
いつの間にか繁殖して広がっている雑草は、なかなか厄介です。なかでも、イネ科のネズミムギという雑草は農家をも困らせる存在であることをご存じでしょうか。
今回は要注意外来生物にも指定されているネズミムギの対策方法や、ネズミムギによる被害について紹介していきます。ネズミムギが日本に持ち込まれた経緯や、よく似た雑草についてもふれていきます。これを機にネズミムギに対する知識を深めて、対策してみてください。
目次
農家も苦しむネズミムギの対策
ネズミムギはほかの雑草に引けをとらないほど繁殖力が強く、対策方法に頭を悩ませている人も多いそうです。
繁殖する前に除草
ネズミムギは畑や河川敷、牧草地、アスファルトのすきまなど、場所を選ばずに繁殖します。とても繁殖力が強いので、一度生えるとあっという間に広がってしまう困りものです。
まだ、ネズミムギの被害が大きく広がっていなければ、早く抜いてしまうのが確実でしょう。しかし、農地など広大な土地を管理している場合、すべてのネズミムギを抜いたり、刈り取ったりするのはかなり大変な作業です。そのため、除草剤を使用するほうがこともあるでしょう。
茎葉処理型除草剤
茎葉処理型除草剤とは、その名の通り、茎や葉に直接かけて使用する液体タイプの除草剤です。茎や葉がのびてしまってから雑草を枯らすことができるうえに、比較的早く効果があらわれやすいのが特徴です。しかし、除草剤がかかっていない箇所には効果が期待できませんのでご注意ください。
また液体タイプのため、散布中に風の影響などで液体が周囲に飛んでしまうことがあります。そのため、周囲に育てている作物などがないか確認して、環境に配慮するようにしましょう。
土壌処理型除草剤
土壌処理型除草剤は、粒状の除草剤です。この除草剤は、茎や葉ではなく土にまいて除草剤の成分を吸収させたうえで雑草を枯らします。効果を発揮するまでにしばらく時間がかかりますが、同時に雑草の生えにくい土壌を作ることもできます。
ネズミムギは秋に発生したのち越冬して、初夏に花をつける植物です。そのため、まだネズミムギがのびていない時期に土壌処理型除草剤を使用して、雑草が生えにくい土づくりをするのがよいでしょう。
ネズミムギは放っておくとどんどん増えて、対策が困難になってしまうので、あらかじめ雑草が生えにくい環境を作っておくことも大切ですね。ほかの植物や作物を枯らしたくないから除草剤を使うのを迷っている人は、業者に相談してみるとよいかもしれません。
要注意外来生物!ネズミムギによる被害
ネズミムギはもともとヨーロッパが原産で、牧草などに用いられていました。しかし、今の日本では雑草として繁殖しているばかりでなく、花粉症や害虫などの被害にもつながっているようです。
花粉症
ネズミムギは公園や河川敷など、わたしたちの身近な場所にもたくさん生えています。5月~7月ごろにかけて、イネ科の花粉症に悩まされている人も多いのではないでしょうか。
ネズミムギもカモガヤなどと同じく、イネ科の花粉症に悩まされている人にとっては大敵です。初夏には花粉症対策をしっかりとおこないましょう。
在来種への影響
ネズミムギは農地などにも繁殖するため、作物として育てている麦の栄養を奪ってしまうおそれもあります。大切な作物と競合してしまうので、繁殖をおさえる必要があるのです。
もともと日本になかった外来種は、日本の生態系に悪影響を与えかねません。とくに、ネズミムギのような繁殖力が高い雑草は、ほかの植物と競合しても負けずに広がっていくので、早めに駆除することが大切なのです。
害虫
稲にとって、カメムシは害虫となる存在です。しかし、稲を育てている水田のそばにあるネズミムギは、カメムシの発生源となることが多いそうです。
カメムシにとって、ネズミムギは産卵や繁殖の絶好のポイントです。ネズミムギだけでも厄介な存在なのに、害虫まで呼び寄せるとなれば、早く駆除しなければなりません。
