エアコンの能力にはこんな意味が!ポイントを押さえたエアコン購入を

2021.4.30

エアコンの能力にはこんな意味が!ポイントを押さえたエアコン購入を

エアコンを選ぶとき、なんとなく「エアコンの大きさ」や「CMで頻繁に宣伝しているから」などの理由で選びがちな方も多いと思われます。
しかし、エアコン選びで重要なポイントの一つに「エアコンの能力」があります。エアコンのカタログを開いた際は大きさやデザイン、話題性だけではなく能力表示に着目してみましょう。
「でも、能力の見方がわからないし……」「そもそもエアコンの能力にはどのような意味があるの?」という方のために、今回はエアコンの能力についてわかりやすく紹介していきます。

エアコンの能力の意味とは

エアコンの能力とは、エアコンが室温を設定された温度にするために必要とするパワーのことを指します。
エアコンの冷房・暖房それぞれの能力は「kW(キロワット)」の単位でカタログに記載されています。この単位は「冷房であればどれだけの力を発揮できるか」「暖房であればどれだけの熱を得ることができるのか」を数値化したものになります。

「kW」は電気代と勘違いされやすいため、エアコンの能力を見る際は先述したように数値を見るようにしましょう。たとえば「4.0kW」「8.8kW」など表示されているはずです。
      エアコンの能力の意味とは

冷房はすぐ効くけど暖房があまり効かない理由

「このエアコン、冷房はよく効くのに暖房の効きが悪いな……」というようなことを思ったことはないでしょうか?その原因はエアコンの能力にあります。

一例ですが、戸建て住宅でエアコンの対応畳数(何畳までの範囲で冷暖房が効くか)が冷房・暖房ともに8畳の機種があったとします。鉄筋コンクリートの住宅の場合は冷房の対応畳数が12畳なのに対し、暖房の対応畳数が10畳ということがあります。

これで、鉄筋コンクリートの住宅で冷房が12畳対応しているからといってこのエアコンを設置すると、暖房の対応畳数は10畳のため「冷房は効くのに暖房は効きにくい」という現象を起こしてしまいます。

さらに、エアコンは外気温が2度以下などの場合、普段は7kWの能力で運転できるのに5kWの能力でしか運転できないということが起こります。
これは、エアコンは外の空気から熱を取り出すことで暖かい空気を作っているため、もともとの空気が寒いと熱を取り出せる量が減るため暖房能力が落ちてしまうのです。
          冷房はすぐ効くけど暖房があまり効かない理由

同じ対応畳数のエアコンでも機種によってパワーが違うのはなぜ?

エアコンには「10畳用の2.8kW」や「14畳用の4.0kW」などさまざまなサイズがあります。ですが、同じ10畳用のエアコンであってもパワーまで同じかというとそうではありません。
それはエアコンの能力表と省エネラベルを見ることで判断することができます。

暖房が得意なエアコンの機種は、そうでない機種と比べて同じ10畳用でも暖房時のパワーが違います。暖房が得意なエアコンの機種は、暖房をする際のkWの最大値がそうでない機種よりも大きいため、快適に暖房を使うことができます。

暖房が得意なエアコンの機種は、省エネラベルの星が満点であることが多いです。「ハイパワーが出せるのだから電気代がかかってエコではないかも?」と思われるかもしれませんが、エアコンはハイパワーが出せる機種が省エネなのです。

理由は、エアコンの原理にあります。エアコンは空気中の冷気・熱気を取り込んで冷暖房を行います。省エネ性能が低いエアコンはその冷気・熱気を多く取りこぼしてしまうため十分に室内にそれらが運べないうえ、無駄にパワーを消費してしまうため電気代が高くなってしまいます。

逆に省エネの性能が高いエアコンは冷気・熱気を取りこぼさず室内に運ぶため、無駄なパワーを使うことが少なく電気代を抑えることができます。ただし、省エネタイプのエアコンは電気代を抑えることができるぶん本体自体の価格が高めなため、購入する際はそこをしっかりと考えながら購入しましょう。
      同じ対応畳数のエアコンでも機種によってパワーが違うのはなぜ?

