことを踏まえて、機能までよく考慮できるといいでしょう。
灯油ボイラーの機能
灯油ボイラーにある機能の種類は以下の通りです。
フルオート:基本的な給湯器としての機能(給湯や追い炊き)はもちろん、お湯張りや足し湯や保温も、設定すれば全て自動でしてくれる機能が備わってします。製品によって違いがありますが、給湯で使える機能を全て自動でおこなってくれると思っていただければいいでしょう。
オート:基本的な給湯器の機能をプラスして自動でお湯張りをしてくれます。
標準:基本的な給湯器機能のみ備わっています。手動で操作して給湯をおこないます。
灯油ボイラーの機能は上記の種類で分類されます。用途としての基本的な機能は追い炊きと給湯です。ごくシンプルなものであれば給湯しかおこなわないもの。追い炊きしかおこなわないものと違いがあるのです。
シンプルな機能ほど本体費用が安く済む傾向があります。ですが、安く済む方向で考え、盲目になりすぎると後悔するような買い物になってしまうことがありますので、よく考えて灯油ボイラーを選びましょう。
もし、灯油ボイラー選びに悩んだら一度、業者などに相談してみるといいですね。
ちなみに、灯油ボイラーは給湯器だけではありません
灯油ボイラーは石油給湯器という意味がある反面、ボイラーを用いた「ヒートポンプ」と呼ばれる熱交換の力を組み合わせた、暖房や冷房を同時におこなえるものもあります。
数こそ少ないものの、一般家庭用もあるそうなので、こういった灯油ボイラーの種類もあることを知っておくといいでしょう。
灯油ボイラーの選び方と交換工事
灯油ボイラーの設置、交換費用は基本的に「灯油ボイラー本体の費用+工事費用」がかかります。そして、その費用価格はその灯油ボイラーの種類、形や機能によって違いがあるのです。
工事費は大体約3,4万円とみておこう
灯油ボイラーの設置は素人ではなかなかおこなえないほか、難しい作業もあるため、業者に頼んで設置してもらうのが一般的です。工事費用だけで大体約3,4万円といわれています。
本体価格は……
フルオート:約21万円~
オート:約19万円~
標準:約10万円~
これの費用に工事費がプラスされる形になります。あくまで目安となる費用ですので、灯油ボイラーの本体をいいものにしたり、オプションサービスなどをつけると高くなることがあります。
こういった工事費用は変動しやすい面がありますので、工事を依頼する際は複数の業者に見積もりを取ってもらうといいでしょう。
まとめ
灯油ボイラーは私たちがいつでも温かいお湯を使うためには必要な存在です。とくに寒い季節、極端に暑い季節には重宝します。
いつも使う灯油ボイラーだからこそ、寿命が来てしまう、壊れてしまう前に交換をしたいものですね。
しかし、交換する場合は新しい機械を交換する必要があり、給湯器もはじめから自分に合うものを選ばなければいけません。その際は今回ご紹介してきた点を踏まえて、よりよい灯油ボイラーを探してみてくださいね。
簡単に計算してみて、予算より交換、設置費用が高くついてしまう場合は一度、業者に見積もりをしてもらう。またはプランや機械を見直してみましょう。
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