フローリングとはどんな床材?少し気を付けるだけで寿命は長くなる

2021.4.30

フローリングとはどんな床材?少し気を付けるだけで寿命は長くなる

フローリングとは床用の木材の一種で、使用した床そのもののことも指します。フローリングは無垢材を用いた「単層フローリング」と下地の板に木目調の素材を張り付けた「複合フローリング」の2種類があります。

最近では床の木目を再現したクッションフロアも増えており、フローリングとの違いが一見するとわからない場合もあります。しかしフローリングにはクッションフロアなどほかの床材には代えがたい、独特の魅力もあるのです今回はそんなフローリングについて、魅力とメンテナンス方法を中心にご紹介します。

フローリングとは何か?

フローリングとは、木質系の材料を使って張りやすく仕上げた床材のことです。近年の戸建住宅では一般的に使われ、集合住宅ではクッションフロアかフローリングのどちらかを床材にしている場合も多いです。

フローリングの魅力について

フローリングはカーペットと比べると掃除がしやすく、ダニによるアレルギーの心配が抑えられることが特徴のひとつです。また下地を別途作ってその上に貼る形であることから、張り替えもしやすいこともあげられるでしょう。
フローリングは主として2種類に分けられます。それぞれ違った魅力があるため、どういった魅力を生かすかによって選ぶフローリングは変わってきます。

単層フローリング

2種類のフローリングのうちのひとつが「単層フローリング」です。これは「無垢フローリング」とも呼ばれ、天然木を加工して形を整えた素材になります。
天然木をそのまま加工しているため木目の柔らかいぬくもりを感じることができ、木の調湿機能もそのまま生かされています。また年月の経過により色が変化し、味わいを増すこともひとつの特徴です。

複合(複層)フローリング

もうひとつのフローリングが「複合(複層)フローリング」です。これは複数の合板を貼り合わせて形を作り、仕上げとして表面に天然木の薄板を貼ったものです。単層フローリングよりもバリエーションが豊富で、さまざまな機能性を持たせることができます。表面加工によるものでは傷や汚れ、水に対応したものがあり、また合板の間に音を遮る素材を入れることによって遮音性を取り入れることもできます。

クッションフロアとフローリング材の違いについて

クッションフロアは塩化ビニール素材で作られた、シート状の床材です。床面がほぼ一体になることから防水性に優れ、表面はプリントによるものなので木目以外のものも選択することができます。柔らかい素材のため、単層フローリングに比べるとふわふわした感触を受けることも多いでしょう。

しかし木材ではないため、フローリングでは感じられる木のむくもりには欠ける部分があります。またあくまでプリントのため、フローリングとは違い安っぽく感じることも多いでしょう。クッションフロアについて、詳しくは「お手入れがしやすく費用も抑える!クッションフロアとはどんな床材?」もご参照ください。

      フローリングとは何か?

フローリングの特性について

フローリングは主に木材を材料にして作られているため、湿度により伸縮するなど環境の影響を受けやすい床材です。とくに単層フローリングは木を切り出しているため、伸縮しやすいといわれています。

フローリング施工後は次に挙げる4項目が気になりやすいといわれています。

床鳴り

床材同士をつないで丈夫にするため、フローリングには接合部が設けられています。ただ湿度による木材の伸縮があるため接着による固定はされておらず、隙間が空くことによって床鳴りにつながることがあります。

また、フローリングと下地の間に隙間ができているケース、虫食いによる小さな穴により音が響きやすくなっているケースなども考えられます。隙間を埋めるなどの対策方法はありますが、ある程度の床鳴りは自然現象と考えたほうがいいかもしれません。

虫食い

ヒラタキクイムシの幼虫やシロアリなど、フローリングを侵食する虫がいます。製造工程ではフローリングは高温高圧処理されている場合が多く、これらの虫の発生は流通段階や施工後の産卵によるものがほとんどでしょう。

虫食いはフローリングの寿命を短くするため、虫食いを発見した場合は駆除などの対策が必要になります。

反り、突き上げ、目スキ

湿度によって木が水分を出し入れして伸縮を起こすことから発生する現象で、とくに単層フローリングに多いといわれています。床鳴りと同じくある程度は自然現象と割り切る必要がありますが、予防するために湿度のコントロールやワックスがけなどの対策も大切になってくるでしょう。

退色、変色(経年劣化)

年月の経過によって素材が劣化し、色落ちなどの変化を起こすことは避けられないことです。とくに熱や紫外線などの光は劣化の要因であるため、直射日光のあたる環境では退色や変色が進行しやすくなります。また家具を長期間置いていると、移動させるときに色むらが気になることもあるかもしれません。

