日々の暮らしの中でコンセントを便利に使用したい場合は、配線を計画的に決めましょう。普段の生活に合わせた適正な位置にコンセントがあれば、何度もコンセントを付け替える手間や、コンセントが足りないといったわずらわしさを減らすことができます。
本コラムでは、コンセントの配線を計画するうえで役に立つ情報をご紹介しています。また、一口にコンセントを増やすといっても手段はひとつではありません。あわせてコンセントの増設方法についても知っておきましょう。
ただし、コンセントの工事は電気工事です。コンセント工事をDIYでおこなおうと考えている方には、注意しなければいけないことがあります。まずは注意点から見ていきましょう。
目次
DIYでコンセントの配線工事はできるの?
電気工事士の資格を持っていない方は、原則コンセント工事をすることはできません。違反してしまうと懲役や罰金といった規定もあります。コンセントの配線工事をおこなうには、電気工事士の国家資格が必要です。
電気工事士を持っていれば、専門的な知識や技能を兼ね備えていると認められます。もしも、知識や技術を持っていない方が配線工事をおこなった場合、感電などの危険に見舞われることがあります。また、最悪の場合コンセントやケーブルなどから発火して火事を起こしてしまうこともあるのです。
電気工事士の資格を持っていない方は必ず電気工事士の資格を持った電気工事のプロに依頼をすることが確実です。業者であれば、安全に作業をおこなってくれます。また、実績やノウハウも多いことから、最適な場所へのコンセントの設置や提案してもらえるでしょう。
コンセントの配線を決めるポイントについて
コンセントの配線を決めるポイントは【数】【位置】【高さ】です。ここではコンセントの配線を決めていくうえで基本的な考え方についてご紹介していきます。
また、新築を検討中の際はスイッチの高さについても知っておくと便利です。標準の高さとおすすめの高さをあわせて見ていきましょう。
コンセントの数の決め方
コンセントの数を決める目安としては、2畳あたり2口以上のコンセントを1ヶ所設置することです。4畳の場合なら対角線上に2ヶ所、8畳の場合なら分散させて4ヶ所の設置が望ましいです。
実際に暮らすにあたり、延長コードを使わなくても自由に電化製品を使えることを想定しておくことがおすすめです。必要な数が揃っていればタコ足配線になってしまうことも防ぐことができます。
また、数は必要な個数よりも少し多めにすることを意識しましょう。今は十分だと思っていても電化製品を買い足したら足りなくなったということもありえます。
コンセントの位置の決め方
コンセントの位置は部屋の対角線上に設置していくことが基本的な考え方です。ほかにも実際に使う電化製品や家具などを意識しながら配置していきましょう。
もし迷ったら「ここにコンセントがあるとコード付き掃除機を使うのに便利」と思えるような場所にコンセントを設置してみてください。また、コードレス掃除機を使っているご家庭の場合は、クローゼットの中にコンセントがあると掃除機をしまうのと同時に充電ができて便利です。
スイッチ・コンセントの高さの目安
ここではコンセントの基準の高さと改善案についてご紹介させていただきます。参考にしてみてください。
【基本的なコンセント・スイッチの高さの目安】
・基本的なコンセント: 25cm
25cmという高さはかがむ必要があるため、抜き差しの際に少し身体に負担がかかります。コンセントの位置を少し高くしてあげると使いやすくなるでしょう。
・掃除機用: 30~40cm
掃除機は移動のたびに何度も線を抜き差しする必要があります。低い位置にコンセントがあると何度もかがむ必要があるので、40~45cm程度に少し高くしてあげることで負担を軽減することができます。
・勉強机用: 70~90cm
机よりも少し高い位置にコンセントがあると使いやすくなります。
・洗濯機用: 105~120cm
漏電防止のために洗濯機よりも20cm程度高い位置にする必要があります。ただし、洗濯機は買い替えも視野に入れる必要があるため、105~120cmの範囲内にしましょう。
・エアコン用: 180~200cm
通常であればエアコンの下にコンセントが設置されます。もし、コンセントやコードを目立たせたくない場合は、エアコンの上にコンセントが来るようにするとすっきりさせることができます。
・スイッチの高さ: 110~120cm
普段使う方の身長にあわせて使いやすい高さにするとよいでしょう。荷物で両手がふさがっていても押せるような高さをおすすめします。高齢の方や身体が不自由な方と一緒に暮らしている場合は、90~100cmなど少し低くしてあげると使いやすくなります。
コンセントを実際に使うときのイメ―ジを持って配線を考えよう
