
夏場、夜になると家の窓や壁に頭の大きなトカゲが張り付いているのを見かけることがあります。それはヤモリと呼ばれるトカゲの1種が、家の灯りに惹かれてやってくる羽虫を食べている姿です。
ヤモリはユーモラスな外見が可愛らしく、また害虫を食べてくれるため、多くの人から益獣として好意的に扱われている動物です。
しかしその一方で、爬虫類が苦手な方には害虫と同じくらい見るのもイヤだったり、ところかまわず糞や尿を出して家を汚すこともあります。
場合によっては駆除する必要があるかもしれませんが、ヤモリは殺虫剤で退治できるのでしょうか。そこで本コラムでは、家に住み着くヤモリを駆除したい!という方向けに、ヤモリの駆除方法をご紹介します。

目次
民家に住み着くトカゲの1種。ヤモリの生態について
ヤモリは、日本の住宅に多く生息するトカゲの1種です。
家の外側で灯りに惹かれて寄ってくる虫を食べるほか、家の中に入り込んで家に住み着く虫を食べることもあります。
家の害虫を食べてくれるため、家を守ると書いて「家守(ヤモリ)」と呼ばれるようになりました。
ヤモリは野生動物としては珍しく、人間の生活圏に好んで住処をつくります。民家の灯りに寄ってくる虫を狙えば、苦労することなくエサにありつけると本能的に知っているのですね。
そのため、郊外の山や森林にはあまり生息しておらず、人里から離れるほどヤモリを見かける機会は減っていきます。民家のほかには、街灯のある公園や神社など羽虫の集まる場所に棲んでいるのを見ることができます。
ヤモリの特徴としては、ほかのトカゲやカナヘビのような仲間よりも頭が大きいことが挙げられます。一般的なトカゲよりも胴回りが太く、ずんぐりとした体形も特徴的です。
そのほか、ヤモリは夜行性なので、日中に見かけることはほとんどありません。明るいうちは壁の隙間や通気口などに隠れて眠っています。そして夜になると、再び灯りのある場所に出て虫を食べるのです。
人に危害を加えるわけではないため、ヤモリの駆除をおこなう人はあまり多くありません。ただし、家の中で繁殖してしまうと糞やヤモリ自体が雑菌を運んでくることがあるため、掃除の一環としてヤモリを追い出す必要はあるかもしれません。
「ヤモリ」と「イモリ」の違いって?
ヤモリに似た存在として、「イモリ」という動物についても触れておきます。イモリは漢字で書くと「井守」、つまり井戸を守る水辺の動物として古くから知られてきました。
ヤモリとイモリはよく似ていますが、実はまったく異なる生き物です。ヤモリがトカゲの仲間の爬虫類であるのに対し、イモリは両生類、つまりカエルやサンショウウオの親戚です。住んでいる場所も大きく異なり、イモリは井戸以外では水田や用水路などに生息しています。
また、ヤモリは毒を持ちませんが、日本のイモリの代表種であるアカハライモリにはテトロドトキシンという毒があります。聞いたことのある方も多い、フグの持つ猛毒と同じものです。
そのため、ヤモリと同じ感覚でイモリを素手で捕まえるのは避けておいたほうがよいでしょう。フグより毒の量が少ないため命にかかわることはないとされていますが、イモリを触った手で目をこすると炎症を起こすといわれています。
イモリもヤモリ同様駆除の対象ではありません。絶滅が危惧されている種でもあるので、見つけてもそっとしておいてあげましょう。