ただ、単層フローリングは年月による色合いの変化も魅力のひとつです。適切な環境であれば逆に、深みのある色へ変わることが期待されるでしょう。

フローリングの掃除とワックスのかけ方について

フローリングはカーペットと違い、掃除しやすい素材です。しかし掃除機をかけるだけでは細かい汚れを取りきることは難しいため、ぞうきんやモップによるから拭きを併用する必要があるでしょう。水拭きはフローリングを傷める原因であるため避けたほうがよいですが、から拭きだけでは取れない汚れは固く絞ったぞうきんで拭き取る必要があります。

ワックスがけをする場合は半年から1年周期が目安です。ただし、表面加工によりワックスがけが不要なタイプもあるので注意する必要があります。また、ワックスは表面を樹脂膜で覆うため、木の呼吸機能を抑制することになります。アレルギー抑制機能や調湿機能をフローリングに求める場合、ワックスがけはこれらの機能を抑制することを覚えておいてください。

ワックスは水性のものと油性のものがありますが、フローリングには水性タイプを使います。床に汚れがついたままだと汚れのうえからワックスをかけることになるため、一度掃除したあとワックス専用のモップに含ませ部屋の隅から木目に沿って順々に広げていってください。フローリングに原液を直接まくと変色の原因になるため、別の容器で薄めてから使うのが大切です。ワックスをかけたあとは風通しをよくして乾かしましょう。

フローリングの掃除方法については「美しいフローリングを保つために!正しい掃除方法できれいな床に!」もご覧ください。
      フローリングの掃除とワックスのかけ方について
      

これでフローリングの補修要らず?注意すること

フローリングは木材であるため、使いかたによっては傷みやすくなりますし、長く持たせることもできます。とくに次の3点はフローリングを傷める大きな原因となるため、配慮して使う必要があるでしょう。

傷・凹みにつながること

家具、とくに移動させることの多いイスの設置や引きずりが表面の傷や凹みにつながります。下にマットなどを敷くとクッションになります。一方、地震の際には家具が揺れやすくなることもあり、マットを敷くときはあわせて家具の固定についても考える必要が出てくるでしょう。

キャスター付きの家具やイスは便利ですが、キャスターに力が集中する構造のため傷や凹みにつながります。そのためできるだけ避けたほうがよいでしょう。また頻繁に移動させる必要がある場合はカーペットなどを敷き、緩衝部分を設けたほうが無難です。最近では傷防止のシートも市販されています。

シミ・色褪せにつながること

フローリングは木材であり、環境の影響を受けやすい床材です。そのためコーヒーや洗剤、ペットの排泄物などがシミに直結します。汚れたらすぐ拭く、汚れにくいようにシートを敷くなどの対策が必要になります。また土足も床を傷つけるだけでなく、シミにもつながります。避けたほうが無難でしょう。

直射日光も劣化を早めるため、色褪せの大きな要因となります。カーテンなどを使い日光を弱める、遮るといった工夫を行うことが大切です。

ひび割れにつながること

フローリングは木材であるため、急激な伸縮はひび割れにつながりやすくなります。また高熱にも弱いため注意が必要です。

フローリングは水を吸う性質があり、長時間水をこぼしておくと膨張してひび割れにつながります。とくに観葉植物には注意が必要です。
観葉植物は空気を浄化するため置いている場合も多いでしょう。しかし水やりをすると土に含みきれなかった水が底からあふれてきます。深めの水受け皿を利用し床に水がこぼれないようにしてください。また雨の吹き込みや結露による水濡れにも注意が必要です。
逆に、エアコンは部屋を乾燥させやすい性質があります。長時間での使用では適度な加湿も必要になるでしょう。

電気カーペットや温風ヒーターは一点に熱が集中することがあります。また床暖房もカーペットを敷くと放熱を妨げるため、熱を集中させないよう適切に対処する必要があるでしょう。
盲点になりやすいのが冷蔵庫です。冷蔵庫は中の熱を逃がすことによって温度を下げるため、逃がした熱を排出する部分があります。この部分の熱がフローリングの一点に集中しないようにする必要があるでしょう。
      これでフローリングの補修要らず?注意すること

まとめ

フローリングはカーペットよりも手入れが楽なため、広く使われるようになりました。しかし木材であることから、その性質がメリットでもあり、デメリットにもつながります。そのため、日々の小さな配慮がフローリングの寿命を決めるといってもよいかもしれません。

フローリング施工を業者に依頼する際は

依頼できる業者や料金について、詳しくは「生活110番」の「内装工事」をご覧ください。

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