
「鉄筋コンクリートの家だから、シロアリなんて怖くない……」そんな風に油断していませんか?確かに木造建築に比べればコンクリート建築はシロアリの被害を受けにくい傾向にありますが、シロアリを完全にシャットアウトできるわけではないのです。
コンクリート造りの家にもシロアリが発生したという事例は少なくありません。シロアリがコンクリートでさえもかじりついて食べてしまうのであれば、床下の地面に接する基礎部分はシロアリのエサ場になってしまいます。
本コラムでは、シロアリとコンクリートの関係性に焦点をあてて、シロアリの解説をおこないます。鉄筋コンクリートの住宅でも、シロアリ対策が必要になるかもしれません。

目次
シロアリはコンクリートにも穴をあける!
シロアリ被害に悩まされている住宅の中には、床下を完全にコンクリートで埋めていても、地面からシロアリが上ってきたという事例があります。このシロアリたちは、床下空間と地面とを隔てるコンクリートをどのようにして突破しているのでしょうか。
シロアリのおそるべき習性
結論からいえば、シロアリはその大きなアゴを使ってコンクリートに穴をあけることができてしまいます。といっても、コンクリート自体をエサにしているわけではありません。シロアリは目の前にある硬い物体をひたすらかじる習性をもっているのです。
シロアリがエサを探して地中をさまようなかで偶然コンクリートの壁に行き当たると、どんなに時間がかかってもそのまま直進しようとします。やがてシロアリはコンクリートさえも掘り抜いて、床下空間に侵入してしまうというわけですね。
シロアリのものをかじる能力はすさまじく、ある大学の研究結果では、シロアリが10cmの厚みのコンクリートを1週間かけて貫通させたという記録があるほどです。
鉄筋コンクリートの家にもシロアリのエサはある
鉄筋コンクリート製の家にはシロアリのエサがないというのは大きな間違いです。鉄筋コンクリート製の家でも床材や下地材などにはしっかり木材を使っているほか、断熱材もシロアリのエサになりえます。
たとえ大部分がコンクリートでできていても、一部に木材をつかった場所がある限り、シロアリにとっては立派な餌場なのです。
自然界ではか弱い生き物?シロアリの行動と性質
家を食べてしまうおそろしい害虫であるシロアリですが、自然界ではむしろ他の動物のエサとなるか弱い虫です。シロアリ自体には戦闘能力がほとんどないうえ、外界で暮らすには下記に紹介するようなあまりにも生き物として貧弱すぎる性質をもっています。
シロアリは日光に当たるだけで死ぬ?
シロアリは紫外線に極めて弱く、日の光に当たるだけで死んでしまうこともあります。そのため、基本的にシロアリは地中から出ることはなく、地面を離れる場合も「蟻道(ぎどう)」と呼ばれる屋根付きの通路を作ってその中を移動します。
シロアリが住み着いている以上、蟻道は必ず家の壁や床に現れます。シロアリ自体の姿を見つけられなくても、蟻道をたどることで巣の場所を特定できるかもしれない重要な手掛かりになるのです。
クロアリはシロアリの天敵
シロアリにとって、クロアリはおそるべき捕食者です。シロアリは貧弱なうえ、女王の身体は産卵のために柔らかいお腹が肥大化していて、非常に豊富なたんぱく源となるためです。少数のクロアリの精鋭部隊が、シロアリの巣をまるごと壊滅させてしまうこともあります。
シロアリはアリと名前が付いていますが実際にはアリの仲間ではありません。分類的にはゴキブリの仲間だとされています。シロアリとクロアリは似たような群れをつくりますが、群れ同士の集団戦闘においてはクロアリの方が何枚も上手なのです。
上記のように、シロアリは生態系における最底辺に属する虫です。シロアリがコンクリートの下に逃げ込むのも、こうした過酷な環境から逃れるためなのかもしれません。コンクリート建築は、シロアリにとって身を守るのに適した有利な環境となるためです。
コンクリートはシロアリの生存に有利な環境だった!
