
シロアリの見た目は米粒のように小さく、白い見た目の昆虫で、木材を中心に加害する害虫です。自然界では廃木などを食べるため、自然界の掃除屋としても名を知られています。しかしひとたび家の木材を加害すれば、最悪倒壊を招く恐れがある恐ろしい虫でもあります。
そんなシロアリの幼虫とは一体何者なのでしょうか。

目次
不完全変態なシロアリは幼虫から成長しない?
種類により若干姿は異なりますが、小さく寸胴で茶褐色に近い色をしたシロアリ。、住宅に住みつく場合、木材を中心に加害する害虫です。
シロアリについて少し調べたことがある人は、どんな姿なのか大体想像がつくでしょう。しかし、シロアリの幼虫がどんな姿をしているか知らない人は多いのではないでしょうか。
もしかしたら、家の中でシロアリの幼虫をみたことがあるかもしれない……。そんな不安を抱かれる人はぜひ、これを機会にシロアリの幼虫の姿や特徴について知っていきましょう。
シロアリの幼虫の姿って?
シロアリの幼虫の姿とは一体どんな姿をしているのでしょうか。例えば、蝶やカブトムシであれば……。
〇卵→幼虫→蛹→成虫
といった風に成長をしていきます。こういった成長によって姿が変わる虫は、幼虫と成虫の姿が違うため、一目で成長の状態を把握しやすいことでしょう。こういった成長によって姿が変わる昆虫は完全変態と呼ばれています。
対して、シロアリは不完全変態と呼ばれる形態です。不完全変態とは……。
〇卵→幼虫→成虫
といったように成長する形態のことをいいます。
シロアリの場合、幼虫のときから何回か脱皮を繰り返すことで成虫になっていきます。
役割によっては姿が違う
種類によっては異なることがありますが、日本に生息しているイエシロアリや、ヤマトシロアリといったシロアリの幼虫は成虫と大きさ以外は、ほぼ一緒の姿をしています。
ですが、その反面シロアリは少々特殊で、個体によって役割があり、その役割によって姿に少し変化がでてきます。
たとえば兵アリや働きアリは、王アリ・女王アリを守ったり、初期の幼虫や卵を育てたり、食料調達したりして一生を過ごします。家の建材を加害するのはほとんどこの兵アリ、働きアリなため、シロアリ同士の種類の比較対象としてもよく用いられます。
巣にこもっている女王アリなどは幼虫を量産することが役割なので、一般的なシロアリより体が大きく、寸胴で太っており、生殖機能に特化した体をしています。
また、シロアリのなかにも羽アリと呼ばれる個体が存在します。この羽アリはとても厄介で、羽を持ち、生殖機能も持ち合わせている害虫です。
5月頃になると群飛し、つがいを得ることで、コロニーを形成していきます。
シロアリはなぜ姿がそのままなのか
では、シロアリの幼虫と成虫ではどういった違いがあるのでしょうか。とくに、兵アリや働きアリといった役割のシロアリは見た目が幼虫とほぼ変わりがありません。
今度は、なぜ、働きアリや兵アリが幼虫のままなのかについてみていきます。
働きアリや兵アリは幼虫のままなのはなんで?
