アスファルト舗装ならオーバーレイ工法!工期短縮&コストを削減

2021.4.30

アスファルト舗装ならオーバーレイ工法!工期短縮&コストを削減

オーバーレイとは道路の舗装に用いられる工法の一つで、既存の道路の舗装面に対して、おもにひび割れを抑えたり、交通量の多い道路の摩耗を抑えるのに役立ちます。
さらに、オーバーレイ工法は舗装工事としては施工時間が短く低コストであるとして人気を博しています。

今回は、そんなオーバーレイ工法の施工手順やメリットを、道路の構造やほかの舗装工事の解説もまじえて紹介していき、その魅力に迫っていきたいと思います。

道路はどんな構造をしている?

オーバーレイ工法について解説する前に、舗装される道路の構造を見てみましょう。下の図は、道路の構造をわかりやすく図解したものとなります。普段目にしているコンクリートは、道路の表面部分に過ぎないのです。

道路はどんな構造をしている?

それぞれの役割

上の図を見ればわかる通り、道路はさまざまな要素で成り立っていることがわかります。また、下層路盤と上層路盤を合わせて「路盤」と呼び、その路盤と基層と表層を合わせて「舗装」と呼びます。これらの層にはどういった役割があるのでしょうか。
 

表層の役割


私たちが目にしている「表層」の部分には、道路の上を走る車の荷重を分散することで、走行時の安全性や快適性を保証する役割があります。

 

基盤の役割


そして表層のすぐ下にある「基層」は、すぐ下にある路盤を平らにするほか、表層に加わった車の荷重を路盤に伝達するのが役割となっています。

 

路盤の役割


路盤は、表層と基層の支持基盤となると同時に、基層から伝達された荷重を分散して路床に伝えています。こうして荷重が最後に行き着く先が「路床」と「路体」であり、ここがしっかり締め固められていないと、丈夫な道路にはなり得ないのです。

 

道路を守るために舗装工事は必須です

このように、道路は舗装に重要な役割があることがわかります。ですが、舗装部分も車の轍や雨風に晒されることによって、徐々に傷んでいくものです。この舗装を修復したり固めたりするためにも、舗装工事は必要なものなのです。

舗装工事にはさまざまな種類があり、工法の種類によっては表層・基層部分だけを切削したり路盤部分や路床・路体部分まで切削したりすることもあります。今回紹介するオーバーレイ工法は舗装を削らない特殊な工事となります。

道路はどんな構造をしている?

オーバーレイ工法とは?

「オーバーレイ」は重ね合わせるという意味で、コンピュータ用語にも使われています。そのいう意味合いの単語が含まれたオーバーレイ工法とは、果たしてどのような舗装工事なのでしょうか。

オーバーレイ工法とは文字通り「重ねる」舗装工事

オーバーレイ工法とは、既存の舗装面の上に新たな舗装の層を重ねる工法のことをいいます。オーバーレイ工法はやり方がとてもシンプルでコストを抑えることもできるので、手軽な舗装工事として重宝されています。

オーバーレイ工法は広範囲にヒビ割れが起こる危険性があるときに採用されます。舗装工事のなかには部分的な補修をするものもありますが、広範囲にわたって補修箇所がみられるときは、オーバーレイ工法で範囲全体に舗装層を重ねるのが有効なのです。

また、交通量が多い道路だと、舗装面の摩耗のスピードも上がっていきます。できるだけ早く舗装面を分厚くする必要が出てきますが、オーバーレイ工法は舗装層を増やす効果もあるので、交通量が多い道路でも活用される機会が多いのです。

オーバーレイ工法に使う材料はどんなもの?

