漏電ブレーカーとは?落ちる原因とそのときの対応の仕方を解説

2021.9.13

漏電ブレーカーとは?落ちる原因とそのときの対応の仕方を解説

その名の通り、漏電による事故を防ぐために作用する漏電ブレーカー。これが落ちてしまった場合、それはどこかで漏電が起こっている可能性を示唆しています。

漏電による被害は機器の故障や電気代の増加のみならず、火災や感電などなど重大事故にもつながりかねないものばかり。早急に対処して、安全な暮らしを取り戻しましょう!

今回は“漏電ブレーカーが落ちる原因”や“漏電場所の特定方法”、“対処法”などを分かりやすくご紹介します。

ブレーカーの種類

ブレーカーには「アンペアブレーカー」「安全ブレーカー」「漏電ブレーカー」の3種類が存在します。それぞれの役割や違いについて詳しく見ていきましょう。

ブレーカーの種類

アンペアブレーカー

アンペアブレーカーとは、使用している電力が電力会社と契約した電力を超えると、すべての電気の供給を自動で遮断する装置のことをいいます。「契約ブレーカー」「サービスブレーカー」と呼ばれることもあります。

アンペアブレーカーが落ちてしまうということは、家の電気を使いすぎているということになりますので、一部の電気の使用を控える必要があるでしょう。

近年では、よりスムーズに電力の復旧が可能になっている「スマートメーター」に移行しつつあります。スマートメーターを使用している場合は、自動的に復旧します。

安全ブレーカー

安全ブレーカーとは、各部屋へ繋がる回路ごとに設置してある装置のことをいいます。アンペアブレーカーと同じように、その部屋で使用している電力が許容電流を超えた際に遮断する特徴があります。

また、ブレーカーが落ちた部屋で使用していた電化製品やコードが、故障などの理由でショートを起こした際も落ちてしまうことがあります。安全ブレーカーが落ちたときは、問題が起きた部屋の家電製品のコードを引き抜き、どこに問題が起きているのかを検証するようにしましょう。

漏電ブレーカー

漏電ブレーカーとは、家の中で漏電が起きると自動的に分電盤の電源を落とす装置のことをいいます。その仕組みは、分電盤から送った電気に比べ、戻ってきた電気が少なくないかを確認し、漏電が起きているかどうかを判定するというものです。

漏電ブレーカーが落ちたら、家のどこかで漏電しているおそれがありますので、早めに漏電箇所を特定する必要があるでしょう。漏電箇所の特定方法については次の章で詳しくご紹介します。

ブレーカーの寿命はどれくらい?

電機産業の発展を目的に活動している一般社団法人日本電機工業会では、使用開始から15年を目安にブレーカーの更新をするように呼びかけています。ただし、高温多湿な場所で使用していたり、開閉操作を頻繁におこなっていたりする場合は寿命が短くなりやすいため、早めの交換が必要になることもあります。ブレーカーに異常を感じたり、すでに使用年数が15年を過ぎていたりする方は、一度点検してもらうことがおすすめです。

漏電ブレーカーが落ちたときの対応

漏電ブレーカーが落ちた場合、まずやるべきことは“漏電場所の特定”と“電気工事業者への修理依頼”です。それぞれ、詳しく解説していきます。

まずは漏電箇所を確認!

まずは冷静に、漏電が発生している部屋を割り出しましょう。これは、個人でも比較的カンタンにできます。

まずは漏電箇所を確認!
  1. 漏電ブレーカーのスイッチが落ちていることを確認します
  2. 安全ブレーカーをすべて切ります。改めて漏電ブレーカーを「入」にしてください
  3. 安全ブレーカーのスイッチをひとつずつ「入」にしていきましょう
  4. 漏電ブレーカーが落ちる回路があったら、その部屋で漏電が発生しているおそれがあります
  5. すべての安全ブレーカーを「切」にして、漏電ブレーカーのスイッチを入れます
  6. 問題のあった回路以外の回路を1つずつ「入」にしていきましょう

漏電している部屋が分かったら、それ以外の部屋の電気は復旧させておきましょう。

漏電を起こしている可能性の高い場所には近づかず、コンセントなどにもむやみに触れない方が安心です。「この点検も不安……。」という方は、すぐに業者を呼んでもよいでしょう。

漏電していたら電気工事業者に修理を依頼しよう

漏電の原因は電化製品の故障はもちろんのこと、電気配線に問題がある可能性もあります。電気配線の修理は素人でもできる場合がありますが、多くの作業には「電気工事士」の資格が必要です。電気工事士の資格を持たずに作業をしてしまうと違法行為となってしまいますのでご注意ください。

具体的にどのような作業に資格が必要なのかについては、経済産業省が公開している『電気工事士法(昭和 35 年8月1 日法律第 139 号)の逐条解説(平成 20 年 12 月版)』をご覧ください。

