
夏は暑く、冬は寒い。地球温暖化の影響か、寒暖差も年々激しくなってきました。適正でない室温は快適に過ごせないといった心理的部分だけでなく、体調の悪化にもつながってしまいます。そのため我慢しすぎず、エアコンなど冷暖房器具も適切に利用する必要があるでしょう。
しかし、エアコンが壊れかけていたり、そもそもエアコンが設置されていない部屋という場合もあります。こうした部屋のエアコン交換や設置費用がどのくらいかかるか、実際に計算してみたことはあるでしょうか。
テレビならまだ自分で設置や配線をすることもできますが、エアコンにはそれらの作業を自分でおこなうことは多くの場合難しいでしょう。
今回はそれらの費用を含めたエアコン設置・交換時の費用について見ていきます。
目次
エアコンの交換にかかる費用
エアコンが壊れてしまった場合、通常修理をしようとしますが、修理しても直らない場合エアコン自体を交換しなければいけません。その場合、エアコンの交換はどのようにおこなうのでしょうか。
エアコンの交換する場合の内容
エアコンの交換には以下の項目とその費用が掛かってきます。
エアコン移設(交換) | |
項目 | 料金 |
古いエアコンの取り外し | 7,000円~ |
新しいエアコンの設置 | 8,000~15,000円(本体代除く) |
古いエアコンの処分 | 900円~ |
エアコンの本体と室外機は扇風機やファンヒーターのコンセントやガス管のように簡単に取り付けられるわけではありません。熱媒体を循環するための配管工事、電源を取るための工事、漏電の危険からまもるためのアース線接続などが必要になってきます。
既存のエアコンを交換する場合はそれらの配管を通す穴が設けられている場合が多いですが、もともとエアコンのなかった部屋に新規設置するとなると穴を開けるための工事も必要になってくるでしょう。
エアコンの種類によって設置工事費用に違いがでます
エアコンを交換するときは当然ながら、エアコンを部屋に取り付けるための設置費用が掛かります。その設置費用はエアコンの種類によって変わっていきますので、設置の際は自分が購入したエアコンの種類がどれに該当するのか把握しておきましょう。
冷房能力 | 参考費用 |
3.6kw以下(6~12畳用) | 約9,500円~ |
3.7kw以上(14畳用以上) | 約14,000円~ |
上記の費用以外にも追加料金がかかる場合もあります
エアコンの工事は標準工事料金が定められている場合も多く、家電量販店などでは販売価格に含まれていることもあります。ただ「必要最低限」の工事と考えたほうがよく、別途料金は加算されることも多いです。
・配管用のパイプ設置:4mまで
・連絡する電線の設置:4mまで
・配管の穴あけ:木造壁・モルタル壁に1箇所
・室外機は平面に置く。大地置きもしくはベランダ置き
・既存のアース線へ接続
エアコン設置・交換の費用を見積もる際にはエアコン本体の価格だけでなく、こうした工事についても考える必要があるでしょう。標準工事相当の工事料金が別途かかる場合、10,000円程度は見積もっておきましょう。
古いエアコンを撤去!リサイクルにかかる費用
エアコンを古いものを取り外し、新しいものに変える場合、古いものを処分する費用が掛かってきます。この処分する費用はどの程度かかるのでしょうか。
収集・運搬料金
家電リサイクル法では販売店に対して引取りを義務づけているため、リサイクルにあたってはこの費用を負担する必要がでてきます。この収集・運搬については状況によって実施者が異なってきます。
・エアコンを交換する場合
エアコンを新しいものに取り換えた場合、古いエアコンを処分する必要があります。この場合、収集・運搬の義務は新しく購入したエアコンの販売店にあるため、リサイクル料金とともに販売店へ支払います。
・エアコンを取り外すだけの場合
エアコンを取り外して新たに設置しない場合は、そのエアコンの販売店に収集・運搬の義務があります。そのため過去購入した販売店に連絡し、リサイクル料金とともに支払います。
ただし販売店が遠方、贈り物としてもらったためわからない、廃業してしまったなどの場合は個人で家電リサイクル券を購入し引取り場所に持参するか、近くの家電販売店に相談する、家電リサイクル法対象機器の収集運搬を許可された業者に依頼するなどの対応が必要になります。
家電リサイクル料金
個人的にエアコンを撤去する場合などは家電リサイクル料金がかかります。
家電リサイクル法が制定され、エアコン・テレビ・洗濯機・衣類乾燥機・冷蔵庫・冷凍庫の家電4品目に関してはメーカー・消費者双方に費用を負担してもらい、リサイクルなどの費用に充てられています。これが「家電リサイクル料金」と呼ばれる費用です。
この費用についてはリサイクルのしやすさなどによりメーカー・品目ごとに異なった価格が定められています。エアコンの場合900円+税で設定されていることが多いようですが、メーカーによっては高額になる場合もあるので注意が必要です。
エアコン取り外しのための工事費
