ペットの遺骨にカビが…今日からできる骨壺のカビ対策をご紹介します

2021.4.30

ペットの遺骨にカビが…今日からできる骨壺のカビ対策をご紹介します

大切なペットが亡くなってしまった際、火葬後に遺骨を引き取ってお手元に保管しておくという方も少なくありません。ペットの遺骨をずっとそばに置いておきたいという方だけでなく、四十九日が過ぎてからペット霊園に埋葬することをお考えの方もいらっしゃることでしょう。

このとき、遺骨の保管には気を付けておかなければならないことがあります。意外と見落とされがちですが、ペットの遺骨にはカビが生えてしまう可能性があるためです。

埋葬の際に骨壺を開けてみたら、中身がカビでびっしりだった……というような事態をふせぐためにも、骨壺で遺骨を保管する際はしっかりとカビ対策をおこないましょう。

意外な盲点。「骨」にもカビが生えることがあります

化石がそうであるように、本来「骨」は長い期間を経ても変質しづらいものです。火葬した遺骨はまず腐ることはありませんし、骨壺のなかに安置しておけば数十年以上同じ状態を保ち続けます。

そのため骨壺のなかに保管しておけば何も問題はおこらない、とお考えの方も多いのではないでしょうか。しかし、骨壺の中にペットの遺骨を保管していても夏場や梅雨など湿度の高い時期は骨にもカビが生えてしまうことがあるのです。

大切にしていたペットの遺骨がカビで汚れてしまうのはとても悲しいことですし、発生したカビが今度は飼い主の健康を害する可能性もあります。遺骨におこる意外なトラブルをふせぐためにも、ペットの遺骨にカビが生えてしまう原因を確認しておきましょう。

      意外な盲点。「骨」にもカビが生えることがあります

カビの原因は「湿気」。骨壺は隙間のできやすい構造です

カビが生える最大の原因は水分、つまり「湿気」です。高温で焼かれた骨には本来水分がほとんど存在しませんが、空気中に湿気が多いと、カビが生えてしまうかもしれません。

800~1,000℃にもなる火葬炉で焼かれた骨は、表面にごく小さな無数の穴が空いた「多孔質」と呼ばれる状態になります。似た例では、木炭をイメージするとわかりやすいかもしれません。

木炭は燃料だけでなく、微細な穴に水分をキャッチする吸湿剤としても使われますよね?同じように、骨も表面に開いた無数の穴に空気中の水分を吸着する、天然の吸湿剤になってしまうのです。

骨が湿気を吸着すると、さらに空気中のほこりや手で触れた際に付着した皮脂などを栄養源として、カビが発生する可能性があります。表面に無数の穴が開いている骨は、湿気さえあればカビにとってはむしろ繁殖しやすい環境でもあるのです。

骨壺は密閉容器ではありません

骨壺のなかに保管しておけばそうそう湿気やほこりが遺骨に付着することはないと思いがちですが、骨壺を置いている環境によっては内部に湿気がこもってしまうことがあります。

一般的な陶器製の骨壺のほとんどは、完全に気密が保たれているわけではありません。蓋を閉めてもごくわずかな隙間ができてしまい、そこから空気や湿気が入り込んでしまうのです。

ペットの遺骨に付くカビは大繁殖することこそ少ないものの、何度も骨壺を開け閉めしたり、遺骨を直接手にとったりしていた場合はカビの増える可能性も高まります。水分や皮脂が付着しないよう、遺骨の保管には注意を払っておきましょう。

必要なものは2つだけ。ペットの遺骨のカビ対策

ペットの遺骨を汚すカビはできる限り発生させないようにしたいところ。そこで、今日からすぐにできる骨壺のカビ対策をご紹介します。

カビ対策において重要なのは、「湿気を除去すること」と「湿気を入れないようにすること」です。この2つのポイントに着目して、ペットの遺骨のカビをふせぐ対策グッズを揃えましょう。

用意しておくべきものは、「吸湿剤」と「テープ」の2つです。

骨壺に入った遺骨をカビから守るアイテム

吸湿剤(乾燥剤)

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吸湿剤は読んで字のごとく湿気を吸着する薬剤です。乾燥剤ともよばれています。遺骨は湿気を吸着しやすい性質をもっていますが、骨壺内にこもった湿気が骨に吸着される前に吸湿剤で吸い取ってしまえばカビを生えにくくすることができます。

吸湿剤を利用する場合、骨壺から一度遺骨を取り出して、遺骨の下に吸湿剤を敷くようにしましょう。湿気は下の方に溜まる性質があるためです。

遺骨を取り出すことが難しい場合は、骨壺の蓋の裏に吸湿剤を貼り付けることも有効です。湿気は蓋の周囲の隙間から入り込んでくるので、遺骨に湿気が触れる前に吸湿剤でキャッチしてしまいましょう。