無資格でできる作業であっても、知識や経験がない方がおこなうのはとても危険です。感電など命に関わることもありますので、電気業者に相談して点検・修理してもらうことをおすすめします。

弊社では。漏電箇所の特定や修理をおこなうことができる電気工事業者をご紹介させてていただいておりますので、「どこに依頼をしたらよいのか分からない」という方は、ぜひお電話にてご相談ください。

もし、賃貸マンションで漏電が発生しているとのことでしたら、自分で直接業者に依頼するのではなく、管理会社や大家さんに連絡をするようにしましょう。

漏電ブレーカーが落ちる原因

漏電ブレーカーが落ちるということは、家の中で漏電が発生しているおそれがあるということについてご紹介していきました。しかし、なぜ漏電が発生してしまうのでしょうか。ここでは漏電が発生する代表的な原因をいくつかご紹介していきます。

漏電ブレーカーが落ちる原因

絶縁体の劣化

家電製品などの電気を使うものには、漏電を起こさないために“絶縁体”という電気を通さない物質が使用されています。この絶縁体が環境の変化や時間経過によって劣化していくことで電気を遮断しきれなくなり、漏電を引き起こすことがあるのです。

配線の破損

配線が破損することによって、漏電が発生することも珍しくありません。机などの重いもので配線を踏んでしまっていると、破損する危険性が高まります。ですので、配線の配置には気を使うようにするべきでしょう。

また、天井裏などで繁殖したネズミが配線をかじったせいで配線が破損し、漏電が発生するケースもあります。もし屋内でネズミを発見したときには、早いうちに駆除しておくとよいでしょう。

電気機器・コンセントの水濡れ

通常、電気の通る電気機器やコンセントなどは絶縁処理がされており、漏電はしないようになっています。しかし、水に濡れれば話は別。とくに防水性のないものが濡れてしまうと、絶縁が不十分になり、漏電を引き起こしてしまうこともあるのです。

トラッキング現象

トラッキング現象”とは、コンセントやプラグにたまったほこりによって発生する発火現象です。

コンセントにプラグを挿したままにしておくと、どうしてもほこりがたまります。このほこりに湿気が混じると通電してしまい発熱、場合によっては火花が発生するおそれがあるのです。

さらに、その火花が散ったり、プラグが燃えたりすることで、火災に繋がってしまうことも。これは電化製品を使っていないときでも発生することがあるため、帰ったら家が燃えていた、なんて事態もありえるのです。

漏電するとどうなるの?

もし漏電してしまったらどのような被害が発生するのでしょうか。漏電によって引き起こされる被害をいくつかご紹介します。

漏電するとどうなるの?

電気代の上昇

漏電は文字通り電気が漏れているのですから、電化製品に供給するべき電気が逃げていってしまいます。そのため、電化製品を動かすために必要な電力が通常より大きくなってしまうのです。当然ながら、電気代もその分上昇してしまうでしょう。

わずかな量の漏電だけでも、年間で5,000~1万円は電気代が増えているケースもあります。とくに変わったことをしていないのに電気代が高くなっている場合、それは漏電が原因かもしれません。

感電

人体はもともと電気を流しやすいので、感電による被害を受けやすいです。たった50mAの電流が体内に流れるだけでも、命の危機に陥るのを避けられないのです。また、皮膚が水や汗によって濡れているとより電気抵抗が弱まるため、危険性はさらに高まるでしょう。

現在は安全対策が施されるようになったため、感電事故の件数は少なくなりました。しかし、それでも事故が発生してしまうおそれはあります。電気を扱う限り感電のリスクをゼロにすることができないので、漏電対策はしっかりおこなっておきましょう。

火災

漏電によって発生した火花がほこりなど燃え移ることで発火が起こり、電気火災に繋がることがあります。場合によっては自宅が全焼してしまう危険性さえあるのです。

現在発生している電気火災のおもな原因は、先ほども触れたトラッキング現象でしょう。漏電ブレーカーでも対処できないおそれさえあるので、コンセントは定期的に清掃してほこりを取り除くようにしてください。

漏電箇所の修理にかかる費用の相場

漏電はすぐに直してほしいけど、「費用がどれくらいかかるのか分からなくて不安」「どんな業者に依頼すればよいのか迷っている」という方は、以下の費用相場と業者の選び方をぜひ参考にしてみてください。

漏電修理の費用相場と見方

漏電修理の費用相場は、その作業内容によって大きく差が出ます。電気工事業者5社のホームページに記載されている料金の平均値を算出したところ、以下のような金額になりました。

  • 漏電調査:7,800円~
  • コンセントやスイッチの交換:3,700円~
  • 漏電ブレーカーの交換:12,300円~

漏電調査・修理において、一番手間がかかるのはやはり「漏電場所・原因の特定」です。電気配線は家中に張り巡らされており、天井裏や床下、壁内など場合によってはさまざまな場所を点検しなければなりません。

その原因によって費用や作業は変わるため、かかる費用はこれぐらい、と明言しきれないのが漏電修理の難しいところ。作業や手間によっては1~3万円で済むこともあれば、5~10万円、それ以上かかることもあるのです。

※掲載料金は消費税を含んでおりません。(2020年11月時点)

業者依頼の際は“見積り”と“対応力”のチェックが大切!

