基礎断熱で起こるカビやシロアリトラブルは床下換気で対策しましょう

2021.4.30

基礎断熱で起こるカビやシロアリトラブルは床下換気で対策しましょう

天気予報に雪マークがつくことも珍しくない、寒さの厳しい季節となりました。厳しい冷え込みに毎日悩まされている方は多いことでしょう。

とくに1階部分の床から伝わるひんやり感が、冬の寒さをより厳しく感じさせます。1度伝わってしまったひんやり感は、エアコンをつけてしばらくしても体内に残っている感じがして、ぞくぞくしてしまいます。

そんな嫌なひんやり感。基礎断熱でなくすことが可能かもしれません。「基礎断熱って何?」と思う方も多いと思いますが、今回のコラムでは、基礎断熱について、そして基礎断熱とセットで行うと便利な床下換気の方法について紹介していきます。

基礎断熱とは

基礎断熱とは、床下に断熱材を使わずに基礎となるコンクリートを断熱材でおおう工法のことです。

一般的に基礎断熱は、床下換気口を設けません。

コンクリートをおおうと、コンクリートに外部の温度が伝わりにくくなるので床下が暖かくなります。外国で生まれた比較的新しい工法で、床断熱に替わる技術として使われています。

国内ではまず寒冷地である北海道の住宅で検証され、昭和50年代に確率しました。とくに冬の寒さが厳しい地域では取り入れている住宅も多いことでしょう。

もしかしたらあなたのご自宅にも基礎断熱が施されているかもしれません。

      基礎断熱とは

基礎断熱を行うメリット

では、基礎断熱を行うメリットとはどのようなことになるのでしょうか。これからメリットをいくつか紹介していきます。

【外気の気温を穏和してくれる】

基礎断熱工法が施された場合、1階の床下の温度は、室内よりもわずか1~2度低くなる程度になります。

そのため、冬場に感じる床下から伝わる厳しい冷たさを緩和してくれますので、冬場の寒さの悩みも軽減されることでしょう。

【夏は涼しく、冬は暖かい】

夏場はコンクリートが熱を吸収してくれるため、ひんやりします。冬場は、基礎やコンクリートが室温や地熱の蓄熱層としての役割が果たされるため、床下が暖かくなります。夏は涼しくて冬は暖かいという、まさに理想的な環境になります。

【省エネができる】

先述の通り、基礎と土間のコンクリート部分を室温や地熱の蓄熱層として使えます。そのため省エネもできるので家計も助かりますし、地球にも優しいです。

【床下結露や木材の腐敗を防止する】

一般的な基礎断熱は床下換気口がないので外から湿気が入ってきません。そのため、床下の結露や木材の腐敗を防止してくれます。

このように、基礎断熱には様々なメリットがあります。しかしメリットがあるということは同時にデメリットもあるのでは?と考える方もいることでしょう。次に、基礎断熱の注意点をあげていきます。

基礎断熱の注意点

ここでは基礎断熱の注意点を紹介しますので、参考にしてみてください。

【湿気が広がる】

基礎断熱は、床下結露や木材腐朽を防止してくれますが、基礎コンクリートの水分が抜けて乾くまで半年~2年ほどかかるといわれております。その間はコンクリートの湿気が放散してしまいます。

湿気の放散により結露が発生し、カビやシロアリが出てきてしまうリスクが発生しますので、対策が必要です。とくにシロアリが発生してしまうと、家屋崩壊の危機も発生するため、早急な対応が必要となります。

結露が発生しないためにも、基礎断熱は床下換気を施工後に行うことが大切ですので、後ほど床下換気の方法について紹介します。

【光熱費がかかる】

室内と床下の空気が循環するので、冷暖房が必要なスペースが増え、そのぶん光熱費がかかってしまいます。 光熱費をおさえたい方は注意する必要があります。

      基礎断熱の注意点

床下換気などで対策

床下に湿気が広がってしまうと、結露が発生します。結露は、カビやシロアリ発生の原因を作ってしまいますので、湿気の対策をすることが必要となります。

湿気対策には換気が有効です。湿気に強い基礎断熱は床下換気口を付けることによって実現が可能になります。ただし、換気してしまうと基礎断熱の効果が減少してしまうので、湿気が多い夏のみ換気するのが基本です。

【ソーラーファンを設置する】

ソーラーファンは湿った空気を取り込まない構造となっているので、雨の日は動かずに晴れた日にのみ稼働します。ソーラー発電は電気代がかからないので、お財布にも地球にも優しいシステムとなっています。日当たりのよい場所に取り付ける必要がありますが、こちらは専門の業者が設置を行います。

【ツインファンを設置する】

ソーラーファンを取り付けたくても、設置場所がなかったり、もしくは日当たりが悪い場所しか場所がなかったりする場合もあるでしょう。こういった場合はツインファン(床下換気扇)を設置します。ツインファンは、基礎の通気口に取り付けるかたちとなります。

【床下拡散ファンも併用するとよい】

床下拡散ファンとは、ソーラーファンやツインファンでは風を通せないような、死角となっている場所にも風を通してくれるファンです。隅々まで空気が流れるので、床下換気の手助けに大いに役に立ちます。ソーラーファンかツインファンを使う場合は、床下拡散ファンも併用するとより効果が期待できることでしょう。

【ツインファンにはスピラシートを】

スピラシート(床下調湿材)は天然の鉱物より生まれたもので、床下に広がる湿気を減らしてくれます。マット内部にあるセピオライト(天然鉱石)が、床下を乾燥した状態にしてくれます。ツインファンと併用することで、より効果が発揮できますので、ツインファンを使うようでしたらスピラシートも使ってみるとよいでしょう。

【床下に炭を敷く方法】

炭は湿気を取ってくれるので、低コストで手軽に湿気対策をしたい場合や、突然ファンを購入することに抵抗がある方は、まずは床下に炭を置いてみてもよいかもしれません。

      床下換気などで対策

まとめ

いかがでしたでしょうか。このように床下が暖かくなる基礎断熱は、寒い冬にこそもって来いの工法となっています。しかし基礎断熱を行えば、同時に床下換気も必要となってきます。

どのような工法でも、メリットと同時にデメリットが生じるものです。何より基礎断熱は、寒い冬には家の中が暖かくなり、夏の暑さ対策までできる便利なものなので、冬の毎日の寒さや夏の暑さが悩みの種となっているようでしたら、この機会に基礎断熱を検討してみてはいかがでしょうか。

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