夏が近づいてくるとちらほら見かけるようになる蜂。蜂と一口にいってもさまざまな種類がおり、それぞれ特徴や危険性も異なります。中でもミツバチは温厚かつ、ハチミツなどを生産することから益虫としても親しまれています。
そんなミツバチにも、天敵はいます。その天敵こそが、『スズメバチ』です。同じハチ目の昆虫ですが、この2種は敵対関係にあるのです。基本的には小柄で針も小さいミツバチは大きなスズメバチにかなわず、ときには数匹に巣を壊滅させられてしまうことも……。
しかし、ミツバチにも対抗する方法はあります。ここでは、そんなミツバチとスズメバチの特徴や関係性、またその違いや興味深い争い方について、詳しく解説していきます。
目次
ミツバチの天敵はスズメバチ! そんなスズメバチにも天敵が……
攻撃性も高くなく、かつ私たちに利益ももたらしてくれるミツバチ。そんなミツバチの生活をおびやかす存在がいます。その存在こそが、『スズメバチ』です。
昆虫界でもかなり強い部類に位置するスズメバチは、ミツバチにとっても天敵です。しかし、同じ蜂だというのにスズメバチはなぜミツバチをおそうのでしょうか。
ミツバチもスズメバチのエサとなっている
スズメバチがミツバチをおそう理由は、多くのスズメバチがミツバチをエサとして利用しているからです。非常に強く、多くの昆虫を攻撃しているスズメバチにとっては、ミツバチもその例外ではありません。
スズメバチはたおしたミツバチを巣に持ち帰り、幼虫のエサにしてしまうのです。成虫は固体を消化できないために代わりに幼虫から分泌液をもらい、栄養補給をしています。
中にはミツバチをおそわないスズメバチも存在しますが、日本でも代表的な種であるオオスズメバチやキイロスズメバチなどはミツバチをおそいます。自分より弱く、大量にいるミツバチは、スズメバチにとって格好の獲物といえるでしょう。
ミツバチはそれほど強くない
小柄なミツバチは、その見た目通りそれほど強いとはいえない昆虫です。毒針こそ持っていますがその針の長さも短く、毒性もスズメバチなどと比べると弱め。このような状況でスズメバチとたたかってしまっては、もう結果は見えています。
そのためスズメバチは、いきなり大群でミツバチをおそう、ということはあまりありません。数匹~数十匹でも、ミツバチの巣に大きなダメージを与えてしまうのです。
そんなスズメバチにも天敵はいる
とはいえ、そんなスズメバチにも天敵はいます。スズメバチよりも大型の生物である鳥などには捕食されてしまいますし、カマキリやクモなどの強い昆虫には負けてしまうこともあります。
また、普段捕食しているミツバチも、ときとしてスズメバチを撃退することがあります。弱いミツバチも、ただただ毎回やられているばかりではありません。いざというときは、ミツバチの群れの力を活かした攻撃・『熱殺蜂球』を使うのです。
小柄なミツバチが天敵スズメバチをたおす!『熱殺蜂球』について
ただたたかうだけでは、ミツバチはスズメバチにかないません。そこでミツバチは、群れの力を活かしてスズメバチをたおす技を身につけたのです。
その技は、ミツバチの中でも『ニホンミツバチ』が使います。これは長くスズメバチと争ってきた中でミツバチが得た、対抗策といえます。
『熱殺蜂球』とは?
熱殺蜂球とは、ミツバチがいっせいにスズメバチにとびかかり、ひとつの球状になる攻撃です。このときのミツバチは、何もみんなでいっせいに毒針を刺して攻撃しているわけではありません。この攻撃の意味は、『熱殺蜂球』という言葉が物語っています。
球状となったミツバチの群れ。その内部、つまりスズメバチが捕まっている部分の温度は、なんと最高48度程まで上がります。多くのスズメバチは約45度以上の温度に長時間耐えられないことが多いため、蜂球中、または蜂球が終わってからしばらくすると死んでしまうのです。
まさしく熱で殺す蜂の球、という名の通りの技ですが、この熱によってダメージを受けるのは敵のスズメバチだけではありません。ミツバチ自身も、この熱で大きなダメージを受けてしまうのです。
熱殺蜂球のリスク
熱殺蜂球は対スズメバチに非常に効果的な技ですが、この技によってミツバチ自身も死んでしまうこともあります。はじめの方に飛びついたミツバチがスズメバチに殺されてしまうのはもちろん、蜂球内部の熱で死んでしまう可能性もゼロではないのです。
ミツバチは基本的に約49~50度までの熱には耐えられるといわれていますが、それでも高温によるダメージは残ります。近年の研究では、より温度の上昇する蜂球の中心部に近いほど、ミツバチの寿命も縮まりやすいことがわかりました。
また、1度蜂球を経験したミツバチが優先的に次回の熱殺蜂球にも参加し、今度は中心に近い部分を担当しているともいわれています。簡単にいえば、寿命の短い蜂から優先的に蜂球に参加する、ということです。
これは巣全体の蜂の量をできるだけ減らさないための策とされており、ミツバチという種の生存戦略がうかがえます。
蜂の種類ごとに見る特徴と危険性
多くの蜂は、人間に攻撃することがあります。そのため、すべての蜂に対しておそろしいイメージを持っている方も多いのではないでしょうか。とはいっても、蜂によっては温厚で、刺激しなければめったにおそってこない種も存在するのです。