シロアリは完全不変態の虫であること、兵アリや働きアリは幼虫の姿とほぼ変わりがないことを前述でご紹介しました。
コロニーの約90%ほどを占めるのは餌の採取や卵、幼虫の世話をする働きアリですが、なぜ、幼虫の姿のまま一生を過ごすのでしょうか。
シロアリはフェロモンの分泌具合で役割が変化する
卵から孵化した幼虫の最初は、どんな役割でも同じ姿をしています。しかし、シロアリの役割はシロアリの王が分泌するフェロモンによって決められていくため、成長する過程でそれぞれの役割に適した姿に変化していきます。
幼虫にほぼ同じ姿が兵アリ・働きアリなのですが、兵アリに育ってしまった場合、もうそれ以上姿や役割を変化することは望めません。
対して働きアリは、最初に王アリから分泌されたフェロモンに応じて姿が変化していきます。例えば、羽アリの個体が少ない場合は、働きアリの中から生殖機能を持てる個体がニンフとなり、羽アリへ成長するのです。
また、働きアリのなかから兵アリに変化するものや、産み分けの際に生殖機能を持ったアリが女王アリへ変化することも。つまり、幼虫のまま、女王アリや卵、産まれたばかりの幼虫の世話をしている働きアリは幼虫の姿のままだということが伺えます。
シロアリの一生と寿命
シロアリのことをもっと理解していくためにも、より詳しいことについて知っていきましょう。まずは、シロアリの一生と寿命についてです。種類や個体によって寿命は若干異なりますが。役職ごとの一生や寿命は以下の通りになります。
〇女王アリ
基本的には年中無休で産卵をおこなう女王アリは、1日に100個ほどの卵を産むといわれています。女王アリと表現すれば、一見ひとつのコロニーにつき1匹しかいないと思われがちです。しかし、女王アリには複数います。
女王アリの次の位には副女王アリという個体が存在し、女王アリが役目を終えたりすれば、その副女王アリに役割を交代する。その副女王アリがいなくなれば、次の位にいる女王アリがその代を継ぐといった形で継続していきます。
つまり、女王アリが死んでもその後に何匹か控えがいるのが女王アリの厄介さのひとつです。
女王アリの中には二次生殖虫がいる
コロニーの規模が大きくなったり、女王アリが死んでいなくなったりすると、シロアリを生産するための女王アリが必要になります。その場合、働きアリの中から新しい女王アリが生まれ、代替わりを行うのです。
この代替わりした女王アリを二次生殖虫、または三次生殖虫といいます。
シロアリの女王については「シロアリの女王を捕獲するのは難しい!毎日100個の卵を産む個体の生態とは」でもご紹介していますので、ぜひご覧ください。
〇王アリ
王アリは女王アリよりも重要な役割を担います。その役割は女王アリのつがいとして、幼虫の量産の肝となる存在です。しかし、女王アリと違い、王アリはそのシロアリのコロニーに1匹しか存在しないため、そのコロニーの王が死んでしまえば、実質そのコロニーの最期だといっても過言ではありません。
ちなみに王アリの寿命は10年ほどです。自然にコロニーの壊滅を待つ場合はそれくらいの期間は待たねばいけません。駆除するなら女王アリとともに、この王アリも合わせて駆除しなければいけないでしょう。
女王アリや王アリ、羽アリは成虫扱い
働きアリや兵アリはどちらかといえば幼虫扱いになります。これらのシロアリは生殖機能を持たないため、子孫を残せないのです。対して女王アリや羽アリはコロニーの命運を握っているとともに、つがいさえいれば生殖して子孫を残せます。
羽アリにも同様のことがいえるでしょう、
〇兵アリ・職アリ
一般的に見かけるシロアリはこの役職のシロアリだといわれています。職アリは寸胴でサイズも小さく、茶褐色などの色をしています。基本的に、エサ(木材を中心)の運搬や、幼虫や女王アリなどの世話などが仕事です。一方兵アリはおもに栄養貯蔵の役割を持っており、自分ではあまり動けません。
寿命は個体にもよりますが、数年といわれています。
天敵はクロアリで、運が悪ければクロアリなどに捕食される最期を迎える個体もいます。
生殖機能は持っていません。
〇羽アリ
羽アリは生殖機能を持ち、空中を飛来できる羽をもつシロアリのことをいいます。生殖機能を持つため、もちろん雄(おす)や雌(めす)といった性別があります。
幼虫から成長する際は……。
〇幼虫→ニンフ→成虫
といった過程を踏み、変化していきます。
つがいとなり、住宅の木材の中やその近くのコロニーを形成することで、そのままそのコロニーの王アリ、女王アリとなるのです。
ちなみにクロアリには性別がある
シロアリは女王アリ、王アリ、羽アリに性別がある反面、幼虫である兵アリ、働きアリは生殖機能がないため、性別という概念がありません。
対して、シロアリと同じ社会性を持つクロアリは性別があります。
例えば、クロアリの働きアリはほとんどが産卵機能を失ったメスで、女王アリや卵の世話、エサの調達を主とします。