オーバーレイ工法で使う材料は、アスファルトに砂や砂利、そしてフィラーと呼ばれる石灰岩などを混ぜたものとなっています。

なお、ここで使われる砂や砂利は「骨材」と呼ばれており、粒の大きさが5mm以上のものが85%以上ある「粗骨材」、粒の大きさが5mm以下のものが85%を超える「細骨材」の2つに分類することができます。

また、最近では「薄層砕石マスチック舗装」と呼ばれるたわみ性や水密性を高めた素材を使うものや、「薄層排水性舗装」という排水性を付加した素材を使うもの、排水性や騒音低減性がある素材を使う「薄層ドレーンミックス工法」など、レパートリーも増えています。

「切削オーバーレイ」という工法もある

オーバーレイ工法は通常、切削作業を必要としません。大掛かりな舗装工事だと、道路の基盤となる部分まで掘り起こして工事することがありますが、オーバーレイ工法では切削をせず、単に上から新しい舗装材を重ねることができるのです。

しかし、破損した表層部分を切削してから新たな舗装材を重ねる「切削オーバーレイ」という工法も存在します。これは、施工場所の状態が悪いときに用いられる施工法となります。

路面は度重なる車の走行などによって全体的に平らでなくなるときがあり、単に舗装材を重ねるだけでは路面を平らな状態にならないことがあります。その場合は、表層部分をすべて切削して平らな状態を確保してから、改めて舗装材を重ねるのです。

オーバーレイ工法の施工の流れ

オーバーレイ工法のメリットについて

続いて、オーバーレイ工法をするメリットをご紹介します。オーバーレイ工法で舗装工事をすると、以下のようなメリットが発生するのです。

オーバーレイ工法のメリット

・コストがかからない
作業がシンプルで材料も少なくて済むため、コストがあまりかかりません。

・工事期間が短い
オーバーレイ工法は即日の作業で終わるので、工事期間がとても短いです。

・低騒音で低振動
大掛かりな舗装工事の切削作業では大きな音が出る切削機を使いますが、オーバーレイ工法ではそうした切削機を使わないので騒音や振動が少ないです。

・大きな段差が生じにくい
オーバーレイ工法を施工した後では、舗装面が2~3cm程高くなります。この程度の段差であれば交通に支障が出ることは少なく、施工不良などによって大きな段差が生じる心配がありません。

・舗装構成がわからなくても工事できる?
数ある道路の中には、舗装についての記録があいまいだったり路面が古すぎたりといった理由から、舗装構成がわからないことがあります。舗装構成がわからないと切削作業ができない場合もあるようなので、舗装工事自体が不可能な場合もあるのです。また、舗装構成が厚すぎる場合でも、費用や期間が長くかかることから工事ができないことがあります。

ですが、オーバーレイ工法は上からアスファルトを重ねる作業だけなので、舗装構成がわからなかったり厚すぎたりする場合でも、問題なく工事に取り掛かることができるのです。

・オーバーレイ工法は応急処置的な面がある?
オーバーレイ工法は一見メリットしかない舗装工事に思えますが、時間や手間がかからない施工ということもあって、あくまで応急処置的な面があります。

応急処置といっても施工後には問題なく車が通れますし、すぐに舗装面が劣化するわけでもありません。しかし、大規模な切削作業を必要とする場合や土壌の状態から直さなければいけない状況などではオーバーレイ工法は使われません。

また、部分的に激しい損傷がみられるときも、広範囲にわたって施工するオーバーレイ工法はおこなわれず、その場合はパッチング工法と呼ばれる部分的な舗装工法をおこないます。

オーバーレイ工法のメリットは費用や工数を抑えられること

オーバーレイ工法のやり方

実際にオーバーレイ工法で舗装工事するときは、どのような手順でおこなっているのでしょうか。ここでは、切削オーバーレイ工法による道路の舗装工事の手順を紹介していきます。
 

施工の流れ


(1)路面切削
損傷した既存のアスファルトの表面を舗装切削機で削り取り、除去します。


(2)舗装(基礎工・1層目)
アスファルトフィニッシャとローラーを用いて、削り取った深さの半分の高さのところまで、新しく舗装をおこないます。(例:10㎝の切削をした場合、1層目は5㎝まで舗装)


(3)舗装(表層工・2層目)
アスファルトフィニッシャとローラーを用いて、削り取った深さを平らに埋め尽くす状態になるまで舗装を重ねます。


(4)工事完了
規制帯を撤去して、道路の交通を開放します。

 

特別な切削機を使っている?