クロアリを天敵に持ち、さらに紫外線にも弱いシロアリには、コンクリートの下が安全地帯となります。コンクリートの下であれば紫外線が届かず、天敵の黒アリも見かけることはないからです。
コンクリートの下は非常に暗いですが、シロアリは視力に頼らずに生活しているため問題ありません。またコンクリートは水を吸って保持する性質があるため、これも乾燥に弱いシロアリには有利にはたらきます。
多くの一軒家では、家の土台部分(基礎)をコンクリートで固めています。その下には、自然界から逃げ込んだシロアリの巣が出来上がっているかもしれません。定期的に床下を点検して、蟻道がつくられていないか確認しておきましょう。
シロアリはコンクリートを食べませんが、コンクリートの表面に蟻道を作って床下へ上ってくる可能性はゼロではないのです。
ベタ基礎でも油断は禁物!わずかな亀裂が侵入経路になることも
「ベタ基礎」とは、床下空間の底面全体をコンクリートで覆う施工方式のことです。床下が一切土に触れないため、シロアリに侵入されづらいとされています。確かにベタ基礎はシロアリが発生しにくい環境ですが、絶対にシロアリが入ってこないとは言い切れません。
ベタ基礎は底面をコンクリートで覆ったあと、立ち上がり面(床下空間の「壁」にあたる部分)を垂直に打ち継いだ構造になっています。底面と立ち上がり面の接合部には隙間ができることがあり、わずか0.6mmでも隙間があればシロアリは入り込めてしまうのです。
また、コンクリートの性質上どうしてもできてしまう「ひび」にも要注意です。コンクリートは時間が経つと収縮しひびが入ることがあり、シロアリがそのひびから侵入する場合があるのです。
床下空間が密封構造になっていても、時間の経過とともに隙間は生まれてしまうものなので、シロアリ対策はコンクリートのベタ基礎にも必要になります。
コンクリートの床下でもシロアリ予防は徹底しよう
シロアリはコンクリートの壁を掘り進むことができるうえ、わずかな隙間が出来ればそこから侵入してきてしまいます。そのため、床下がコンクリートで覆われていても、シロアリ対策を施しておかなければなりません。
床下のシロアリ対策として代表的なものを、以下にご紹介します。
①土壌処理
土壌にほどこすシロアリ予防は、土自体に駆除剤を散布していく方法と、コンクリートに穴をあけて駆除剤を流し込む方法があります。
土の表面に駆除剤を散布していく方法
土に駆除剤を撒く方法を行う際は、地下に薬剤が流失しないよう慎重に薬剤を床下の土の表面に散布していきます。大量に散布すればその分効果が上がるというものではないようです。
土間コンクリートに穴をあけて薬剤を流し込む方法
土間コンクリートの下部に穴をあけて駆除剤を注入します。確実に駆除剤が土壌にいきわたるように穴をあけなくてはいけないのと、土間の下にはガス管や水道管があるため、施工業者の技術が問われます。
②木材処理
柱の表面に薬剤を吹きかけたり、柱に穴をあけて薬剤を注入したりして、木材をシロアリに食べられないよう処理します。どちらの場合でも、効果のあるポイントを絞って散布しなければいけないので、技術と知識が必要になります。
③床下の調湿
床下に湿気がこもっているとシロアリが快適に暮らしてしまうので、乾燥した状態を保っておくい必要があります。木炭やウッドチップといった吸湿効果のあるものを床一面に敷き詰めるといった方法がお手軽かつ有効です。
上で挙げたシロアリ予防の対策は、床下に入って作業をする必要があり、個人でおこなうのは難しいかもしれません。大切な家の寿命に直結する対策ですから、信頼できるシロアリ駆除のプロに任せておくのがおすすめです。
まとめ
家の基礎をコンクリートで覆った施工方式の家でも、シロアリが地面から上ってくる可能性があります。シロアリがコンクリートを食べることはありませんが、コンクリートに穴をあけたり、わずかな隙間から侵入することができるためです。
シロアリにとってコンクリートの下は天敵や日光を防ぐ快適な環境です。そのため、鉄筋コンクリート造りの家であっても、シロアリに狙われにくいとは言い切れません。
大切な家の寿命をシロアリに削られないために、ベタ基礎の住宅でもシロアリ対策は徹底するようにしましょう。
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