防水工事の平米単価4種!費用相場は防水工事の種類と工法で異なる

2021.4.30

防水工事の平米単価4種!費用相場は防水工事の種類と工法で異なる

防水工事には、「ウレタン防水・FRP防水・シート防水・アスファルト防水」の4種類があり、1平米あたりの費用相場としては7,000円ほどになっています。もちろん、防水工事ごとに平米単価は違うため、7,000円というのはあくまでも目安の料金です。

上記の費用相場は、弊社が調べた施工業者7社の平均金額で、防水工事の種類以外に工事をするときの工法や施工範囲によっても大きく変動します。そのため、業者を決めるうえで相場を知っておくことも大切ですが、もっとも重要なのは見積り内容を確認することです。

この記事では、4種類の防水工事ごとの単価相場と、見積りでチェックするべき4つのポイントをご紹介していきます。適正な料金で満足のゆく防水工事をしてもらうためにも、正しい業者の選び方を知っておきましょう。

※このあとご紹介する単価相場に関しても、弊社が調べた施工業者7社の平均となっています。

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防水工事の平米単価その1:ウレタン防水

【ウレタン防水の単価】

1平米あたり:約6,200円

ウレタン防水はウレタン樹脂を塗ることで防水層を作る防水工事で、密封性の高さが特徴です。ほかにも、4種類の中ではもっとも一般的な防水工事で、価格の安さと施行のしやすさが特徴となっています。

単価の異なる3つの工法

はじめにも少し触れましたが、どのような方法で防水工事をするかによっても費用相場は変動します。ウレタン防水の場合、「密着工法 < メッシュ工法 < 通気緩衝工法」という3つの工法があり、左から順番に料金が高くなっていきます。

料金が高い工法になるほど耐久性があがり寿命を延ばすことができるため、防水効果を重視して工事をおこないたい方はメッシュ工法や通気緩衝工法を選ぶのがよいでしょう。

・密着工法
下地に直接ウレタン樹脂を塗る工法です。ベランダなど狭くて作業のしにくい場所に向いています。また、塗料を塗るだけでよく軽量なため、建物自体にかかる負担が少ないです。

・メッシュ工法
下地の上にメッシュシートを入れたあと防水塗料を塗っていく工法です。基本的な工程は密着工法と変わりませんが、メッシュシートが入ることで強度があがり、地震などの揺れや衝撃に強くなります。

・通気緩衝工法
下地の上に通気緩衝シートと脱気筒を設置し、そのあと塗料を塗っていくのが通気緩衝工法です。通気緩衝シートと脱気筒を設置することで、水分や湿気を逃がすことができるため、防水層が劣化しにくくなります。ほかの工法に比べて大掛かりな作業になるため、単価も高くなるようです。

※通気緩衝シート:下地の伸縮などの動きを緩衝することで、防水性のひび割れといった破断を防止するシート
※脱気筒:防水層と下地の間の水分や湿気を逃がすための筒

防水工事の平米単価その2:FRP防水

【FRP防水の単価】

1平米あたり:約9,000円

近年注目されている比較的新しい防水工事がFRP防水です。“ガラス繊維強化プラスチック(FRP)”を使用しているため耐水性が強く、屋外で使用していても腐蝕・劣化・変色などがしにくいという特徴があります。

また、固まるのが早いため、1~2日あれば施工が完了します。こちらも軽量で強度があるため、車両の走行などにも耐えられるそうです。防水層の仕上がりも継ぎ目がなくきれいになるので、ベランダなど外から見える場所にこの工法を使う方も多くなっています。

トップコートの塗り替えが必要

FRP防水は、強度が高く丈夫な反面、伸縮性があまりなく紫外線に弱いです。そのため、ひび割れなどの劣化が起きやすく、トップコートによる防水層の保護が欠かせません。防水層を長持ちさせるためには、5年にいちどトップコートの塗り替えが必要で、ほかの防水工事に比べてメンテンナス費用がかかります。

防水工事の平米単価その3:シート防水

【シート防水の単価】

1平米あたり:約7,000円

シート防水は、防水性のあるシートを敷き詰める工事になります。塗料を使わないため、乾燥を待つ必要がなく工期が短いのが特徴です。シート防水に使われる素材には、塩ビシートゴムシートがあります。