テープ

一口にテープといっても種類はさまざまですが、コンビニや文具店に売っている一般的なセロハンテープから、DIY用のマスキングテープ、ガムテープなどテープなら大抵のものが使えます。

使い方は簡単で、蓋の容器と触れる部分にぐるりと一周巻きつけておくだけです。テープの柔らかさと適度な厚みによって、蓋と容器を密着させて空気や湿気の侵入をふせぐことができます。パッキンの代わりにする、というとイメージしやすいかもしれません。

骨壺に入った遺骨をカビから守るアイテム 

以上が今すぐ簡単にできる骨壺の湿気対策ですが、もうひと手間かけることでさらにカビの発生をふせぐ方法もあります。

遺骨を真空パックする

食品の保存用に使われている真空パックで遺骨を封印してしまうことで、より確実に湿気が遺骨に触れることを予防できます。遺骨を保管するためとはいえ真空パックしてしまうことに抵抗をおぼえるかもしれませんが、手段のひとつとしておすすめです。

気密性の高い骨壺を選ぶ

骨壺のなかには、蓋にパッキンがついていて高い気密性をもったものがあります。テープをパッキンの代用にする方法はお手軽ですが、見た目が気になるという場合はより高機能な骨壺に買い替えるのもよいかもしれません。

骨壺を置く場所も重要です。遺骨の保管場所について

ここまでご紹介してきたのは、ペットの遺骨にカビが生えるのをふせぐために、骨壺の「中」の環境を改善する方法です。より万全にカビ対策をおこなうなら、骨壺の「外」にも目を向けてみましょう。骨壺を保管しておく場所についてです。

骨壺の保管に適した場所

・風通しの良い場所
骨壺に湿気が入らないようにするには、骨壺自体の気密性はもちろんのこと、骨壺の周囲に湿気がこもらないようにすることも重要となります。たとえば押し入れやクローゼット、タンスのなかなどはあまり風通しがよくないため、骨壺の保管場所には適していません。

収納のなかにしまっておくのではなく、棚やお仏壇の上のように常に新しい空気に触れるような場所に保管しておくのがよいでしょう。同じ理由で、部屋自体の換気も大切です。締め切った客間など換気の頻度の低い部屋に置いておくのは避けておいたほうが無難といえます。

・温度変化の少ない場所
気温の上下が激しい場所に骨壺を置いておくこともおすすめできません。たとえば骨壺が極端に冷えると、表面が結露で濡れてしまうことがあります。直射日光の当たる場所では骨壺が暖められ、陶器や骨に含まれるわずかな水分が蒸発し、表面に浮いてきてしまいます。

できるだけリビングや寝室のような、空調設備で温度が一定に保たれている場所に骨壺を置いておくと、温度変化によるカビの発生を予防することができます。

それでもカビが生えてしまったときは……

前項まででご紹介したカビ対策を実施してもカビをふせげなかったとき、あるいはすでにペットの遺骨にカビが生えてしまっているとき、遺骨をきれいな状態に戻すにはどうしたらよいのでしょうか。

まず、自力でどうにかすることはあまりおすすめできません。カビは骨表面の微細な穴にしっかりと根を張っているため、研磨剤などで磨かないと取り除くことは難しいとされています。

しかし、火葬済の遺骨はもろく崩れやすいため、うかつに磨けば遺骨自体を破損してしまうことになりかねません。遺骨を傷付けずにカビを除去する方法としては、以下の2つが挙げられます。

・天日干しをする
よく晴れた日に、ブルーシートなどの上に遺骨を広げて、数時間程度天日干しをしましょう。カビは日光に弱いので、わずかに生えた程度のカビであれば日光消毒で繁殖を抑えることができます。

また天日干しは遺骨の吸着した湿気を追い出す効果もあるため、カビが生えていなくても湿気が気になるときは定期的に天日干しをしておくのがおすすめです。

・再火葬をおこなう
遺骨をもう一度火葬することで、強固に根付いてしまったカビも焼き飛ばして除去できます。ペット火葬業者によってはカビ除去のための再火葬を請け負ってくれることがあるため、一度相談してみるのがよいかもしれません。

      それでもカビが生えてしまったときは……

まとめ

ペットの遺骨にカビが生える原因は、遺骨を保管している骨壺にこもりがちな湿気です。遺骨に生えるカビをふせぐには、骨壺のなかに乾燥剤を入れたり、蓋と容器の隙間をふさいだりするといった対策が必要になります。

また、骨壺を置いておく部屋や場所によっては湿度や温度変化がカビの原因となることもあるため、できるだけ風通しがよく急激な温度変化のおこらない場所を選ぶようにしましょう。

生えてしまったカビは、軽度なものであれば天日干しをすることである程度取り除けます。カビがひどい場合は、火葬業者にカビを焼き飛ばしてもらうことも検討してみてください。

大切なペットの遺骨をきれいなまま保つためにも、カビ対策には入念な注意をはらいましょう。

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