コウモリを磁石で撃退!?磁力で本当にコウモリ退治が可能なの?

2021.4.30

コウモリを磁石で撃退!?磁力で本当にコウモリ退治が可能なの?

コウモリはほ乳類でありながら空を飛び、超音波で障害物を避けるなど、ユニークな生態を数多くもつ動物です。その一方で、小さな身体で民家に侵入して、知らない間に大繁殖する厄介な害獣でもあるため、古今東西さまざまなコウモリ対策が考案されてきました。

そうしたコウモリ対策に磁石や超音波発生装置があります。これらの対策法はよく効いたと評判になることもありますが、実は効果がないと否定している声も出てきています。

実際のところ、磁石や超音波ってコウモリに聞くの?と疑問に思う方も少なくないかもしれません。本コラムでは、コウモリの習性からみた有効な対策について解説します。

コウモリによる被害

コウモリといえばハロウィンや吸血鬼のイメージが強い動物ですが、日本ではどういった種類のコウモリが有名なのでしょうか。

日本で有名なのはアブラコウモリ

日本に生息するコウモリのなかでもとりわけ個体数が多く、被害の主な原因となっているとされるのが「アブラコウモリ」です。アブラコウモリは体長が4cm程度と小柄なので、指1本程度のわずかな隙間も通り抜けることができます。

アブラコウモリは空を飛ぶことができ、さらに小さな隙間にも潜り込めるという性質から、しばしば住宅の屋根裏などに巣をつくってしまいます。主にハエや蚊、ゴキブリといった小型の虫をエサとしているため、そうした虫を狙って家のなかに入ってくるわけです。

また、吸血鬼のイメージから、コウモリは人や家畜の血を吸うと誤解されがちです。ですがアブラコウモリは虫を主食とするため、吸血行動をとりません。ですので、直接人を襲うようなことはほとんどないのですが、騒音などによって間接的に人へ被害を与えるのです。

コウモリがもたらす害

人によっては愛らしいと感じることもあるアブラコウモリですが、彼らが家屋に棲みつくことにより、さまざまな害が発生してしまいます。

騒音被害
アブラコウモリは夜行性なので、私たちがちょうど寝静まっている時間帯に活発的になります。一匹だけならまだしも、何匹ものアブラコウモリが鳴き声をあげたり翼をはためかせたりすれば、睡眠を阻害されるほどの騒音になりかねません。

糞害
アブラコウモリは体重を軽く保つために、短い周期で大量の糞をします。加えて繁殖力が高く、あっという間に数十匹規模の群れをつくるため、アブラコウモリの巣にはすさまじい勢いで糞の山が出来上がるのです。

溜まった糞は悪臭を放つのはもちろん、天井裏や壁などに染み込んで景観を悪化させてしまいかねません。さらに、コウモリの糞はゴキブリなどの害虫にとってエサとなるため、エサの山に引き寄せられた害虫が屋外から侵入してくるおそれもあります。

健康被害
コウモリの糞には、危険な病原体が大量に含まれています。さらにこの糞が乾燥すると、糞の粒子と一緒に病原体も空中に舞い上がってしまいます。もしこの病原菌を人間が吸い込んでしまうと、感染症やアレルギーの原因になりかねません。

また、野生のアブラコウモリにはダニが付着していることが多く、このダニも病原菌をもっています。もしアブラコウモリの体を離れたダニが人間を噛めば、感染症のリスクが発生するのは避けられないでしょう。

こうした被害をもたらすことから、アブラコウモリは人間を苦しめる害獣だとされています。コウモリ対策に磁石や超音波発生器などさまざまなグッズが考案されているのは、アブラコウモリが非常に厄介な存在だからなのです。

ウモリによる被害

まずはコウモリの特徴を知ろう

コウモリ対策をはじめるにあたって、まずはどのような特徴をもっているかを知っておきましょう。コウモリの特徴や法律におけるコウモリの扱いを知ることで、より安全なコウモリ対策をすることができるかもしれません。