エアコンを取り付けるのに費用がかかるように、取り外しを依頼するためにも工事費が必要になります。そのため取り外しにあたってはこの工事費がかかることも頭に入れておく必要があるでしょう。
エアコンは熱を輸送するために特殊なガスを使用しており、こうしたガスを安易に放出すると環境に悪影響を与えます。そのため専門知識を持った業者へと依頼するようにしてください。
これらの費用を合計すると取り外しとリサイクルだけでも7,000円ほど必要になってくることが多いようです。
エアコンの取り付け工事で料金がかかる場合
エアコンの販売価格には取り付け費用も含まれている場合が多くあります。しかし、さまざまな理由で別途費用がかかることもあるので注意が必要でしょう。
室外機とエアコン本体の距離が遠い
販売価格に含まれている取り付け費用は最低限必要な工事のことが多く、例えば2階のエアコンの室外機を1階に設置する場合、その逆の場合などは配管の距離も長くなります。こうした長距離の配管工事が必要な場合、別途費用が加算されることが多いです。
壁が頑丈・特殊な構造で技術が必要
販売価格に含まれている取り付け費用は比較的穴の開けやすい木造住宅の壁を想定しています。そのためコンクリートの壁であったり、寒冷地の断熱対策が十分に施された壁へ配管用の穴を開ける場合はそのぶん技術が必要になるため、工事料金が加算される場合も多いようです。
コンセントの工事が必要なことも
日本の家庭用コンセントには200Vと100Vの2種類の電圧があり、それぞれコンセントの形状が異なります。また、抜け防止などの理由で特殊な形状を採用している例も少なくありません。
従来のエアコンは200Vで動くものも多くありましたが、近年では100Vでも十分な能力を持つエアコンも増えてきました。ただ電圧が違えば接続は難しいため、コンセント工事が必要になってきます。こうした工事も「必要に応じた工事」かつ専門知識の必要な工事のため、工事費用が別途加算される可能性が大きいです。
もちろんエアコン交換なら費用としてリサイクルに関わるものも加算されますが、こうした料金も販売価格に含まれないことが多いでしょう。購入予算を立てる場合にはエアコンの販売価格だけでなく、こうした「別にかかる料金」も考慮する必要があります。
エアコンをインターネットで買う場合は注意が必要
近年はインターネットによる通信販売が普及し、エアコンについてもインターネット上から購入することが可能になりました。業者によっては家電量販店よりも安く買える場合もあり利用していきたいと思うところですが、購入にあたってはその条件について、しっかりと確認が必要になります。
設置と回収の業者が別の場合もある
これまで触れてきたように、エアコンの設置は基本的に業者へ依頼することになります。そして家電リサイクル法の義務により回収も依頼することが多いのですが、インターネット上の業者のなかにはコストを抑えるために「設置業者」と「回収業者」を別にしているところがあるのです。
この場合設置業者としては運搬で家具などを破損するリスクを最小限にするため、取り外しと新規設置以外の作業は避ける傾向があるでしょう。
一方回収は運送業者に委託したほうが安く済むのは確かなのですが、玄関先まで運ばなければ配送を取り扱うことができません。この場合、取り外した機器を運ぶのは自分や家族になります。
室外機やエアコン本体は見た目以上に重量があります。これらの機器を自分で運ぶのは一苦労でしょう。設置と回収の業者が別だと、こうした落とし穴も生まれてくるのです。
取り付け工事を別に依頼する必要があることも
家電量販店の店頭で見たのと同じ機種なのにインターネット上の方が安い、となったときも、しっかりと内訳を確認しましょう。
インターネット上の価格の場合、取り付け費用を含まないことで販売価格を安く抑えているケースもあります。大手家電量販店のインターネット販売でもこうした取り付けはオプションとして設定されることも多く、別途費用がかかる、業者に依頼するといった対応が必要になることも少なくありません。
また、取付け業者を調べることもインターネットから手軽にできるようになりました。
そのため手間さえかければエアコン本体の交換や設置・処分までの費用も抑えられる可能性は十分にあるでしょう。しかし、こうした手間がかかること、別途費用がかかることを考慮に入れれば見た目ほどの価格差はないかもしれません。インターネットで購入する際には一度「何が含まれているか」についても確認しておきましょう。
まとめ
エアコン交換の費用はエアコンの販売価格に含まれるものだけではありません。そのため購入や交換を考える際にはどういった工事が必要になるかを調べ、購入とは別にかかってくる費用についても考える必要があるでしょう。
また近年のインターネット販売には取り付け費用を含まない場合も多く、ときには自分で依頼する必要も出てきます。取付け業者も当サイトなどインターネット上で調べられることが多くなりました。購入の際には一度、業者についても比較してみてください。
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