ヤモリは殺虫剤で駆除できる!家からヤモリを追い出す方法
話はヤモリに戻って、家に住み着いたヤモリの駆除方法について解説していきます。あまり駆除の対象とされることのないヤモリですが、退治したい場合は以下のような方法を使ってみましょう。
殺虫剤を使う
爬虫類であるヤモリに殺虫剤は効かないのではないか、と誤解されがちですが、ヤモリは殺虫剤で駆除できます。市販されているほとんどの殺虫剤に有効成分として含まれている「ピレスロイド」は、虫だけでなく爬虫類や両生類に対しても効果があるためです。
ピレスロイドは蚊取り線香の原料となる除虫菊に豊富に含まれる神経毒で、虫や爬虫類はピレスロイドに触れると神経がマヒして動けなくなります。しだいに呼吸が止まって死に至るため、ヤモリの動きを止めつつ確実に駆除するのであれば殺虫剤が便利です。
また、同じ理由で蚊取り線香でもヤモリの駆除は可能です。家の中に住み着いてしまったヤモリを駆除したいときは、蚊取り線香を部屋の中で焚いてみましょう。
ヤモリは殺虫剤や蚊取り線香で駆除できますが、これは逆にいうと、蚊取り線香を焚くと殺すつもりのないヤモリも死なせてしまうということでもあります。もしもヤモリが部屋の中にいて、これを殺したくない場合は、蚊取り線香の使用には十分注意しましょう。
家の殺虫剤がない場合の駆除
物理攻撃で仕留める
ヤモリは骨格の弱い生き物です。その弱さは折り紙付きで、人間に噛みついたヤモリのアゴが逆に砕けてしまったという事例もあります。衝撃や圧力によって簡単に骨が折れ、内臓を傷つけて死んでしまうので、箒なりハエ叩きなりを使って打撃すれば簡単に退治できます。
粘着シートを使う
ネズミ捕り用の粘着シートには、ヤモリも引っ掛かります。そのため、ヤモリの通りそうな場所に粘着シートを設置しておけば、直接攻撃する必要すらなくヤモリを駆除できてしまいます。
侵入経路をふさぐ

ヤモリが家の中に入ってくる場合、窓や玄関を開けっぱなしにしていたのでもない限りは、ヤモリが侵入できる程度の大きさの隙間が家にある可能性が高いです
網戸の隙間や換気口、エアコンの室外機など、家の中と外とをつなぐ隙間は意外と多くあります。ヤモリが侵入してこないよう、これらの侵入経路を塞ぐことも重要です。
ヤモリが入ってこれるということは、ゴキブリなどほかの害虫も侵入できるということなので、害虫対策の一環として家の隙間チェックをおこなってみてはいかがでしょうか。
害虫を食べてくれる益獣?ヤモリの駆除は必要なのか
ここまでヤモリの駆除方法をご紹介してきましたが、実際のところヤモリは駆除する必要のある生き物なのでしょうか。
家守という名前で呼ばれているように、古くからヤモリは家を守ってくれる存在として好意的に扱われてきました。可愛らしい外見をしているため、虫は殺せてもヤモリは殺せないという方も少なくありません。
人間に危害を加えることもまずなく、噛みつかれたとしても歯が小さく、噛む力も非常に弱いため、人間の皮膚に傷をつけることすらまれだといわれています。

ただし、爬虫類が苦手な方にとっては、害虫と同じくらいヤモリの存在を不快に感じることがあるかもしれません。また、ヤモリはそこかしこに糞や尿を落としていくため、家を汚されるという点では立派な害獣といえるでしょう。
ヤモリを殺さずに家から追い出すには、「エサをなくす」という方法がもっとも有効です。ヤモリが害虫を食べに侵入してくるなら、そもそも家に住み着く害虫を減らすことが、巡り巡ってヤモリ対策にもなります。
ヤモリの駆除ができたとしても、今度はヤモリがエサにしていた害虫たちが増えるおそれが高まります。増えた害虫を食べるために、ムカデやスズメバチなどもっと危険な虫がやってくる可能性もあります。
ヤモリを駆除する前に、定期的に掃除を行い、生ごみを放置しないようにして、まずゴキブリやハエなどの害虫を駆除することから始めるべきかもしれません。エサが満足にとれなくなれば、ヤモリは自分から出ていってくれることでしょう。
まとめ
益獣としてよろこばれる一方で、ヤモリを駆除したいという方も少なからずいます。単に不快というだけでなく、糞の被害や雑菌の持ち込みなど、ヤモリは完全に無害な存在だということはできません。
最大のヤモリ対策は、ヤモリのエサとなるゴキブリやハエなどの害虫を減らすことです。ヤモリに悩まされないためにも、一度お住まいの掃除を徹底して、害虫駆除からおこなってみてはいかがでしょうか。
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