アブラコウモリは鳥獣保護管理法に守られている……。

コウモリの最大の特徴といえるのは、「エコーロケーション」と呼ばれる探査能力です。コウモリは視力が非常に弱い動物で、主に夜間など暗い場所を飛行していますが、木の枝にぶつかったりせず、小さな虫を的確に捉えて捕食しています。

そうした活動を支えているのが、超音波を発する特殊な器官と、超音波を捉える高感度な聴覚です。コウモリは発した超音波が跳ね返ってきたところを耳でキャッチして、その跳ね返り方から自分の周囲にある障害物や獲物の位置を把握しています。

これを「反響定位」またはエコーロケーションといい、目が見えなくてもコウモリは非常に高い精度で周囲の地形を把握し、たとえワイヤーの張り巡らせた空間であっても引っ掛かることなく自由に飛び回ることができるといわれています。

反面、エコーロケーションがうまくいかないと、コウモリはたちまちまともに飛ぶことができなくなってしまいます。コウモリ対策に磁石や超音波発生器が有効であるとされるのは、このエコーロケーションを妨害する効果があると考えられているためです。

コウモリは駆除できない!

厄介な害獣なら毒エサなどで駆除すればいいのでは、と思う方もいるでしょう。ですが、アブラコウモリを駆除するのは「鳥獣保護法」によって禁じられているのです。自然環境を守るために制定されたこの法律により、アブラコウモリを飼ったり殺したりしたら罰せられてしまうのです。

また、アブラコウモリには益獣としての面もあります。アブラコウモリは虫を主食としているため、外を飛び回る蚊や蛾などの害虫を食べてくれるのです。アブラコウモリが鳥獣保護法で守られているのは、こうしたメリットも存在しているからだといえるでしょう。

アブラコウモリの対策をする場合、道具を使って追い出したり家に侵入するのを未然に防いだりする必要があります。コウモリ対策に磁石などが考案されているのは、アブラコウモリを傷つけずに追い出すためなのです。

意外と難しいコウモリの駆除

磁石や超音波でコウモリをシャットアウトできる?

厄介なコウモリをご家庭に近づけないために、今日ではいろいろなコウモリ対策が考案されています。ですが、それらすべてが本当にコウモリに対して有効なのでしょうか。

磁石は効果アリ?

これまで何度か書いた通り、コウモリよけに磁石が有効だとされています。屋根裏などに字磁石を設置すると、強力な磁力によってコウモリの超音波が狂うため、エコーロケーションを妨害されたコウモリは自ら逃げていくという仕組みだそうです。
 

磁力と超音波は無関係

しかし、実際のところ磁石で本当に超音波が狂わせられるかというと疑問符がつきます。「超音波」は周波数の高い空気の振動のことであって、磁力とは完全に別の現象であるためです。磁石で超音波を狂わせてコウモリを撃退する、というテクニックは科学的な根拠が薄く、効果があるとは断言できません。

ただ、動物のなかには体内にコンパスのような器官をもち、地球の磁力(地磁気)を捉えて方角を把握する能力をもったものがいます。コウモリも同じように地磁気を捉えることができるのだとすれば、そこに強力な磁力をぶつけて方向感覚を狂わせることはできるかもしれません。
 

使うなら強力なものを選ぼう

科学的根拠こそありませんが、磁石がコウモリ対策として機能した例もいくつか存在しています。そのため、磁石がコウモリよけになる可能性はあるでしょう。コウモリの出入口に磁石を設置すれば、コウモリが近寄らなくなるかもしれません。

ただし、コウモリよけに磁石を使用する場合は、鳥よけなどに使われる強力な磁力をもつものを選びましょう。また、設置する磁石の数も1個だけでは足りないので、いくつも設置できるよう複数個所有しておくのをおすすめします。
 

超音波発生装置は?