直さざるを得ない漏電改修とはいえ、高い依頼になるなら業者は慎重に選びたいもの。すぐに依頼したい! という状況でも、業者の“見積り”と“対応”には注意しておくと便利です。

調査や作業の前に見積りを取っておく、ということは非常に大切。料金を確認し、納得してから依頼、というプロセスの業者の方が、費用的な安心感も違います。

基本的に漏電修理の業者は、見積りを出してくれるところが多いです。その中でも、見積りは無料という業者を選べると、なおよいですね。

またそれ以外にも、

  • 自分の住んでいるエリアにも来てくれるか?
  • 24時間受付しているか?

など、対応力も確認しておくと、すぐに不安を解消してもらいやすくなります。すぐに依頼をしたいなら、この点も忘れずチェックしておきましょう。

弊社では、24時間・365日受付対応の無料電話窓口にて、全国各地の提携業者から最適な電気工事業者をご紹介させていただいております。実際の作業でも、事前に確認のない追加料金はかかりません。見積り後でもキャンセルはもちろん可能ですので、費用面でお困りの方もぜひお気軽にご相談ください。

ブレーカーが落ちてしまう原因

【番外編】アンペア・安全ブレーカーが落ちたときの対応

アンペアブレーカーの落ちる原因は、電力会社と契約した電力量の上限を超えてしまったことにあります。なので、アンペアブレーカーを戻したとしても、同じことをすれば再度落ちてしまうのです。電化製品の併用を避けるか、契約内容を見直すようにしましょう。

アンペア数が高い電化製品

契約アンペアの上限を上げると基本料金が高くなってしまう問題が出てきますので、できるだけ電化製品の併用は避けたいところです。あくまで目安ですが、どの電化製品の消費電力が多いかを簡単にご紹介します。
電化製品の機種によってばらつきはありますが、一般のご家庭で使用される電化製品の使用電力はおおむね以下の数字となっています。

電化製品のアンペア数の目安

インバータエアコン(冷房時おもに10畳用平均)
<立ち上がり時など>
冷房5.8A<14A>
暖房6.6A<20A>
電気カーペット(3畳用)1/2面 4A
全面8A
テレビ液晶42型 2.1A
プラズマ42型 4.9A
掃除機弱 2A
強 10A
アイロン14A
ヘアードライヤー12A
冷蔵庫(450Lクラス)2.5A
電子レンジ(30Lクラス)15A
IHジャー炊飯器(5.5合・炊飯時)13A
IHクッキングヒーター(200V)20A~30A(最大使用時58A)
食器洗い乾燥機(100V卓上タイプ)13A
ドラム式洗濯乾燥機(洗濯・脱水容量9kg)洗濯時 2A
乾燥時 13A

(参考:東京電力エナジーパートナー株式会社)

一人暮らしの場合は20~30A、家族でお住いの場合は40~60Aの電力が必要とされています。ご家庭のブレーカーを見れば、使えるアンペア数の上限が書いてあるはずです。一度確認してみて、高い電力を使う電化製品の併用には気を使うようにしましょう。

ブレーカー自体が故障している可能性も…?

電力を少ししか使ってないのにアンペアブレーカーが落ちる、配線修理をしたばかりなのに漏電ブレーカーが落ちる、という事態が落ちた場合、ブレーカー自体が故障しているかもしれません。とくに漏電ブレーカーは、老朽化していると勝手に落ちることがあります。

もしブレーカーが故障していると判断したら、業者に依頼して新しいものと交換してもらいましょう。電気火災などの被害から家族を守るためには必須の設備なので、速やかに交換をおこなうようにしてください。

まとめ

漏電を放置していると、火事や感電などの事故の原因になりかねません。どこかが漏電を起こしている場合は、むやみに配線や電気機器などに触らず、速やかに電気工事業者に相談しましょう。

資格をもたない方が電気配線の工事をおこなうと、法律に違反するおそれがあります。また危険性を加味しても、やはりプロに依頼するのが得策でしょう。

とはいえ、漏電修理は原因によっては数万円もするなど、安い作業ではありません。業者依頼の際はまず見積りを取って、それから相談することをおすすめします。

漏電は火災の原因に!

電話対応は24時間受付

※対応エリアや加盟店によって変わります

漏電すると放電によって火花が発生します。火花がほこりなどに引火すると火災につながることも。漏電を疑ったら、すぐにプロに相談しましょう!

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