切削(せっさく)オーバーレイ工法では大掛かりな切削作業が必要ないので、通常の切削機より細かいスパイクがついた切削機を使うことがあります。ちなみにこのスパイクのことをビットといいます。この切削機を使うと作業騒音が低減し、切削面の形状制度も向上できるのです。

その他にもパッチングや打換えなど様々な工法がある

道路舗装のさまざまな工法

さて、これまでオーバーレイ工法について取り上げてきましたが、これ以外にも舗装工事には他にもいくつか方法があります。この項目では、それらの舗装工事についてご紹介します。

【1】パッチング工法

パッチング工法はオーバーレイ工法と似ていて、ヒビ割れや排水不良などで生じた亀裂や穴などを舗装材料で補修する方法です。オーバーレイ工法と舗装工事場所の大きさで違いがあり、オーバーレイ工法が広い範囲を対象にするのに対して、パッチング工法は部分的な舗装工事が主となっています。

また、パッチング工法は少し広義な意味であり、補修箇所に舗装材料を直接埋め込む簡易的な方法から、補修箇所を切り取り新しいアスファルト層を重ねる方法までがあります。

舗装材料に使うものは主にアスファルト混合物ですが、シーリング材を使うこともあるようです。

【2】路上表層再生工法

路上表層再生工法は、既存の舗装面のアスファルト混合物質層を加熱し、かきほぐす作業をおこなってから、アスファルト混合物や、再生用添加剤などを混合して敷ならし、固めて新しい表層を作り出す工法です。

この工法は大規模な修繕に適用しますが、品質の確保が難しいという理由から、近年ではあまり使われなくなりました。

【3】打ち換え工法

打ち換え工法は、舗装工事の中でも大掛かりなものとなっています。
ヒビ割れなどの破損が著しく他の工法では安全な路面を確保できない場合におこないます。
この工法では、表層部分より深い路盤や路床部分まで工事箇所の対象になるので、ブルドーザーを使ったり長期間にわたって交通規制をおこなったりします。

大掛かりな作業のため、舗装工事の中でも費用がもっともかかり、打ち換え工法をするかどうかには十分な検討が必要です。

道路舗装のさまざまな工法

道路以外でも舗装工事は可能です

ここまでは道路での舗装工事について解説していきましたが、もちろん駐車場やジョギングロードでも舗装工事をおこなうことは可能です。その際、オーバーレイ工法で舗装工事をするのもできるほか、色やデザインに凝ることもできます。

仕上がりの色やデザインもさまざま

近年では技術進歩によって、舗装工事の仕上がりの色やデザイン性にも幅が出てくるようになりました。道路の舗装工事では黒色のシンプルな路面になることが多いですが、道路以外で舗装工事をした場合は、色やデザインに工夫を凝らすこともできるのです。

例えば公園やジョギングロードの舗装工事は、自然石などを主な素材としているので自然に溶け込んだデザインに仕上がるほか、色も自然なペールカラーになることが多いです。また、事故が多い場所の舗装工事では、あえて危険性を示すために素材に「ベンガラ」という顔料を混ぜて赤茶色に仕上げることもあります。

このように、舗装工事にはデザイン性にも幅を出すことができます。もし舗装工事をする場合には、業者と相談してデザインを工夫してみるのも悪くないかもしれませんね。

まとめ

オーバーレイ工法は舗装面に新たな舗装層を重ねる工法のことをいいます。オーバーレイ工法はとてもシンプルで、コストがかかりにくく工事期間も即日と短く、低騒音というメリットもあります。

道路舗装の工事の方法はオーバーレイ工法だけではありませんが、さまざまなメリットを考えると取り掛かりやすくとてもおすすめの工法です。

また、道路以外にも、駐車場などにも舗装工事をすることができます。もし舗装についてお悩みの方がいらっしゃいましたら、ぜひオーバーレイ工法をおこなってみてはいかがでしょうか。

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依頼できる業者や料金について、詳しくは「生活110番」の「アスファルト工事」をご覧ください。

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