ここでは蜂の種類ごとの特徴と、その危険性について解説していきます。まずは、それぞれの蜂について詳しく知っておきましょう。
危険な蜂
ここでご紹介する蜂は、攻撃性や毒性の強い蜂です。日ごろから、十分注意しておくようにしましょう。
スズメバチ
スズメバチは、『危険な蜂』を代表するといっても過言ではない種です。スズメバチの中にもさまざまな種類がおり、中でもオオスズメバチやキイロスズメバチは攻撃性と毒性が強いことで知られています。
大型のものも多く、世界中で被害を出すスズメバチのおそろしさは、集団でおそってくる点にあります。毒針から噴き出すように発射する毒の霧で仲間を呼び寄せ、集団で攻撃するのです。スズメバチにおそわれないためには、巣や蜂そのものに近づかないのはもちろん、見つけてもさわがず、静かにその場を離れていくようにしなければなりません。
そんなスズメバチの詳しい生態や種類については、『スズメバチの生態とは?その一生や種類、対策までわかりやすく解説!』でも解説しています。興味のある方はぜひご覧ください。
アシナガバチ
だらりと垂らした足が特徴的なアシナガバチですが、この蜂も非常に危険です。スズメバチに比べて攻撃性はやや控えめですが、その毒性は非常に強いといわれています。
動きや攻撃性こそスズメバチに劣るとはいえ、刺激してしまうとその強力な毒針でおそってきます。アシナガバチの場合もスズメバチ同様、刺激しないよう行動しましょう。
比較的安全な蜂
ここでご紹介する蜂は、比較的安全性の高い蜂です。とはいっても危険性がないということではないため、注意は忘れないようにしましょう。
ミツバチ
日本では主に2種(ニホンミツバチ・セイヨウミツバチ)が生息している、小柄な蜂です。比較的温厚な蜂で、巣を無理に刺激されたり身に危険が迫る状況でなければ、向こうからおそってくることはほとんどないでしょう。
そんなミツバチは、ハチミツを生産する習性や花粉を運んでくれる習性から、さまざまな点で益虫として扱われています。とはいってもミツバチの針の毒性は意外と強いため、油断してはいけません。
また、時期や状況(寒い時期や女王が死んでしまった場合など)によっては気が立っていることもあるため、注意が必要です。温厚とはいえ、安易に近づくことはやめておきましょう。
クマバチ
その大きなその見た目から凶暴だと思われがちなクマバチですが、その性格は非常に温厚です。無理に捕まえたりしなければおそってくることもないでしょう。
毒性も弱く、かつ人間にもほとんど興味がないため、危険性はかなり低めです。何もしなければ基本的には大丈夫ですが、過度に接触すると攻撃されてしまうこともあるため注意はしておきましょう。
駆除したい場合はどうすれば?蜂種・状況によって異なる対処方法
そんなミツバチもスズメバチも、生活圏の近くにいれば、その危険性についてどうしても考えなくてはいけません。特に蜂の巣が家屋にある場合などは非常に危険で、いつ巣を刺激しておそわれてしまうかわからない状況にあります。
また、近くにミツバチしかいない場合も注意が必要です。ミツバチ自体は比較的温厚な蜂ですが、巣を刺激すればおそわれてしまいますし、そのミツバチをエサにしているスズメバチや他害虫が飛来してしまうこともあるのです。
「巣が近くにあってこわい」、「家の近くを蜂が飛んでいて不安」という方は、蜂駆除をするようにしましょう。
ミツバチは養蜂場や自治体が引き取ってくれることも
ミツバチの巣が近くにある場合、駆除しなくとも連絡すれば引き取ってもらえることもあります。
ミツバチは扱い方さえ間違えなければ益虫として私たちに大きな利益をもたらしてくれるため、駆除するべきではないという声もあります。そのため、悩んでいる場合は近くの養蜂場や自治体の相談窓口などに相談してみるのもよいでしょう。
スズメバチは駆除しなくてもよい場合も?
ミツバチを育てている方はもちろん、それ以外の人間にとっても危険なスズメバチ。とはいってもスズメバチにも益虫としての側面はあります。
畑などにわく害虫をエサとしてどんどん食べてくれるため、農作業をしている方にとっては非常にありがたい存在といえるでしょう。スズメバチが完全にいなくなればそのほかの害虫が増えてしまい、かえって私たちの生活に悪影響が出るのではないか、という声が上がるほどです。
もしも飼っているミツバチをおそわれたくないのであれば、巣箱に侵入対策をほどこす方法が有効です。この際、できるだけ固い素材で守るようにしておくと、より安心ですよ。
まとめ
蜂にもさまざまな種が存在しますが、中でも代表的な種は『ミツバチ』と『スズメバチ』です。この2種は同じ蜂の仲間ですが、自然の中では争いあう関係性となっています。
普段はやられてしまうミツバチも、ときとして『熱殺蜂球』という技でスズメバチを撃退することもあります。このユニークな技は、長くスズメバチとたたかってきた中でニホンミツバチが得た、捨て身の対抗策なのです。
益虫として私たちと共存してきたミツバチですが、かといって家屋などに巣を作られてしまっては見過ごすわけにもいきません。また、これがスズメバチの巣ともなるとより大変です。蜂がこわい、駆除してほしいという方は、まずは駆除業者に点検や見積もりをお願いしてみてはいかがでしょうか。
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