コンセントの配線を考えるときは、実際に生活で電化製品を使うときのイメージを持つことがおすすめです。やみくもに増やしても工事費用がかさんでしまいます。「ここでは○○を使うからコンセントがあると便利」「このときはほかにも使う家電があるからコンセントが2口欲しい」など、必要に応じてコンセントの数や場所を踏まえて配線を考えていきましょう。
ここではコンセントの配線を決めるためのヒントとして、参考にしてみてください。
リビングのコンセント
リビングはテレビやインターネット機器など常に使う電化製品が多い場所です。家族が集まり多くの時間を過ごす場所なので、家族が使うスマートフォンやパソコンなどの充電ができるようにコンセントの数を多めに設置しておくことがおすすめです。
また、模様替えをおこなう際など配置を大きく変えたい場合もコンセントが多いと便利です。コンセントを分散して設置してあれば、延長コードを使わなくても設置できる幅が広がります。
キッチン・ダイニングのコンセント
キッチンは電化製品を多く使います。家電の数を数えコンセントに余裕があるようにしましょう。ダイニングにおすすめなのが床に設置するコンセントです。ホットプレートなどの食卓で使う電化製品は、壁から線を伸ばすと足を引っかけてしまう可能性があります。
床にコンセントがあれば、移動時に邪魔になることもなくなるので安心です。
寝室のコンセント
寝室も意外とコンセントを多く使う場所です。スマートフォンなどの充電から、扇風機やストーブ、空気清浄機、オーディオやテレビなどが考えられます。必要な数をしっかり確認してみましょう。
寝室はベッドの枕元にコンセントを設置すると、小さなスタンドの追加やスマートフォンの充電などに便利です。また、人感センサーの付いたコンセントの設置もおすすめします。夜中トイレに起きた場合に光で照らしてくれるので安全に部屋を出入りすることができます。
玄関・廊下のコンセント
玄関から廊下はお客様が来訪した際に最初に目に入る場所なので、なるべくすっきりさせたいところです。おもに掃除機や、シューズクローゼット内の乾燥機、電動自転車の充電などに使います。コンセントがまったくないと不便になってしまうので、必要数準備しましょう。
おすすめなのがシューズクローゼットの中にコンセントを設置する方法です。見た目もすっきりして必要なときに使うことができます。
コンセントを増設するさまざまな方法について
コンセントを増設するには「挿し込み口を増やす方法」「配線を分配する方法」「新規で設置する方法」の3種類があります。それぞれの特徴を順番にご紹介していきますので、コンセントの配線を考える際の参考にしてください。
挿し込み口を増やす
まずはコンセントの差し込み口を増やす方法です。既存のコンセントを使用するため、部材の変更と内部の配線を変更する簡単な工事をおこないます。手軽に使う場所を増やしたいという場合は挿し込み口を増やしましょう。
ただし、この方法はひとつの線を使用しているため、消費電力の大きい電化製品を使用している場合は向いていません。ひとつの線で消費電力が多くなってしまうと、容量を超えてしまいブレーカーが落ちてしまう可能性があります。ご自宅のコンセントの電気消費量を確認しましょう。
既存の配線を分配する
部屋のコンセントに引いている配線から分配して別の場所にコンセントを追加する方法です。これには電気の使用量が少ないコンセントの配線を使います。基本的に同じ100Vの配線であればどこからでも分配することは可能ですが、こちらもひとつの配線を使うので消費電力には注意しましょう。
また、配線の中には100V以外にエアコンなどに使う200Vの配線もあります。その場合、そのまま使うことができず電圧の変更をおこなう必要があるため注意が必要です。
コンセントを新規で設置する
最後は分電盤からコンセントまで新しく線を引いてきてコンセントを増設する方法です。上で紹介した2つの方法は既存の線を分配する方法だったため、消費電力を気にする必要がありました。
しかし、分電盤から新規で線を引いているのであれば消費電力の大きい電化製品を使用しても、ブレーカーが落ちる可能性は低くなります。
デメリットは、費用が上ふたつよりも少し高くなってしまうことです。分電盤から部屋まで配線を引っ張るので、どうしても作業料が増えてしまします。
まとめ
コンセントの配線を決めるには「数」「位置」「高さ」が重要であると紹介してきました。ほんの少しの違いであっても、使いやすさは違うものになります。最適な場所にコンセントを設置していきましょう。
そしてコンセント工事は電気工事に該当します。電気工事士の資格が必要になることに注意しましょう。電気工事を依頼したい、おすすめの設置場所を提案してもらいたいという場合は一度業者に相談してみましょう。
弊社ではコンセント増設のプロの業者をご紹介することができます。お住まいの近くの業者をご紹介することができますのでお気軽にお問い合わせください。
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