
庭に芝生を張る際によく用いられているのが芝苗を張る方法ですが、ただ並べればよいわけではありません。目的に合った張り方を知れば、満足のいく芝張りがおこないやすくなるでしょう。
そこでこの記事では、目地張り・市松張り・べた張りといった種類ごとの特徴や、手順についてご紹介します。芝を張るための前準備についても触れていますので、「芝張りを失敗させたくない!」という方はぜひ参考にしてみてください。
目次
芝生の張り方は目地張り・市松張り・べた張りの3つが一般的
芝生の張り方には、複数の方法があります。なかでも一般的に使用されているのが目地張り・市松張り・べた張りの3つであり、それぞれにメリットやデメリットがあります。
目地張り
目地張りは、コスト面や仕上がりにかかる時間のバランスが取れている張り方です。芝苗どうしの隙間を2~5cmほどあけて、レンガ模様のようにずらした列を並べる張り方となっています。
このときにあけた隙間は目土をかぶせておくことで、芝を成長させたときに生えそろうようになるのです。使用する芝苗の量や生えそろうまでの期間が控えめなので、迷ったときにはこの張り方がおすすめです。
注意点としては、隙間を十字型に整列させないことが挙げられます。整列させてしまうと、後述する十文字張りという張り方になるのですが、この張り方は芝生が生えそろいにくくなるのでおすすめできません。
市松張り
芝張りにかかるコストを少なくしたいなら、市松張りがよいでしょう。こちらは市松模様とよばれる網目状に芝苗を張る方法で、地面と芝苗の部分が交互に並ぶ張り方です。目地張りよりも隙間を広くとって並べることから、使用する芝苗の量が少なくなり、かかるコストを抑えることができます。
ただし、芝生を市松張りすると、生えそろうまでの期間が目地張りよりも長くなることに気をつけてください。芝苗どうしの隙間が広いため、その部分を芝が埋めるのには時間がかかるのです。さらに、隙間に雑草が生えやすいことから、手入れの負担もほかの張り方より大きくなりやすいでしょう。
べた張り
できるだけ早く芝生を敷きたい方には、べた張りがおすすめです。ほかの隙間をあけて張る方法とは違い、芝の苗を隙間なく敷き詰める張り方となっています。これにより、芝苗どうしの隙間が少なくなりますので、生えそろうまでにかかる時間が短くなるのです。
デメリットとしては、ほかの張り方よりもコストがかかることです。べた張りは隙間なく敷き詰めますので、それだけ使用する芝苗の量も多くなってしまいます。前述の目地張りよりも、2~3割ほど多くの芝苗が必要になるので、資金に余裕がないのであればべた張りは控えるべきでしょう。
特殊な「筋張り」や間違った「十文字張り」という張り方もある
前述した3つの張り方以外にも、筋張り・十文字張りというものがあります。ただ、これらの張り方は特殊なので、特徴をよく知っておくとよいでしょう。
筋張り
筋張りは、目地張りにおける列どうしの隙間を大きく広げた張り方です。隙間の大きさにもよりますが、芝の列と地面の列が交互になるので必要な芝苗は少なめになります。ただ、この張り方は芝生を市松張りしたときと同様に、コストは安くすむものの生えそろうまでに時間がかかります。
一列に並べるという簡単な張り方なので、広大な場所や芝苗が安定しにくい場所で有効的です。たとえば、学校のグラウンドや、斜面などに芝を張るときに用いられることがあります。
十文字張り
十文字張りは、目地張りの隙間が十字型になるように並べる方法で、おすすめできない方法です。この張り方では、水やりや雨が降ったときに、隙間の目土が一直線に流されてしまいます。それにより、根を伸ばすための目土がなくなったり、芝苗がはがれたりなどのトラブルを引き起こすので、芝張りの際はこの張り方にならないように注意しましょう。
芝生を張る前に正しい手順をチェックしておこう
芝生にはさまざまな張り方がありますが、これらを正しくおこなえたとしても時期や整地、目土入れなどが適切でないと芝張りがうまくいかないことがあります。そのため、実際に作業する前に手順を確認して、芝張りを失敗するリスクを減らすとよいでしょう。
芝張り時期
芝張りをおこなう時期としては、3~6月ごろがおすすめです。春から夏の入りはじめは気温が適切であり、暑さで枯れたり寒さで成長が止まったりしにくい時期です。また、梅雨の時期も近いため、水やりの手間を省くことができるというメリットもあります。
ここでおすすめした時期以外でも芝張りは可能ですが、管理が難しいものとなっています。夏は乾燥や暑さから頻繁に水やりが必要であり、秋や冬では寒くなると休眠して成長が止まるため、暖かくなるまで芝の上を歩かないなどの配慮がいるのです。
整地方法
よい土壌であれば芝生は育ちやすくなりますので、芝を張る地面は整地しておきましょう。芝張りで邪魔になる石や雑草、異物などは取り除いておき、シャベルやスコップなどで地面を掘り返してやわらかくします。もし、土質が心配な場合は石灰や肥料をまいたり、芝生用の床土に入れ替えたりするとよいでしょう。
その後は、掘り返した地面をトンボなどで平らにならしていきます。このとき、排水口に向かって傾斜をつけておくと地表の水はけがよくなるので、芝生内の湿度を適度に保ちやすくなります。
目土入れ
目地張りや市松張りなどで芝張りをおこなったあとは、目土入れをおこないます。芝が横や地中へ根を伸ばせられるように、芝苗や並べたときにできた隙間へ目土をかぶせていくのです。
このとき、目土の量は葉が少し見えるぐらいにしておきましょう。芝苗が隠れるほどかぶせてしまうと、光合成が難しくなって成長しにくくなってしまうからです。芝苗の厚さにもよりますが、床土から5~8mmほどの高さで目土を入れると芝が根を張りやすくなるでしょう。
また、目土入れのあとには芝苗がずれないように踏み固めましょう。仕上げに、芝苗に水たまりができるぐらい水をたくさんまくことも忘れてはいけません。芝張りしはじめの根では地中から水分をとるのが難しいため、1か月ほどは毎日水やりをするとよいでしょう。
まとめ
芝生の張り方には、複数の方法があります。バランスの取れた目地張りやコストが安いものの生えそろうまでに時間がかかる市松張り、その逆の性質をもつべた張りが一般的な張り方です。このほかにも、特定の場所向けの筋張りや、間違った張り方である十文字張りなどがあります。
ご紹介したような方法で芝を張る前には、時期や整地、目土入れについても確認しておきましょう。3~6月ごろに作業を開始して、はじめは土をやわらかく整地します。整地して芝を並べたあとは目土入れをおこない、芝苗を踏み固めたり水をまいたりして成長を促すとよいです。
このように、芝張りではさまざまなことを考慮しないといけません。もし個人での作業が難しいと感じた場合は、芝張りを業者に任せるのもひとつの方法です。
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