ハバチの幼虫は葉が大好物!食害を受ける前に駆除方法を覚えておこう

2022.7.6

ハバチの幼虫は葉が大好物!食害を受ける前に駆除方法を覚えておこう

庭や畑などの植物の葉がアオムシや毛虫などによって、知らぬ間に穴だらけにされてしまうこともあります。そんな植物の葉を食い荒らす虫のなかには、食欲が旺盛なハバチという蜂の幼虫がいるのです。

成虫になっても人を刺すことはなく危険はありませんが、幼虫が庭や畑にいると植物の葉が食べつくされてしまうかもしれません。ここでは、ハバチの生態から駆除方法まで詳しくご紹介します。庭や畑で育てる大切な植物の葉が食べつくされる前に、ハバチの幼虫を駆除しましょう。

原始的なハチ!ハバチの生態について

肉食のスズメバチとは違って、草食のハバチは漢字で葉蜂と書きます。成虫での危険はありませんが、食欲が旺盛なハバチの幼虫が発生したときには注意が必要です。

ハバチの種類は数豊富

世界中で生息しているハバチは、5,000~10,000種類ともいわれています。そのなかで日本に生息している種類は、1,000種類ほどになるようです。そのため、すべてのハバチを把握することは難しいことですが、日本ではチュウレンジハバチやルリチュウレンジ、ニホンカブラハバチといった種類が多くみられます。

見た目の特徴

ハバチは種類が多く、それぞれ見た目の特徴も異なります。しかし、幼虫の内は種類によって異なる色をした芋虫のような見た目です。幼虫には、全体が緑色をした個体や半透明の体に水玉模様がある個体などがいます。

また、成虫になると一般的な蜂というよりも、蛍のような形をした見た目になるようです。頭部と胴体のつなぎ目になる腰部分がくびれている蜂が多いのに対して、ずん胴のようにまっすぐな体をしているのがハバチになります。

巣を作らないハバチの産卵場所

ハチの多くは木の上や屋根裏など、さまざまな場所に巣を作り繫殖をしていきます。しかし、ハバチは巣を作らないばかりか、子育てすらもしないのです。また、成長の仕方もハバチの種類によって違いがあるようで、集団型と単独型とがあります。集団型のハバチが葉に住み着いてしまったら、あっという間に食べつくされてしまうでしょう。

ハバチの引き起こす被害は「植物の食害」

成虫になったハバチは針を持たないため、刺されるといった被害はありません。しかし、問題となるのは食欲が旺盛なハバチの幼虫による、植物の食害になるのです。

食害は植物の生長を妨げる

ハバチの幼虫は食欲が旺盛で、葉の部分をどんどん食べつくしていきます。どれだけ大切に育てていても、葉の部分がなくなってしまえば植物は生長しなくなってしまうでしょう。出荷予定の作物であれば、大きな損害を受けるおそれもあるのです。日本でみられるハバチは、バラやツツジ類、アブラナ科野菜のダイコン、カブ、白菜を好んで食べます。

植物が病気になる原因にも

ハバチの種類によっては、茎に産卵管を刺して卵を産みつけます。そういった卵は、ふ化をすることで茎を裂いて幼虫が出てきてしまうのです。そのため、茎が裂けた植物は幼虫による食害の危険性だけでなく、病気に侵されて枯れてしまうおそれもあります。

食害は葉と茎だけではない

たくさんの種類のハバチがいるように、それぞれ好んで食べる植物が異なります。葉や茎以外にも花などに、食害を与えるハバチの幼虫もいるのです。なかには、農作物を好んで食べるハバチの幼虫もいるため、農家の方はとくに注意が必要となります。

おもなハバチの種類と被害にあいやすい植物

日本国内で確認されているハバチだけでも、たくさんの種類がいます。少しでも早く発見できるように、食害を出す代表的なハバチの種類を知っておきましょう。

チュウレンジハバチ

バラなどのツツジ類を好んで食べるのが、チュウレンジハバチの幼虫になります。幼虫の間は、しっぽを持ち上げて食事をするという特徴があるようです。見た目からほかのハバチとの区別はしにくいようですが、全体的に黒が目立つ模様になっています。

ニホンカブラハバチ

真っ黒な体が特徴のニホンカブラハバチは、アブラナ科にあたるダイコンやカブに住みつき食害を与えます。大量に発生すると根の部分にまで、被害がおよぶこともあるようです。刺激を与えると、体を丸めて落下するという習性があります。

シモツケマルハバチ

水玉模様をした半透明の体が、特徴的なハバチの種類です。シモツケを主食として、葉や花などを食べながら脱皮をして大きくなっていきます。そのため、葉の周辺に残された皮は発見のヒントになるかもしれません。

ニホンアカズヒラタハバチ

緑色の胴体に茶色い光沢のある頭部が特徴的なのが、ニホンアカズヒラタハバチです。アカマツやクロマツといった、マツ科の植物を好んで食べます。また、発生時期は年1回の6月ごろとされているようですが、幼虫のまま越冬することもあるため、いつ成虫となるのかわかっていない部分もあるようです。

ハバチの駆除・予防をしよう

ハバチの幼虫が発生する時期や回数は、種類によってもさまざまです。しかし、基本的な駆除方法は同じで、早期の発見と予防が大切になります。

幼虫は箸やピンセットで駆除

ハバチの幼虫は芋虫のような見た目をしていて、大きさも小さいです。また、触ると丸まって落下したり、集団で行動をしたりする種類がいます。そのため、素手で駆除しようとするのではなく、箸やピンセットを使って確実に捕獲するのがおすすめです。もし、発生している幼虫が大量にいるようなら、殺虫剤などを使って一気に駆除したほうがいいでしょう。

幼虫が成長する前に駆除

幼虫は産まれてからしばらくは、葉の裏側などで固まって過ごしていることが多いようです。そのため、生まれたばかりの幼虫であれば薬剤の効果も高く、まとめて駆除しやすいでしょう。樹木全体に拡散しだす前に発見することが、すべての幼虫を駆除するためには重要になります。

防除と予防

ハバチの成虫は、葉の葉脈や茎のなかに卵を産みつけるため、肉眼で確認しても見つけることは難しいようです。ハバチの幼虫の多くが梅雨前後から活動を始めるため、その時期に作物などに発生していないか確認しておくといいでしょう。もし、ハバチの卵を見つけたら枝や茎の根本から切り取ってしまうのが、対策には確実な方法です。

また、食害が心配な方や作業が大変だと感じるような場合には、一度業者に依頼してみるのもいいかもしれません。業者に依頼することで、ハバチの駆除から防除までしっかりとおこなってくれることでしょう。

まとめ

成虫になったハバチには針がないため、刺されるといった危険はありません。しかし、草食となるハバチの幼虫は、食欲が旺盛で庭や畑の植物に大きな被害を与えることがあるようです。そのため、幼虫がふ化する前の対策や少しでも早い駆除が被害を抑えるためには大切になります。

また、被害が広範囲におよぶ場合には、業者に依頼してみるのもおすすめです。業者であれば、出荷予定の作物の被害を最小限に抑えてくれることでしょう。さらに、防除もおこなってくれるため、翌年の被害を抑えることにもつながりますよ。

この記事の監修者 ナカザワ氏について

この記事の監修者
ナカザワ氏 NPC 総合害虫駆除
監修ジャンル:害獣 害虫
神奈川県・東京都を中心とした総合害虫駆除サービスを運営。防除作業監督者(防第14721号)の国家資格を有し、アリ、ゴキブリ、ダニ、ハエ、トコジラミ、ハチやコウモリなど幅広い害虫や害獣にも対応。

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