洋風建築にも瓦が使われている?瓦の種類とその特徴を紹介します!

2021.4.30

洋風建築にも瓦が使われている?瓦の種類とその特徴を紹介します!

古くから日本の住宅の屋根葺き材として用いられてきた瓦。艶やかに黒光りする外観が美しい瓦は、ほかの屋根材が普及した今もなお根強い人気があります。

そんな、日本人の原風景ともいうべき落ち着いたデザインとして支持されている瓦ですが、一口に瓦といってもさまざまな種類があることをご存じでしょうか。

和風、洋風といったスタイルの違いがあるものから、まったく異なる形状をもつものまで、バリエーション豊かな瓦の種類を、本コラムでは幅広くご紹介いたします。

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瓦には和瓦(日本瓦)と洋瓦があります

「瓦」と聞くと日本住宅特有の屋根材というイメージをお持ちの方も多いかと思われます。実は、瓦を屋根に使っているのは日本だけではありません。ヨーロッパをはじめとした西洋でも、瓦は長寿命で耐久性のある屋根材として古くから使われてきました。

建築業界では、いわゆる日本風の瓦を「和瓦(日本瓦)」、ヨーロッパ風の瓦を「洋瓦」と呼び分けています。和瓦と洋瓦、両者の違いは一体何なのでしょうか?
次項からは、それぞれの瓦の種類と特徴、用途についてご紹介していきます。

      瓦には和瓦(日本瓦)と洋瓦があります

和瓦の種類と特徴

和瓦とは日本住宅に用いられることの多い、陶器でできた瓦のことです。
大きな特徴は黒光りする光沢のある外観で、これは陶器を焼き上げる際に釉薬(うわぐすり・陶器の表面を覆って耐久性を上げるコーティング剤)を塗ることで得られます。

光沢のない和瓦もあり、こちらは素焼きしたあと釉薬の代わりに煙でいぶすことで耐久性を強化しているため、「いぶし瓦」と呼ばれています。
高温多湿の日本では雨が多いため、表面は水を吸いにくく、雨水が瓦の上を流れて雨どいへと落ちていくよう滑らかな傾斜がつけられていることも特徴です。瓦自体の形状はS字に波打っており、無数の瓦を魚のウロコのように重ねて並べることで屋根を覆っています。

また、日本瓦には代表的な3つの生産地があり、それぞれ特徴の異なる瓦を生産しています。下記に、産地ごとの瓦の種類と特徴をまとめてみました。

・三州瓦
国内でトップシェアを誇る、愛知県三河地方で生産される瓦です。
高温で焼き上げられる瓦は陶器瓦、いぶし瓦ともに品質が高く、生産量も多いため全国に普及しています。国内のさまざまな環境に適した性質をもち、見た目の美しさも群を抜いているといわれています。

・石州瓦
島根県の西部で生産されている、国内シェア2位の瓦です。
三州瓦よりも高い温度で長時間焼き締められているため、凍結や潮風に強く、劣化しにくい特性をもっています。その特徴から、寒冷な地域や沿岸地域に向いているとされています。

・淡路瓦
兵庫県の淡路島で生産される瓦です。
淡路島で採れる瓦の原料は「なめ土」と呼ばれる粒子の細かい粘土で、なめ土を比較的低温で焼き上げることでつくられる瓦は、きめ細やかでやわらかな質感が特徴となります。

      和瓦の種類と特徴

洋瓦の種類と特徴

洋瓦は西洋風の建築に用いられることの多い瓦であり、色合いも和瓦とは異なります。和瓦が艶のある黒を基調としているのに対し、洋瓦は明るいオレンジや赤といったレンガのような風合いになります。

洋瓦は素材と形状によって大きく2つずつの種類に分かれています。それぞれの特徴を、下記にまとめました。

・粘土瓦
和瓦と同様に、粘土を素材として焼き上げた瓦です。レンガと同じように赤土を使うことが多く、焼き上がりもレンガ色になります。和瓦と同じく、50年近く品質を維持できる耐久性が魅力です。

