
蜂、と聞いてパッと思い浮かぶ色は、何色ですか?おそらくほとんどの人は、鮮やかな黄色やオレンジの縞模様を想像されるのではないでしょうか。一般的な蜂のイメージカラーが黄色であるように、多くの蜂は黄系の明るい体色をもっています。
では、それ以外の色の蜂はいないのかというと、そうではありません。真っ黒な蜂もいますし、なかには赤い色をした蜂というものも存在します。赤い蜂、見かけたことはありませんか?もしかするとそれは危険な種類かもしれません。
本コラムでは、日常のなかで見かける「赤い蜂」がどんな蜂なのか、その正体と危険性を解説します。

目次
赤い蜂の正体ってなに?もしかしたらチャイロスズメバチかも
もしも赤い蜂が飛んでいるのを見かけたら、注意が必要です。その蜂は、赤茶色の体色が特徴的なスズメバチの仲間、「チャイロスズメバチ」かもしれません。
チャイロスズメバチは、体長17~27mm程度とスズメバチのなかでは比較的小型なサイズをもった蜂です。その名の通り濃い茶色の身体をしていて、明るい場所では暗めの赤色のようにも見えます。そのため、「赤い蜂」として目に映ることも多いです。
チャイロスズメバチは寒い地域に住む種であり、日本では中部地方より北のエリアに生息しています。生息数自体はスズメバチのなかではあまり多くはないため、見かける機会は少ないかもしれません。
性格は攻撃的で、針の毒性も非常に強いとされています。とりわけ刺した場所に痛みを発生させるセロトニンという成分が多く含まれているため、場合によってはオオスズメバチ以上に強く痛むともいわれています。
チャイロスズメバチは巣に近づく者に対して群れで襲い掛かるため、赤い蜂を見かけたら速やかにその場を離れるようにしましょう。
他の蜂の巣を乗っ取る蜂
チャイロスズメバチには、ほかの蜂とは異なる特殊な習性があります。
なんとこの蜂は、ほかのスズメバチの巣を乗っ取ってしまう習性をもっているのです。
標的となるのはキイロスズメバチやモンスズメバチといった中型のスズメバチです。
春先の巣がまだ作りかけの時期に、チャイロスズメバチの女王は単独でターゲットの巣に乗り込みます。そこで女王同士が1対1の決闘を行い、チャイロスズメバチの女王が勝利すると、巣と働き蜂を丸ごと自分のものにしてしまうのです。
乗っ取った巣ではチャイロスズメバチの働き蜂も生まれるようになるため、チャイロスズメバチの巣は黄色い蜂と赤い蜂が混ざった独特な状態となります。やがて乗っ取られた側の働き蜂が寿命を迎えることで、巣の中身はしだいにチャイロスズメバチに統一されていくわけです。
スズメバチを狩るスズメバチという特性から、この蜂はスズメバチのなかでも珍しい「対スズメバチ戦闘」に特化した能力をもっています。オオスズメバチのアゴすら跳ね除ける頑丈な外皮に加え、前述した強力な毒針も、敵の女王を確実に仕留めるためのものなのです。
この巣を乗っ取るチャイロスズメバチの習性は、我々人間にとっても他人事ではありません。上で説明した通り、乗っ取りの標的となるのはキイロスズメバチやモンスズメバチです。これらの蜂に共通する特徴として、都市部や民家の軒先に巣を作りやすいという点があります。
つまり、その巣を乗っ取るチャイロスズメバチもまた、人間の生活圏に出没しやすいということなのです。
その他赤く見える蜂の種類
赤い蜂の代表例としてチャイロスズメバチについてご紹介しましたが、この蜂は生息する地域があまり広くなく、日本では中部地方より北が主な生息地です。もしも中部地方より南の暖かい地域で赤い蜂を見かけたら、チャイロスズメバチ以外の蜂かもしれません。
たとえば、同じスズメバチの仲間のオオスズメバチやコガタスズメバチの体色は、派手なオレンジ色です。これらの蜂は、光の加減次第で赤い蜂に見えることがあります。赤く見える蜂のなかには危険な毒をもった種類もいるため、安全のためにも見分ける方法を確認しておきましょう。
赤い蜂の見分け方
種類 | 見分け方 |