塩ビシートのほうが単価は高くなるようですが、ゴムシートよりも耐久性に優れているため、塩ビシートを選ぶ方が多くなっているようです。また、防水層がシート状になるため、複雑で狭い場所の施工には向きません。屋根やベランダなど広い場所に向いている防水工事といえるでしょう。

単価の異なる2つの工法

シート防水の工事方法にも単価の異なるおもに2つの工法があります。雨風や紫外線のあたらない場所であれば、接着剤を使った密着工法でも問題ありません。

しかし、屋根やベランダのように耐久性も必要な場所なら、機械的固定工法がおすすめです。費用に関しては、ウレタン防水と同じように施工が簡単な密着工法のほうが安く、専用器具を使う機械的固定工法のほうが高くなります。

・密着工法
ウレタン防水と同じように接着剤で下地に直接貼り付ける工法です。機械的固定工法に比べて工期が短く耐風圧に優れています。ただ、下地に直接貼り付けるため、下地の影響を受けやすく劣化しやすい傾向があります。

・機械的固定工法
下地の上に絶縁シート(水分や湿気を逃がすためのシート)を設置することで、防水層の膨れを抑えられるのが機械的固定工法です。ウレタン防水の通気緩衝工法に似ていますが、脱気筒は設置しません。その代わりに、防水シートを固定するための専用器具の設置が必要となります。

防水工事の平米単価その4:アスファルト防水

【アスファルト防水の単価】

1平米あたり:約6,500円

アスファルト防水は、アスファルトルーフィング(板紙にアスファルトを染み込ませた防水層)を貼り重ねていく防水工事です。耐久性に優れており高い防水効果があります。広範囲でも施工しやすく耐久性に優れていることから、屋根や屋上に使われることが多くなっています。

ただ、アスファルトを使用しているため重量があり、建物への負担が大きく施工場所が限定されてしまうことがあります。また、施工のときにアスファルトを溶かす独特の臭いが発生するため、建物周辺の環境にも注意しなければなりません。

単価の異なる3つの工法

アスファルト防水にも3つの工法があり、それぞれ費用が異なっています。アスファルト防水では、熱工法・冷工法・トーチ工法という3つの施工方法があり、熱工法から順に必要な道具や工程が減っていきます。

そのため、それに比例して単価も「熱工法 > 冷工法 >トーチ工法」の順に安くなっていくようです。ただ、トーチ工法よりも熱工法のほうが5年ほど耐用年数が長くなっており、費用面だけでなく施工場所も考慮して工法を決めるのがよいでしょう。

・熱工法
熱工法は、加熱して溶かしたアスファルトを貼り付けていく施工方法です。熱工法は、昔から使われている施工方法で長い歴史があり、多くの業者でしっかりとしたノウハウが蓄積されています。

・冷工法
常温工法ともいわれる冷工法は、名前の通り熱を使用しない施工方法です。シート状になったアスファルトルーフィングシートに粘着層をコーティングすることで、熱を使わず貼り付けることができます。

アスファルトを溶かす必要がなくなったことで、臭いの発生を気にする必要がありません。さらに、アスファルトが溶けるほどの高温も使用しないため、安全面においても安心の工法です。

・トーチ工法
トーチバーナーでアスファルトコーティングされたルーフィングシートをあぶり、防水箇所に貼り付けていくのがトーチ工法になります。ほかの工法に比べて必要な設備が少なく、かかる費用が安くなっているようです。

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依頼する業者の決め手は「見積り」にある

ここまで防水工事ごとの単価相場をご紹介してきましたが、相場よりも安いという理由で依頼先を決めてしまうと、後悔することになるかもしれません。依頼する業者の決め手となるのは、費用よりも見積りの内訳にあります。

防水工事の費用を少しでも安く抑えて、かつミスのない作業をしてもらうためにも、見積りをもらったら、以下の4つのポイントを確認するようにしましょう。この4つのポイントを確認しておくことで、「思ったよりも高額だった」「作業に不備があった」という事態を回避できるかもしれません。

・見積り料金が相場と大きく違わないか?
・使用する材料の記載があるか?
・工法、工程の記載はあるか?
・保証についての記載はあるか?

見積り料金が相場と大きく違わないか?

