
みなさんは病気にかかったとき、どのように対処していますか?病院に行って治療してもらったり、薬をもらって治したりしていると思います。芝生も同じで、人間のように病気にかかってしまいます。
芝生の病気は、しっかり手入れをしていれば、気付けるものです。しかし、手入れしていても芝生の病気に関して知識がなければ、気付くことができないこともあります。また、どのように対処してよいのかわからず、そのまま放っておいてしまいがちです。
そこで芝生の健康を保つためにも、今回は芝生の病気と対処方法について見ていきましょう。少しでも早く対処できることで、芝生の健康を守ることにつながり、いつまでもきれいな緑の芝生を保つことができるでしょう。
目次
芝生がかかる主な病気
上記でも述べているように、芝生も人間と同じように病気にかかります。栄養バランス、環境が悪くなると芝生は病気にかかってしまうのです。では芝生のかかる病気とは、どのようなものがあるのでしょうか。
さび病
葉に鉄さびのような黄色い粉状のものが付着する病気です。このさび病にはいくつかの種類があります。代表的な「黄さび」「黒さび」「冠さび」「葉さび」の種類にわけられます。
日本の芝に多くみられる病気になり、夏のはじめや秋ごろに発生しやすいです。深刻な病気ではありませんが、放置しているといずれ枯れ死する場合もあります。
ピシウム病害
クモの巣のような白いもやもやした糸が張る病気です。白いもやもやした糸はピシウム菌の菌糸で、夜間の湿度が高い日の翌朝に突然発症します。日本芝、西洋芝ともに現れる病気で、不定形の退色部分が現れて枯れ死してしまうでしょう。
ピシウム菌には150種類以上の種類があり、その中の30~40種類以上は病原性を持っています。ピシウム菌の中からよく見かける2種類の症状について見ていきましょう。
【赤焼病】あかやけびょう
ピシウム菌が病原体の病気です。台風がきたときや、25度以上の熱帯夜が続いた後の降雨など、高温多湿といった状況の条件がそろったときに発生します。一旦発症してしまうと1日~2日で芝が全滅してしまうでしょう。
【雪腐病】ゆきぐされびょう
ピシウム菌やほかの病原体が原因でおこる病気です。積雪下で病原菌が繁殖し、葉や茎が侵されて熱湯をかけたように水浸状になって腐ってしまいます。症状は薄い黄色から灰色がかった茶色の芝が円形になって現れるようです。
東北など寒い地域によくみられる病気で、芝がこの病気にかかった場合は、灰白色の菌糸のものがマット状になって現れることもあります。
芝生の病気の対処方法
芝生の病気にはいろんな種類があります。ちなみにゴルフ場ではこういった病気にかかった芝生に対して、大型の送風機を使って加湿を防ぎ、ピシウム菌の増殖を防いでいるようです。
しかし、庭の芝が病気にかかっても、ゴルフ場のように大型の送風機を用意し対処するのは難しいでしょう。
そこで、ご家庭でも対処できる芝生の病気の対処方法をご紹介します。殺菌剤を使いピシウム病害である、赤焼病や雪腐病から守ることができるのです。ピシウム病害などに効果的な殺菌剤は以下のものがあります。
ピシウム菌に有効な効果がある薬剤です。菌を死滅させることや、菌の繁殖を防ぐことができます。
また、耐雨性に残効性もあるため、雨が降っても薬剤の効果が消えることはありません。ピシウム菌に有効な薬剤を紹介しましたが、薬剤は種類が豊富です。どの薬なら効果があるのか迷ってしまう方もいるのではないでしょうか?