チャイロスズメバチ | 赤茶色の体色、腹の部分は黒く柄がない |
オオスズメバチ | オレンジ色の体色、非常に大型でまっすぐに素直に飛ぶ |
コガタスズメバチ | オレンジ色の体色、作りかけの巣はフラスコのような形 |
アシナガバチ | 全体的に細い体つき、フラフラと左右に揺れながら飛ぶ |
ミツバチ | 花粉の色によって赤く見えることも。小指の先ほどのサイズ |
このなかでとくに危険なのはオオスズメバチです。非常にどう猛な性格に加えて人間の命すら奪うことのある毒針をもっているため、見かけたらすぐにその場を離れましょう。
赤い蜂を見かけたらどうすれば……。見かけたときの対処法
人を襲うこともある危険な種類も多い、赤い蜂。家の周囲で飛び回っているのを見かけてしまったときは、どうすればよいのでしょうか。赤い蜂と遭遇した場合の対処法を以下にまとめておきます。
スズメバチは早目に駆除
スズメバチを放置しておくのは非常に危険です。比較的おとなしい種類のスズメバチでも、なにかの拍子に攻撃のスイッチが入ってしまい、襲われてしまうといったケースは珍しくありません。そのため、赤い蜂がスズメバチだった場合はできるだけ早く駆除すべきでしょう。
赤い蜂が1匹で家のなかに入ってきた場合は、殺虫剤で駆除します。一般的な家庭用殺虫スプレーなら、殺虫成分がスズメバチにも有効にはたらきます。スズメバチはもともと殺虫剤に弱い生き物なので、数秒吹きかければ退治可能です。
また、春先などスズメバチの巣がまだ作りかけの時期であれば、戦闘要員となる働き蜂の数が少ないため、比較的安全に駆除できます。長袖長ズボンを重ね着して、素肌が露出しないよう気を付けながら遠距離から殺虫剤を吹きかけましょう。
より詳細なスズメバチの駆除方法については、「ススズメバチ駆除が自力でも安全にできる!蜂に遭遇することなく巣を壊滅できる方法」という記事でご紹介しているので、ぜひ参考にしてみてください。
赤い蜂に巣を作られないためには
チャイロスズメバチをはじめとした赤い蜂に巣を作られないようにするには、まず蜂が寄ってこない環境づくりが重要です。
どんなに大きな巣も、最初はかならず1匹の女王蜂から始まります。巣作りの時期に家の周りから蜂を追い出すことができれば、巣を作られる可能性をぐっと下げられます。具体的な方法としては、蜂は嗅覚が発達しているため、刺激の強い匂いを活用してみましょう。
たとえばホームセンターなどで虫よけ用途として入手できる「木酢液(もくさくえき)」は、炭づくりの際に出る木のエキスを集めたものです。強い煙の匂いを放つため、本能的に火を怖がる蜂たちは木酢液の撒かれた場所を避けるとされています。
また、清涼感のある匂いをもったハッカ油も、蜂にとっては強い刺激臭です。ハッカ油を水に溶いたスプレーを定期的に吹き付けておくと、蜂や蜂のエサとなる虫を寄せ付けない効果が期待できます。
まとめ
独特の体色をもった赤い蜂は、チャイロスズメバチやオオスズメバチといった危険な種類である可能性があります。見かけたときは不用意に刺激せず、ゆっくりと距離をとって対策を考えましょう。
単独のスズメバチや作りかけの巣なら個人でも駆除は可能ですが、問題は大きな巣が出来上がってしまった後です。スズメバチは種類によっては数百匹にもなる群れで生活しているため、うかつに手を出せば大量のスズメバチから一斉に反撃を受けかねません。
チャイロスズメバチは、乗っ取り先の蜂と同じ場所に住み着く都合上、民家の周辺にも出現する可能性があります。お住まいの安全を確保するためにも、もしも赤い蜂が巣を作っていたら、迷わず蜂駆除業者に相談してください。
蜂の巣駆除は1匹でも取り逃がせば反撃の危険性が跳ね上がります。確かな技術をもったプロに依頼して、安全かつ確実な駆除をおこなうのが最善といえるでしょう。
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