エアコンの能力表示の見方

エアコンの能力表示を見ると、能力(kW)の下に4.0と数字が書かれ、(0.5~5.4)などと表示されている場合が多いです。
これは、4.0はエアコンの「定格出力(指定された条件下で機械類が安全に達成できる最大出力)」を表し、(0.5~5.4)は出力の「最低数値」と「最高数値」を表しています。特に(0.5~5.4)の数字に差があればあるほど能力が高いエアコンであると言われます。

また、エアコンの能力を見る際は上記の定格出力・最低数値・最大数値だけでなく「低暖房能力」の数値にも注目しましょう。この数値はエアコンの暖房能力の目安として、外気の温度とともにkWで記載がされています。この数値が高いほど、外の気温が低くてもパワーが大きいということになります。

現代の家は畳数だけでははかれないことも

いくらエアコンの能力が高いといっても、現代の家では状況によって冷暖房の効きは大きく異なります。鉄筋コンクリートの住宅の場合は冷房の対応畳数が12畳なのに対し暖房の対応畳数が10畳ということがあると先述しましたが、それも「戸建て」か「集合住宅」かによって大きく異なります。

また、そのほかにも「エアコンを設置する部屋に窓がどの方位にどれだけあるか」「庇(ひさし)はあるのかないのか」「西日は当たるのか当たらないか」「隣の建築物で空気が冷えていないか」など、さまざまな条件で冷暖房の効きは左右されます。

そのため「部屋が10畳で木造だからこのくらいの能力のエアコンでちょうどいいか」と選んでも、エアコンの効きが悪く感じたりすることもあるのです。エアコンを選ぶ際は能力を見ることも大切ですが、その能力を十分に効かせることのできる部屋かを考えながら選ぶようにしましょう。
      現代の家は畳数だけでははかれないことも

エアコンを能力から選ぶポイント

エアコンの能力:最低数値

「エアコン病」「冷房病」と呼ばれる症状を抑えるには、エアコンの『最低数値』を重視するのがよいです。エアコン病とは、外の気温が30度ほどの猛暑で室内の気温が冷房を効かせていたため非常に涼しい環境だった場合、その室内から急に外の暑い環境に出ることによって体が急激な温度差についていけずに汗をかきにくくなったり、全身がだるくなったり熱くなったりする症状です。

エアコン病は、暑い外と涼しい室内を何回も行き来することによって自律神経の乱れや体温の低下を引き起こすとされています。特に小さい子どもや、エアコンの風に弱い人は注意が必要です。

エアコン病の予防には「設定温度を高くする」「腹巻などをつけて体温の調節をする」などが挙げられます。
今の日本では夏に猛暑が続く日が多いため、設定温度を高くしてしまったことでエアコン病は防げても、熱中症になってしまう可能性があります。設定温度を高くしていたら寝ている間に熱中症になったという事例もあるため、注意が必要です。

ではどうすればちょうどよく防げるのかというと、最低数値に注目してみます。
エアコンの能力の()でくくられている部分に記載されている最低数値は、そのエアコンがどれだけ繊細な動作をできるかの判断基準になります。エアコンの風に弱い人は、より細かく温度管理ができる最低数値が小さい機種にするとエアコン病を防ぐことにも繋がるため、最低数値が小さいエアコンを選ぶのをおすすめします。

エアコンの能力:最大数値

「エアコンをつけたけれど、エアコンが効くまで待てない。どうしたら早くエアコンが効くのだろう?」という方には、エアコンの能力の()内にある『最大数値』が大きいエアコンを選ぶのをおすすめします。

最小数値に対して最大数値はエアコンのパワーを測る目安となります。エアコンは徐々に温まったり冷えたりするものが多いため、特に冬の寒い時期に「すぐにでも温まりたい!」という際には、最大数値が大きいエアコンにすると部屋があっという間に温まります。

石油ストーブと比べて温まりが遅いと思われがちなエアコンですが、最大数値の高いものを選べば部屋をすぐ暖めることもできます。「石油ストーブの方が暖かいけれど子どもがあるから危ないし……」「冬に石油ストーブを使うと便利だけれど消し忘れが怖い」という方にもおすすめです。

エアコンの能力:期間消費電力量

「電気代を極力抑えて経済的にエアコンを使いたい!」という場合は、エアコンの『期間消費電力』に注目してみましょう。
期間消費電力というのは、エアコンを1年間冷暖房で使用した際にかかる電力量の目安になります。期間消費電力はどのメーカーのエアコンでも「冷凍空調工業会規格(JRA)」で定められた計測方法で計算がされています。