そんな方にオススメしたい使い方は、複数の薬剤に切り替えて使っていく方法です。同じ薬剤を使用し続けると芝生に耐性がついてしまい、効果があまり期待できなくなってしまいます。そのため、効果の違う薬剤を使い分けていくことが病気を防ぐポイントとなるでしょう。また、芝生の病気にあわせた治療法で治していくことも大切です。
芝生の不調は害虫の可能性も
芝生の病気にかかる原因はほかにもあります。芝生は自然のものですから、切っても切り離せないものが害虫です。そんな芝生を狙う害虫はたくさんいます。今回は、三大害虫とよばれる代表的な害虫たちを見ていきましょう。
スジキリヨトウ
スジキリヨトウは蛾の仲間になり、芝生の茎、根を食害する害虫です。日中は土の中に生息していますが、夜間になると土から出てきて葉や茎を食害していきます。おもに5月~6月の梅雨明け以降に、高麗芝という日本芝や西洋芝に発生するようです。
シバツトガ
シバツトガは蛾の仲間になります。幼虫は土の中でも比較的浅い場所に、苞(つと)とよばれる巣を作りその中で過ごし、夜になると土から出てきて芝を食害していきます。食害した後や苞が芝の表面に残っているのが特徴です。
成虫は夜になると飛び回り、昼間は羽を体に巻き付けるようにして過ごしています。4月~10月ごろ、年に2、3回発生し、主にベントグラスに見られるようです。
コガネムシ類
マメコガネやスジコガネなどのコガネムシです。コガネムシの幼虫は地中で芝の根を食害します。根を食害されると芝の生育不良を起こすだけでなく、簡単に芝が抜けるようになってしまうのです。
成虫になれば土から出て、どこかへ飛び立ちます。コガネムシ類は秋に発生し、スジキリヨトウと同じように、主に高麗芝という日本芝や西洋芝に見られるようです。
芝生の病気と害虫を予防する方法
まだまだ知らない芝生の病気と予防方法についてご紹介します。
ラージパッチ(葉腐病)
湿度が高い春と秋に日本芝、西洋芝に発生し、まだらに数cm程度に芝が枯れてしまいます。大きいときは数mほど大きく枯れてしまうこともあるようです。排水がうまくいっていない土壌や、窒素が多施用している土壌で多く発生する病気となっています。
ラージパッチにかかると芝が緑からオレンジ色になるのが特徴です。また、雨の後はパッチの外周部分が赤褐色し、内部の芝は抜けてしまいます。
ラージパッチの予防
ラージパッチ対策として有効な殺菌剤を2種類紹介しますので、予防として使用してみてください。
植物の病気の予防と治療の両方の効果があります。多くの病害に効果があり、低濃度で使用することが可能です。
芝生や、球根の病気に対して消毒、殺菌の効果がある薬剤です。
ラージパッチが発症したらこれらの殺菌剤を散布する必要があります。水で薄めて均一にまきましょう。
ダラースポット
くぼんだ円形状のパッチができ、初期症状では緑がまだらになり、赤茶色に変色していきます。ダラースポットが進行すると地下部まで侵され、土が剝き出しの状態になってしまうのです。
発生時期は4月~10月の、日中の寒暖差が激しく朝露がつくようなときに発生します。
ダラースポットの症状を示す病気はいくつかあるため判断するのは難しいと思いますが、朝に雲状の糸が確認できれば判断することができるでしょう。
ダラースポットの予防
朝露を避けるため夜間の散水は避け、朝に散水するのがおすすめです。定期的に刈り込みをすることも効果的でしょう。また、窒素量をコントロールすることによって発生の予防になります。
芝をしっかりと手入れすることで、害虫の住処を減らすこともできるため、害虫対策につながるでしょう。害虫対策としていいとされている芝の手入れはサッチングとエアレーションになります。
過去記事「芝生の『サッチング』に挑戦しよう!そのやり方やコツ、注意点を解説」「芝生はエアレーションで元気に育てよう!方法や必要なものをご紹介!」にて、サッチングとエアレーションについて詳しく紹介しているので、ぜひご覧ください。
それでも害虫の被害が心配なら、害虫用の忌避剤を使うのもいいでしょう。
まとめ
芝生の病気や対処、予防法を知ることにより、芝生に対する興味を持っていただけたのならうれしいです。今回紹介したもの以外にも、芝の病気は数多くあります。
それでも芝生が病気にかかってしまい、「忙しく芝生を見ることができない」「どの病気なのかわからない」など思ったときは、一度業者に依頼してみてはいかがでしょうか?芝に適切な処置をして、また病気にかからないようなアドバイスをしてくれるでしょう。
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