コウモリにも種類がありますが、大きく分けて小型コウモリとオオコウモリに分類されています。分類される基準は、名前の通りコウモリの大きさのみで分けられていると思いますが、実はそうではないのです。今回の記事では、それぞれの生態や特徴などの違いをご紹介します。
コウモリに興味のある人や、家にコウモリが住み着いてしまっている人などはぜひ参考にしてみてください。
目次
小型コウモリとオオコウモリの違い
日本に生息している小型コウモリの代表的なものは、アブラコウモリと呼ばれる種類になります。一方オオコウモリは、日本国内では限られた地域でしか見ることはできません。コウモリの中でもペットとして飼育できる種類もおり、日本でも入手ルートは限られていますが、ペットとして飼うことが可能です。
【アブラコウモリ】
◆生態
アブラコウモリは日本の各地でその姿を見ることができます。主に家屋に住み着いているので見たことがある人も多いのではないでしょうか。11月の中旬から冬眠をするといわれていますが、都心であったり、温かい地域だと冬眠をせずに活動している姿も見られます。
◆特徴
アブラコウモリなどの小型コウモリは、視覚があまり発達していません。その代わりに耳が大きく発達しており、餌を探すときや飛行の際には超音波を発し、その音の反響から情報を得ています。アブラコウモリは基本的に夜行性で、夕方日が落ちてから日が昇るまでの暗い間に餌を探すなどの活動をします。
野生のアブラコウモリには感染症やダニなどを媒介する可能性が高いので、不用意に触らないようにしましょう。
◆食生活
小型コウモリは、基本的に小型の昆虫などを餌にしている肉食です。飛んでいる虫も捕まえることができます。蛾などの害虫も餌として食べるので、益獣に分類されています。肉食なので糞の匂いがキツイようです。屋根裏などに住み着いていると、この糞の匂いなどの被害も報告されています。
【オオコウモリ】
◆生態
名前の通り体が大きい種類が多く、翼を広げたときに2mを超えるものもいるようです。しかし小さいオオコウモリの場合は、20cmしかない種類のものでもオオコウモリに分類されている場合もあります。このことから、コウモリの大きさのみを基準に小型コウモリとオオコウモリに分類されるわけではないといえるのです。
オオコウモリが野生で生息しているのは主に熱帯地域などの温かい場所で、日本では沖縄や小笠原諸島で見ることができるようです。
◆特徴
オオコウモリは小型コウモリと違って視覚が発達しており、飛行のときにも目からの情報を頼りに飛びます。聴覚をあまり必要としていなので、小型のコウモリと比べると耳が小さいのも特徴です。目を使って餌を認識するので、昼行性ともいわれています。
性格は基本的におとなしく、人間を襲うことはほとんどありません。コウモリでしかも体が大きい種類も存在しているオオコウモリだと、「人間の血を吸うのでは・・・?」と思うかもしれませんが、世界中に生息しているコウモリの種類は約980種類以上もいますが、その中でも人間の血を吸うコウモリはたったの3種類しか知られていません。
◆食生活
オオコウモリの場合、昆虫などは食べません。果物を主食に生活しています。そのためフルーツコウモリとも呼ばれています。食べる量が多いので、糞の量も多いといわれています。
このように大きな違いが多数みられます。
小型コウモリ、オオコウモリは人間に害をあたえるの?
日本に住んでいる小型コウモリは基本的に人の血を吸うことがなく、直接的な被害は考えられません。しかしその体にはダニや感染症のリスクのある細菌が高確率で付着しています。直接触れることで、健康被害が発生してしまうことが考えられます。また、家屋の屋根裏などに住み着くので、糞だらけにされてしまうなどの衛生的な害も考えられます。
オオコウモリの場合、家屋に住み着くことがないので糞害などはないようです。悪影響をあげるとすれば、農作物を食べてしまうという点です。それ以外には人に害を与えることはないようです。現在日本に生息しているオオコウモリは、小型のコウモリと比べ大きさが少しだけ大きく、絶滅危惧種に指定されています。見かけたときには刺激をせずにそっとしておきましょう。
小型コウモリ、オオコウモリの対策方法は同じ?
小型コウモリの場合、家屋に住み着かれないような対策が必要です。体が小さく1.5cmほどの隙間があれば侵入できてしまいます。もし自宅の近くで小型コウモリを見かけたら、住み着かれてしまう前に隙間を塞ぐようにしましょう。
オオコウモリの場合、人間の身近な場所に生息しておらず、害を及ぼす心配がほとんどありません。なので、対策はあまり必要がないとされています。もし農作物を荒らされてしまった場合などは、鳥対策用のネットなどで囲うとよいでしょう。
まとめ
小型コウモリとオオコウモリのそれぞれの特徴などについて紹介してきました。名前からはコウモリの大きさで分類されている印象が強いですが、実際は食べるものや住み着く場所で違いが生まれていることがわかったのではないでしょうか。
もし自宅にコウモリが住み着いている場合、高確率で小型コウモリであるといえます。糞による衛生的な問題や、健康被害などが発生してしまう前に業者に駆除を依頼するようにしましょう。
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