シロアリと共通するのは、女王アリが生殖機能を持つこと。オスアリが少数であること。羽アリも生殖機能をもつことです。
クロアリの命運は王アリではなく女王アリが持つため、クロアリのコロニーを全滅させるためには、女王アリの駆除は必要不可欠となります。
シロアリが見かけられる場所。対処方法
たとえば、家の木材でシロアリを見かけた場合、それはシロアリの幼虫であり、羽アリや兵アリなどになり得る職アリ(擬職アリ)といったものとなります。イエシロアリやヤマトシロアリといった種類のシロアリの幼虫のほとんどがコロニーで生活しているでしょう。
ちなみにシロアリが見かけられる場所といえば……。
〇床下
〇水道管(蟻道)
〇屋根裏
〇床板
〇畳
〇家具など
これらの場所が挙げられます。
シロアリは湿気が多く、暗い場所を好むため、屋根裏や床下の木材を中心に加害していく傾向があります。また、シロアリの種類によっては乾材も食害することもあるので注意が必要です。
シロアリを見つけたときの対処法
シロアリを万が一見つけた場合、すぐに被害状況を把握し、シロアリ駆除業者へ連絡することが最適な対処法となります。
シロアリの駆除は害虫駆除のなかでもとくに難しいものとなるため、シロアリに対しての知識や駆除技術がない素人が駆除をおこなってしまうと、逆に悪化してしまうこともあります。
例えば、シロアリの殺虫剤はむやみに散布してしまうと、木材の中や巣の中に逃げ帰ってしまい、殺虫剤が効きにくくなるどころか、シロアリの巣の特定ができにくくなってしまいます。
シロアリを退治せずに、忌避剤などを散布してしまっても、シロアリ駆除の意味がないでしょう。
シロアリの前兆や、姿を見かけたら、一度、シロアリの被害を確認して、業者へ細かい詳細を伝えてみましょう。業者によっては現地調査を無料サービスしているところもあります。
こういったサービスも利用してみましょう。
シロアリ駆除費用は業者によって違いがでるので一概にはいえませんが……。
平米/1,200円~
費用は個人によって差がでるため、より詳しい費用を知りたい人は、業者へ一度見積もりを依頼してみてくださいね。
コロニーからなんとかしないと駆除とはならない
シロアリの幼虫と職アリや兵アリの見た目は姿だけはそんなに違いはないでしょう。職アリや兵アリは個体数が多く、住宅の木材を加害する個体でもありますので、厄介といえます。
しかし、それより厄介な存在が王アリや女王アリといった、シロアリを大量生産する個体です。これらの生殖、産卵をおこなう個体を駆除しないと、シロアリ被害の根本的な解決には至らないでしょう。
まずはシロアリによる被害状況を確認したのち、コロニーの場所や把握してから、コロニーごと駆除をおこないましょう。
コロニーをなんとかするならベイト工法
ベイト工法とは、毒餌を使ってシロアリを駆除する方法です。シロアリは餌をコロニーに持ち帰る習性があるため、毒餌をコロニーへ持ち帰らせ、内側からシロアリを駆除していく形となります。
やり方としてはシロアリの殺虫成分が塗布された木材を、シロアリが加害している場所に近い場所などに置くだけです。シロアリがいれば、そのベイト剤を食害するので、コロニーの中に持ち帰るのを待つだけです。
シロアリがベイト剤を巣に持ち帰らないと駆除効果が発揮できないため、即効性はないものの、シロアリを全滅させたい人はベイト工法をおすすめします。
女王アリが死んでも王アリが死なないと……
シロアリを全滅させるには、コロニー自体をなんとかしなければいけません。しかし、ベイト剤を使った方法は完璧にコロニー内のシロアリを全滅できるかといわれれば首を縦に触れません。
ベイト剤をシロアリの王が運よく食べなくて、王と少数のシロアリが生き残ってしまうと。シロアリは女王になり得るシロアリと王さえ残っていればコロニーを存続できます。
完璧に駆除するのは難しいので、シロアリ駆除をするときは、家の中のシロアリを追い出すこと。家の中にシロアリを入れないようにすることを意識しましょう。
まとめ
シロアリの特徴といえば、役割によって姿や体の機能が変わることです。例えば、女王アリは、卵を大量に生産するため、生殖機能に特化する姿になっています。職アリや兵アリは生殖機能がなく、シロアリの幼虫に近い姿です。羽アリは生殖機能を持ち、羽を持つため、空中を飛行することができるのです。
これらのシロアリはとても厄介で、それぞれを効果的に駆除しないと、シロアリ被害はどんどん拡大していくことでしょう。
シロアリの対処法で最も効果的なのは、業者に頼み、駆除を依頼することです。シロアリの駆除は害虫駆除のなかでも難しく、知識のない素人がしてしまえば、被害が今より悪化してしまうことも。そうならないように、最善の方法でシロアリ被害を食い止めましょう。
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