
みなさんは普段使っている家電製品が、急に故障したという経験をしたことはありませんか。故障した原因は家電製品自体のトラブルではなく、もしかしたらアース配線工事が行われていないことかもしれません。
アース配線のことを聞いたことがあるけれど、どんな目的で使われているのか知らない、という方も多いのではないでしょうか。本コラムでは、アース配線がどういった目的で使われているか、自分で工事することはできるのか、などを解説していきます。
目次
電磁波による影響は知らないうちにでてるかも
目には見えないですが、どこの家庭にも置いてあるテレビや冷蔵庫、エアコンから電磁波が実は発生しています。生活には欠かせないこれらの家電製品から、知らないうちに電磁波を受け続けているおそれがあるのです。
実際に電磁波を受け続けていると、どういった影響がでてしまうのか知らない方も多いのではないでしょうか。
電磁波がもたらす影響には、刺激作用と熱作用と呼ばれるものがあります。
刺激作用は100kHz以下の低周波を受けることによって、ビリビリやチクチクとした刺激を感じる現象のことです。これは電磁波で神経が刺激されることで起こり、眼の網膜といった神経の刺激に敏感な部分に受けてしまうと、眼を閉じていても微弱な光が見えてしまうことがあります。この刺激作用によって、眼を閉じていても微弱な光が見えてしまう現象を、磁器閃光といいます。
一方の熱作用は100kHz以上の強い周波数を受けることによって、人体にエネルギーが吸収され、体温が上昇してしまう現象のことです。
刺激作用や熱作用を引き起こすほどの周波数を、普段の生活で受けることはほとんどありません。日常的に使用するスマートフォンでも、ほとんど人体に影響のない電波しか受けないので、特別心配する必要はないでしょう。
しかし、刺激作用や熱作用を引き起こす危険性は0とはいえません。そんなとき、この電磁波を防ぐのに有効なのがアース配線です。アース配線は電磁波のひとつである電場を抑える役目を持っているので、電磁波を対策するのに役立ちます。
アースの配線は重要!電磁波以外にもある目的とは
アース配線をおこなうことで、電場を抑えることができます。アースは家電製品や電気機械から発生する電気を、大地へと逃がすために必要なものです。これによって発生した電場を大地へと逃がすので、電磁波を抑えることができるのです。
そのため電気を逃がすアース配線がおこなわれていないと、なんらかのキッカケで水に濡れてしまった家電製品が漏電を起こしてしまい、それに触れることで感電してしまうおそれがあります。ほかにも電位と呼ばれる、電気のエネルギーを均等化することができなくなってしまうため、電位差が発生して家電製品が故障してしまうおそれもあります。
電位は落雷などによる家電製品の被害を軽減したり、ノイズを軽減することにも深く関係しているため、アース配線をおこなうことでこれらも同時に防ぐことが可能です。このようにアース配線は、さまざまな問題を防ぐためにも必須です。
アースには決まりが多い!自分で工事できない!
アース配線の工事とは、家電製品と地面をアース線で繋げることです。これによって、家電製品の電流を地面へと逃がすことができ、漏電や感電を防ぐことができます。
しかし、工事中に感電などのおそれもあるため、アース配線の工事をおこなうには、電気工事士の資格を持っていることが条件となっています。そのため、資格を持っていない一般の方が、工事をおこなうことはできないという点にご注意ください。
アース線の規格は接地抵抗という、アース線工事をおこなうときに問題となる、電位差の抵抗がある土壌に打ち込むアース線を決める際に必要なものです。この接地抵抗には4つの種類が存在しており、それぞれによって使用されるアース線のサイズに違いがあります。
それぞれA種接地工事、B種接地工事、C種接地工事、D種接地工事と呼ばれています。
A種接地工事
高圧または特別高圧用機器の金属製外箱や特別高圧計器、避雷器といった高電圧が侵入するおそれのある、比較的危険度の高いものに分類され、アース線のサイズが2.6mm~5.5mm以上のものを使用し、接地抵抗値が10Ω以下という条件の場合はA種接地工事です。
B種接地工事
高圧または特別高圧を低圧に変性する、変圧器の中性線に必要であり、電圧150Vまたは300Vの高圧、低圧変圧器にはアース線のサイズが5.5mm以上のものを使用し、低圧側1線に接地工事をおこなう場合はB種接地工事となります。
C種接地工事
300Vを超える低圧用機器に必要であり、アース線のサイズが1.6mm以上のものを使用し、接地抵抗地が10Ω以下という条件の場合はC種接地工事です。
D種接地工事
アース線のサイズが1.6mm以上のものを使用し、300V以下の低圧電気器具や金属製外箱に接地工事をおこなう場合はD種接地工事となります。
アース配線工事をおこなうには、電気工事士の資格を持ったうえで、こういった規格も理解しておく必要があるので注意してください。
アースの配線が余ってる!そんなときは
もし、自宅に予備でアースの配線が余っているという方がいれば、アースされていない家電製品を故障から守るためにも、工事しておきましょう。今まで何もなかったとしても、急に故障してしまうおそれがあります。
家電製品が故障してしまうだけの被害ならまだしも、もっとも注意しなければならないのが感電してしまうおそれがあることです。感電は家電製品が故障してしまうだけではなく、人体にも被害が及んでしまうため危険です。
感電は受けた電流の大きさによって、被害の程度が違ってきます。もっとも小さい被害で、体に電流が流れていることを感じる程度ですが、もっとも大きい被害になると、絶命してしまうおそれがあります。
絶命するに至らない場合でも、電流の大きさによっては呼吸困難を起こしたり、体中に我慢できないほどの痛みが走ってしまうこともあります。そのときは一命をとりとめたとしても、不整脈や身体に感覚障害を起こしてしまうおそれもあるため、感電は非常に危険です。
こういったおそろしい被害を起こさないためにも、アースの配線が余っているなら、とりあえず工事をしておくことをおすすめします。
まとめ
アース配線は安全に生活を送るために必要なものです。普段から気づかないうちに家電製品から電磁波の影響を受けているかもしれません。ほかにも、急に家電製品が故障してしまったり最悪の場合、感電して重い被害を受けてしまうおそれもあります。
こういった被害は、アース配線工事をおこなってさえいれば限りなく抑えることができます。そのためにも、普段から生活している場所がアース配線工事をおこなっているのかどうか、しっかりと確認しておきましょう。
もし、アース配線工事がおこなわれておらず、電気工事士の資格を持っていないので自分でアース配線工事ができないという方は、業者に依頼して工事してもらいましょう。
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