2013年度のJIS規格に基づくと、算出基準は以下の通りになります。

外気温:東京都の1年間の気温の推移
設定温度:冷房27度・暖房20度
使用期間:冷房は5月23日から10月4日まで、暖房は11月8日から4月16日まで
使用時間:6時から24時までの18時間
住宅の構造:JISC9612による平均的な木造住宅(南向)
部屋の広さ:機種の推奨している部屋の広さ(10畳・12畳など)

たとえば、エアコンの期間消費電力が1,000kWの場合、電力量料金が26円だとすると単純計算で1年間の電気代は26,000円になります。これは1か月あたりだと2,170円になります。カタログには期間消費電力のほかに消費電力・エネルギー消費効率が記載されている場合があります。

消費電力

『消費電力』とは、エアコンを使う際に必要な電力の量を表しています。一般的にはW(ワット)という数値で示されていて、電力使用量の単位となるWhは消費電力(W)に時間(h)をかけたものになります。たとえばエアコンを一時間使用した際、電力使用量は200Wに1hをかけて200Whとなります。

エネルギー消費効率

エネルギー消費効率には、旧来のCOP (Coefficient of Parfofmance)とAPF(Annual Performance Factor)があります。2012年以降からはAPFが実際の数値に近いということで使用されています。

エネルギー消費効率とは、消費電力1kWあたりにおける加熱や冷却の能力を示した数値です。この数値が高いほど省エネ効果の高いエアコンとされています。一般家庭のエアコンのエネルギー消費効率は5.0の数値が平均と言われています。

前述した計算はあくまで一例のため、実際使用した場合とでは電気代が左右するためエアコンを選ぶ際は注意が必要です。
      エアコンを能力から選ぶポイント

エアコンの「低暖房能力」とは

エアコンの能力を見る時、北海道や東北地方など寒冷地でエアコンを購入する際に注目してもらいたい能力があります。それは『低暖房能力』です。低暖房能力とは、暖房能力の目安となる数値のことで、この数値が大きいほど外気温が低い寒冷地における暖房運転時のパワーが大きいエアコンであることがわかります。

エアコンは室外機に霜がついている場合、室内の暖房をいったん停止して数分霜取り運転をするため定期的に室温が下がってしまいがちです。しかし、ノンストップ暖房機能がついているエアコンであれば霜取り運転中も暖房ができます。

ノンストップ暖房機能とは、室外機についている霜を素早く検知することで、暖房運転を続けたまま冷媒をコントロールして霜を取り除くというものです。これによって室温低下が少なく快適に過ごせるほか、霜取り運転中も設定温度を高く変更する必要がないので省エネにも繋がります。
      エアコンの「低暖房能力」とは

まとめ

エアコンの能力はエアコンを選ぶうえで注目してみるポイントとなります。温暖地・寒冷地では冷暖房のどちらかを重視するかも変わるためエアコンの能力を見るときは、自分の住んでいる地域ではどのようなエアコンが合っているかの他にも、自分の住んでいる部屋の環境などさまざまな条件を考慮して選ぶようにしましょう。

自分の部屋の大きさに合わない能力の低いエアコンを購入すると、冷暖房が効きにくく常にフルパワーで運転しなくてはいけなくなってしまいます。そうすると、電気代がかかるばかりか早期の故障に繋がるため注意が必要です。

そのような場合以外にも、エアコンが不調だと思った際には、エアコン修理のプロに依頼をして点検をしてもらいましょう。ただし、エアコンの修理は部品によってはエアコンの代金よりも高くつくことがあるため注意が必要です。エアコンを故障させないためにも定期的に自分でフィルターやカバーの掃除をするなどメンテナンスを怠らないようにしましょう。

エアコン修理のプロによっては、住んでいる地域で安くなったり、逆に出張費が多くかかることがあります。依頼をする際は1つの業者に絞らずに最低3社からは見積もりとって自分の予算にあったエアコン修理のプロを選ぶようにしましょう。

エアコン修理を依頼できる業者や料金

依頼できる業者や料金について、詳しくは「生活110番」の「エアコン修理」をご覧ください。

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