・セメント瓦
コンクリートの原料でもあるセメントを使って焼き上げた瓦です。見た目は粘土瓦に似せてレンガ風につくられていることが多いです。粘土瓦よりも軽く、安価に生産できる点が魅力ですが、粘土瓦に比べると耐久性の面では不安があります。

・F型瓦(平板瓦)
F(フラット)型瓦と呼ばれるタイプの洋瓦は、おうとつや湾曲のないすっきりとしたデザインが特徴です。瓦の高さがおさえられるため強風に強く、屋根の外観がシャープになるため都会的で洗練された印象をもたれます。

・S型瓦
F型とは対照的に、大きく波打ったデザインになっている洋瓦です。洋風の歴史を感じさせるデザインによくマッチし、湾曲の作り出す美しい陰影が落ち着いた印象をかもしだします。波打った形状は瓦同士に広い隙間をつくるため、風通しがよく断熱性に優れている点も魅力です。

・混ぜ葺き仕様
瓦自体の種類とはすこし異なりますが、洋瓦は色合いが明るいため、色に変化をつけてグラデーションを演出するデザイン手法をとる場合があります。なかでも有名なのが、異なる色の洋瓦を並べていく「混ぜ葺き仕様」です。

混ぜ葺き仕様は、洋瓦を生産する際に意図的に焦げ付きや色ムラをつくり、瓦の配置に混ぜ込むことで、アクセントの効いた表情豊かな屋根をつくる手法です。スペイン風建築に多く使用されているため、お家のデザインにスペイン的な要素を入れたい際に検討してみてはいかがでしょうか。

瓦屋根リフォームは業者に依頼を!工期はどれくらい?

瓦は頑丈で長い寿命をもつことが特徴ですが、長く住むお家のことですから、いずれは屋根の葺き替えを行う必要がでてきます。
また、お家のデザインを変える一環として、屋根材を瓦に変えてみようと検討されることもあるかもしれません。

瓦は重量があり、屋根の上という高所で作業を行うには非常に危険があります。リフォームを行いたい場合は、プロの業者に工事を依頼するとよいでしょう。屋根リフォームの専門業者に工事を頼んだ場合、どの程度の工期でリフォームが可能なのか、工程ごとにかかる日数を下記にまとめてみました。

着工後、まずは高所作業を行う仮説の足場をくみ上げます。鉄パイプを使った簡単な仕組みの足場であれば、一般の住宅なら一日程度でくみ上げが可能です。

足場を組み終えたら、屋根リフォーム工事の本番です。既存の屋根が瓦屋根の場合、まず古い瓦をはがして撤去する作業が必要になります。古い瓦の撤去と搬出、新しい瓦の再設置にかかる工期は、屋根の広さや瓦の種類にもよりますが、大体1週間から10日程度です。

屋根瓦の葺き替えが終わったら、仮設の足場を解体して撤去していきます。組み立てと同じように、この作業にも一日程度かかります。

大まかな工程をまとめると、足場の組み立て、古い瓦の撤去、新しい瓦の設置、足場の解体です。総工期は一般的な住宅、かつ屋根の完全葺き替えを行う場合で、約2週間程度となります。

破損した屋根の修理など、緊急性を伴う工事が必要でないのであれば、2週間をめどにスケジュールを考えるとよいでしょう。

      瓦屋根リフォームは業者に依頼を!工期はどれくらい?

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まとめ

瓦は雨風に強く、50年から100年にもなる長い寿命に加え、デザイン面でも優秀な建材です。反面、瓦の種類によっては重量があるため住宅自体に負荷がかかり、地震や台風の際に剥がれ落ちて二次災害につながりかねないなど、明確なデメリットもあります。

デメリットをできるだけおさえるためにできることは、定期的なメンテナンスと劣化を改善するリフォームです。美しい瓦屋根を安全に長く使い続けるためにも、瓦屋根のリフォームをぜひ考えてみてください。

瓦工事を依頼できる業者や料金

依頼できる業者や料金について、詳しくは「生活110番」の「瓦工事」をご覧ください。

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