しかし、ネズミムギにはよく似た見た目の雑草がたくさんあります。また、間違って育てている麦を枯らしてしまう心配もあるのではないでしょうか。害虫を寄せ付けない環境づくりをしたいけれど、ほかの植物や作物への影響が不安な場合は、業者に相談してみることをおすすめします。
牧草として持ち込まれたネズミムギ
ネズミムギはもともと日本にはなかった雑草です。はじめは利用価値のある植物でしたが、どのようにして繁殖し、要注意外来生物にまでなってしまったのでしょうか。
飼料としての価値
ネズミムギは別名イタリアンライグラスとも呼ばれ、明治時代に牧草として利用するために日本に持ち込まれました。繁殖力が非常に高いことから、家畜の飼料として人気の雑草でした。
ほかにも、河川ののり面の侵食を防いだり、緑化したりする際などにも活用されていたようです。今では広がりすぎて厄介な存在となっているネズミムギにも、人の役に立っていた時代がありました。
拡大した経緯
今まで紹介してきたように、ネズミムギはとても繁殖力の高い雑草です。はじめは、牧草や緑化などのために植えられたネズミムギは次第に拡大していきました。
ネズミムギは日当たりがよく、温暖な場所が好きな雑草です。そのため、場所を選ばず、麦畑や水田などさまざまな場所に広がってしまいました。
さらに、何度も除草剤で対策していた結果、今まで使っていた除草剤の効果が薄れるなどの弊害もあらわれています。はじめは有効活用されていたネズミムギは、防除が追いつかないほどになってしまい、今では要注意外来生物に指定されています。
ネズミムギに似た雑草
ネズミムギと同じムギ科にはさまざまな雑草があります。なかでも、ネズミムギとよく似ていて見分けがつきにくい雑草について紹介します。
・カラスムギ
カラスムギはエンバクという栽培している麦に見た目が似ています。カラスムギは芒(のぎ)という種子をおおう部分が細長くなっているのが特徴です。カラスムギもネズミムギと同じく、麦作をおこなっている最中に発生する雑草です。そのため、防除するのが難しいとされています。
・ホソムギ
ネズミムギと同じく、ヨーロッパ生まれの雑草です。ネズミムギとホソムギは交雑することがあり、その場合はネズミホソムギという品種になるそうです。ネズミムギとの違いは、穂に芒がないことで判断できます。穂に実がまとまってついている姿が特徴的です。
・カモガヤ
カモガヤはイネ科の花粉症の中でもよく知られている存在です。カモガヤは多年草で、根を根絶しない限り、数年に渡って繁殖してしまいます。
カモガヤもかつては牧草として日本に持ち込まれましたが、いまではアレルギーの原因となるなど、被害を与えている雑草です。ネズミムギと同じく、畑や河原などに広く分布しているので、身近なところに生えてきたら早めに駆除するようにしましょう。
これらをはじめ、ネズミムギにはよく似た雑草がいろいろあります。また、ネズミムギとほかの雑草が交雑してできた雑種もあるので、ますます見分けはつきにくいのではないでしょうか。ネズミムギの駆除にあたって、見分けが難しいときには業者に依頼すると安心です。
まとめ
ネズミムギの繁殖力はとても高く、放置しておくと手の施しようがなくなるのも時間の問題です。すでに生えているネズミムギを早く枯らしたい場合には茎葉処理型除草剤を使ってみるとよさそうですね。今後、ネズミムギが生えにくい土づくりを目指している人は、土壌処理型除草剤をまいてみてはいかがでしょうか。
ネズミムギは場所を選ばず、農地の近くにもたくさん生えています。除草剤を使うとなると、作物への影響も心配です。ネズミムギの対策を安全におこないたい場合にも、業者に相談してみるとよいでしょう。業者を活用して、雑草の広がりをおさえられるとよいですね。
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