磁石以外にも対策グッズとして挙げられるものの1つが、特殊な音波を流す超音波発生器です。こちらはコウモリのエコーロケーションを妨害する効果があると考えられているため、一定の効果が見込めるとされています。

ただし、コウモリは知能が高く、超音波発生器の効果が最初は認められても、長く使っているうちにコウモリ自体が超音波に慣れてしまう場合があります。そうなるとまた寄ってきてしまうため、過信は禁物です。

このように、コウモリ対策に磁石や超音波発生装置を使うのは少々不安が残ります。ですので、これらの対策法を採用する場合は、後述するほかの対策法と併用するようにしましょう。

まずはコウモリの習性を知ろう

磁石や超音波でコウモリをシャットアウトできる?

コウモリ対策に磁石や超音波発生装置を使うのもいいですが、それだけでは心もとないのも事実です。より効果的な対策法を用いることで、確実にコウモリを追い出すようにしましょう。

有効なコウモリ対策は「臭い」

コウモリには、「臭い」が有効だとされています。コウモリは嗅覚も非常にするどいため、刺激臭に対して敏感です。コウモリが嫌う臭いを放つ忌避剤(きひざい)が市販されているので、これを設置すればコウモリを追い出せるかもしれません。

たとえば、コウモリはハッカの香りを嫌っているとされています。そのため、ハッカ油や水などで手作りの忌避剤をつくってみるのもいいかもしれません。なお、忌避剤については「コウモリの弱点を利用しよう!効果的なコウモリ対策について」を参考にしてみるのもいいでしょう。

出入口をふさいでコウモリの再侵入を防止

コウモリを家から追い出したら、再び侵入してくることがないよう侵入経路を徹底的につぶしましょう。前述の通り、アブラコウモリは非常に狭い隙間からでも侵入してきます。どこからコウモリが入ってくるのかを特定し、出入口を金網などでふさいでおきましょう。

また、固形タイプの忌避剤を侵入経路に設置しておくのが効果的だといわれています。コウモリは一度入り込めると判断した場所を覚えているため、そこに妨害グッズを設置すれば、侵入をあきらめる可能性が高いためです。

磁石や超音波でコウモリをシャットアウトできる?

対処が難しい場合は専門業者に相談を

ここまで個人でも可能なコウモリ対策をご紹介してきましたが、どれだけ工夫をこらしたとしても、結局のところ家から出ていくかどうかの判断はコウモリ自身にゆだねられています。

そのため、コウモリよけの磁石や超音波発生器、忌避剤などを複数設置しても、一向にコウモリが出ていってくれない可能性は十分に考えられます。加えてコウモリ対策には鳥獣保護法の規制もあるため、どこまでコウモリを追い込んでいいか不安だという方もいるでしょう。

コウモリへの対処が個人では難しいと感じたら、コウモリ駆除の専門業者に依頼することも一つの手段です。経験豊富なプロであれば、コウモリを的確に追い出す手段や、侵入してきやすい場所を現地で判断してくれるかもしれません。

コウモリは知能が高く、知識のない方が対処しようとすると、追い出すそばから戻ってきてしまうといったいたちごっこになってしまうおそれがあります。専門家の力を借りて、徹底的にコウモリを家から排除し、二度と侵入を許さない鉄壁の防御策を講じましょう。

出入口をふさいでコウモリの再侵入を防止

まとめ

日本に住むコウモリは人を襲うことはなく、家に住む害虫を食べてくれる益獣としての側面ももっています。そのため、家に侵入しさえしなければ、害虫から私たちの生活を守ってくれるでしょう。

一方で、コウモリの糞には危険な病原体がたくさん含まれており、それが害虫を発生させる原因となることもあります。ですので、もし家に侵入してきた場合は、取り返しのつかない被害をまねく前に家から出ていってもらうことが大切です。

コウモリ対策は磁石や超音波発生器、忌避剤など、さまざまな手段や道具が考案されています。家に住み着いたコウモリに何がいちばん効果的かを考え、ときにはプロに依頼することも検討にいれながら、適切な対策を施していきましょう。

コウモリ駆除を依頼できる業者や料金

依頼できる業者や料金について、詳しくは「生活110番」の「コウモリ駆除」をご覧ください。

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