見積りをもらったら、まずは記載されている料金を確認しましょう。そして、もし記載されている料金が相場と大きく違っている場合、その理由をしっかりと確認するようにしてください。

相場と比べてあまりにも見積り料金が安い場合、最低限の行程の記載しかなく、作業後に追加料金を請求されてしまうこともあるようです。逆に相場よりも高い場合には、そもそも基本料金が高い業者である可能性があります。

そのため、見積りの総額料金だけを確認するのではなく、なぜその料金になるのかという理由がとても重要です。少しでも疑問に思うところがあれば、納得できるまで確認するようにしましょう。

使用する材料の記載はあるか?

防水工事によって単価の異なる工法があるのと同じように、塗料やシートといった使用する材料にも種類があります。そして、塗料やシートなど使用する材料の種類によって特性が異なり、それにあわせて単価も変わってくるのです。

よほど悪質な業者でない限り心配はないでしょうが、ちゃんと適正価格になっているかを確認するためにも、記載されている材料と見積り料金とを比べてみましょう。もし不自然に高かったり、安かったりする材料があれば、一度業者に問い合わせておくと安心です。

工法・工程の記載はあるか?

防水工事には、防水層を作る以外に古くなった防水層の撤去・下地作り・防水層の施工といった、さまざまな作業が含まれています。そのため見積りには、どの工法・工程にいくらかかるのかが記載されていることが多いです。

もちろん施工する防水工事によって必要な工程の数に違いはありますが、以下の項目が記載されているかは確認しておくとよいでしょう。もし記載項目が少ない場合、業者によってまとめて記載していることもあるので、いちど細かな内訳を確認してみてください。

・高圧洗浄
・下地処理
・下地補修(下地に劣化がある場合のみ)
・発生材料処分費
・管理費
・諸経費(荷下ろし費など)
・足場代(必要な場合のみ)
・上記の項目にプラスして工法ごとの料金

保証についての記載はあるか?

業者を選ぶうえで、保証の有無も欠かせないチェックポイントです。すべての業者が見積りに記載しているわけではないため、場合によっては直接確認する必要があることを覚えておきましょう。

保証が充実した業者であれば、工事後すぐに不具合が起きたとしても、無料で修理(保証条件は業者ごとに異なる)してもらうことができます。また、より充実した保証を準備している業者は、それだけ防水工事に自信を持っているとも考えられるのです。

施工前の状態で単価は変わる?

防水工事の単価は、施工前に以下のような状態だと値段が高くなってしまうこともあるようです。

施工場所にものが多く散らかっている(屋上の配線なども含む)

ものが多く散らかっているようであれば、片付けておくようにしましょう。配線など仕方ない場合もありますが、なるべくきれいな状態にしておくほうが防水工事の費用が安くなるかもしれません。

すでに雨漏りしている

雨漏りしている状態で防水工事を依頼すると、まずは雨漏り修理が必要になるため、全体の工事費用が高くなります。だからといって雨漏りを放置したまま防水工事をおこなったとしても、工事のやり直しが必要になることもあるのです。そのため、すでに雨漏りしているような場合は、まず修理をおこない、そのあとに防水工事するようにしましょう。

複雑な地形をしている、屋上に上がる方法がない(足場代がかかるため)

複雑な地形で工事が難しくなる場合、また屋上や施工場所へ行く方法がない場合は、足場代がかかるために値段が高くなってしまう傾向があります。工事費以外の値段を書かないことで法外な値段を請求する業者もなかにはあるようなので、業者を選ぶ際には注意しましょう。

まとめ

各防水工事の単価は、1平米あたりウレタン防水が約6,200円、FRP防水が約9,000円、シート防水が約7,000円、アスファルト防水が約6,500円となっています。見積り料金が高いのか安いのかを見極めるためには、防水工事の単価相場を知っておくことは大切です。

しかし、防水工事を依頼する業者を決めるときは、費用面だけを気にするのではなく、見積りの内訳にも注目するようにしてください。見積りには、基本的にどの工法・工程にいくらかかるのかが記載されています。

そのため、もし不明瞭なところがあれば、そこを確認したうえで依頼する業者を決めるようにしてください。そうすることで、より安く満足のできる業者を見つけることができるでしょう。

生活110番では、防水工事を請け負っている業者のご紹介もおこなっています。「とにかく早く業者を見つけたい」「業者の探し方がわからない」という方は、ぜひ生活110番までご相談ください。24時間365日無料で受け付け対応しています。

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