
自宅の電気製品を安全に使うために、「接地」は非常に有効な対策です。そのため、電気製品には接地がついているものが多いです。また、接地工事は漏電防止をはじめとして、さまざまな効果があり、目的によっていくつかの種類にわかれています。
接地工事は危険がともなうため、一般的に業者に依頼することになりますが、実際にどのような作業を行うのか、想像がつきにくいかもしれません。電気は生活に欠かさない重要なものなので、どのような目的で工事がされるのかを知っておきたいですよね。
そこでこのコラムでは、接地の種類や目的など、接地工事を依頼する際に、知っておくと安心できる情報をまとめました。少しややこしく見えますが、できるだけわかりすく解説していきますので、ぜひ参考にしてみてください!
安全に電気を使うためには接地抵抗値が重要
日頃使っている冷蔵庫やエアコンなどの家電製品を安全に使うために、接地は重要な役割を果たしています。接地は一般的には「接地をとる」や「アースをとる」といいます。接地をただしく行うことで、万が一漏電した場合に大地に電流を逃すことができるようになっています。
「接地抵抗値」は接地する際の、大地の電流の通りにくさを表している数値です。そのため、この数字が小さいほど大地に電気を逃しやすく、接地の効果は大きくなります。接地工事の種類はこの「接地抵抗値」によって分類されています。
また、接地抵抗値は気温や湿度によって変わってしまうため、接地極を埋める場所はそうした影響を受けにくい場所を選ぶ必要があります。
系統接地と機器接地の違いとは
接地をしっかりしていないと感電のおそれがあります。しかし、接地にも種類があり目的によって大きく分けられています。
系統接地
個々の電気機器ではなく、変圧器と大地を接続します。故障などによって漏れてしまった電流(漏電)をもう一度変圧器に戻す接地方法です。系統接地は「中性点接地方式」という方式をとり、電線や電力機器の絶縁を軽減する目的で変圧器に対して行われる工事です。
機器接地
洗濯機、冷蔵庫、クーラーなどの電気機器本体と大地を接続し、漏電してしまった電流を大地に逃すことで感電などを防ぐ接地方法です。一般家庭で「接地する」「アースをとる」ことを考える場合は、機器接地を目的とした工事になります。
接地はなぜ重要なのか
接地の目的は、漏電してしまった場合の感電防止にあります。水は電気を通しやすいため、水回りの電化製品はとくに注意が必要です。そのため、洗濯機や冷蔵庫にはアース線が取り付けられ、専用コンセントから接地がとれるようになっています。
また、接地には電気製品に安定した電気を供給することで、誤作動や故障を起こしにくくするという目的もあります。そのためパソコンなどの精密機器のコンセントにもアース線がついていることが多いです。
接地のメリットはほかにも「電気機器の帯電を防ぐ」「静電気防止」「避雷」「ノイズ防止」「電磁波の影響軽減」などがあります。これらの目的によって、接地工事の種類も変わり、適切な工事をしなければ、事故や故障につながるおそれがあります。
接地工事も種類がある
接地工事の種類は、目的により接地抵抗値が設定され、A種接地工事、B種接地工事、C種接地工事、D種接地工事の4つに区分けされています。
A種とB種はおもに避雷針など電圧の高い高圧用の電気器具になどに施す工事で、接地抵抗値の大小によってAとBに分けられています。また、B種は変圧器に対する接地である系統設置です。
C種とD種は低圧電気器具への接地工事で、こちらも接地抵抗値の大きさによってCとDに区分けされています。
接地抵抗値が小さいほど、大地に電流が流れやすく安全であるといえます。逆に、抵抗値が高いと、電流が大地へ流れにくく、人体のほうへ流れ、感電の危険性が高くなるということです。接地工事の際はこの接地抵抗値の調整により、大地のほうに電流が流れやすい状態にしています。
接地工事にはコンセントへのアース線の取り付けだけでできるものもあれば、避雷針などアース線をつけるのが非常に危険な箇所もあります。しかし、個人で判断するのは危険がともないますので、どういった工事が必要なのかをいちど業者に相談してみることをおすすめします。
まとめ
接地とは電気機器と大地とを接地線によりつなぎ、電流を大地に逃すことをいいます。
家電の漏電による感電は非常に危険なので、接地工事を依頼して安全な電気配線を整えるようにしましょう。
接地する際には、人体よりも大地のほうが電流を通り流れやすい状態にする必要があり、その電流の通りにくさを示す数値を「接地抵抗値」といいます。接地工事の種類はこの接地抵抗値や接地する箇所や目的によってA~D種の4つに分けられています。
接地工事は用途に応じて適切に行わないと、感電や機械の故障にもつながる非常に危険がともないます。効果的で安全な接地をするために、どういった目的で接地工事を行うか、業者とよく相談して決めることをおすすめします。
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